出版社 : サンライズ出版
東京を離れ彦根に降り立った主人公は何を見たのか。暗くなるまで待って、近江鉄道、学生運動、リルケ、芥川龍之介、ふなずし……。「昭和」×「文学」×「滋賀」が交錯する短篇小説集。 赤鯥 庚申山異聞 変型の中庭 沈む家 一炊の夢 紙風船 琵琶湖エレジー
算術は剣より強し!? 若き日の新選組の斎藤一の兄・公明は、剣術の腕はてんでダメ。だが、得意の算術で人々のさまざまな悩みを解決していく。幕末江戸の痛快人情話。 第一章 支配勘定見習い山口公明の一日 入れ子算 油分け算 さっさだて(鶴亀算) 譲り算 虫食い算と俵杉算 交会術 子供算 第二章 誘拐(かどわかし) 奇妙な友情 百鶏算 第三章 山口兄弟 それぞれの文武 馬乗り算
天保年間、相次ぐ大飢饉。大坂でも奉行所の無策、商人の金儲け主義などにより餓死者が続出した。元東町奉行所与力の大塩平八郎は、民の窮状を救うべく、自身の磔・獄門や親族の累刑をも覚悟で、徳川の絶対体制に立ち向かった。大塩と彼を取り巻く者たちの葛藤、生きざまを描く歴史小説。 一 この世の地獄 二 天保飢饉 三 再びの大飢饉 四 東町奉行所与力 五 陽明学者の顔 六 剛腕にして、人情あり 七 若隠居となる 八 東町奉行、跡部山城守 九 噴出する怒り 十 決起への葛藤 十一 巧妙な作戦 十二 強硬な反対者 十三 秘かな準備 十四 密訴者出る 十五 泣いて馬謖を斬る 十六 決起の強行 十七 あっけない結末 十八 惨めな逃避行 十九 執拗な探索 二十 潜伏 最後の時 二十一 苛烈な処分 大塩事件のその後 大塩平八郎「檄文」
幕末・北越の長岡藩で家老を務めた河井継之助は、若き日、江戸、松山、横浜で見聞を深める。そこで出会った多くの知見が、北越戦争を大きく揺さぶる。横糸にキリスト教的倫理観を織り込んで半生を描く新たな継之助像。
戦国期を彩る桶狭間、三方ヶ原の戦い、長篠・設楽原の戦い、神君甲賀・伊賀越え、小牧・長久手の戦い……武将の趨勢を変える多くの戦や出来事の影には忍者がいた。元康時代から名を変えた徳川家康と甲賀忍者・大原大和の人生が戦国の世に交錯する。 実際に甲賀忍者の末裔である筆者が、口伝と歴史書を紐解き、家康(2023年NHK 大河ドラマ主人公)とそれを支える大原一族の姿を活写する痛快・歴史小説。滋賀県文学祭 文芸出版物受賞作品。 電子書籍版も発売中。詳しくは各電子書籍サイト(Amazon等)でご覧ください。 忍びの序章 鈎(まがり)の陣 第一章 元康の桶狭間の戦いと清洲同盟 第二章 上ノ郷城の鵜殿退治 第三章 信長の甲賀支配 第四章 信玄と三方ヶ原の戦い 第五章 長篠・設楽原の戦い 第六章 甲賀の大原、遠江の家康、伊賀の信長 第七章 神君甲賀・伊賀越え 第八章 小牧・長久手の戦いと甲賀ゆれ 第九章 伏見城の戦い 終章 おわりに 主な参考文献
北近江の遠藤喜右衛門、美濃を奪った竹中半兵衛。国境を背に競った両知将が知恵比べの末に選んだのはどちらの「長」だったのか?小谷落城四百五十年を経てお市輿入れの謎を解明する戦国近江の傑作歴史小説!
