ジャンル : 外国の小説
言葉が話せず、指を噛むという自傷行為を続ける息子。父親は様々な自閉症治療を試すが効果は見られない。 苦しみと絶望の中、父親は粘り強く息子と向き合う。 その祖母もまた、障がいを持つ夫と長男を持ち、文化大革命中の障がい者への差別や暴力という困難の中で、家族を支え続けてきた。 中国の大江健三郎とも言われる作家が実体験に基づき、苦難に満ちた十数年の道程を綴った感動のノンフィクション小説。 現在中国の世相と社会問題をリアルに描き出した受賞作。 『痛むだろう、指が』(原題:『疼痛吧指头』)は、中国の雑誌『収穫』の2017年長編小説特集に掲載され、同年の「ノンフィクション文学優秀作品ランキング」の2位に選出される。翌年、長江文芸出版社から単行本として出版され、同年10月に有名作家も多く受賞している「第三回施耐庵文学賞」も受賞。 現在、2023年春の公開を目指して映画化が進められている。 第一章 第二章 第三章 訳者あとがきー苦境のなかで新たに見えたもの 倉持リツコ
ジェジュンやBTSのリーダー・RMが読んだエッセイ。 共感の声続々、韓国で長く愛される“癒しの手紙” 。 2013年に韓国で刊行後、27刷のロングセラータイトル待望の邦訳。 春の陽だまりのような暖かいイラストともに書かれたエッセイは、生きていく中で夢に向かって奮闘するあなた、人間関係でつらい時を過ごすあなた、愛に傷ついたあなたの心にそっと触れてくれるとともに、本を通して休息を与えてくれます。
望むことさえあきらめていた奇跡が、 ある日突然、やってきたーー 体調を崩した産科医ダンを心配し、食事に招いた助産師のジョージー。 惹かれ合った二人は、帰り際のキスが高じてベッドをともにする。 “妊娠の心配はない”と、ジョージーはダンに伝えた。 かつて妊活を4年間続けたものの叶わなかったうえに、 元夫の浮気相手の妊娠によって離婚し、自分は不妊症だと確信していた。 一方、ダンは大学時代に恋人と子供を出産で失い、 命を救えなかった罪悪感から産科医になったのだった。 二人はその後も仕事を通じ、互いのつらい過去を知るようになっていった。 そんなある日、思いもよらない事実が判明するーー なんと、ジョージーのお腹に新しい命が宿っていたのだ! もう完全にあきらめていた妊娠が実現したことに、驚きながらも喜びの涙を流すジョージー。ダンに伝えると、彼は責任をもって関わっていくと約束し、結婚を視野に入れることも提案しますが、ジョージーは子供のためだけの形ばかりの結婚を受け入れられず……。
イタリア富豪の夫を愛してはならない。 それが、この結婚の狂おしい掟。 ラナは朝から晩まで身を粉にして働いていた。 信じていた人が勝手に彼女の名義で莫大な借金を作ったからだ。 そんなある日、偶然知り合ったイタリア富豪サルヴァトーレから、 ラナは耳を疑うような依頼を持ちかけられた。 「つきまとう女性を退けるため、契約結婚をしてくれないか?」 期間は1年間。その見返りに借金を肩代わりしてくれるという。 窮地にあるラナは法外な話に不安を覚えながらも受け入れたーー “彼に惹かれ、ベッドを共にするなんて絶対だめ”と自戒した上で。 それなのに、ある夜、ついに愛の炎が燃え上がり身を捧げて……。 ロンドンでイタリア富豪ヒーローと挙式したヒロインはトスカーナにある壮大な屋敷で暮らし始めます。やがて彼女は、自分のおなかに小さな命を宿していることに気づきますが、心を閉ざした彼に告白できず……。J・ジェイムズの華麗なロマンスをお見逃しなく。
教えて、私は誰なの? この幸せは、いつまで続くの? 意識を取り戻したとき、アリーは見知らぬ男性の腕の中にいた。 ハンサムすぎて近寄りがたいほど整った顔。セクシーな肉体。 心臓がどきんと鳴った。見覚えがある気がするけれど……。 「アレクサ、なぜ君がここにいるんだ?」鋭い視線を向けられ、 アリーは戸惑った。アレクサ? 私はアリーよ。でも……。 「自分でもわからないの。思い出せないの」 そこはイタリア人富豪アンジェロの所有する島だったーー。 アンジェロは首を傾げた。派手好きだったアレクサに瓜二つだ。 なのに彼女は無垢な乙女にしか見えない。 「君は僕の妻だった」 可憐なヒロインに心揺さぶられ、思わずキスした直後、「僕は君に興味がない」と口走ったヒーロー。一方、ヒロインは二人の間には強い絆がある気がして……? ピュアなヒロイン像が共感を呼ぶ、アニー・ウエストが描く大人気の記憶喪失がテーマの秀作!
