出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
タマラは15歳で両親を亡くしたあと、厳格な伯母に育てられた。そのせいで禁欲的な考え方が染みつき、恋とは無縁の人生を送る彼女が堅物の婚約者を選んだのも自然のなりゆきだった。そんなある日、タマラは休暇でひとりカリブの島を訪れた。「彼ってとってもセクシーだと思わない?」とささやく同じ観光客の婦人の声に顔を上げると、南国に似合わない黒ずくめの服装をした野性的な男性の姿が目にはいった。思わず、謎めいたその男性ザッカリーをむさぼるように見つめてしまい、タマラは激しい自己嫌悪をおぼえた。まさかその数日後、彼に身を捧げることになるとは夢にも思わず…。
4歳になる娘セアラを一人で育てるヘザーは、 ある会社の宣伝部長との約束に遅れてしまい、 代わりに運よく社長と会えることになった。 その社長がライアン・ジェイムソンとは思いもよらなかったーー 4年半前、あれほど愛しながら妊娠を告げないまま別れた人。 もう二度とライアンには会いたくなかったのに。 でも、私の企画が採用されれば、また顔を合わせることになる。 時間に遅れた理由を話したら、彼はなんと言うだろう? 〈ロマンス・タイムマシン〉と題してその年の名作をお贈りする企画、1993年の今回は、キャスリン・ロスのシークレットベビーがテーマの物語。恋人の浮気を知って、妊娠を告げぬまま別れたヒロインが思いがけず、彼と再会。娘の存在を隠し通そうとしますが……。
もてあそばれた心はまだ痛むのに、 思わぬ再会に胸が震える……。 母亡きあと、サリーは横暴な父との暮らしに耐えてきた。 異様に厳重な警備に囲まれた黄金の鳥籠のような生活の中で、 唯一の心の支えは、彼女の身辺を守る元FBIのポールだった。 いつしかサリーはたくましい年上の彼に惹かれ、熱い想いをぶつけた。 だが、ポールは彼女に甘いキスを浴びせておきながら、 さよならも告げずに、ある日忽然と姿を消してしまった。 ショックと悲しみに沈むサリーに追いうちをかけるように、 彼には妻子がいると父から聞かされ、彼女は打ちのめされた。 それからずっと、サリーの心は死んだままだったーー 3年後、あの日と変わらぬ魅力的な彼の姿をふたたび目にするまで。 北米ロマンス界の最重鎮ダイアナ・パーマーの長編をお届けします。超人気シリーズ〈テキサスの恋〉の舞台をメインに展開する本作は、まさに“ダイアナワールド全開”のロマンス。年上ヒーローとうぶなヒロインのもどかしくて切ない恋の行方にご注目ください!
病院のベッドで昏睡状態から目覚めたジェニーは、 医師や看護師から“イザベラ”と呼ばれて困惑する。 ジェニーは友人イザベラと車に同乗し、事故に遭った。 どうやら警察は、不幸にも亡くなった友人とジェニーを 取り違えてしまったらしい。 するとそこへ、イザベラのいとこを名乗る、イタリア大財閥の 御曹司ダンテが現れた。余命僅かな祖父に会ってほしいという。 耐えきれなくなったジェニーは人違いだと告白するが、 ダンテは顔色一つ変えず、冷淡にこう言い放った。 「刑務所に入りたくなければ、イザベラとして一緒に来るんだ」 天涯孤独で貧しいジェニーの人生は、ある自動車事故をきっかけに180度がらりと変わってしまいます。実力派作家エマ・ダーシーらしい、読みごたえたっぷりのシンデレラ・ロマンスです。
彼女は子爵にとって、闇を照らす麗らかな木漏れ日ーー RITA賞受賞作家が紡ぎだす、リージェンシーに咲いた恋。 小さな村に暮らす準男爵の娘ルイーザは、名付け親の遺言によって社交界デビ ューをすることに。とはいえ愛ゆえに悲しい最期を遂げた母の影響で結婚に興 味はなく、ロンドンへも渋々赴いたのだが、そこで滞在先の隣の豪邸に暮らす ウェイクフィールド子爵と出会う。彼は、もう何年も公の場に姿を現していな い隠遁貴族ーーこの世のすべてに背を向け、本来は見目麗しいであろう容貌も すっかり陰を帯びている。なぜこの人はここまで心を閉ざしてしまったの? ルイーザはいてもたってもいられず、子爵の力になりたいと奮闘するが……。
