出版社 : サンリオ
ニューヨークを舞台に、華やかな作詞家の道を歩んでいた23歳のホリスは、今や傷心の極みにあった。夫は有名なポップスシンガー、その彼が女優との仲を噂され、あげくに謎の自殺を遂げたのだ。心ないマスコミの取材から身を隠すようにしてロングアイランドの知人の別荘に身を寄せたホリスはここでも心休まる時は持てなかった。使用人たちの冷たい態度、かたときもホリスから目を離そうとしない庭師のピートのことなど、ホリスは混乱していくのだった。そんな心の傷を慰めるかのように近づく男がいた。植物学者、アランだ。
ケンウィン伯爵の娘サマラはとても父親思いで、借金をかかえた苦しい生活にも明るさを失わない。ある日、屋敷の前に豪華な馬車が横づけにされた。訪問者は見知らぬ年配のレディだったが、弟の結婚相手としてサマラを迎えたいと切り出した。しかも、結婚式は半月ほど後に決まっているという。会ったことも話したこともない人と結婚だなんて!サマラは当惑するが、相手がバックハースト公爵ときいたとたんすらすらと返事していた。「喜んで申し出をお受けします」。
ああ、なんていい気分。ノースカロライナの自然に接すると、心が大きくなったような気がしてくる。テリーは専門の民話研究の資料を集めるためにこの小さな町、スーワードを訪れたのだ。はやる心を抑えられず、いつになく落ちつきを失くしていた彼女は、なんと駐車場で一人の男に車をぶつけてしまった。慌てて駆つけるテリーに男はそっけなく答えた「ほっといてくれ」。だが孤独な瞳をもつこの山男に、テリーの心は騒ぎはじめた。
「人生なんて不公平よ!」レギュラー出演していたTV番組を降ろされ、しかも、かわりに起用されたのがニワトリだなんて。アミーは腹立ちまぎれにスーパーに入り、ショッピングカートに商品を投げ込んでいった。ところが、いざレジで会計をというとき財布を忘れてきたことに気がついた。慌てるアミー…。その時、後ろから「どうかしたの?」と優しい男の声がした。
16世紀後半、プロテスタントのイギリスと、カソリックのフランス、スペインとは宗教的に激しく対立していた。イギリス船、アリオン号の船長の娘リリーは、父母に伴われ、サント・ドミンゴに祖母を見舞った帰り、何者かに船を襲われ、目の前で父を殺されてしまう。ようやく無人島に逃れ、命は助かったものの、母は熱病にかかり、この世を去る。わずか12歳のリリーは、小さな弟と妹をかかえ、誰からも忘れられたまま、その熱帯の島に取り残されるのだった。そして、いつしか7年の歳月が流れた-。
リリーの父母と運命を共にしたエリザベス女王の家臣ベイジルの弟、ヴァレンタインは、兄の行方を捜しつづけ、ついに、リリーたちを見つけだし、故郷イギリスに連れ戻した。16歳のリリーは、精悍なヴァレンタインに次第に心惹かれていくが、彼には、コーデリアという美しい婚約者がいる-リリーの想いは通じないかにみえた。平穏無事なその生活に突然、降ってわいたような事件が起こる。リリーの邸をわが物にしようと企むハートウェルを、誤って殺してしまったのだ!思いもかけないできごとに、ただ茫然と立ちつくすリリーだったが…。
マギーとチェース(「見はてぬ夢」に登場)の愛の結晶、タイの青春を描く待望のカルダーシリーズ第4弾。成長したタイは、父に反発をおぼえながらも、牧場に生きる男としての自覚を深めつつあった。しかし、都会育ちの美しい妻タラ・リイの野心と浪費にふりまわされる日々の中で、牧場育ちの素朴な娘ジェシィに、心の安らぎを求めるようになっていく。そんな折、タイの両親や妹キャスリーンまでも巻き込む恐ろしい事件が起こった。カルダー牧場の未来は、そしてタイの愛のゆくえは-。
父母を失い、頼る人もいないドルーシラは今は住み込みの家庭教師として公爵家で働く身。そんなある夜、ドルーシラの部屋に、今は候爵となっている幼なじみのヴァルドが飛び込んできた。「きみだけが、ぼくを助けることができるんだ」思いがけない再会に驚くまもなく、雇い主の公爵が現れ、公爵夫人とヴァルドとの仲を疑い、決闘を申し込もうとする。ヴァルドをかばうためにドルーシラは思わず、彼から求愛され、結婚するつもりだと告げる。
ジェニー・ウェバー、30歳。いまN・Yで活躍中の売れっ子コピーライター、離婚歴あり。ロングアイランドでの週末、溺れかけたジェニーはたくましい男に助けられた。男の名はクーリー、コロラドから来たカウボーイだ。ジェニーと、クーリーはその日のうちに恋に落ちる。だが、恋の喜びもつかのま、あまりにもかけ離れた二人の生活に、ジェニーの悩みに深まってゆく。
