ジャンル : 外国の小説
愛する人はあなたなのに、 「兄のものになれ」と言うの? その日、バイオレットは真昼の誘拐劇の被害者となった。 モンテ・ブランコ王国の王子、ハビエル・デラクルスによって。 彼の兄マテオ王にカジノで負けたバイオレットの父親が、 娘を王に売ったというのだ。パパがそんなことするなんて……! 抵抗むなしく、彼女は贅を尽くした異国の王宮に閉じ込められ、 王との謁見までの数日間、ハビエルとともに過ごすことになる。 国民にも怖れられるほど強面の王子に国を案内され、街を歩き、 ダンスを教わるうち、バイオレットは彼に強く惹かれていく。 兄王のそばにいても、きっと私はもう、弟しか目に入らない……。 話題の作家ミリー・アダムズによる、誘拐劇から始まるドラマチックなロイヤル・ロマンスです。国と兄への忠誠のみに生きる孤独なハビエル王子を愛してしまったバイオレットの運命は……。『美女と野獣』の物語へのオマージュも美しい、傑作の予感です。
ケータリングサービスを営むジェーンは、ある夜、ずっと避けてきた男性、大富豪のガブリエルと会ってしまう。ジェーンの元夫とガブリエルの元妻は不倫関係にあったのだが、ふたりは3年前、共に交通事故で亡くなった。ガブリエルがジェーンを捜していると聞き、怖くなった彼女は、名前も髪の色も変え、過去を捨てて逃げたのだった。ところがガブリエルはジェーンの正体に気づいていないらしく、花束や食事の誘いで、情熱的に交際を迫ってくる。拒まなければならないのに、ジェーンは彼に惹かれていき…。
看護師のステイシーは、新任医師の顔を見て愕然とした。忘れ得ぬ男性がー愛しい娘の父親ノアが目の前にいる。3年前、ふたりは強烈に惹かれあい、めくるめく一夜を過ごした。そしてステイシーは小さな命を授かり、独りで懸命に育ててきた。ファーストネームしか知らない男性を見つけるすべはなかったのだ。記憶と違わず魅惑的なノアに再び強く惹かれるステイシー。娘のことを話す勇気が出ないまま、彼との距離は急速に近づいた。しかし、ついに意を決して真実をノアに伝えると、彼の顔からすべての表情が消えてなくなり、冷たい声が虚ろに響いた。「予防措置はとっていた。あの頃、君は本当に独り身だったのか?」
辛辣な言葉で私の心を引き裂きながら、 熱く唇を奪うのは、なぜなの……? 憧れの人と初めて結ばれ、トリシアは幸せに酔いしれた。 相手の名はカイル・ハモンド、世界有数の億万長者だ。 施設で育ったトリシアは彼との温かい家庭を夢見たが、 翌日、突然カイルの父親が心臓発作で亡くなり、事態は急変する。 カイルの妹が、トリシアが父から薬を奪ったとでっちあげたせいで、 トリシアは彼の怒りを買い、絶縁されてしまった。 6年後、ようやく立ち直ったトリシアを、皮肉な運命が待ち受けていた。 彼女の勤め先を買収した大企業の社長が、なんとカイルだというのだ! 新しいボスとしてやってきた彼は冷徹に彼女を見据え、握手さえ拒んだ。 彼は私をどうしようというの? 恐ろしい予感にトリシアは身震いした。 傲慢なヒーローの愛憎の嵐に揺さぶられるヒロインを描いて人気のY・ウィタル。HQイマージュ〜至福の名作選〜より、クラシックな珠玉作をお届けします。6年前、家族を愛し信じているカイルのため、あえて濡れ衣を着た19歳のトリシア。純真な彼女の運命は?
大人になるほど、恋や愛は切ないくらいにもどかしくて……。かわいらしい幼な子がかすがいとなり、素直になれない二人を結びつける、ハートフルなアンソロジーをお贈りします。世界に冠たる名作家N・ロバーツの心温まる短篇の他、胸がキュンとする秀作を収録。
ローラは地味な容姿のせいか、20代も終わりでいまだに独身だ。ある日、ローラの名付け親がレイロフという友人を伴って訪ねてきた。そのハンサムなオランダ人医師を見るなり、ローラは目をみはった。包容力と落ち着きのある大人の彼は、まさに思い描いてきた理想の男性。しかし、レイロフが心を奪われたのは、見るからに華やかな妹だった。ほどなく婚約した二人を、ローラは胸の痛みをこらえながら祝福した。ところが移り気な妹は、出会ったばかりの別の男性と駆け落ちし、婚約破棄をレイロフに伝える役目をローラに押しつけた。ローラがありのままを告げると、レイロフは彼女を見据え、驚くべき言葉を口にした!「それなら、君と結婚したっていいわけだ」
ベスことエリザベスは里親の家を転々としたつらい生い立ちゆえ、極力、人との関わりを避けて生きてきた。だが、このままではいけないと、苦手なパーティに参加し、知的でなおかつ容姿端麗な実業家のダンと出逢う。初対面なのになぜか懐かしさを覚えたエリザベスは、お堅い自分を捨て、フルネームも素性も明かさぬまま、彼と夢のような一夜を分かち合った。人生で初めて知る喜び…。でも、あまりに性急すぎたかも…。ふと我に返った彼女は、眠るダンを置いて、彼のもとから姿を消した。彼の子を身ごもったとわかったのは、それから数カ月後のことだった。さらには、ダンと会うことはもう二度とないと思っていたのに、彼が謎の女性“ベス”の正体を突き止め、エリザベスの家へやってきた!
