ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
誰もが羨む美貌の少女、野朱。何不自由なく暮らしてきた彼女が、ある老婆との出会いをきっかけに、一夜にして醜い老女へと変貌してしまう。自身の外見の魅力のみをよすがに生きてきた女の目に映った、その後の世界とは。そして知った、この世で一番大切なものとはー。女の業と愛、そして本当の幸せとは何かを描いた、新感覚時代小説、ここに誕生!
ユダヤ人虐殺という任務を与えられ、北の大地で生涯消せぬ汚名を背負ったアルベルト。救済を求めながら死にゆく兵の前でただ立ち尽くしていた、マティアス。激戦が続くイタリアで、彼らは道行きを共にすることに。聖都ヴァチカンにて二人を待ち受ける“奇跡”とは。廃墟と化した祖国に響きわたるのは、死者たちの昏き詠唱か、明日への希望を織り込めた聖歌かーー。慟哭の完結編。
霜田アヤは、二児の母なのに大のなきむし。夫の哲也は、そんな頼りないアヤをいつも守ってくれていた。ところが哲也は一年間の単身赴任となって、アヤは期間限定のシングルマザーに。そこに現れたのは幼なじみの健。バツイチで娘を育てる健は、夫の不在や厄介なママ友に悩むアヤを何かと助けてくれて…。子供と一緒に育つママの奮闘を描く、共感度満点の愛すべきホームコメディ!
小説家の私は、末娘の問題行動を機に、半年ほどセラピストとの対話を続けていた。よき母親を目指してきたが、家族との不協和音に自身の精神状態も追い詰められていた。夫婦の再和合を目的に、南国の地へ旅に出かけるものの、その旅先で夫と問答してしまう私。セラピストとの会話を反芻し、現地の男とのエロティックな対話や経るうち、家庭内の問題や、自身が抱える心の闇の根源に気づくが…。妻、母、そしてひとりの女として「性」と向き合い、既成の価値感から自己を解放していく姿を大胆に描いた革新的小説!
「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校まではごく地味。短大時代に恐るべき能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、店員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまといーー。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!
自分をつぶそうとする警察官が麦秋だと知った勲は衝撃を受ける。翔は麦秋の関東着船組への恨みに気づき、その思いを利用して藤田を足抜けさせようとするが……。それぞれの秘密が徐々に明かされるノベライズ第二弾!
高一の涼太は、期末試験の朝、女の子に畑のトマトをぶつけられて遅刻する。仙台からの転校生で複雑な事情を抱えていそうな彼女・久野ちゃんが気になる涼太だが…。青春初恋物語!(解説/高田亮)
広島県因島でトラック運転手をしながら、小学生の息子二人を育てるバツイチ41歳の寺谷和章は、ある夜、交通事故に見舞われ、目の前に現れた謎の天使に“思いのままに飛んでいく魔球”を授かる。“プロ野球選手になって、カープを日本一にするー”子どもの頃に思い描き、いつしか諦めていたその夢を叶えようと、和章は広島カープの入団テストを受けに行くが…。家族とそれを取り巻く人間模様を通して、男の選択と生き様を描く興奮と感動の長編エンターテインメント小説。
悪漢に屋敷を荒らされた深室家は目付に不始末を厳しく追及される。将軍家綱のお髷番にして寵臣深室賢治郎は窮地に陥るが、老中阿部忠秋の計らいで難を逃れた。これに業を煮やしたのは賢治郎失墜を謀る異母兄松平主馬。冷酷無比な刺客を差し向け、魔手は許婚の三弥にも伸びる。進退窮まった賢治郎。そのとき家綱がついに動いた。権益を巡る傑物たちの攻防。大好評シリーズ、圧巻の完結!
江戸日本橋の小児医者・宇田川三哲は、いつも昼過ぎまで寝ているので「ねぼけ医者」と呼ばれ、身分違いの恋に悩む男。また、無眼流の遣い手であり、夜になると御庭番の助っ人として非情の剣を振るう。御庭番と、幕政の混乱を狙う尾張藩が江戸に送り込んだ御土居下同心との壮絶な闘いの行方は!?無眼流の奥義に潜む妖魔とは!?
老舗古書店「東亰バンドワゴン」を営む堀田家の人気シリーズ第8弾。青の出生の秘密や、紺と亜美の出会い、研人とメリーの小さな恋物語など、隠れたエピソード満載の短編集。(解説/啓文社 三島政幸)
エベール派に続き、デムーランやダントンら旧くからの盟友も、断頭台に送ろうとするロベスピエール。夫デムーランの助命を乞うリュシルに、ロベスピエールが口にした想いとは……。(解説/重里徹也)
見知らぬアタッシェケースを預けられた男、自殺と断定された妻を殺害したのは自分だと主張する夫など、日常がふいに歪む瞬間を1600字で切り取った、芥川賞作家初の掌編小説集。(解説/中村文則)
母親を自分が通う学校の教師に殺された真裕子は、大学を卒業後、親元を離れる。一方、父親が加害者となった大輔と絵里は、その事を知らずに長崎の祖父母のもとで生活を送っていた。また、事件を取材した新聞記者の建部は長崎に転勤となり、そこで新たな殺人事件に接していた。-運命が変わったあの日から7年。事件に関わる人間の姿を、熟練の筆で描く大作。
天才刀工、波乱の生涯 「この刀はおれです。おれのこころです。折れず、撓まず、どこまでも斬れる。そうありたいと願って鍛えたんだ」信州小諸藩赤岩村に生まれた山浦正行、のちの源清麿は、九つ上の兄真雄の影響で作刀の道にのめりこむ。隣村の長岡家に十八歳で婿に入るが、刀に対する熱情は妻子をおろそかにさせるほどたぎるのだった……。幕末最後の天才刀鍛冶、その波乱の生涯を描く!
吉原で開業する医師・宇田川光蘭。腕に遠島の刺青があり、専ら遊女の医者として生活する変わり者だ。吉原界隈で起こる事件の探索を手伝い、時には裏で奉行所に代わって悪を『捌く』。忍者だった父の死の謎を解き明かし、ひそかに想いを寄せ続けている加賀藩の姫に一目会うため、光蘭は忍者修行を再開する。時代が幕末へと動き出す中で、吉原のはぐれ医者が“光”を求めて闇を斬り裂く。気鋭の著者が放つ、渾身シリーズ第2弾!
旗本の次男坊の仁之助は、とある不祥事のせいで婚家を追い出される。彼は流れ流れて辿り着いた品川宿の「悪人町」で、「奇策屋」の看板を掲げる“おとこ名の美女”宗次郎と出会い、怪しげな仕事を手伝うが……!?