小説むすび | ジャンル : 外国の小説

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思い出の罠思い出の罠

彼の瞳に宿る愛が軽蔑に変わり、 私は絶望の淵に突き落とされたーー 児童養護施設に暮らすフェイスは、同じ施設の少女にいじめられて つらい思いをしていたが、病母に心配をかけまいと我慢していた。 そんななか、近くの豪奢な屋敷ハットンハウスで夏を過ごすことになり、 トパーズのような瞳を持つ青年ナッシュと出逢って、恋におちた。 7歳年上の彼と一緒にいると世界のすべてが薔薇色に見え、 フェイスは純粋な想いを打ち明けたが、彼の反応は冷たかった。 きみには自分の言っている言葉の意味がわかっていない、と。 さらに、件のいじめっ子に謀られ、とんだ濡れ衣を着せられて以来、 ナッシュにも誤解されて疎遠になり、彼女の初恋は終わったのだった。 あれから10年。思い出のハットンハウスで、二人は再会を果たすが……。 生まれる前に亡くなった父の背中を追うように建築士の資格を取り、仕事でハットンハウスと再び関わることになったフェイス。貧しい彼女が大学を卒業できたのは、匿名の支援者のおかげでしたが、それが今や大実業家となった初恋の人ナッシュとは知る由もなく……。

心があなたを忘れても心があなたを忘れても

クリュザンダーの子が、わたしのおなかの中にいる。その事実を知ったマーリーは、彼に打ち明けるべきか悩んだ。同棲しているものの、セクシーなギリシア大富豪の彼は、いまだにふたりの関係をはっきりさせようとしないのだ。マーリーはさっそく、仕事から戻ったクリュザンダーに問いかけた。「僕は“関係”なんて結ばない。わかってるだろう、きみは愛人だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉にマーリーが失望する暇もなく、クリュザンダーは30分以内にこの家を出ていけと彼女に命じた。訳もわからず放り出された彼女は、ほどなく何者かに誘拐されてしまう。3カ月後、ようやく解放されたマーリーは、記憶を失っていた…。病院からマーリーを引き取るため、クリュザンダーは彼女の婚約者と名乗る。けれども、彼との“関係”を望んでいたはずのマーリーは皮肉にも、彼の顔を忘れているのだった。この人が私の恋人。赤ちゃんの父親。でも心が乱れるのはなぜ?そう不安になり…。

さらわれた亜麻色の花嫁さらわれた亜麻色の花嫁

勇猛な男が乙女に施したのは、 驚くほどやさしい愛の導きだった。 両親を亡くし天涯孤独となった王女エルフィンは、 非情な叔父に故郷を追い出され、修道院へ向かっていた。 道中、突然目の前に筋骨たくましい長身の男が立ちはだかる。 「その女をいただきに来た」男は高らかに宣言し、彼女を連れ去った。 ソールブランドという名の彼は王女を遠くへさらい、 無垢な彼女を妻にするつもりだった。 だが、無理やり純潔を奪うつもりはない。ゆっくり教え込むのだ……。 一方、エルフィンはソールブランドの考えなど露知らず、 自分は彼の奴隷になったものと思い込む。しかし、心は乱れていた。 私をかごの鳥にした彼を嫌ってもいいはずなのに、胸が甘く疼いて……。 ハーレクイン・ロマンスの大人気作家にしてUSAトゥデイのベストセラー作家、ケイトリン・クルーズが満を持してヒストリカルに初登場! 若きヒロインに心を奪われるつもりはなかったヒーローが、純真な彼女を溺愛せずにいられなくなる様子が巧みに描かれます。

富豪伯爵に解かれた封印富豪伯爵に解かれた封印

君はなぜ、隠していたんだ? これほどまでに美しいことを。 英国屈指の富豪で有力者でもあるボウリュー伯爵は、 弟が田舎で銃の暴発事故に遭って瀕死と聞き、急いで駆けつけた。 見ると、ベッドに力なく横たわる弟のそばに、 不格好な茶色のドレスに頭巾といういでたちの老婆がいた。 なんでも、この村に暮らしている薬草医だという。 今は夜で、目深にかぶった頭巾の陰になって顔がよく見えないが、 こんな老婆にだいじな弟の命をまかせられるものか! 苛立ちを募らせるボウリュー伯爵はしかし、朝の訪れとともに、 思いがけない光景を目にしたーー陽の光を浴びた“老婆”は、 なんと若く美しい知性に富んだ顔の淑女だったのだ! ヒロイン、ローラが身をやつして、ひっそりと暮らしているのは、以前の不幸せな人生から逃げ出してきたからでした。それを誰にも知られないようにしてきたのに、“謎解き名人”としても知られるヒーローは、何やら秘密を抱えている様子の彼女に興味深々で……。

そこに私が行ってもいいですか?そこに私が行ってもいいですか?

