ジャンル : ノンフィクション > 文庫(ノンフィクション)
スカイツリーを襲った宇宙怪獣を辛くも撃破してから二日。一騎と亜紀子、悠里とヒメは茨城県内のとある神社に護送された。そこで出会った美少女巫女ひかるは、ヒメとの意外な関係を明かす。一方、日本近辺には透明怪獣が次々と出現。その裏には地球侵略を企むチルゾギーニャ遊星人の恐るべき目論見があった。最強の宇宙怪獣を前に人類は?本格SF+怪獣小説『MM9』第3部。
明治半ば、播州(兵庫県南部)小野藩最後の藩主の娘として生まれた一柳満喜子。封建的な家で育った満喜子だが、平民の通う女学校に進んで、アメリカ人教師から英語やキリスト教の精神を教えられ、神戸女学院では音楽を学ぶ。乳兄弟の佑之進との恋は実らず、傷心の彼女はアメリカに留学することに…。運命に翻弄されながらも、自らの人生を切り開いていった女の姿を描く感動の大作。
キリスト教伝道のため来日し、近江兄弟社を設立したW・メレル・ヴォーリズは、関西学院、軽井沢ユニオン教会などを手掛けた建築家としても知られる。留学から帰国した満喜子はメレルと出会い、周囲の猛反対を押し切って、結婚する。近江八幡に居を構え、幼児教育に邁進する彼女と日本に帰化した夫の前に、様々な因難が待ち受けていたー。二人の愛に満ちた生涯を描く感動の長編。
タクシードライバーの磐田速人は、ある日「入日村」に迷い込む。そこは河童や天狗などの妖が闊歩する不思議な場所だった。村で出会った少女・彩葉はこの村を、うつし世とあの世の狭間に漂う存在なのだと言い、速人に仕事の手伝いを持ちかける。それは黄泉の国まで続く長い坂を登りきれずにさまよう魂を、坂の上へと導くこと。元の世界に戻れない速人は、彩葉と共に魂を救う旅に出るのだが…。心にしみる絶品ファンタジー!
眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎。しかしある嵐の日、同級生の夢生はその悪魔のような本性を垣間見るー。天性のエゴイストの善悪も弁えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。
天文台の赤道儀室で「幽霊」を見たと言う早川美沙子と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。だが「幽霊」は現れなかった。彼女は目立ちたがり屋の嘘つきだと言われ、学校で浮いてしまう。怯えながらぎこちなく微笑む彼女に、心の底から笑ってほしくてぼくはある嘘をついたー。(表題作)そっとあなたの居場所を照らしてくれる、輝く星のように優しい純愛小説集。
夫は仕事ができないらしい。それを察知してしまっためぐみは、おいしい弁当を持たせて夫を励まそうと決意しー「ハズバンド」。新婚なのに、家に帰りたくなくなった。甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻に感動していたはずがー「甘い生活?」。それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。
同心見習の瀬島利三郎が袈裟斬りで殺された。巷を騒がす辻斬りの犠牲となったのか。彼と同じ道場の朋輩の失踪も判明。高積見廻りの滝村与兵衛は敵を討つべく探索に乗り出すが、自身までもが命を狙われる。癖のある奉行所の面々や香具師の元締、さらには“目目連”という謎の組織も巻き込んで、与兵衛は江戸一残忍で冷酷な悪党を追い詰める!著者渾身のシリーズ。
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに、死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か…。