愛する人を守るためなら、この命さえいらない。 絶対的人気のマヤ・バンクス、涙の最新作! 里親のもとを転々としながら、孤独で壮絶な少女時代を過ごしたイライザ。心 の傷はまだ癒えていないが、信頼できる仲間もでき、今は警備会社で唯一の女 性スタッフとして働いている。目下の悩みの種と言えばある事件を通し知り合 ったウェイド。尊大な彼とは顔を合わせれば喧嘩ばかり。それなのに突然、ウ ェイドからパーティの招待を受けたうえにすてきなドレスまで贈られ、思いが けない出来事にイライザは胸をときめかせる。だがその背後には危険が忍び寄 っていたーー10年前の忌まわしい悪夢が、今また彼女を地獄へ連れ戻すため。
ヴィクトリア朝時代イギリス。カミールはその知らせを聞き、恐怖に凍りついた。愛する養父が盗みを働こうとしてカーライル城に忍びこみ、捕らわれたというのだ。先代の城主夫妻が悲惨な死を遂げて以来、その城には呪いがかかっているともっぱらの噂。さらに現在の城主である伯爵ブライアンは、両親は殺されたのだという妄想のもと世間を恨み、復讐に燃えているらしい。でも…たとえそこが呪いの城だとしても、養父を見殺しにはできないわ。カミールは勇気を振り絞り城に赴く。待っていたのは奇妙な獣の仮面をつけた伯爵だった。
母と姉が男性に裏切られて不幸の一途をたどったため、 ベス・ヘイリーは男を毛嫌いしていた。 とはいえ、子供だけはどうしても欲しいーー思い悩んだベスは、 あるパーティに紛れて誰かを誘惑するという大胆な計画を立て、 大人の雰囲気を漂わせたアレックスなる人物に近づく。 妊娠するためだけの一夜は意外なまでに燃えあがるが、 ベスは素性を隠したまま、寝ている彼を残して姿を消した。 まさかアレックスが、ギリシアに名を馳せる財閥の跡取りで、 その権力を使って自分の行方を捜し回るとは夢にも思わずに。
小さな牧場で男まさりに育ったコリーは、 十代のころ、隣に住む名家の長男ニックに恋をした。 しかし淡い恋心はあっけなく打ちくだかれた。 ニックは、コリーが彼の弟と親しくしているのを快く思わず、 その関係が幼なじみの域をこえていると思いこみ、 住む世界をわきまえるようコリーに言い渡したのだ。 以来6年、隣人ながらほとんど顔も合わさない日々が続いたが、 ある日、コリーがいつものように花壇に水をやっていると、 険しい表情を浮かべたニックが近づいてきて……。
社長のセサル・モンテロが交通事故に遭ったというのに、ソーチャは入院中の彼と面会すら許されずにいた。セサルの個人秘書として働きだしてからずっと、魅力的な彼に対する想いを心の奥に隠してきた。だが3週間前、その想いがとうとう実を結んだのだ。ところが不運にもセサルは事故直前の記憶を失い、その隙に彼の親は、ある女性と息子との婚約話を進めていた。セサルの愛は一夜の幻だったの?絶望したソーチャは姿を消したーおなかに彼の子を宿して。
愛だけはくれないプレイボーイの誘惑。 溺れるのはどうかしている。でも……。 カウンセラーのアリスは、ロンドンにある保護施設で、 暴力をふるわれた女性たちのために働いていた。 ある日、資金も人手も圧倒的に足りないその施設に、 途方もなく美しい大富豪が支援を申し出てきた。 ジェレミーはロンドン一のプレイボーイと噂される男性だ。 彼の目的が自分だと、アリスは最初から気づいていた。 それでも、アリスはジェレミーに身を差し出すしかなかった。 苦しむ女性たちを一人でも救うためには、お金が必要なのだ。 バージンだと知られて、彼に幻滅されるとしても。 35歳までに大富豪になると誓った〈独身富豪クラブ〉のメンバーたち。クラブ最後の大物独身プレイボーイ、ジェレミーが満を持して登場です! 狙った女性は必ず落としてきた彼の次の標的は、過去のつらい経験から男性恐怖症になったアリスでした……。
「あなたはいったい何者なの?」 「君の夫ーーそして主人だ」 “君は僕のもの。僕の島へ来て妻となる。髪に花、首には宝石” ギリシア富豪レオンの言葉が、いま現実になろうとしている。 9日前、看護師のタラは患者のレオンにいきなり唇を奪われた。 ふたたび唇を奪われた夜、タラは我知らず結婚を承諾していた。 しかしほどなく、巧みな口づけと愛撫の呪縛が解けると、 タラは恥ずかしさで死にたくなった。彼女には婚約者がいた。 レオンを避け続け、予定どおり結婚の日を迎えたタラだったが、 何者かに拉致され、抵抗も空しくギリシア行きの船に乗せられた。 いまだ花嫁姿のまま、レオンへの憎悪を胸にたぎらせながら。 結婚式の直前にさらわれ、囚われ、ウエディングドレスを海に捨てられて……。無力なヒロインとザ・暴君ヒーローが織りなす怒濤の愛憎劇。1980年に書かれた幻の名作、満を持しての初邦訳です!