出版社

里山社

発売日

2022年3月25日 発売

ジャンル

女とは、階級とは、国とは、人種とはー。海を越え、運命を切り拓く少女たちの物語。構想10年。国際アンデルセン賞韓国候補作家が、日本軍慰安婦、対日協力者、アメリカ日系人収容所など、複雑な日韓の近現代史を、女の視点から描く傑作エンタテインメント。人間は複雑で多面的な存在で、完全な善人も悪人もいない。誰もが自らの欲望や利益を前に、揺れながら生きている。人間を日帝強占期という歴史の枠組みに閉じ込めて、二分法的に描きたくなかった」--イ・グミ(本書より) 2018年度国際児童図書評議会オナーリスト選定図書。 「貧しく低い身分で、女として生まれたのは、自ら選んだことではない。植民地の民となったのも、国に力がなかったからだ。なのに、苦しみは個人や民が負わなければならない。」植民地期の朝鮮半島。貧しい生まれながら、韓国、日本、中国、ロシア、アメリカと、世界を渡り歩くごとに視野を広げ、勇気を蓄えていく少女、スナム。片や対日協力者の子爵の娘として生まれ、同じように世界を渡り歩くことで現実の厳しさを知っていく少女、チェリョン。蔦のように絡み合う2人の少女の人生を通して、日韓近現代史の複雑さ、そして歴史や国から自由になれない個人の、そして女性の人生を克明に描き出す。

即興詩人 初出影印版即興詩人 初出影印版

出版社

鴎出版

発売日

2022年3月24日 発売

ジャンル

アンデルセン作・森鷗外訳「即興詩人」は、明治25年(1892)から明治34年(1901)にかけて、雑誌『しがらみ草紙』(『柵草紙』)、『めざまし草』(『目不酔草』)に計38回断続的に掲載された。それを影印、一冊にまとめたものである。 ・『即興詩人』 わが最初の境界/隧道、ちご/美小鬟、即興詩人/花祭の上/花祭の下/蹇丐/露宿、わかれ/曠野/水牛/みたち/学校、えせ詩人、露肆/神曲、吾友なる貴公子/めぐりあひ、尼君/猶太の翁/猶太をとめ/媒/謝肉祭/歌女/をかしき楽劇/即興詩の作りはじめ/謝肉祭の終る日/謝肉祭の終る日のつづき/精進日、寺楽/友誼と愛情と/をさなき昔/画廊/蘇生祭/燈籠、わが生涯の一転機/基督の徒/山塞/血書/花ぬすびと/封伝/大沢、地中海、忙しき旅人/一故人/旅の貴婦人/慰籍/考古学士の家/絶交書/好機会/古市の上/古市の下/噴火山/嚢家/初舞台/人火天火/もゆる河/旧羈靮/苦言/古祠、瞽女/夜襲/たつまき/夢幻境/蘇生/帰途/教育/小尼公の上/小尼公の下/なきあと/未錬/梟首/妄想/水の都/颶風/感動/末路の上/末路の下/流離/心疾身病/琅玕洞 ・「即興詩人」および初出誌『しがらみ草紙』『めざまし草』について ・初出「即興詩人」掲載一覧

鳥は飛ぶのが楽しいか鳥は飛ぶのが楽しいか

ソウルのセヨン高校で給食費の横領事件が発覚。 動揺する学生たち、加熱するマスコミ、事態を抑え込もうとする教師たち、迫る大学入試……。 追及の先頭に立つ級友とともにビラまきをおこなった3年生のジェムンは、学校に対する怒りと、大学入試に影響が出ることを心配する母親との間で揺れていた。 不正義に直面したとき、私たちは立ち向かうことができるのだろうか? 大人の不正義をめぐって若者たちのさまざまな思いが交錯する表題作をはじめ、職場、就職活動、フランチャイズ店舗、ストライキ現場などで“希望”を求めて闘う人々が交差する10編の連作小説。 元新聞記者として現代韓国社会のリアルを鋭く見つめてきた気鋭の作家が贈る、闘いと希望の書。 ーーーー ここに登場する“働く人”は、私であり、あなただ。 私たちはこうやって行き過ぎた競争に極限まで追い詰められてきたと、何度も頷いた。 最低賃金で働き、家賃の安いアパートを借りるにも障壁があり、住んで、食べて、働く、という生きる基本が侵され続けている。 「でも、それ、間違ってる」 読みながら、そう確信させられた。その確信は抗い、変えようとする大切な第一歩だ。 あきらめるな、働く私たち! ーー和田靜香さん 激推し 鳥は飛ぶのが楽しいか 目次 日本の読者へ 第1部 切る  バイトをクビに  待機命令  工場の外で 第2部 闘う  ヒョンス洞パン屋三国志  人の住む家  カメラテスト  対外活動の神 第3部 耐える  みんな、親切だ  音楽の価格  鳥は飛ぶのが楽しいか 作家の言葉 訳者解説

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