父を救うための結婚で、 幼い花嫁は初めて愛を知った。 レイシーが12歳のとき、最愛の父が再婚した。 金目当ての継母にとって彼女は邪魔者でしかなかったらしく、 ほどなくしてレイシーは修道院の音楽学校へ預けられた。 だが卒業目前になって事態が一変する。父が病に倒れると同時に 事業の経営も悪化。継母から助けてほしいと泣きつかれたのだ。 海運王トロイを満足させ、資金を引き出せれば父は助かるのね? レイシーにしかできないという継母の口車に乗せられ、 妖艶なドレスで飾り立てられた彼女はトロイに身を投げだすが、 荒々しく唇を奪った彼から思いがけない言葉をかけられる。 一夜だけの相手は必要ない。結婚してほしい、と。 邪悪な継母によって修道院へ送りこまれた無垢なヒロインが、ギリシア大富豪に見いだされ、真の愛に目覚めるシンデレラ・ロマンスです。最初は傲慢に見えたヒーローが、ヒロインにどんどん惹かれていき、気づけばメロメロに……。愛らしいヒロインに要注目!
勝ち誇ったように唇を重ねるスペイン貴族。 私はまだ彼を愛していたの? その夜、ローレンは愛するラモンに妊娠を伝えるつもりだった。 ところが二人の将来に話を向けたとたん、衝撃の事実を告げられた。 ラモンは、実は巨大コングロマリットのCEOであり、 さらにはスペインの公爵家の跡取りだというのだ。 いずれ貴族の血を引く“ふさわしい女性”を花嫁に迎える、とも。 ローレンは、何も言えずに彼のもとを去るしかなかった。 1年半後、育児と仕事に忙殺される毎日を送るローレンの前に、 ラモンが再び現れて命じる。「愛人として戻ってこい」 怒りと屈辱、愛し子の存在を知られる恐怖にローレンは震えた。 スペイン貴族のヒーローを愛して妊娠しながらも、格差を痛感して身を引いたヒロイン。すれ違った二人が再会したとき、愛は甦るのでしょうか? ラテン系の傲慢極まりないヒーローを描かせたら右に出る者がいない作家シャンテル・ショーの名作をお見逃しなく!
