ジャンル : 外国の小説
ギリシア神のごとくハンサムな雇い主は、 とてつもなく冷酷非情な富豪だった! 捨て子として拾われ、里親の元を転々として育ったリリーは、 笑いの絶えない温かい家庭を築くことを夢見ていた。 彼女にとっての理想の男性とは、すなわち理想の夫。 遊びの恋など、これまでしたことも考えたこともなかった。 そんな不器用さが災いしてか、白馬の王子はまだ現れていない。 ある日、彼女は借金返済のために引き受けている清掃の仕事で、 ギリシア人富豪ニック・ゼルバキスの豪奢な別荘へと赴く。 そこでリリーは彼の恋人に誤解され、結果、恋人は去ってしまう。 困ったわ、どうしよう。動揺する彼女にニックは冷淡に告げた。 「さっさと支度してくれ。今夜のパーティは君に同伴してもらう」 これぞ、シンデレラ・ロマンスの決定版! 傲慢で強引な魅惑のヒーローを描いて、世界的人気を誇る実力派作家サラ・モーガン。2003年に日本のハーレクインで鮮烈デビューを飾ったあと、またたく間にトップ作家の地位にのぼりつめました。
なぜ私を騙したの? 最愛の夫の答えは虚しいだけだった。 タラはかつて恋人に裏切られたあげく、根も葉もない噂を流され、 ひどいバッシングを受けて、どん底の苦しみを味わった。 以来、彼女は化粧をやめ、体のラインが出ない服を着て、 男性を遠ざけて地味に慎ましく暮らすようになった。 ところが、そんなタラに誘いをかけてくる男性が現れた── アンジェロ・ゴードン。タラの会社の経営者で気鋭の実業家だ。 彼は時間をかけ、優しさと誠実さで彼女の凍った心を溶かし、 結婚へとこぎつけた。やがてタラが妊娠。すべてが順調で、 完璧に思われたとき、残酷な真実がタラの耳に飛びこんだ。 嘘よ! 愛する夫が最初から私を欺いていたなんて……。 今もたくさんの読者からのアンコールが鳴りやまない人気作家、ルーシー・モンローが描く、心を揺さぶる珠玉の名作をお贈りします。心に深い傷を負ったヒロインがようやく出会った運命の人。つかみかけたはずの幸せは、思わぬ形でひび割れて……。
あの夏、淡い想いを踏みにじった彼と なりゆきで結婚することになるなんて……。 長いあいだ兄弟たちの悪ふざけに悩まされてきたデイジーは、 男性不信のため社交界デビューにも失敗し、両親に失望されていた。 そんな折、デイジーは兄とその友人たちの信じがたい会話を聞いてしまう。 兄が「君たちの誰でもいいから妹と結婚してほしい」と頼み、 友人たちは「氷柱を抱いて寝るほうがよっぽどましだ」と答えたのだ! 何より傷ついたのは、その中に初恋の伯爵ベンがいたことだった。 夜になり、デイジーが湖上の小島でひとときの安息を得ていると、 舟で湖に繰り出した友人たちが悪戯で半裸のベンを小島に置き去りにした。 心優しいデイジーがベンを説得して自分の舟で岸に連れ帰ったとたん、 あらぬ誤解を呼んで家族中に激怒され、ふたりは結婚を強いられて……。 初恋の人ベンとの愛なき新婚生活に夜ごと枕を濡らすデイジー。ベンも嫌われていると思い込み、徹底的に新妻を避けます。やがて気持ちは通じ合いますが、めくるめく幸せも束の間、過酷な運命がふたりを引き裂いて……。A・バロウズのもどかしすぎる純愛物語!
“眠れる美女”との結婚が 許される条件はーー真実の愛。 時は1852年。イングランドの北の果て、ノーサンバーランドに、 美貌と気品と富を兼ねそなえた“眠れる美女”が隠れ住むという。 ロンドンで放蕩三昧に明け暮れる伊達男アダムは興味を持ち、 その娘レディ・ヘレナ・ラスフォードに求婚しようと思い立った。 ところが行ってみると、ラスフォード邸は暗く荒れ果てた屋敷で、 当の“眠れる美女”はやせたみすぼらしい娘だった。 はじめは使用人と見間違えたが、よく見ると美しく不思議な魅力がある。 求婚は彼女の父に受け入れられたが、結婚に条件がつけられたーー 娘を放っておかず、やさしく接し、子を作るべく夫婦の契りを結ぶこと。 アダムは確信が持てぬまま、気づけば答えていた。「約束します」 昔のヘレナの肖像画を見つけたアダムは、その完璧に美しい姿に胸を打たれます。彼女が使用人のような格好をして、美しさを巧妙に覆い隠している理由とはいったいなんなのでしょうか?