サラは生後半年の息子を母に預け、大病院の救急科に復職したが、初日、そこにはなんと1年半前に別れた恋人ジェイミーがいた。彼女が結婚を夢見るようになったとたんに異国へ逃げた彼は、その9カ月後に我が子が生まれたことをまだ知らない。ジェイミーは最初から結婚も子供も望まないと宣言していたから、捨てられて傷心していたサラは、独りで産み育てる決意をしたのだ。彼の優秀な仕事ぶりに再びうずく恋心を必死に戒める彼女だったが、そんなとき運悪く、サラの母が孫息子を連れて二人の前に現れた。赤ん坊の月齢、瞳の色…にわかに自分の子と悟ったジェイミーは、サラの母に冷たく言った。「少しサラと二人にしてもらえませんか?」
臆病な私を追いつめるように、 蔑みの目で責めさいなむ彼……。 デーアは双子の妹の聡明さを心ひそかに羨み生きてきた。 最近、想いを寄せていた男性にあえなく袖にされ傷ついたうえ、 皮肉にも彼が見初めた相手が妹だったことがわかり、 自信を失った彼女は恋に臆病になってしまった。 やがてデーアは妹の結婚式に参列することになるが、 そこには、彼女に冷たい視線を送る一人の男性がいたーー 花婿の親友で大手海運会社の御曹司、グイド・ロッサーノ。 “ライオンハート”の異名をとる精悍で男らしい彼は、 世界の女性たちから引く手あまたの大富豪だ。 以前に一度会っただけなのに、なぜ彼は私を冷淡な瞳で見るの? 両親や妹のように幸せになりたいーーそんな切なる思いを胸に抱くデーア。グイドが見せた、いわくありげな視線が脳裏に焼きついて離れませんでしたが、1年後、再会の時は突然にやってきて……。大好評をいただいた2部作〈モンタナーリ家の結婚〉の関連作です!
華麗な舞踏会でただひとり 踊れず座る、壁の花……。 おてんば娘のジェシカは少女の頃からジャックを兄のように慕っていた。 夏の嵐のなか不運にも落馬して左足に大怪我をした彼女は、 将来の希望を失ったーー足の悪い娘なんて誰からも望まれない、と。 舞踏会でろくに踊れず壁の花となっていたジェシカに声をかけたのは、 両親を早くに亡くし若くして公爵となったジャックだった。 跡継ぎを望む祖母に結婚をするよううるさく言われ、 とうとう開くことになったハウスパーティへ彼女を招待したいという。 一瞬ジェシカの胸はときめいたが、すぐに自分は場違いだと考え直して 泣く泣く辞退すると、ジャックは見下したように尊大に言い放った。 「そばにいてほしい。君と正反対の女性を公爵夫人にしたくなるように」 英国摂政期をこよなく愛する英国人ロマンス小説家、エリザベス・ビーコンの日本デビュー作をお贈りします。長年想いを寄せてきたジャックから投げつけられた辛辣な言葉に、ジェシカはショックを隠せず手を震わせ……。傲慢な公爵の“花嫁探し”の展開やいかに?
