出版社 : イースト・プレス
上海に出張中の商社員、悠清はたまたま訪れた展示会場でひとりの男から声をかけられる。彼の名はラオイェ、実業家だった。誘われるまま食事を振る舞われた悠清は、ラオイェに奇妙な既視感を覚える。「おまえのことは知っている、ずっと前から」-囁かれ、首筋を咬まれた瞬間、悠清は遙か昔の上海へと…。黒社会を仕切る謎の男、ラオイェ。そしてラオイェがかつて愛した男と同じ魂を持つ悠清。二つの時代を超えて結ばれる愛の奇跡。
時は大正十一年。ミルクホールと探偵小説をこよなく愛する新華族の令嬢・織江は、ある日父から突然、婚約話を聞かされる。お相手は、真面目で口うるさい幼馴染みの稲葉奎吾!?織江は納得できず、相談相手の伯爵夫人のもとに赴いたところ、そこで妖美なる青年、清重と出会う。一方その頃、帝都では令嬢の髪が切られる不可解な事件が続いていた。噂によると、犯人は鋭い鉤の手を持つ「鉤男」で、髪を切られた令嬢は三日後に殺されるという。友人までもが髪を切られじっとしていられない織江は、一人で犯人退治に乗り出すのだがー。
19世紀ロシア。農奴解放令にともない、古い貴族文化は、新しい民主的文化に取って代わろうとしていた。その転期に、「ニヒリスト」なる者たちが台頭しはじめるー。旧世代と若者たちとのさまざまな議論を通して世代間の思想の相克を描きつつ、そこに新時代への曙光を見出さんとした。19世紀ロシア文学の最高傑作のひとつを漫画化。
神々と人間がともに歴史を紡いでいた神話の時代。全知全能の父神ゼウスの計らいによって、10年にわたる「トロイア戦争」が勃発する。やがて戦は佳境を迎え、英雄アキレウスとヘクトルの決闘がはじまるー。古代ギリシア神話を題材とし、ギリシア叙事詩のなかでも最高と讃えられるホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』の2大作を漫画化。
実の両親と弟を死に追いやられ、復讐を誓った久遠。復讐相手である山波建設の社長の秘書、そして愛人にもなったが、なかなか証拠が掴めないまま月日は流れ…やがて山波の命令により息子である英一の秘書になった久遠は、英一から不正証拠を引き出しはじめる。着実に進む復讐計画。何も知らない英一が自分を信頼し、想いを寄せてくることに戸惑い、それが次第に苦痛となりだす一方で、久遠は復讐を止めることができず…。
絶対嗅覚をもつ調香師の小歌は、国王のためだけの特別な香水のコンペで、はるばる砂漠の小国ミシャリエまでやってきた。ところが、謁見の間には国王の他に白衣を着た謎の日本人が…。理知的な眼鏡の美丈夫、雅はこの国に暮らすフェロモン研究家。偶然にも他社の香水を浴びてしまった小歌は、幻の催淫花「千夜一夜の結花」に酷似した匂いを発したことで雅の実験材料にされてしまい…。禁断のパフュームラブ。
19世紀ロシア・ペテルブルグに、ある男が住んでいた。男は過剰ともいえる自意識から「心の地下室」へ閉じ込もり、社会と断絶した生活を送っていた。あるとき男は、自身の過去の回想を記すことで、「人間の本質の非合理性」を明かしていくことを試みるー。ドストエフスキーが斬新な切り口で、人間心理にメスを入れた長編小説を満画化。
茶道の家元、本郷家四男は真守は三十八年間、恋愛とは無縁のまま生きてきた平凡でお堅い考古学准教授。ある日、日本文化論の非常勤講師としてやってきた端麗な美貌の年下英国貴族アラステアから、そんな真守の地味さに興味を惹かれたと宣言され、意味不明な接触に砂糖漬けの台詞の数々…すっかりアラステアのかまわれ対象にされた真守。ついに、残業中の研究室で純情処女オヤジの下半身に最大の危機が迫る!?-。
ある殺人事件の陪審員を務めるネフリュードフ公爵は、被告の女囚人を見て愕然とする。かつて自分が弄んで捨てた、下女のカチューシャだったのである。手違いでシベリア徒刑の宣告をされる彼女に罪の意識が芽生えたネフリュードフは、彼女を救うべく奔走しはじめるー。欺瞞に満ちたロシア社会への批判を織りこんだトルストイ最後の長編小説を漫画化。
トラブルを呼ぶ男、三枝。今度は目の前で中国人実業家、姜が敵対する組織に拉致されるという事件が…。しかも、姜からひどい辱めを受けたばかりにもかかわらず、三枝は彼の救出を画策。ベタ惚れの恋人の頼みに王も渋々動き出すことに…。一方、王の義弟、小野は愛する楊への独占欲が募るあまり、次第に鬱屈した思いをかかえるようになって…。姜救出作戦が浮き彫りにしていく二組の恋人たちの明と暗…錯綜する愛。