「今日のことは、ゆうたらあかんで」と良江さんは念を押した。 昭和39年夏、東京五輪を間近に控えた大阪の下町で、浪人生の隆が出会った魅惑的な女性、昼からコップ酒をあおる肉体労働者、無口で陰のある大学院生ーー。 表題作「オリンピックの夏 新世界」ほか、「さよならの夏」「イダテン狂い」「土の記憶」「赤光の庭」「祭典の向こう」「虚空」全7篇を収録する珠玉の純文学短篇集。 さよならの夏 イダテン狂い オリンピックの夏 新世界 土の記憶 赤光の庭 祭典の向こう 虚空
平安・江戸・明治、そして現代の琵琶湖畔に生きる男女の愛の形。江戸時代の近江追分を舞台に、大津絵と豊臣残党狩りを題材にとった表題作「鬼の念仏」(滋賀県文学祭芸術文化祭賞受賞)ほか、平安時代の秘めた逢瀬を映し出す「笛の音」、明治の琵琶湖・淀川改修工事にまつわる「洗堰物語」、現代の大学ボート部での青春群像を描く「明日に架ける橋」の4篇を収録。
戦国の知将・石田三成の若き日々。のちの天下人・豊臣秀吉や親友・大谷吉継との出会い、軍師・竹中半兵衛との関わり、本能寺の変の裏側、忍城水攻めの真相、三成襲撃事件に隠れた友情、吉継との関ヶ原への誓い、そしてーー。三成の家族や恋人、妻子も登場させ、悩み、傷つき、笑い、親友・吉継と未来を開こうとする等身大の人間・三成の姿を描く。歴史・アニメ・ゲームファンなど待望の戦国青春ノベルで、また歴史学者・笠谷和比古氏(『関ヶ原合戦と大坂の陣』著者・帝塚山大学教授)にも注目されている。大河ドラマ「真田丸」では石田三成を山本耕史氏が演じることで話題に。 電子書籍版も発売中。詳しくは各電子書籍サイト(Amazon等)でご覧ください。 第一章 美しい誤解 出会いの三献茶 第二章 出仕 長浜城小姓部屋 第三章 軍師の条件 半兵衛の秘策 第四章 三成の恋 微笑みの名残 第五章 清濁 本能寺の変異聞 第六章 泰平への誓い 夫として父として 第七章 浮き城 忍城水攻め 第八章 友情のかたち 三成襲撃事件 第九章 友よ 佐和山から関ヶ原へ あとがき 解説
幕末の動乱の中、新選組隊士たちが結んだ絆とは? 土方歳三、斎藤一、沖田総司、藤堂平助、山南敬助らが自らの心の内を仲間に語りかける人気のツイッター小説、待望の書籍化!既刊『新選組 試衛館の青春』に続く感動の幕末青春ノベル。 電子書籍版も発売中。詳しくは各電子書籍サイト(Amazon等)でご覧ください。 序章 第一章 斎藤 一 明治二年五月 越後高田謹慎所にて 第二章 土方歳三 明治元年十月 北への旅で 第三章 土方歳三 元治二年三月 光縁寺にて 第四章 山南敬助 明治元年十月 天上から 第五章 斎藤 一 慶応四年四月 総司! 第六章 沖田総司 慶応四年四月 がんばれ、ピンさん 第七章 藤堂平助 慶応三年十一月 七条油小路 終章
滋賀県南部を横切って琵琶湖にそそぐ「近江太郎」の異名を持つ野洲川は、ほぼ10年に1回の割合で大氾濫を繰り返す暴れ川だった。 水害を被るたびに流域の村々が堤防を積み増しした結果、下流では川底が周囲の地面よりも高い天井川となり、危険この上ない状態となっていた。下流部で分かれた北流と南流の改修は、流域住民の悲願だったが……。 『京都インクライン物語』で第1回土木学会著作賞を受賞した田村喜子が、改修事業に関わる流域住民のさまざまな心の動きを活写。
商業資本から金融資本へと移りゆく昭和初期。「草筏」に続く次代を近江商人の家を中心として商業の変遷を描写。 電子書籍版も発売中。詳しくは各電子書籍サイト(honto、楽天kobo等)でご覧ください。
徳川末期の経済政策の波に揉まれながら商圏を拡大してゆく近江商人の意気盛んなさまを描写。第9回野間文芸賞受賞。 電子書籍版も発売中。詳しくは各電子書籍サイト(honto、楽天kobo等)でご覧ください。