ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
広島県因島でトラック運転手をしながら、小学生の息子二人を育てるバツイチ41歳の寺谷和章は、ある夜、交通事故に見舞われ、目の前に現れた謎の天使に“思いのままに飛んでいく魔球”を授かる。“プロ野球選手になって、カープを日本一にするー”子どもの頃に思い描き、いつしか諦めていたその夢を叶えようと、和章は広島カープの入団テストを受けに行くが…。家族とそれを取り巻く人間模様を通して、男の選択と生き様を描く興奮と感動の長編エンターテインメント小説。
悪漢に屋敷を荒らされた深室家は目付に不始末を厳しく追及される。将軍家綱のお髷番にして寵臣深室賢治郎は窮地に陥るが、老中阿部忠秋の計らいで難を逃れた。これに業を煮やしたのは賢治郎失墜を謀る異母兄松平主馬。冷酷無比な刺客を差し向け、魔手は許婚の三弥にも伸びる。進退窮まった賢治郎。そのとき家綱がついに動いた。権益を巡る傑物たちの攻防。大好評シリーズ、圧巻の完結!
江戸日本橋の小児医者・宇田川三哲は、いつも昼過ぎまで寝ているので「ねぼけ医者」と呼ばれ、身分違いの恋に悩む男。また、無眼流の遣い手であり、夜になると御庭番の助っ人として非情の剣を振るう。御庭番と、幕政の混乱を狙う尾張藩が江戸に送り込んだ御土居下同心との壮絶な闘いの行方は!?無眼流の奥義に潜む妖魔とは!?
老舗古書店「東亰バンドワゴン」を営む堀田家の人気シリーズ第8弾。青の出生の秘密や、紺と亜美の出会い、研人とメリーの小さな恋物語など、隠れたエピソード満載の短編集。(解説/啓文社 三島政幸)
ジャコバン派の独裁を完成させるべく、エベール派を処刑したロベスピエールは、革命当初からの盟友・デムーランやダントンらをも断頭台へ送ろうとする。デムーランの妻リュシルは、逮捕された夫を救おうとロベスピエールに哀訴するが、彼の口から思いもかけない激しい言葉が吐き出されー。共に理想を追い闘ってきた男たちの道は、どこで分かたれてしまったのか。非情なる別れ、慟哭の第17巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。
自殺と断定された妻を、自分が殺害したと主張する男。夫の浮気相手たちを殺す計画を立てる貞淑な妻。育児疲れの女に若い頃の自分を重ねる老婆。会社帰りに立ち寄ったバーで悪魔と隣合わせになった男。愚かで愛らしいその人々は、あなたのすぐ近くに存在するかもしれないー。何気ない日常生活が些細なことで歪みはじめる瞬間を、ブラックユーモアたっぷりに切り取った38編の掌編小説集。
母親を自分が通う学校の教師に殺された真裕子は、大学を卒業後、親元を離れる。一方、父親が加害者となった大輔と絵里は、その事を知らずに長崎の祖父母のもとで生活を送っていた。また、事件を取材した新聞記者の建部は長崎に転勤となり、そこで新たな殺人事件に接していた。-運命が変わったあの日から7年。事件に関わる人間の姿を、熟練の筆で描く大作。
信州小諸藩赤岩村に生まれた山浦正行、のちの源清麿は、九つ上の兄真雄の影響で作刀の道にのめりこむ。隣村の長岡家に十八歳で婿に入るが、刀に対する熱情は妻子をおろそかにさせるほどたぎるのだった…。幕末最後の天才刀鍛冶、その波乱の生涯を描く!
吉原で開業する医師・宇田川光蘭。腕に遠島の刺青があり、専ら遊女の医者として生活する変わり者だ。吉原界隈で起こる事件の探索を手伝い、時には裏で奉行所に代わって悪を『捌く』。忍者だった父の死の謎を解き明かし、ひそかに想いを寄せ続けている加賀藩の姫に一目会うため、光蘭は忍者修行を再開する。時代が幕末へと動き出す中で、吉原のはぐれ医者が“光”を求めて闇を斬り裂く。気鋭の著者が放つ、渾身シリーズ第2弾!
