著者 : 額賀澪
駅伝×料理、ベストセラー小説待望の文庫化 陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた高3の眞家早馬(まいえそうま)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟・春馬、陸上部部長で親友の助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。 高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛……。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。 読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。 【編集担当からのおすすめ情報】 誰よりも何よりも駅伝が大好きな著者が心を込めて紡いだ青春小説です。息詰まる駅伝シーン。スポーツ小説の枠だけにとどまらない人間ドラマ。料理を通して感じる人の温もり。そして……。 現在青春まっただ中の世代にも、かつて青春だった世代にも、誰かのために料理を作っている世代にも、スポーツ観戦が大好きな方々にも、多くの方の心に感動を呼ぶこと間違いなし! また、巻末の文庫解説は、箱根駅伝のレジェンド、柏原竜二さん。主人公・早馬の気持ちを重ね合わせて、駅伝について、競技について、「諦める」という事について、心のこもった原稿を寄せてくださいました。 同時発売として、本作の続編とも言える単行本『タスキメシ 箱根』も刊行。再び駅伝の世界に戻った早馬の挑戦は、夢は叶うのか。熱涙、再び。 柏原竜二さんも絶賛のスポーツ小説の金字塔の2冊です! 目次 一、去る者 007 二、追う者 177 【解説】”諦めた”あとの景色 柏原竜二 325
「天才高校生作家誕生!」という触れ込みでデビューした榛名忍。第一作は二十万部も売れた。二〇二〇年のオリンピックが東京に決まった頃だ。だが、その後、大学生となった忍は思うような結果を残せず燻っていた。そんな折、学内のテレビで流れるリオ五輪ハイライト番組で、競歩の結果を目にする。独特な競技スタイルを不思議に思っていると、背後で男子学生が号泣していた。こいつは一体、なんなんだ!?その夜、忍は担当編集者から、次作は東京オリンピックに向けてスポーツ小説はどうか、と勧められ、思わず「競歩」と口にしてしまうー。青春のきらめきが迸る。スポーツ小説の新たな傑作がここに!
山間の街に住む高校生・相生あおい。進路を決める時期なのに大好きな音楽漬けの日々を送る。 そんな彼女を心配する姉・あかねの昔の恋人で、高校卒業後に上京したきりだった慎之介が、街に帰ってきた。 時を同じくして、あおいの前に、高校時代の姿のままの慎之介こと「しんの」が現れる! やがてあおいは、しんのに恋心を抱いていくが……。 一方、あかねと慎之介も13年ぶりに再会を果たす。 過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。
200%ピュアな恋愛小説、待望の文庫化! 夏休み中、交通事故に遭った古谷野真樹(高2)。命に別状はなかったが後遺症ですべての記憶を失った。新学期が始まり、現在では見知らぬ人ばかりになってしまった学校生活に復帰する古谷野。友人達は温かく迎えてくれるが妙な孤独感は否めない。 同じクラスで同じ写真部の生駒桂佑と春日まどかとの友情を支えに、古谷野の日常は戻りつつあった。そんなある日、文化祭の準備に明け暮れる高校で謎の落書き事件が勃発。当初、他愛ないいたずらかと思われていた落書きだったが、体育館の壁→クラス日誌→クラスの黒板→文化祭の公式Twitter、とどんどんエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも古谷野に向けられたメッセージのようだった。 最初はとまどっていたが、自分を取り戻す大切な秘密が隠されているのでは、と気づき、落書きの謎を追い始めた古谷野。その謎を追っていくうちに次々に見えてきてしまった親友の秘密。そして、最後の最後に見えてきた真相とは……。 疾走感のある文章に引っ張り込まれ、ラスト、驚きの展開が待っている。学園ミステリーの向こうに見えてくる切ない切ない想いが胸に迫る、極上の一冊。 【編集担当からのおすすめ情報】 切ない!とにかく切ない!そして、単行本発刊当時から話題となったラストの展開。こんなにピュアな恋愛小説があるでしょうか。そして、あらゆる意味で現代を表している……。 巻末、吉田大助さん(書評家)の解説原稿にはこうあります。 「この小説を読んだという記憶はきっと、自分自信の人間性を新しく作り替えていくための礎になる」 まさに、今、読むべき恋愛小説です!!! 目次 序章 その日、少年が失ったもの 1 メッセージ、もしくは 2 君の優しさの理由 3 彼と彼女と彼女の秘密 4 遠のく背中、遠回りする嘘 5 手の届かない数字 6 死んでしまえばよかったんだ 7 彼を二度も失うなんて 終章 その日、少年が取り戻したもの 解説 ミステリーのビートにのせて、愛についての物語を。 吉田大助