ボストンの法律事務所で弁護士を目指して働くローラ。そんなローラのもとに、何と母が逮捕されたという知らせが飛び込んできた。とるものもとりあえず駆けつけてみると、もう辣腕弁護士が身受けしていったというではないか。その弁護士とは、ボストンでは知らない人はいないという存在、ケイシーだった。古きよき街並を守るために、現在D・J・K社の地域開発計画を阻止しようと戦っている彼に、ローラは正義感の強かった前夫の姿をだぶらせる。2人は互いに惹かれ合うが、そこには意外な落し穴が待ち受けていた。
きらびやかなグランドオペラ舞踏会は、ジニイとスティーヴの噂話でもちきりだった。アメリカ上院議院ブランドンの娘ジニイは、ロシアの貴族サルカノフの未亡人となっていた。ジニイを連れ戻したスティーヴは、ふたりの過去がスキャンダラスな話の種になることを辟易してくる。ついに彼は、一年の約束でジニイに結婚をせまる。華麗な結婚式-だが、それもジニイには空ろな出来事として映らなかった。二人の間からはわだかまりがぬけず、スティーヴの態度もどこかよそよそしい。そんなある日、スティーヴは彼女を娼館に連れこむのだった。
義理の母ソニヤはスティーヴの愛人だった!ジニイはスティーヴと別れる決心をすると、ひとりメキシコに旅立つ。その傍には、ジニイを自分のものにしようとするアンドレがいた。が、突然の大地震で失明してしまうジニイ。スティーヴは彼女が死んだと聞かされるや、アンドレを追い、決闘の末、彼を殺す。傷心のスティーヴは、ジニイへの思いを振り切るようにプレヤーズ・エンドに向かうのだった。南北戦争直後のアメリカ南部を舞台に、淑女と娼婦のふたつの顔をもつヒロイン、ジニイとスティーヴの愛と憎しみのドラマ「甘い野生の恋」の完結編。
あるときはかたむいた遊園地、あるときは7,900年後の海辺、またあるときはカラッポの水族館。電報を巡って、会えないあなたとわたしがくり広げる、谷山ファンタジーのメリー・ゴー・ラウンド。回転木馬にのってでかけよう。現実と異次元との間を自在に駆け回るヒロコさんの最新作!
なに不自由なく育つたシェイラ・ロジャーズは、ある日突然、すべてを失うことになった。新婚旅行の最中、メキシコ山中で山賊の一団に襲われて夫を殺され、彼らの隠れ家に連れ去られた。一団を統率するラファーガ〈風〉と呼ばれる男は、自分に女がありながらも、シェイラに野性的な情熱を抱く。けんめいに拒みつつ、シエイラはいつしかこの荒々しく力強い男に身も心もゆだねたいと願うようになっていた。しかし、それもつかのま、捜査の手は刻々と迫っており、シェイラにもついに決断のときが来た。
平凡な人生を歩んできたランナ・マーシャル。彼女の運命はひとりの老人に出逢った日から、思いがけない方向にむこうことになった。彼の息子チャドとナバホ・インデイアンとの混血の私生児ホーク。まったく違う世界で生きてきたふたりの男に、同時に惹かれていくランナは、財産をめぐる家族同士の争いとうらぎりの罠にはまっていく。ランナの愛は?運命は…?広大なアリゾナの自然を背景に、ジャネット・デイリーが情熱を込めて書きあげた感動のロマンス長編。
モンタナの大牧場主の息子チェースと貧しい娘マギーとの恋はかなうはずのない夢でしかなかった。ましてマギーの父が、大牧場の牛を盗む泥棒とわかってからは…。警告にもかかわらず盗みをやめなかった父は、ある日マギーの見ている前で処刑されたが、そこには黙って見守るチェースの姿もあった。マギーの愛は一転して、激しい憎しみに変わる。カルダー大牧場への復讐を心に誓うマギーだったが、皮肉な運命の女神は、16歳の彼女にチエースとの愛の結晶を授けていた。絶大な権力を誇るカルダー家の愛と憎しみの歴史を描く、待望の大河ロマンス、カルダーシリーズ第一弾!
「見はてぬ夢」につつぐカルダーシリーズ第2弾、前編!舞台は100年前のテキサス。開拓に夢をはせるベンティーン・カルダーは、17歳になったばかりのローナを妻にむかえ、遠い未知の土地モンタナへ旅立つ。はてしない荒地とインディアンへの恐怖、そしてカルダーを陥れようとする男たちの策略のなかで、ふたりの愛は、ともすれば傷つけあい、まどい、反発しあう。レディたるもの、性の悦びを感じてはならないという道徳感がまかりとおっていた時代。ローナは、あまりにも強い愛の衝動に、恥じらい戸惑うのだが…。