ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
19世紀末・英国。ロンドン郊外の静かな町で貸本屋《千夜一夜》を営む サラとアルフレッド兄妹。とある事情から侯爵家の生まれという身分を隠して暮らしているふたりだったが、店にはとっておきの一冊を求めて 今日もたくさんの客がやってくる。そんなある日「探してほしい本がある」という貴族の兄弟が店をおとずれて…。ヴィクトリアン文学ミステ リ!!
革命政府の力は徳であり、かつまた恐怖なのだとして、恐怖政治を推し進めるロベスピエール率いるジャコバン派。対するエベール派は、恐怖政治の中核たる公安委員会を倒そうと蜂起を試みるが…。(解説/細谷正充)
京人形に仕込まれた爆弾による殺人事件が東京と京都で起きた。警視庁と京都府警の合同捜査が始まり、十津川警部は人形師・京屋一太郎を重要参考人として指名手配した。しかし、京屋一太郎は来日中のカナダ副首相夫人を誘拐し、名所旧跡の無差別爆破予告と京都の景観改善を要求する脅迫状を京都市長に送ってきた。難事件解決に十津川警部が動いた。
ふとした縁で航空券を手にし、忘れられぬ表情、言葉、情景を心に刻みこまれてしまう三つの旅ー亡母の知己である未知の台湾男性に会いに行く美雨。北京初の女性誌創刊のため、真冬に春服の撮影を決行する夏美。駐在先の住居探しで上海を彷徨う亜矢子。芭蕉派にも「旅は読む」派にも旅時間を満喫させてくれる中編集。
元禄文化が花開いた江戸。瞼に手のひらをかざして、その人の未来を夢で見せることのできる夢見師、夢助が、様々な人生を垣間見る。団十郎、芭蕉、菱川師宣、八百屋お七・・・目眩く元禄絵巻! 2015年3月刊。
若き医師・一ノ瀬希世は、伊豆諸島の小さな島の診療所に赴任してきた。人口四百人弱の同地には、健康増進運動が浸透している。住民たちは皆いきいきと暮らしており、長患いする者もいないという。だが、その運動に関心を抱いていた旧友の女性新聞記者が突然失踪。希世は不審な死や陰鬱な事件に次第に包囲されてゆく。この島で、一体何が起きているのかー。戦慄の医療サスペンス。
凍てつく冬の早暁、駒城下屋敷に銃声が轟き、凱旋式典の残滓を纏う皇都に軍靴の響きが。五将家の雄・守原が起ったのだ。皇宮を抑えた蹶起軍は玉体を手中にし市街を制圧。その“義挙”は完遂目前となった。唯一、暗殺者どもを撃退した近衛中佐・新城直衛を除いて…鮮血で刻まれる歴史がいま幕を開ける!書き下ろし短篇「我らに天佑なし」収録。
「好き」が積もっていく──。まだ恋をしたことのない、高校1年生の木下仁菜子。帰り道に、学校中の女子から人気を集める一ノ瀬蓮に出会って……。大人気コミックス原作の映画を完全ノベライズ!
地味で目立たないことがモットーのOL京子が、ひょんな事から社内で連続発生する「朱肉事件」の犯人探しをすることに。縁切神社の神主でもある人事課の佐藤一と共に、人々の「縁」を辿り真相を追うが……。
素浪人・矢吹平八郎は、撫然としていた。口入屋の万吉に呼び出されたのだが、何の説明もなく、武家娘に品定めされているのだ。どんなに割の良い仕事でも断ってやる…。そう決意した矢先、娘は平伏し、「矢吹さま、暫くの間、私の兄になっては戴けませぬでしょうか」と懇願した。こうして始まった平八郎の俄兄妹芝居。家督をめぐる策謀に、平八郎が立ち向かう!
柔道が大好きな小学4年生のまどかと、プロのミュージシャンを目指す高校生2年生の由一は、仲のよい家庭で暮らす兄妹。だが、ある電話がかかってきたことで、2人の知らない秘密があることに気づきー人気作家2人が兄妹の視点で交互に描く、ハートウォーミングストーリー。
乗っていたバスが転落して、気がついたら病気のベッドに横たわっていた俺。身体は死んで、代わりに魂が親友の健介の身体に入り込んだのだ。慣れない健介の身体で社会生活を送るだけでも大変なのに、私生活では健介の妻の静香が迫ってくる。恥ずかしながら未経験。ほんとにいいのか、俺!?親友の妻と自分の恋人との間で揺れ動く童貞ボーイをおかしく、そして哀しく描いた“青春官能ファンタジー”小説シリーズ第2弾!
連載当時は誰も注目していなかった日露戦争。その経緯を紐解くことで、作家は“日本人の精神性”を描き出そうとした。だが、歴史になる前の出来事を書く苦しみを味わうことになる。それを乗り越え「事実」を踏まえた「小説」を生み出そうとした、独自の工夫と試みに迫る。
物語が日露戦争終戦後に差し掛かった際に、正確な情報を与えなかった政府、冷静に事実を調べようとしなかった新聞や、学者、政治家、情報に踊らされた国民たちを、作家は冷徹に描き出し、「魔の季節」への出発点だと記した。40代を費やして執筆された作品の執筆秘話。
海を臨む病院に入院して、ディスクジョッキーになった少年・太郎。毎日届くリクエスト、病室に響く懐かしいメロディ、入院患者たちとのゲストトーク…少年のお昼の放送は、病院をあたたかな空気で満たす。映画も公開され、話題になった感動の物語が待望の文庫化。
おいしくて、いとおしい。 同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。 山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。 巻末に番外編を収録。
NHKドラマ化・10万部突破などで話題の 『四十九日のレシピ』著者のデビュー作! “心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。 哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。 疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。 喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。 癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。 少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいたーー。 人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、伊吹有喜デビュー作。 『四十九日のレシピ』にも似たあたたかな読後感に、心が包まれます。
再婚した父と離れて、おばあちゃんの家で暮らすことになった七重。亡き母といっしょに人形のために作った、引き出しの中のミニチュアの家に、ある日、小さな小さなお客様がやってきた。言い伝えの妖精「花明かり」と少女の、時を越えた交流を描いた感動のファンタジー。