宇宙はわたしたちに冷たい。理由はわかっている。 人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出した、注目の作家モナ・アワドのデビュー作。 インディーズ音楽とファッションをこよなく愛す主人公のエリザベス。特別な人生は望んでおらず、ただ普通にしあわせになりたいだけ。 けれど高校でも大学でも、バイトをしても派遣社員となっても、結婚しても離婚しても、太っていても痩せていても、体のサイズへの意識が途絶えることはない。 自分と同じ失敗をさせまいとする母親、友だちのメル、音楽を介してつながったトム、職場の女性たち……。彼らとの関係のなかで、傷つけ、傷つけられ、他者と自分を愛する方法を探してもがく。 ロクサーヌ・ゲイ、エイミー・ベンダー、ブライアン・エヴンソン、その他各紙誌で絶賛!! 「女性とその体にとって理不尽すぎるこの社会。 アワドはそれを正しくとらえ、この連作短編を通して鮮烈に描き出している」(ロクサーヌ・ゲイ) 「賢くて茶目っ気があって、とり繕うことなくまっすぐな作品。 友情、セックス、誰かの心に寄り添うこと、自分らしく生きること。女子たちの格闘はヒリヒリとして、そのことをアワドはちゃんと語ってくれる。 何もかも受け止めて、素直じゃないけどあたたかい、そんな声で」(エイミー・ベンダー) 「素晴らしい仕事だ。失敗も喜びもひっくるめて、人として生きることの意味とはなにか? それを痛々しくもありのままに描き出し、答えに近づこうとしている」(ブライアン・エヴンソン) 「実にするどいデビュー作。 もがくリジーを繊細かつ冷徹な言葉で描くアワドの作品は、アメリカの女性について考えるための新たな必読本である」(タイム) 「正直で痛烈、だからこそ読まれるべきだ。本書は女性が生きることの葛藤をわたしたちに見せつける。 ボディー・イメージも、他者との関係も、そしてあまりにも残酷なこの世界を自分の足で歩いてゆくことそれ自体も」(エル)
『三銃士』、『モンテ・クリスト伯』、『アンリ三世とその宮廷』など、フランスを代表する大作家アレクサンドル・デュマのイタリア三部作最終巻ナポリ編『コリコロ』の全訳上巻である。『コリコロ』は、『スペロナーレ』(シチリア)と『キャプテン・アレーナ』(エオリア諸島とカラブリア)を時系列的に継承しながら、当時ロンドンとパリに次ぐヨーロッパで三番目の大都市であったナポリで『旅の印象』を締めくくった。全体が四十八章という三部作の中でも最大のボリュームで、この翻訳も上下二巻で、これは下巻完結編である。
台湾発、私立探偵小説の新たなる傑作が登場! 監視カメラの網の目をかいくぐり、殺人を続ける犯人の正体は? 劇作家で大学教授でもある呉誠(ウーチェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。 にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれ、警察から犯人と疑われる羽目に陥る。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。 監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は? 探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。 台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞を受賞したほか、フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。
激しい嵐で乗っていたヨットが転覆。小さな手漕ぎボートで漂流していた少年ビルは、やはり嵐で遭難したらしい一人の少女と出会う。少女はベルベル人のアーヤ。ビルは乏しい食料を彼女と分け合い、アーヤはビルに物語を語って聞かせる。絶望が襲うなか、二人は心を通わせ、物語の力がビルの心を救う。だが食料は尽き、死の危険が刻々と二人に迫っていた…。極限状況下の少年と少女の運命は。カーネギー賞最終候補にもなった感動の大作。
1950年代の模索 「スモッグだ!」クラウディアに叫んだ。「あれが見える?スモッグの雲だよ!」 だが彼女は、…何かに気をとられていて、鳥のひと群れが、飛ぶのを見ていた。そして私はといえば……。 存在の仕方が異なる五人の副次的人物との関わりから描かれる「私」という人物像。樹上を軽やかに渡り歩く「ペンのリス」カルヴィーノの1950年代の模索がここにもある。他に掌篇四篇併載。─本邦初訳─