忘れることのできなかった誓い。 守られることのなかった誓い……。 メアリーは牧師の娘、ニックはかのヴェイル公爵の子息。 彼女は身の程知らずの恋とは知りながら、ほんの一瞬でも彼に愛され、 たとえ正式でなくとも結婚の書類に署名してもらえただけで幸せだった。 だが、戦地へと発った彼が残したのは、その思い出だけではなかったーー ただ1度の契りで子を授かったことがわかり、メアリーは愕然とした。 やがて生まれた息子は、彼女も家庭教師として雇うことを条件に、 子宝に恵まれない夫婦のもとへ養子に出され、7年が過ぎた。 ある日、妻に先立たれた雇い主から強引に体を求められ、 抗ったが運の尽き、彼女はいわれなき罪で裁きにかけられてしまう。 絶望と共に法廷に立ったメアリーは、ニックの姿を目にして声を失った。 今や公爵となった彼は古い書類を手に彼女をこう呼んだ。「公爵夫人」 大御所G・ウィルソンによる英国摂政期ロマンスをお届けします。ひそやかな誓いののち離れ離れになったふたり。その後、帰還したのに長年、連絡さえよこさなかったニックが突然現れ……。衝撃の再会後に互いの切ない思いが交錯する、涙なくして読めない名作!
白百合の化身のような彼女は戸惑った。 愛のない結婚なのに、体が燃えるから。 リリーは勤務先のパーティーでデイモンと出会って恋に落ちた。 だが大富豪の彼は企業買収の仕事を最優先する人間だと思い知り、 自分のほうから身を引いたのだった。 3カ月後、セレブの誕生日パーティーでリリーはデイモンと再会し、 洗練されたタキシード姿の彼から驚くべき提案を聞かされる。 なんと結婚してほしいというのだ! 余命1年と宣告された叔父の財産を相続するためには、 一刻も早く結婚して子供をもうけなければならないという。 リリーは承諾したーーただし、ベッドは共にしない条件で。 「ええ、いいわ。わたしはもうあなたの子供を身ごもっているから 大富豪のデイモンに突然求婚されて3日後、白いドレスを着て式を挙げたリリー。ホテルの豪華なハネムーン・スイートで結婚初夜を迎えたとき、ベッドをともにしないという約束がありながら熱い想いに苛まれ……。レイチェル・ベイリーの自信作をお見逃しなく!
めくるめく情熱の夜がくれた命。 でも、結婚しても彼に愛される日はこない。 エバはため息をついた。亡き両親から譲り受けたホテルは破産寸前。 加えて、妊娠していることがわかったのだ。もちろんうれしいけれど、 ただでさえ生活が苦しいのに、ひとりでちゃんと育てられるかしら? 悩むエバの前に、かつて情熱の一夜をともにした男性が現れる。 魅惑的な声と黒い瞳を持つ大富豪キャル。彼は冷たくエバに言った。 「結婚しよう。きみは金、ぼくは花嫁を手に入れる」 どうしても妻が必要な事情のあるキャルは、 さらにエバの足下を見るような交換条件を呈示してきた。 ホテルへの高額の融資だ。 ああ、彼に愛されないことを承知で結婚しなければならないなんて……。 『小さな天使と秘めた恋』が好評だったポーラ・ロウの作品をお届けします。ゴージャスな男性との夢の一夜で、思いがけない命を授かったヒロイン。一人で赤ちゃんを育てる決意をした矢先、彼が現れますが、それはお金とひきかえの形だけの結婚の申し込みで……。
児童養護施設で育ったグレイスは、18歳でイギリスからイタリアへ渡り、名家の御曹司ドナート・ヴィトーリアに見そめられ、19の時に結婚した。財力、名声、容貌、知力、すべてに最高のものを備えたドナートが、どうしてわたしのような何もないおずおずした少女を妻に?それでも彼は熱愛してくれた。夢のような1年が過ぎ、グレイスは身ごもった。玉のような男の子パオロに恵まれたころは、幸せの絶頂だった。しかし、その大切な赤ちゃんに突然の死が襲いかかる。悲しみのどん底に落ちたグレイスの心の傷が癒える間もなく、夫ドナートの裏切りが発覚して…。
フランコが瀕死の重傷ですって!? レクシーは別居中の夫の父親から連絡を受け、凍りついた。 フランコの家を出てから3年半。離婚を考えていた矢先だった。 すぐにイタリアの病院へ向かったレクシーは、 変わり果てた姿の夫と対面し、しばらく付きそうことを約束する。 だが翌日、フランコが彼の親友の妹といるところを目撃し、 レクシーの胸にかつての苦い記憶が甦った。 彼女とフランコが親密にしている1枚の写真──それこそが、 別居に至った原因だったのだ。レクシーは、立ち去ろうとするが、 怒りに燃えたフランコが、点滴を引き抜き追ってきて……。 ミシェル・リードらしい大富豪夫妻のドラマチックな再生の物語をお贈りします。愛し合っているふたりを試すかのように、次々と予想外の試練が襲いかかり……。邪悪な脇役に要注目です!