この本は、見事な“恋愛”小説集だ。フィクションとエッセイの間を行ったり来たりする不思議な作品ぞろい。これを“物語エッセイ”と名づけることにしよう。単行本には収録されなかった、強烈きわまりない“マチコさん”を主人公にした中篇「或る女」を加えた完全版。著者自身によるイラストレーションも多数収録。母と息子、母親と私、見栄っぱりの女友だち、離婚した美女、イタリアの女たらし、ニューヨークの日本人夫婦、舅姑を看取った逞しい中年女たち。自らの周りにいる愛すべき変人奇人がいっぱい。笑ってしんみり、でもなぜか元気が出る三十四篇。
慶応元年、第二次長州征討のため大坂に進発した徳川十四代将軍家茂のお供を任じられた仲良し御家人四人組、弥次郎・喜多八・筒なし・関兵衛は、開戦の遅れをよいことに一年以上も大坂で美食、遊郭通い、観光と遊び呆ける始末(『在京在阪中日記』)。その後、長州、鳥羽伏見、上野、日光、会津、箱館へと続く維新の戦乱に厭々従軍させられ、死の恐怖に怯えつつも持ち前のノーテンキさで行軍してゆくー。幕府滅亡を象徴する“戦意なき”幕臣たちの生態を史料と想像力で復元した傑作幕末小説。単行本『幕末不戦派軍記』所収の五編と『幕末伝説』所収の鳥羽伏見編を合本した決定版。
やっちゃおうかな、そうよ、私のラストラン!74歳のイコさんは、真っ黒なライダースーツに身を包み、真っ赤なオートバイを走らせる。目指すは、幼い頃に死に別れてしまった母親の生家がある岡山。東京から約640kmの快適な旅。古い写真を頼りに、当時の姿で残っている家をようやく探し出す。そこで出会ったのは、12歳の姿をした母親の幽霊!?なぜか気が合った2人の旅が始まるー。『魔女の宅急便』の著者が贈る自伝的小説!
大学生の由美子は、クリスマスだというのに体調不良。おまけに、元彼がバイト先に来ちゃったりして、ますますツラくなり…。早退けさせてもらった帰り道、バレーボールくらいの大きさをしたピンク色のぶたのぬいぐるみが歩いているところに遭遇した。これは幻覚?それとも聖なる夜が見せた奇跡?山崎ぶたぶたと出会った人たちが体験する特別な夜を描くハート・ウォーミング・ノベル。
初夜の悪夢、12歳光源氏と16歳葵の上の婚儀の行方。道ならぬ恋、継子と契った藤壷が失ったもの、得たもの。怖い女、若い男に溺れた六条の御息所の胸の内。ホラー?ミステリー?夕顔を殺したのは誰?男の理想、“人形”紫の上の哀しみ。身震いするほど哀しく、圧倒的に面白い「珠玉の恋愛譚」!
膝を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが…サーカスで女曲芸師と伝説の芸を成し遂げた娘の「トスカ」、その息子で動物園の人気者となった「クヌート」へと受け継がれる、生の哀しみときらめき。ホッキョクグマ三代の物語をユーモラスに描く、野間文芸賞受賞作。
イギリス医学界の重鎮、アーサー・ヒルがノーベル賞を受賞したー。知らせを受けた青年医師の津田は、同じ分野で研究を続けながら惜しくもこの世を去った恩師、清原の死因を探るなかで、アーサーの周辺に不審な死が多いことに気付く。彼らを死へと追いやった見えざる凶器とは一体何か。真相を追ううちに津田は大きな陰謀に飲み込まれてゆく。ノーベル賞を題材にした本格医療サスペンス。
憎き侵略国ヴェナヤ軍打倒を誓い、男装してスオミ軍に入隊した17歳の美少女クルッカ。そこで彼女を待っていたのは、「白い死神」の異名を持つ狙撃手シモ・ヘイヘだった。やがて始まった“冬戦争”。クルッカとヘイヘはその天才的な狙撃センスで、自国に迫り来る巨万の侵略軍を食い止める。ところが、そんな二人を排除すべく、敵軍最凶の女狙撃手が現れた!シリーズ95万部突破「ゲート」柳内たくみの大ヒットミリタリー小説がついに文庫化!
和助と作蔵は信州の幼なじみ。江戸で食い詰めた二人は、仏具屋へ押し込みに入る。盗んだ五十両は、ほとぼりがさめるまでと、和助が箱に入れ質屋『万屋』へ預けたが…。店主の藤十郎は、箱の重さに不審を抱き、和助を探り始める。やがて二人にお上の手が伸びた時、裏で幕府を脅かす意想外のからくりが仕組まれていたことが判明。悪を挫き庶民を護る藤十郎の名裁きやいかに!痛快人情捕物帳。