「あの、人間って、どんなものですか?」 ギリシア神話に登場する女神で魔女のキルケ。愛する者を守り、自分らしく生きようとする、遠くて近い一人の女性として、今、語り直されるーー。世界的な注目を集める作家による魔法のような物語。 女性小説賞 最終候補作 太陽神ヘリオスと女神ペルセの間に生まれたキルケ。父のように力があるわけではなく、母のように美しくもなく、人間のような声を持つ。きょうだいにいじめられ、周りからは除け者にされるキルケは、しだいに神の世界よりも人間の世界に惹かれていく。ただ、彼女は〈魔法〉を使うことができる。その力を警戒する神々によってアイアイア島に追放されるのだが、そこで人間のオデュッセウスと恋に落ちる──。 ホメロスの『オデュッセイア』を反転し、女神であり、魔女であり、そして一人の女性であるキルケの視点からギリシア神話の世界を再話する、魔法のような物語。女性小説賞最終候補作、「ガーディアン」ほか各紙でブック・オブ・ザ・イヤーに選出。 キルケ(Circe)とは アイアイア島にすむ魔女。太陽神ヘリオスとニュンペのペルセの間に生まれた。名前の由来は、「タカ」または「ハヤブサ」と思われる。『オデュッセイア』では、オデュッセウスの部下たちを豚に変えるが、オデュッセウスに挑まれると、彼を恋人にし、部下ともども島に滞在することを許し、彼らが再び出発するときには援助をする。キルケは長きにわたって文学の題材とされ、オウィディウス、ジェイムズ・ジョイス、ユードラ・ウェルティ、マーガレット・アトウッドといった作家にインスピレーションを与えた。 ーー本書「登場人物解説」より
森のはずれにあるキリギリスのお店、看板にはこう書かれていた。〈なんでもあります(太陽と月、星以外)〉。森のはずれの川のそばにあるキリギリスのお店には、どうぶつたちのほしがるものが〈なんでも〉ある。五本脚の椅子、なくならないケーキ、着替え用のうろこや羽毛、〈絶望〉や〈時間〉まで……。生きにくい時代にありのままであることを肯定し、そっと励ましてくれる『ハリネズミの願い』に続く大人のためのどうぶつ物語第三弾。
1972年、アメリカ。ベトナム戦争中に海兵隊を不名誉除隊させられ刑務所にいた兄と、数年ぶりに再会した弟。しかし、町で起こるある惨殺事件が、彼らを引き離すーー戦争が人々の心に残した傷跡、そして兄弟の絆を描くクライム・フィクション。解説/吉野仁
イスラエルの砂漠にある秘密基地の独房。看守は将軍の命令で囚人Zを監視している。長年二人きりで、彼らは親交を結んでおり、囚人Zは毎日将軍に手紙を書いて看守に託している。この奇妙な関係が始まったのはなぜなのか。ユダヤ系アメリカ人の学生からイスラエルの諜報員になった囚人Zの、悲惨で数奇な人生とは。『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』でフランク・オコナー国際短編賞を受賞した著者、渾身の雄編!
美女(スケ)+金(マネー)=危険(トラブル)への招待状(パスポート)。舞台はベガス、事件(トラブル)も賭博(ギャンブル)も俺らに任せろ! カジノに乗り込んだジョニーの知力と幸運はカードゲームの熱き攻防を制する事ができるのか? 〈ジョニー&サム〉シリーズの長編第九作、74年ぶりの初邦訳。 正直者ディーラーの秘密 訳者あとがき
プラハの大学で日本文学を専攻するヤナは、ゴスロリと忍者が闊歩する学部で謎の作家・川下清丸の小説にのめりこんでいる。そのとき渋谷では「分裂」した17歳のヤナが単語帳片手に幽霊となって街に閉じ込められていた。鍵を握る謎の作家の秘密とは?日本文学フリークたちの恋と冒険の行方とは。チェコ文学新人賞を総なめにした作家による、ふたつの街が重なりあう次世代ジャパネスク小説。マグネジア・リテラ賞、イジー・オルテン賞受賞。
マンハッタンに住むゴールド家のきょうだいは、幼いころ、近所で評判の占い師に会いにいき、自分が死ぬ日を告げられる。しっかり者のヴァーヤが13歳、リーダー的存在のダニエルが11歳、好奇心旺盛なクララが9歳、末っ子サイモンが7歳の夏のことだ。その後4人は生物学者、軍医、マジシャン、ダンサーと、それぞれの道に。これは、予言された「あの日」に繋がる道なのか。