「私はあなたが好きです」 日本語の例文みたいな告白だった。彼に告白する言葉は、もっと別のものにするつもりだった。 十二年に一度の秘祭「潮祭」が開かれる夏。高校生の深冬は片想い相手の優弥とともに、彼の故郷・潮見島へ向かう。普通の大学生だと思っていた優弥は、皆から慕われる祭司という深冬の知らない顔を持っていた。そして島には、絶対にかなわない恋敵がいた。子供と大人、自由と伝統、恋と友情。見えない呪縛に囚われる少女がとった、すべてをぶち壊す選択とは? この夏、最も心を揺さぶる青春小説。 『潮風エスケープ』を改題。
互いの大切な人のため夜の歌舞伎町を奔走する。生きる道なんて誰にも選べない──。実は組長の娘だった彼女と、それでも一緒にいるために、俺は新米任侠になるしかなかった。監視役だと思 っていた不器用で無愛想な男は、気が付けばかけがえのない相棒になっていた。人間関係に悩み、生き方に迷い、時に悪意に翻弄されながらも、大切な人たちとともに、俺はこの道を歩み続ける。夜を駆ける二匹の獣の生き様に胸が熱くなる青春小説。
どの生徒にも慕われ、保護者対策もぬかりない、同僚にも羨望の眼差しを送られる有能教師の菅野。しかし、彼の内心に はいつも虚しいものが渦巻いていた。自分には、教師に必要な他人への共感や思い入れが全く存在しない。それなの に天性の要領の良さだけで周りをたらし込み、日々を凌いでいるのだ。そんな彼の前にかつての同級生の幽霊、イシイカ ナコが現れる。「ねえ、イシイカナコの「人生やり直し事業」に参加しない?」--そして菅野は、17歳の自分が生きる時 間軸へと飛ばされた。ただし、菅野本人ではなく、同級生の依田として。 イシイカナコの手違いに怒り狂う菅野(依田)だが、なんとか高校生の自分を説得して進路を変えさせようと試み始める。し かし、同じクラスには生前の石井可奈子がおり、幽霊のカナコには何やら別の思惑があるようで……。 屈託を抱えた大人のためのほろ苦く、やがてあたたかい「二度目の成長」ストーリー。 プロローグ 〜爽やか教師は遅れてやって来る〜 第一話 イシイカナコはやり直す 第二話 塩原雪乃は告白する 第三話 細谷宏一は甘酸っぱい 第四話 菅野京平は痛感する 第五話 石井可奈子はもういない 第六話 イシイカナコが笑うなら エピローグ〜「ねえ、せんせ」〜
化けて、笑って、恋をしてケモノたちの青春物語。男子大学生のふりをして気ままに生きるオスの三毛猫・谷中千歳は恋に落ちた。人間(ドーナツ屋さん)の女の子・愛宕椿と。正体を明かせず悩む千歳……けれども椿の秘密の方がもっとすごかった。なんと彼女は歌舞伎町の任侠団体の組長の娘、しかも……!? お互いに秘密を抱えた奇妙なカップルが、運命に翻弄されながらも、自分らしい生き方を選びとる。恋人たちの青春ストーリー。
かつては全国大会連続金賞、その象徴的存在としてマスコミにも頻繁に取り上げられた黄金時代を持つ、名門高校吹奏楽部。子供の頃に演奏会で魅了された幼馴染の茶園基(ちゃえん・もとき)と鳴神玲於奈(なるかみ・れおな)は入部したものの、現在の吹奏楽部にかつての栄光は見る影もない。そこへ突然、黄金時代の部長だったレジェンド・不破瑛太郎(ふわ・えいたろう)がコーチとして戻ってきて、一年生の基を部長に任命した。 部に渦巻く嫉妬とプライド、大学受験のプレッシャー、才能への不安と選抜オーディションの恐怖。一年生部長を擁する名門吹奏楽部は今年、全国大会開催の地・名古屋への切符を手にする事ができるのか。 「高校時代が一番輝いてた、なんて言う大人にはなるなよ」--コーチとして部活の真剣な舞台に戻ってきた瑛太郎は高校生との時間に何を見つけられるのか。 悔いのない高校生活とは。部活動にすべてを賭ける「今」は、どんな未来へと繋がっているのか。青春小説の名手・額賀澪が紡ぎだすリアルで美しい言葉たちが奔流のごとくあふれ出し、高校時代の輝きを懐かしむ全ての大人たち、部活動に青春をささげる中高生の胸に突き刺さる! 涙腺決壊の王道青春エンタメ小説!
