小説むすび | ジャンル : 外国の小説

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ユリウス・カエサル氏の商売ユリウス・カエサル氏の商売

劇作家、演出家、詩人である「異化」の作家ブレヒト流のジュリアス・シーザー(小説です)。 古代ローマを舞台に、偉人・貴族・財界・市民・奴隷たちが、商売と政治、勝利と敗北、英雄譚と経済指標に踊る三文稗史劇(ヒストリー)。 物語は、ある歴史学者が英雄ユリウス・カエサルの伝記を執筆する準備で、カエサルを担当していた元銀行家を訪ねるところから始まる。元銀行家が所有する、カエサルの秘書であった奴隷の手記を調べることが目的であった。やがて歴史学者は、元銀行家たちとの対話や奴隷の手記を通じて、商売という視点をまったく忘却した、経済史観をふまえぬ自分の立場の誤りを次第に思い知らされていく。 1938、39年デンマーク亡命中に執筆され、ユリウス・カエサルを主人公に、ガリア戦記まで構想されたが、ガリア戦記は書かれないまま、未完となっている長編小説。『ローマ人の物語』(塩野七生著)でも言及され、ストローブ=ユイレにより映画化。1973年河出書房新社新社発行版を底本に復刊、書き下ろしの解説を追録。 第1部 名門出の一青年の栄達 第2部 われらのC氏 第3部 以って範とするに足る属州の行政 第4部 三頭の怪物 訳者解説 解説 『ユリウス・カエサル氏の商売』のアクチュアリティ

オリーヴァ・デナーロオリーヴァ・デナーロ

理不尽と闘った一人の女性の勇気の物語 1960年代、シチリアの保守的な小村。「女は水差しだから、割った人のところにもらわれていくもの」と母親に擦り込まれた少女オリーヴァは、初潮を迎えてからは「純潔を守るため」に、地元の風習と母の教えに従い男子との交流を避け、学校も辞め家のなかで過ごしていた。しかし裕福な菓子店の息子に目をつけられ、16歳の誕生日に誘拐され性暴力を受けてしまう。当時の刑法第544条により、加害者の男はオリーヴァと結婚することで罪が放免されることになる。結婚を迫る男や周囲からの圧力に追い詰められるオリーヴァ。やがて友人や支援者との励ましに自分の本心に気づき、法廷でこの理不尽に「ノー」を突きつけることを決意する。 『「幸せの列車」に載せられた少年』のベストセラー作家が実話に想を得て描いた、一人の女性の勇気と尊厳の物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 南イタリアには「償い婚」という因習があり、長い間、性暴力が起きても加害者が被害女性との結婚を申し出れば、罪には問われませんでした。そのことは、1981年に当該条文が廃止されるまで、イタリア刑法にも明記されていたのです(刑法第544条)。そこには「魂の殺人」によって自分を踏みにじった相手と結婚しなければならない女性側の視点が、完全に欠落していました。 本作は、この因習に従うことを拒否して初めて裁判で勝訴し、イタリアのフェミニズム運動のアイコン的存在となったシチリアの実在の女性フランカ・ヴィオラにインスパイアされた著者が、フィクションとして2021年に発表した小説です。舞台は約60年前の南部の村で、このような法律はもちろん現代の日本にはありません。ですが、性暴力によって尊厳を傷つけられた上に、声を挙げた後も「被害者にも落ち度があった」と心ない言葉を投げかけられる光景は、現在も起きている性暴力の事件に驚くほど似ていて、愕然とさせられます。性暴力は絶対に許されない人権侵害であること、それをいま一度噛みしめるとともに、踏みにじられても立ちあがろうとする少女の勇気に胸を熱くさせられる必読の書です。