恋の仕返しを心に決めたプレイボーイが、“にせ妊婦”を相手に本領を発揮しー。まだ17歳の姪が年上の男性に弄ばれていると聞いたチェルシーは、姪をプレイボーイから救うため、一計を案じる。チェルシーが世慣れた妖婦を装って近づくことで、相手の大富豪スレードの気をそらし、姪を引き離すのだ。苦い初恋から男性を避けてきたわたしに、そんなことができるかしら?不安をよそに、チェルシーの演技が功を奏していい雰囲気になった直後、彼女はスレードの欲望の手をかわしてその場から姿を消した。ところが後日、思いもよらない場所で再会してしまった!しかも、スレードはチェルシーを悪女と思い込んだままで、“あのときの借りは返してもらう”とばかりに彼女に迫り…。
大学卒業後、天涯孤独のロージーは親戚夫妻の家に身を寄せていたが、夫を略奪しようとしていると周囲に疑われ、思わず家を飛び出す。見知らぬ土地で、働き口もない。ロージーはそんな不安から、偶然出会った目尻の笑い皺の魅力的なカラムにすべてを打ち明けた。すると彼はロージーに秘書の仕事を与えたうえに、驚くべき提案をする。「僕が恋人のふりをして、君にかけられた疑いを晴らそう」しかも、信憑性を持たせるため、彼の自宅で同棲をしてはどうか、と。カラムはどんな女性にも落とすことができないと言われている男性だ。その彼のそばに、昼は秘書として、夜は恋人として寄り添うなんて、男性恐怖症でキスの経験すらない私に、できるのかしら…?
彼が私と結婚したいのは恩人のため。 おなかの赤ちゃんを婚外子にしないため。 ギリシアを離れて以来、サマーは胸に痛みをかかえていた。 実父に会って失望したせいだと思いこみたいけれど、本当は……嘘だ。 大富豪セロンは私に近づいてきて親切にもギリシアを案内し、 楽しい食事に誘い、ベッドですばらしい時間を過ごさせてくれた。 でも翌朝になると私を金めあてとののしり、蔑みの視線で追い払った。 なのになぜ突然、イギリスまで訪ねてきたのだろう? それでもセロンに唇を奪われると、サマーは二人の未来に希望を抱いた。 彼がサマーを強く抱きしめた次の瞬間、はっとして身を離すまでは。 彼女のおなかははっきりとふくらんでいた。その大きさはちょうど……。 冷酷な声が響き、サマーの希望は砕かれた。「妊娠しているんだな?」 『百五十年秘めた愛』『百五十年待っていた恋人』で繰り広げられた愛と家宝をめぐる旅も堂々完結です! 妊娠を知って求婚するヒーローと、愛のない結婚はしたくないヒロイン。150年眠っていた日記のとおり、二人は真実の愛を手に入れられるのでしょうか?
視力を失いつつある幼い娘の手術費用を貯めるため、ジーナは3つの仕事を掛け持ちする過酷な日々を送っていた。そんなある日、昼の事務仕事のオフィスに、一人の男性が現れたー忘れたくても忘れられない、リアム・シャノン!亡き夫の友人でありながら、結婚式の日に私を誘惑した男。私は不埒なキスをされて驚き、参列客の前で彼を平手打ちしたのだった。あれから6年のあいだ音信不通だったのに、なぜ今になって…?2年前に夫が事故死したことをジーナが伝えると、リアムは一瞬ひるんだのち、昔と変らわぬ傲慢さで残酷にも言い放った。「彼が亡くなったのなら、僕を止めるものは何もない」
絶海の灯台から3人の男たちが消えた! 実在の事件を元にした傑作文芸ミステリ。1972年末、英国コーンウォールの灯台から3人の灯台守が忽然と姿を消した。灯台は内側から施錠、食事も手つかずのままであった。8週間の任務、狭いベッド、夫婦の距離……。孤絶したコミュニティの中で、灯台守とその妻たちに何が起きていたのか? 誰もが光として抱えてきた思いが、20年前の未解決事件の謎を解き明かす。
自然と共生する人びとが伝承してきた神の物語 アイヌが長年謡い継いできた物語を、アイヌ自身がアイヌ語で書いた初めての本。編纂したアイヌの少女・知里幸恵は完成直前に夭逝してしまうが、美しい日本語対訳とともに収録された13編の神謡は、アイヌの豊かな世界観を私たちに伝えてくれる。アイヌはいかに自然と共生してきたのか? 文字を持たない人々の暮らしとは? あらゆる存在に霊魂を見出し、カムイ(神)と支え合って生きていく物語を通して、アイヌの文化やを味わいつくす最良のガイド! 大人気漫画『ゴールデンカムイ』の監修者がやさしく案内する。
時刻表を駆使したアリバイ崩しと台湾現代史に刻まれた悲劇をめぐる人間ドラマが松本清張を彷彿とさせる傑作ミステリー。 第6回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。 昭和十三年、日本統治下の台湾・台北市。台北駅からほど近い喫茶店「グランドスラム」では野球愛好家の集まり「球見会」の定例会が開かれていた。 日本でプロ野球が発足してまだ三年目。当時もっとも注目されていたのは東京六大学野球で、この夜も話題の中心は早慶戦ともう一つ、台湾の高雄商業学校のエース兼四番バッター大下弘だった。球見会には六大学のOBが参加していて、彼らは大下を自分たちの出身大学にスカウトすべく鍔迫り合いを演じていた。 そんな折、球見会の会員二人が別々の列車内で不審な死を遂げた。この会の唯一の本島人(台湾人)会員・陳水金は台北の北鉄新店線萬華駅で、慶應OBの藤島慶三郎は高雄駅で台北から乗車した寝台列車の中で発見された。 台北南署の刑事・李山海とその相棒の北澤英隆は高雄署とも協力し事件の謎を追う。果たして二人の死には、「明日の球界を背負う逸材」大下弘のスカウト合戦が関係しているのか、それとも……?