教師のジェマは校長に退職を迫られ、落ち込んでいた。財政難ゆえのリストラで、実家が裕福な彼女に白羽の矢が立ったのだ。教師の仕事はジェマにとって生きがいだったし、古い価値観の両親とは折り合いが悪く、実家に頼りたくなかった。そんななか兄の結婚式で帰郷したジェマは、思わぬ人物と再会する。ルーク・オウローク。十代半ばで出逢い、心の友となった年上の男性。若気の至りで「キスのしかたを教えて」と彼にお願いし、些細なことから口論になって、疎遠になってしまったけれど…。あれから10年。美しく成長したジェマと、冷酷無比な大物実業家ルーク。痛いほど胸を高鳴らせるジェマに、ルークから思わぬ申し出がーこれから2カ月間、僕のアシスタントとして働かないか、と。
青い瞳の公爵に抱き止められた瞬間、 運命の歯車が回りだした! 過保護で過干渉な兄のもとで育った、喘息の持病があるベアトリス。 年頃を過ぎても社交界デビューはおろか、結婚も出産も諦めているが、 空想好きな彼女はある日、女性を愛せない友人との便宜結婚を思いつく。 友人とのスキャンダルを偽装して、大勢の人に目撃されれば…… 結婚以外に選択肢はない。だが約束の日、現れたのはまったくの別人ーー ハンサムだが放蕩で悪名高い公爵ブリッグスだった。 ベアトリスはパニックに陥った。転びかけ、公爵のたくましい腕に 抱き止められた、まさにその瞬間ーー兄が大勢の客を引き連れて現れる。 なんと公爵は、いきり立った兄に妹の貞操を奪ったかどで、 決闘を申し込まれてしまった! すると公爵は言った。 「決闘はしないーー結婚する」 NYタイムズのベストセラー作家で、HQロマンスでも大人気のメイシー・イエーツが別名義で綴るヒストリカル・ロマンス。濡れぎぬなのに、ヒロインとの結婚を宣言した公爵ヒーローの思惑は?ずっと籠の鳥だった孤独なヒロインが愛と情熱を知る感動作です。
エレナは親の決めた意に染まぬ結婚相手から逃れるため、出会った当初から惹かれていたキットと駆け落ち同然で結ばれた。式を挙げた直後に、彼が行方をくらましてしまうとも思わずに。ぽつんと独り屋敷に取り残されたエレナを、社交界の口さがない人々は、“捨てられた花嫁”と呼んだ。世間の陰口なんて気にしなければいいとは思っても、夫がヨーロッパでオペラ歌手と恋仲になっているという噂には傷ついた。そして失踪から5カ月後、突然、キットが姿を現す。しかしエレナは夫に打ち明けられない“秘密”を思い、切なくなった。彼がいない間に、お腹に宿っていた小さな命を失ったのだ…。
別れた愛しいあの人は知らないーー 彼によく似た子をわたしが育てていることを。 美しい海辺の小さな町の病院で働くアビーは、 救急科に駆けこんできた医師を見て呆然とした。ルーク……! 二人は学生時代に知り合い、深く愛し合っていた。 けれど5年前、ルークは病気の後遺症で子供を作れないことを理由に、 アビーに別れを迫った。彼とはもう違う人生を歩み始めたはずなのに。 まさかまた会うなんて、夢にも思わなかった。 聞けばルークは、身重の患者が旅先のこの町で突然破水したので、 しばらく滞在して付き添うことになったという。彼は驚くだろうーー わたしの家に、淡いブルーの瞳とプラチナブロンドの髪をした、 彼にそっくりな4歳の男の子がいると知ったら……。 胸震わす感動的な作風で、2015年にデビューを飾り、またたく間にHQイマージュの人気作家となったスカーレット・ウィルソン。再会した彼がまだ独身だと知ると、ヒロインの心は揺れて……。
初恋の人との夢の一夜は波乱の幕開け── リン・グレアムの希少な長編ロマンス序章! ビリーは8歳のとき、ギリシアに母と移り住んだ。 よそ者扱いされていた彼女をいつも救ってくれた年上の少年、 アレクセイは100年続く名門ドラコス家の跡継ぎで、時が経ち、 今やビリーは実業家として成功した彼の個人秘書を務めている。 でもまさか、ボスの恋の後始末まですることになるなんて……。 胸の奥に封印したはずの憧れが、ビリーを苦しめた。 そんなとき、アレクセイの両親が事故で急死する。 悲嘆に暮れる彼を慰めたい一心のビリーだったが、想いがあふれ、 衝動的に純潔を捧げてしまう──妊娠するとも思わずに。 事実を告げようとした矢先、アレクセイが倒れて記憶を失い、 追いつめられた彼女は“この子は一人で守る”と心に誓うが……。 リン・グレアムの希少な長編ロマンス『永遠を誓うギリシア』の前編をお贈りします。今作では、二人の出会いから予想外の妊娠、そして秘密を抱えての結婚に至るまでが描かれます。後編ではさらなる怒涛の展開に……。どうぞご期待ください!
