出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
ギリシアの孤島で古い城に閉じ込められ、 父の暴力に耐えながらも、自立する日を夢見ていたセレーネ。 17歳のとき、あるパーティで彼女は生まれて初めての恋をした。 父のビジネスの仇敵、億万長者ステファン・ジアカスに。 セレーネの語る夢に真剣に耳を傾け、彼はこう言ってくれた。 「5年後に会おう、セレーネ」 彼女はその言葉だけを心の支えに、島から出る計画を進めてきた。 そして決行の日。美しく成長したセレーネは、まだ知らなかった。 ステファンがじつは悪名高きプレイボーイであるうえに、 彼と父との間には、ビジネス以上に深い因縁があるということを。 S・モーガンの作品には純粋で無垢な女性が多く登場しますが、そのなかでも今作のヒロイン、セレーネは断トツではないでしょうか。彼女には幸せになってほしいと誰もが願わずにはいられません。
「手切れ金は払う。だから父とは別れてくれ」社長の御曹司ライルから蔑むような目で見られ、そう一方的に告げられて、ケルサは思わず彼の頬を叩いていた。私を社長の愛人だと決めつけるなんて、酷いわ!だがじつはケルサ自身、なぜ入社早々に気に入られ、社長秘書に抜擢されたのか不可解に思ってもいたのだ。ほどなくして社長が亡くなり、遺産の半分をケルサに遺したことがわかると、ライルの疑念はますます深まったようだった。今度は私を金目当ての女だと罵倒するのかしら?意外にも彼は切なげな表情で、驚くべき真相を口にした。
クロエは、今夜もファーガスに電話をしていた。一夜を過ごしたこの男性に、磁石のように惹かれ、思いもかけない情熱を抱いてしまったが、クロエには、政界に再び躍りでる父親のために、重要な使命があった。そのためにもファーガスに近づき、彼の“ある行動”を阻止しなくてはならない。ファーガスに誘惑のまなざしで見つめられるたびに、クロエは罪の意識に苛まれる。いつか真実を知られれば、この愛を信じてもらえなくなるのではないだろうかと。
レジーナはイタリアの美しき街アマルフィにやってきた。そこで彼女は、色香あふれる類まれな風貌と黒髪を持つ男性ニコ・ロマーノと出会い、一目で心を奪われる。女として自信がなく、今まで恋に臆病だったレジーナだが、よく知りもしないうちに、ニコに身を捧げてしまう。一夜の戯れのはずが、逢瀬は何度も繰り返されーやがて、彼への想いは無残にも打ち砕かれることになる。ニコは手の届くはずもない、イタリア屈指の大公爵だった。しかも彼にはすでに、家同士で決められた婚約者がいたのだ。
豪奢な屋敷で何不自由なく育ったチェシーだったが、父亡きあとは使用人部屋に移り、マイルズに雇われていた。頬に傷跡が残る孤独な主人の影に、チェシーは心惹かれるが、ある日、マイルズに求婚されて、悩んだ末、退職届をだした。彼に愛などないのは明白だったから…。だがマイルズは、仕事を辞めるまでの4週間は少なくとも僕に従うべきだと、執拗に婚約指輪を買おうとする。だから、チェシーは値崩れしないアンティークものを選んだのだ。別れてから彼が売れるように。凍りついた涙のような結晶を。
訪れたバルセロナで、19歳のローズは 若き銀行家ハビエルと出会い、結ばれた。 だが、ふたりの恋が砕け散るのに時間はいらなかった。 10年後ーー従妹の婚約パーティで、 はからずもハビエルと再会した彼女は、激しく動揺する。 あのあと、ローズはせめて妊娠したことだけでも告げようとし、 彼が他の女性との結婚を控えていると聞かされて、流産したのだ。 ハビエルはローズの顔も覚えていないのか、社交的な仮面をつけ、 「お会いできて光栄だ、ロザリン・メイ」と笑顔で挨拶した。