美大に入学したての友親は、知り合った先輩の若菜と親交を深めるうちに、自らの中にある問題に向き合うことになる。一方、若菜も心に傷と秘密を抱えていて…。友親の前に現れた少女・恭子は何か知っているのか。かつての悲恋、家族との軋轢、才能への渇望と絶望ー若者の痛みとその再生を描く青春小説。
村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都ーー 当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作! 「彼女」は敵か味方か……微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが 描きだす逸品ぞろいの短編小説アンソロジー。 コワくて切なくて愛しい物語の世界を、ぜひご堪能ください。
たくさんのものを失って、僕らはだんだん逞しくなる。若き俊英が描く、苦悩と成長の青春ストーリー!経営難で閉校が噂される武蔵映像大学で、卒業制作のドラマ映画を撮れるのは、たった一人。監督志望の安原と北川は、コンペでガチンコ勝負することに。天然の安原と、策士の北川。撮影は、前途多難の幕開けとなったがーー。さまざまな喪失を経て傷つきながら、彼らが手にしたものとは? たくさんのものを失って、 僕らはだんだん逞しくなる。 若き俊英が描く、苦悩と成長の青春ドラマ! 経営難で閉校が噂される武蔵映像大学で、卒業制作のドラマ映画を撮れるのは、たった一人。監督志望の安原と北川は、コンペでガチンコ勝負することに。天然の安原と、策士の北川。撮影は、前途多難の幕開けとなったがーー。 さまざまな喪失を経て傷つきながら、彼らが手にしたものとは。 瑞々しく輝く青春ストーリー!
青春小説の旗手デビュー作、待望の文庫化! 深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。 田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。 地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。 誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。 【編集担当からのおすすめ情報】 額賀澪さんの鮮烈なデビュー作が待望の文庫化。今回、この文庫化のために巻末には<文庫特別番外編>として、本編エンディングから約10ヶ月後の日都子と冬希の特別エピソードを書き下ろしていただきました。 高校一年生の最後、3月の修学旅行。そこでの、心がほっこりする珠玉の短編です。その後の日都子がどんな高校生活を送っているのか、冬希はどうなったのか。どうぞ、お楽しみください。 目次 1 ヒトリコと『アメイジング・グレイス』 2 ヒトリコと『心の瞳』 3 ヒトリコと『遺作』 4 ヒトリコと『怪獣のバラード』 <文庫特別番外編>ヒトリコと『想い出がいっぱい』
青春小説の旗手が挑む、アタラシイ家族小説 松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を前にしたある日、父親から見たこともない預金通帳を手渡される。父親の様子から、今までまったく知り得なかった人物が自分の為に大金を振り込んでいたことに感づいたが、親戚づきあいもない周作には全く心当たりがない。謎を知る唯一の人物、父親はその後脳梗塞で倒れ、昏睡状態のままだ。その人物が誰なのかを突きとめるうち、初めて、父親のこと、自身のことを全く知らなかった自分に気づき、愕然とする。 大金を自分のために用意した人物を探し始めたことにより、次々とわかっていく父親と自分の過去。そして、自分達親子が、25年前に起こったある傷害致死事件の被害者家族だとわかる。その被害者は、自分の母だった。そして、その加害者は、18歳の少年だった・・・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 ある一冊の通帳の話をしていたとき、血のつながり、家族、といった話題へと話はふくらみ、そこからこの小説は始まりました。とある一冊の通帳。そこには、過去だけではない<何か>で繋がっていたい、という熱い想いがあるのではないだろうか。色々なものが変化してきている現代、<家族>というものも、カタチを変えてきているのではないだろうか。 青春小説の旗手として、人気も実力も兼ね備えた著者が、今回は敢えて「青春小説ではない、新しいもの」に挑戦しました。旧くて新しい、イマの家族小説を、どうぞご堪能ください。 「ウズタマ」目次 序章 悪魔が彼の耳元で囁いた 第一章 今度こそ涙を流してしまう 第二章 自分ではない誰かの、声がほしい 第三章 謝らないといけないんだ 第四章 俺に復讐しに来たか? 第五章 ウズラの卵は、ないからな 第六章 血と水が入り混じった時間 終章 なんとなく、わかるでしょ
ひとりぼっちの高校生活を送る引っ込み思案の少女・志音。くじ引きで吹奏楽部部長となった大志。屋上でドラムのバチを手にリズムを刻む志音を見た大志は思わず部活に勧誘する。大志との二人きりの演奏を通して人と一緒に演じる楽しさを知った志音は入部を決意する。その夢は大きく「東日本大会」出場!