不便なコンビニ2不便なコンビニ2

出版社

小学館

発売日

2025年2月27日 発売予定

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韓国発の大ベストセラー小説、待望の続編! 狭くて品揃えも悪く、近所の人から「不便なコンビニ」と呼ばれるALWAYS。深夜バイトの独孤(トッコ)が店を去ってから6つの季節が過ぎた。オーナーのヨムさんは体調を崩し、折り合いの悪い息子ミンシクに経営を、古株のソンスクに店長を任せ、ソウルを離れていた。独孤から仕事を引き継いだ元刑事のクァクも故郷に帰ることになり、ソンスクは愛想はいいが要領の悪そうな中年男性クンベを深夜バイトとして採用する。今日も悩みを抱えた人たちが、ALWAYSを訪れる。一方、クンベにはある秘密があった……。 2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位。韓国でシリーズ累計150万部超、台湾で15万部超。ソウルで上演される舞台はロングランとなり、ドラマ化も進行中の世界的ベストセラー「Kヒーリング」小説、日本に待望の続編が上陸! 【編集担当からのおすすめ情報】 韓国で社会現象を生み出し、世界的なベストセラーとなったKヒーリング小説『不便なコンビニ』。日本では2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位にランクイン、大きな反響のなか、いよいよ待望の続編を邦訳刊行します。 作中では前作の終わりから約1年半が経過し、コロナ禍のALWAYSにも変化が。続編も、さまざまな人間模様を通して、困難な時代を生きるヒントをたくさん与えてくれます。 どこか私たちに通じる悩みを抱く登場人物たちに共感し、ユーモア溢れるフレーズにニヤリとさせられ、人と人の絆にほろりとさせられ、コンビニグルメに垂涎し、ソウルをはじめ町の描写に旅情をかき立てられ……。とにかく読みどころ満載です。よりパワーアップした続編を、ぜひお楽しみください。

結婚式結婚式

不動産で財を成したサビーノは、親子の情愛を越えた親密な感情を抱く末娘グロリーニャの結婚式を翌日に控えた日、一家のかかりつけ医のカマリーニャからグロリーニャの婚約者テオフィロが、自らの助手を務める若者ゼー・オノリオとキスを交わす現場を目撃したと告げられる。上流中産階級の父親、人生を発見する若者たち、誠実で貞淑な女性たちの背後に隠された計り知れない欲望や悲劇。都会的な洗練のあるボサノヴァが流行する中で若者文化が花開き、行動も価値観も大きく変容していく60年代のブラジルのリオデジャネイロを舞台に、奈落の底に突き落とされそうな都会の現実の中で急速に崩壊しつつある社会と、上流階級の精神的な腐敗を赤裸々に描いた、ブラジル演劇の革新者ネルソン・ロドリゲスによる再評価著しい小説作品。 66年9月に刊行された直後、軍事政権の法務大臣によって「不道徳な内容と下品なことば使い」が非難され、社会秩序を乱すものとして販売が禁止されたが、著者による訴訟を経て、翌67年4月に解禁されたという経緯がある。

空と風と星と詩 尹東柱日韓対訳選詩集空と風と星と詩 尹東柱日韓対訳選詩集

発売日

2025年2月16日 発売

ジャンル

2025年2月16日没後80年 彼の詩を読みながら、ゆかりの地をたどり、彼の歩いた地と彼の心を感じてほしい。 空を仰ぎ、星をかぞえ、 時代の朝を待った尹東柱(1917-1945) 自選の19篇を中心にした日韓対訳選詩集 韓国で最も愛される澄明な詩群 詩人の生涯を詩と写真でたどる旅 両開きで日本語と韓国語の詩をそれぞれ収載 序 詩 (1941.11.20) 死ぬ日まで空を仰ぎ 一点の恥辱なきことを、 葉あいにそよぐ風にも わたしは心痛んだ。 星をうたう心で 生きとし生けるものをいとおしまねば そしてわたしに与えられた道を 歩みゆかねば。 今宵も星が風にふきさらされる。 序詩 죽는 날까지 하늘을 우러러 한점 부끄럼이 없기를 , 잎새에 이는 바람에도 나는 괴로워했다 . 별을 노래하는 마음으로 모든 죽어가는 것을 사랑해야지 그리고 나한테 주어진 길을 걸어가야겠다 . 오늘밤에도 별이 바람에 스치운다 . 本書は、伊吹郷訳・日本語版尹東柱全詩集『空と風と星と詩』を底本にした対訳選詩集。 両開きで日本語と韓国語の詩をそれぞれ収載し、尹東柱ゆかりの地である、故郷の北間島、韓国のソウル、延世大学、光陽、日本の立教大学、同志社大学そして終焉の地、福岡を巡る旅を、カラー写真などで収録しています。