旗本の次男坊・仁之助は、とある不祥事のせいでお役を解かれ、さらには婚家を追い出されてしまう。流れ流れて仁之助、辿り着いたは品川宿の、“悪人町”で“奇策屋”の看板を掲げる“男名前の美女”宗次郎と出会い、怪しげな仕事を手伝うはめになるが…!?素浪人・仁之助と、悪い奴らに“奇策”を売って暮らす宗次郎との、奇妙奇天烈な生活が始まった!悪党は怒り小悪党は笑う、人情味溢れる時代小説登場!!
吉原の代筆人として遊女のために恋文を綴る雪乃は、角町の貞女という遊女から、十両もの大金をある所に送ってほしいと頼まれる。お金にかかわることを家人に禁じられていた雪乃だったが、貞女の涙に心を動かされ、引き受けることに。だが、二日後貞女が足抜けの末、何者かに殺されたとの知らせがー。一方、太神楽の舞姫を表の貌とする、くノ一の丸山は、貞女の死の背後にある陰謀を探ろうとしていた…。書き下ろし長篇。
負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームが行われている地下賭博場のルールは、持ち金がなくなったら自分の臓器を賭け金代わりにするというもの。男はすでに賭け金だけでなく臓器を4つもとられ、監禁状態に置かれていた。金と臓器を取り戻すため賭場に乗り込んだ古賀だったが、そこには大きな落とし穴が…。日本ミステリー文学大賞新人賞に輝いた著者が描くノンストップ・ギャンブル小説!
19世紀末・英国。ロンドン郊外の静かな町で、貸本屋“千夜一夜”を営むサラとアルフレッド兄妹。とある事情から侯爵家の生まれという身分を隠して暮らしているふたりだったが、店にはとっておきの一冊を求めて今日もたくさんの客がやってくる。そんなある日、「探してほしい本がある」という貴族の兄弟が店をおとずれて…。ヴィクトリアン文学ミステリー!!
公安委員会に加入したロベスピエールは、共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠であるとして、いっそう強力に恐怖政治を推し進めていた。一方、激しい政争の末、劣勢に追い込まれたエベール派は、公安委員会を倒すべく蜂起を企てるが、あえなく失敗。行く手には革命広場の断頭台がー。革命は理想郷を実現できるのか。苛烈さを増す、第16巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。
京人形に仕込まれた爆弾による殺人事件が東京と京都で起きた。警視庁と京都府警の合同捜査が始まり、十津川警部は人形師・京屋一太郎を重要参考人として指名手配した。しかし、京屋一太郎は来日中のカナダ副首相夫人を誘拐し、名所旧跡の無差別爆破予告と京都の景観改善を要求する脅迫状を京都市長に送ってきた。難事件解決に十津川警部が動いた。
ふとした縁で航空券を手にし、忘れられぬ表情、言葉、情景を心に刻みこまれてしまう三つの旅ー亡母の知己である未知の台湾男性に会いに行く美雨。北京初の女性誌創刊のため、真冬に春服の撮影を決行する夏美。駐在先の住居探しで上海を彷徨う亜矢子。芭蕉派にも「旅は読む」派にも旅時間を満喫させてくれる中編集。
世に名将・名参謀と呼ばれる人物は数多いが、名補佐役はきわめて少ないー。激動の戦国時代、尾張の貧しい農民の出でありながら、野心家の兄・秀吉を天下人たらしめ、自らも“大和大納言”と呼ばれるまでにのぼりつめた男・豊臣秀長。卓越した実務能力と抜群の調整力、非凡な統治能力で、脆弱な豊臣家の体制を支え続けた、日本史上屈指のナンバー2と呼ばれる男の生涯を丹念に描く歴史巨編。
若き医師・一ノ瀬希世は、伊豆諸島の小さな島の診療所に赴任してきた。人口四百人弱の同地には、健康増進運動が浸透している。住民たちは皆いきいきと暮らしており、長患いする者もいないという。だが、その運動に関心を抱いていた旧友の女性新聞記者が突然失踪。希世は不審な死や陰鬱な事件に次第に包囲されてゆく。この島で、一体何が起きているのかー。戦慄の医療サスペンス。