「お前がそばにいてくれるから、オレは幸せなんだーー」 サードに避けられるようになり、初めて“親友”以上の気持ちを自覚したカイ。 そして、心を閉ざしてしまったサードをもう一度振り向かせるため、 カイは今までの自分をあらためてアプローチをする。 一方サードは、これまでとは違う一途で真摯なカイに戸惑うも、 彼のひたむきな姿に少しずつ心を動かされ始めていた。 そんな時、カイが女の子とキスしているところを目撃してしまい…!?
「虚構と現実のあわいに君臨する異能の作家。」(山口雅也) 「人形は死を告げる」「つなわたりの密室」「殺人者」「殺しの時間」「わたしはふたつの死に憑かれ」「恐ろしく奇妙な夜」の6編を収録した、『赤い右手』の作者ジョエル・タウンズリー・ロジャーズによる中短編傑作集。 【アラート】ネタバレの恐れがあるのであらすじ等は一切書きません。 《目次》 【炉辺談話】 『恐ろしく奇妙な夜』(山口雅也) 人形は死を告げる つなわたりの密室 殺人者 殺しの時間 わたしはふたつの死に憑かれ 恐ろしく奇妙な夜 【炉辺談話】 『恐ろしく奇妙な夜』(山口雅也) 人形は死を告げる つなわたりの密室 殺人者 殺しの時間 わたしはふたつの死に憑かれ 恐ろしく奇妙な夜
大手製菓会社「マロン製菓」に勤めるタヘ、ウンサン、チソン。20代後半、独身、経済的余裕がなくワンルームで一人暮らし、業務評価はいつも「無難」ランクと共通点が多く仲が良い。あるとき、財テクに詳しいウンサンが仮想通貨・イーサリアムへの投資を始め、面白いように儲かるという。最初は懐疑的だったタヘとチソンも、今の給料では先が見えない!とイーサリアム投資を始めることに。3人は通貨価格のアップダウンに一喜一憂しながら、自らの人生を見つめていくことになるがー日本と同じく厳しい時代を生きる若者たちの、切実ながらも逞しい姿を描いた韓国の“ハイパーリアリズム”小説。
かつてイングランドを股にかける大強盗として名を馳せていたキット・ウェブ。今はしがないコーヒーハウスの店主として平凡な日々を過ごすキットの元に、ある日、パーシーと名乗る美しい紳士が訪ねてくる。 「仕事を依頼したい」 退屈で物足りないキットの毎日に突如舞い込んだ強盗計画。待ち望んでいたスリルと平和な日常との間で葛藤するキットに、パーシーはあきらめることなく何度も誘惑を繰り返す。逢瀬を重ねるうち、二人は互いに惹かれ始め……。 美しくも奔放な貴族と元強盗のコーヒーハウス店主。別世界を生きていた二人が織り成す、ヒストリカルボーイズラブロマンス。
〜フランスの人気脚本家、監督、俳優でもあるエレオノール・プリアの初邦訳作品〜 ルポライターのジョイは、30年以上経った今でも、かつての親友ステラを忘れることができない。 物語はふたつの時代を行き来しながら進行する。 1980年代後半、高校で出会ったふたりの少女──姉妹のようによく似たジョイとステラは、互いに強く惹かれ合い、瞬く間に無二の親友になった。それほど深い友情で結ばれていたふたりがある時期を境に離れてしまう。あの頃ステラに何が起きたのか? ジョイはステラのアドレスを探し出し、メールを送ることにした。 ──30年の時を超えて紡がれるジョイとステラの物語。 さよなら、ステラ 訳者あとがき 小野和香子
暗い森の家に住む男。過去に囚われた女。レコーダーに吹き込まれた声の主。様々な語りが反響する物語は、秘密が明かされる度にその相貌を変え、恐るべき真相へ至る。巨匠S・キングらが激賞。異常な展開が読者を打ちのめす、英国幻想文学大賞受賞の傑作ホラー