浪人武士の民谷伊右衛門は、妻の岩との仲を裂こうとする四谷左門(岩の父)を殺害する。だが復縁後、岩は病気がちになり、生活に苦悩するようになった。そんななか、隣人である伊藤喜兵衛に、出世の道をそそのかされた伊右衛門が岩を裏切ったことから、壮絶な復讐劇がはじまるー。江戸時代から語り継がれる、日本三大怪談のひとつを漫画化。
父を殺した犯人を捜すため、男娼としてマフィアに飼われる道を選んだ香鳥。自らを抱かれる体に変えようと、闇のオーラを放つ謎の男・燈吾に無垢な身を委ねた。二年後、首領の愛人となった香鳥は、取り引き先企業の秘書として現れた燈吾と再会する。ストイックな秘書の仮面に潜めた闇の閃き。彼はいったい何者なのかー疑惑を抱えながらも、惹かれる想いに身を焦がす香鳥は…。燈吾の目的は?敵か、それとも…。
父から継いだ紅茶専門店を営む正純はある日、店を訪れたベルギー人紳士から自分のカフェのオーナーに迎えたいと唐突な申し出を受ける。煌く金髪とエメラルドの瞳、滲む品格…彼、アンリは正真正銘の公爵だった。申し出はやがて熱烈な口説きへと変わり、正純は幼馴染のショコラティエのベルギーでの修業を条件についに彼に抱かれてしまう。そんな折、正純はひとりの外国人の少年と知り合い…。
製薬会社の研究員として働く霧島耀は、実の弟である魁に、密かな、決して報われることのない禁じられた想いをよせていた。ある日、魁の遊び仲間の罠に陥れられた耀を救ったのは、危険な匂いを漂わす男、軍司だった。魁への想いを軍司に重ね、肉欲に溺れ、自ら愉悦の深みに墜ちていく耀。一方、魁は兄への想いに気づき、そして軍司は耀の本心を覗き見る。魁と軍司という二人の男に乱され、耀が選んだのは…。
仁科家は、人気漫画家の長男・心、デザイン事務所勤務の次男・塁、獣医の三男・幹、そして大学生の末っ子の直、と男ばかりの…それも華やかなイケメンぞろいの四人兄弟。おまけに、心と直、塁と幹はそれぞれ恋人同士だったりするのだが…。結ばれてから四年も経つというのに、ダブル禁忌もなんのその、心の直への溺愛&束縛っぷりはエスカレートする一方で、ついに直が反乱ののろしを…。史上最強★兄弟ラブコメ。
心無い主人のもとで使用人として働く、十六歳の少女・秋羽手鞠。そんな彼女の心の支えは、十年前に離れ離れとなった幼なじみ、上総頼重とのあたたかな思い出だった。ある日のこと、手鞠は美しく成長した頼重と運命的な再会を果たす。その後、頼重の勧めに従い彼の住む屋敷に身を寄せることとなった手鞠は、そこで思わぬ事実を耳にする。自分が頼重の「許婚」であると。さらに、頼重に科せられた残酷なさだめを知りー!?頼重を救おうとする手鞠は、いつしか忌まわしい祭祀へと誘われていく。待ち受ける恐ろしい宿命を知らずに…。呪われた宮司と無垢な花嫁の恋愛伝奇。
19世紀フランス。高級娼婦マルグリット・ゴーティエの遺品の競売で本を落札した「私」のもとに、アルマンと名乗る男が訪ねてくる。アルマンは、生前のマルグリットと「ただならぬ関係」にあったらしく、「私」に彼女との間で起こった出来事を語りはじめた…。戯曲としても、これまで多くの人々に愛され続けた、悲劇の愛の物語を漫画化。
弟と二人で便利屋を営む昴は、ある日、超美形のロシア人、ウラジミールから大量の骨董品の梱包を依頼される。もしや盗品?…と疑う昴だったが、なんとウラジミールはその若さで個人の美術館を持つ大富豪。すっかり彼に気に入られた昴は、一緒に船でロシアまで行って欲しいと懇願され…。一方、ブラコンの弟、拓海はそれを阻もうと画策。桁外れのとんでも大富豪と嫉妬深い弟と…。ふと気づくと昴は船に乗せられ…。
甲賀忍者の末裔、千速は幼い頃から修行を積んできたが、頭領である祖父の死を機に里を離れ都会で探偵稼業を始めることに…。そんな千速の前にたびたび現れては何かとちょっかいをかけてくる男ー大手探偵社のイケメン敏腕社長、周防。彼こそは宿敵、伊賀忍者の末裔だった。十二年前、敵と知らず周防に抱かれそうになった…秘めた過去とねじれた想い。千速はついに周防に忍術勝負を挑み…。火花散る対決愛。