インド最大級の物語である『マハーバーラタ』。その最大のクライマックスであるカルナとアルジュナの戦いを、初の原典訳! 闘いに至るまでのカルナとアルジュナの出自や来歴、2人をめぐる確執もわかりやすく解説。 なぜ彼らは闘うのか? そしてその後の運命とは? 全体のあらすじ、その背景にあるインドの宗教思想などもわかる必携の一冊! はじめに 第1章 『マハーバーラタ』とはなにか 1 『マハーバーラタ』の成立と背景 2 『マハーバーラタ』の物語構造 第2章 『マハーバーラタ』に至るまでのインド思想 1 ヴェーダの信仰 2 ウパニシャッドの思想 3 バラモン教からヒンドゥー教へ 結語 第3章 『マハーバーラタ』の物語 第1巻 「最初の巻」 第2巻 「集会の巻」 第3巻 「森林の巻」 第4巻 「ヴィラータの巻」 第5巻 「努力の巻」 第6巻 「ビーシュマの巻」 第7巻 「ドローナの巻」 第8巻 「カルナの巻」 第9巻 「シャルヤの巻」 第10巻 「眠る戦士の殺戮の巻」 第11巻 「女性の巻」 第12巻 「寂静の巻」/第13巻 「教説の巻」 第14巻 「馬祀の巻」 第15巻 「隠棲の巻」 第16巻 「棍棒合戦の巻」 第17巻 「偉大なる旅立ちの巻」 第18巻 「天界の巻」 第4章 アルジュナとカルナ 1 アルジュナ 2 カルナ 3 「誓い」について 結語 第5章 『マハーバーラタ』第8巻 「カルナの巻」 1 第8巻「カルナの巻」第49章第24詩節まで 2 第8巻第49章以降の和訳 結語 あとがき 参考文献
20世紀フランス文壇の中心人物のひとり、ジャン・ポーラン。その知られざる初期短篇小説集。内向的な性格を矯正するために三人の女性と愛を試みる男が登場する表題作、戦場で負傷することに世界との繋がりを見出す主人公を描く「ひたむきな戦士」をはじめ、マダガスカル滞在と第一次世界大戦の経験を色濃く残す全五作品を収録。
病気で死んだことになっていて、家族の誰も口にしなかったおばあさんが、突然巨額の資産を持って帰ってきた!?優秀な妹と違って、恋に破れ、仕事にもあぶれ、くすぶる僕は、おばあさんも“家族”なのだから仲良くしようとするが…。一族は、みんな“超・大金”を巡って右往左往するばかり。驚天動地のミステリアス・ホームコメディ!!
あらゆるジャンル、性格の本を“ビジネス、マネジメント”の観点から読み、解釈する試み。本書はその読み方で「三国志」という波乱万丈の大スペクタルのストーリーや名場面を伝えながら、仕事を面白くし、仕事に活用できる知恵をすくいとろうとしたものである。
殺人、恋愛、実験、遺跡発掘、鉄道工事、存在しない生物たち…黄色い砂漠が広がるナンセンスの大地エグゾポタミー。稀代の作家・翻訳者・贋作者・ジャズトランペッターとして短い生を駆け抜けたヴィアンの魅力が詰まった最大最高の長篇、新訳決定版!「いうまでもないことだが、この作品には『中国』も『秋』も出てこない」
ロザムンド・ピルチャーの描く、小さな物語の数々。出会いや別れ、日々の中で、時と共に変わりゆく心の動き。何気ない日々の家のことごとや、宝物のような庭…。家族や隣人、友人や恋人との関係を描く、心温まるストーリー。短篇集第三弾。
不幸の連鎖と不運の交差が織りなす悲喜交交の物語。横溢するイギリスならではのダークなユーモアとジョーク。ようこそ、喧騒に包まれたウェストエンドの悲喜劇の舞台へ!
自称「無法者」の少女ダッチェスと、過去に囚われた警察署長ウォーク。彼女たちの町に、かつての事件の加害者ヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱しダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が起こり……解説/川出正樹