心に突き刺さる、200%ピュアな恋愛小説 夏休み中交通事故に遭い自転車ごと湖に転落した古谷野真樹(高2)。命に別状はなかったが後遺症ですべての記憶を失った。新学期が始まり、現在では見知らぬ人ばかりになってしまったクラス、写真部に復帰する真樹。友人達は温かく迎えてくれるが妙な孤独感は否めない。 同じクラスであり、同じ写真部でもある生駒桂佑と春日まどかとの友情を支えに、真樹の日常は戻りつつあった。そんなある日、文化祭の準備に明け暮れる高校で謎の落書き事件が勃発。最初は他愛ないいたずらかと思われていた落書きだったが、体育館の壁→クラス日誌→クラスの黒板→文化祭の公式Twitter、とどんどんエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも真樹に向けられたメッセージのようだった。 当初、まったく理由がわからずとまどっていたが、自分を取り戻す大切な秘密が隠されているのでは、と気づき、落書きの謎を追い始めた真樹。その謎を追っていくうちに次々に見えてきてしまった親友の秘密。そして、最後の最後に見えてきた真相とは・・・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 青春小説の旗手として、新進作家の筆頭として、確実にファンを増やし続ける額賀澪さんが今回挑んだのは、学園ミステリーをスパイスに効かせた青春片恋小説。「切ない恋愛小説を書いてください」とのリクエストに上がってきた原稿。読み進む手が止まりませんでした。最後の最後、思わず叫んでしまうほどの驚きの結末。そして、青春ならではの熱と心を打つ純粋さ。 最後まで読んだら、またもう一度、読み返したくなるはずです。 ラストは決して人に言わないでください。 君はレフティ 目次 1 男子高校生が軽乗用車にはねられる事故がありました。 2 あんた、何か悪いこと考えてない? 3 この女たらし 4 誰だって、秘密にしておきたいことがあるもの 5 彼は、どんな気持ちで黒板をみていたのだろう 6 好きに使えば 7 死ねばいいのに 8 それを覚えてたらそもそもこんなことにはならなかっただろ 9 俺の誇りなんだと思うことにする
24歳松本清張賞作家が描ききる「自由への逃走」 美大の一年生・友親の危機を救ってくれた優しいイケメンの先輩。彼の過去に触れ、自らの生き辛さを自覚するがーー青春長編!
駅伝×料理男子。熱涙間違いなしの青春小説 陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた眞家早馬(まいえそうま・高3)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟春馬、陸上部部長の親友助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。 高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛・・・。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。 読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。 【編集担当からのおすすめ情報】 誰よりも何よりも駅伝が大好きな著者が心を込めて紡いだ青春小説です。息詰まる駅伝シーン。スポーツ小説の枠だけにとどまらない人間ドラマ。料理を通して感じる人の温もり。そして・・・・。 現在青春まっただ中の世代にも、かつて青春だった世代にも、誰かのために料理を作っている世代にも、スポーツ観戦が大好きな方々にも、多くの方の心に感動を呼ぶこと間違いなし! 2作同時デビュー作で話題を呼び、早くも青春小説の旗手と歌われる著者のすべてが詰まった、青春小説の傑作誕生です。
「みんなとつながることができない」私立中学の三年生・給前志音(きゅうぜん・しおん)。これまで勉強やスポーツ、そして人間関係さえも唯一の友達・青山瑠璃に頼り切って生きてきたが、離れて暮らしていた父との再会をきっかけに、あえて友達がひとりもいない県立高校への進学を決意。しかし志音の父はその後、過労が原因で急死ーー。父の遺品の中からドラムと「志音、大志を抱け」と書かれた日記を見つけた志音は、ひとりドラムの練習を始める。 県立高校入学後、学校の屋上でドラム(エアで)の練習をしていた志音は吹奏楽部の部長・日向寺大志(ひゅうがじ・たいし)から入部を誘われる。一度は入部を断った志音だったが、大志の強い誘いと「何かが変わるかもしれない」という予感で入部する。いっぽうの大志は、実は過去の部活運営での失敗を抱え、その傷を乗り越えられないままでいた(部長になったのも実はくじびきの結果!)。志音の出現は「何か」を変えるのか? やがて二人と部員たちは吹奏楽部の東日本大会出場をめざして厳しい練習の日々を過ごすようになる。そして地区大会の日がやってきてーー。 決して小さくはない過去の傷や挫折を抱えながら、懸命に吹奏楽に打ち込む少女と少年の奮闘の姿を爽やかに描いた第22回松本清張賞受賞作。松本清張賞に新しい「風」を吹き込む部活小説の傑作です!
小学館文庫小説賞松本清張賞W受賞の快挙! 深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。 田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。 地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。 誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。 【編集担当からのおすすめ情報】 全くの新人作家の方がほぼ同時期に2つの新人発掘の大賞を受賞することは、いまだかつてないことです。最終候補作に残っている、という連絡は奇しくも同じ日だったとのこと。2015年4月頭に第16回小学館文庫小説賞受賞決定、その直後に第22回松本清張賞も受賞。 これを記念して出版社の枠を飛び越え、二つの受賞作品をダブルデビュー作として刊行することになりました。この彗星のように現れた新しい才能のきらめきを、是非お確かめください。