すり替わった富豪と秘密の子すり替わった富豪と秘密の子

もしも18歳の誕生日に戻れたら、 きっとあなたのキスに応えてしまう。 急逝した夫の双子の弟ディオニュソスと再会したアリアドネは、 そのさなか、激しい腹痛に襲われ病院に運ばれた。 残念なことに、治療も虚しく彼女は亡夫の子を流産してしまう。 目覚めたアリアドネは、亡夫と瓜二つの義弟にとっさに懇願した。 「お願い! 人工授精であなたの子を授けて」 アリアドネは彼の子を亡夫の子と偽り、育てるつもりだったのだ。 ディオニュソスは驚き、非常識な頼みごとに隠された本心を、 アリアドネに厳しく問うた。もうすべてを打ち明けるしかないの? 同性愛者だった彼の兄とは友情で結ばれた結婚だったこと。 そして秘密を守るため、純潔のまま身籠るしかなかったことを。 ギリシア名門一族の双子の兄弟とヒロインは、子供の頃から友情を育んできました。やがてヒロインは18歳の誕生日に兄と婚約。彼女に惹かれていたヒーローは強引に唇を奪うと、逃げるように家を飛びだして……。ドラマティックで切ない再会ロマンスです!

狂おしき再会狂おしき再会

一度ならず二度までも、 悪魔に心を奪われるなんて。 ビッキーは一人で小さな宿を経営しながら幼い双子を育てていた。 ある日、知人の頼みで実業家ジェイを宿に滞在させることになり、 喜んで受け入れたが、彼と顔を合わせた瞬間、すぐに後悔した。 ハンサムな男性客などこれまで何人もいたけれど、なぜか彼には 強く惹かれてしまう。いったい私はどうしてしまったの?  動揺するビッキーをよそに、ジェイは自然に子供たちと打ち解け、 ついには当然のように彼女にプロポーズしてきた。 戸惑いつつジェイとの未来を夢見始めたビッキーは、やがて彼が 何者かを思いだす──18歳の泥酔した夜、ただ一度の苦い過ち。 ああ、なんてこと。子供たちの父親は……ジェイだった! ドラマティックでほろ苦い、大人のロマンスをお楽しみください。ヒロインが誰にも言えずに隠し通してきた、双子の出生の秘密。思いがけず再会したヒーローへの愛と憎しみ。揺れ動く彼女の心模様を巨匠ペニー・ジョーダンが丁寧に描きだします。

生け贄の花嫁生け贄の花嫁

“野獣”との床入りの3日間さえ乗り切れば、 晴れて自由の身になれるーー! ゾーイは叔父に奴隷のようにこき使われて暮らしている。 両親の死後、叔父に引き取られて財産を奪われたあとは、 冷酷な仕打ちに耐えかねて逃亡するたび連れ戻され、自由などない。 いつか故郷に帰って医療を学びたい。その夢だけが支えのゾーイに、 野獣と呼ばれる裕福なシーク・ナディールとの結婚話が持ち上がった。 ナディールは最初の花嫁を気に入らず、床入りのあと突き返したという。 叔父は支度金に目が眩んだのだろう。だがゾーイに断れるはずもない。 こうなった以上、婚礼の隙をついて国外脱出する以外、道はない。 迎えた結婚式当日、ナディールに初めて対面したゾーイは息をのんだ。 黒い瞳に黒髪の彼にみなぎる圧倒的なオーラ。この人が“野獣”……? 叔父によって売られた不遇なヒロインの前に現れたのは、野獣とはとても思えないセクシーな花婿! 三日三晩続く婚礼の儀式の間、なんとか彼に心奪われまいと自身を戒めますがーー。鮮烈な印象を残す作風で話題をさらったスザンナ・カーの伝説的デビュー作!

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