ゴージャスな大富豪マックス・ヴァシリコスにエスコートされる鏡の中の自分を見て、エレンは息が止まりそうになった。これが“象みたいに大柄で醜い”と継姉に嘲られている私なの?マックスが手配した美容師たちの手で美しく変身したエレンは華やかな慈善舞踏会で彼とワルツを踊り、その翌日からは彼に誘われるままカリブ海の島で夢のようなバカンスを過ごす。夜ごと情熱的な愛撫に溺れながら、エレンは自分に言い聞かせた。世慣れた彼にとって、これはビジネスの一環にすぎないー私が命より大切にしている屋敷を奪うための策略なのだ、と。
私の宝物を目の前でかすめ取った盗人に、 なぜ心まで盗まれてしまったの? PR会社を経営するビアンカは、病に臥す祖父から 家宝のブレスレットを取り戻してほしいと懇願された。 ところが、オークションに出品されていたその品は、 彼女が落札する寸前に高値をつけた人物に競り落とされてしまう。 リーヴ・ドラグノフ──ビアンカの兄の仇敵である大富豪に。 ニューヨークの社交界入りを狙う野心家の彼は、 ビアンカの弱点を見て取り、屈辱的な交換条件を持ちかけてきた。 3カ月間彼の婚約者のふりをすればブレスレットは譲る、と。 承諾したビアンカは、早速彼から責め苦のようなキスを受け……。 イタリアの名門ディ・シオーネ家の秘宝が呼びよせる奇跡のロマンスを描いたシリーズ〈ディ・シオーネの宝石たち〉第3話をお届けします。大富豪リーヴがビアンカに近づいた哀しい理由とは……?
宮殿のバルコニーで、アジザは偶然に初恋の人と再会した。当時は12歳だったナビルも、今や立派なラスタンの国王だ。アジザのことを覚えていない彼に名を尋ねられ、彼女はとっさにアファリム家の長女付きのメイドだと嘘をつく。ほどなく、跡継ぎをもうけるため結婚を迫られたナビルは、アファリム家の次女を花嫁に指名する。その次女こそバルコニーで唇を奪いかけた娘とは知らずに。婚礼の夜、ベールを外した花嫁の顔を見てナビルは激怒した。「シークたる僕が、メイドと結婚するとは!」
たいせつな人はみな去っていった。 もう涙は涸れたはずなのに、再び……。 教師のリーサは事故に遭い、友人を失ったうえ、体に大きな傷を負った。 退院後は、人前に出るのが怖くて教職に復帰できず、 婚約者もそんな彼女を見捨てて去っていった。 悲しみに沈むリーサは、傷心を癒やすため遠くの地で新生活を送ろうと、 叔母の旧友一家のもとで住み込みのナニーをすることにした。 両親を亡くした幼い双子の世話は楽しかったが、 子供たちの伯父アダムだけは彼女に容赦なく厳しい目を向けた。 秩序ばかり求める彼の姿勢には、幼子への同情や思いやりは微塵もなく、 まだ足を引きずる彼女の能力に関しても疑念を口にしてはばからない。 思わず悔し涙が溢れ、リーサの瞳に映る彼の冷たく美しい顔が歪んだーー 名匠Y・ウィタルの稀少な未邦訳作品をお届けします。事故の後遺症に悩むヒロインは、年上の冷徹な雇い主に泣かされ、1カ月の試用期間のあいだに仕事を全うできなければ即解雇という厳しい条件を突きつけられます。けなげな彼女の頑張りにぜひご注目ください。
愛されなくてもいい。一夜だけ、 あなたのシンデレラになれれば。 自分に自信のないララは、ある日、絶望の淵に突き落とされた。 恋人の裏切りを目撃し家を飛び出したら、どしゃ降りに見舞われたのだ。 よるべのない彼女は身も心もぼろぼろになり、 やむなく雇い主夫妻を頼って、ナニーとして働く屋敷を訪れた。 運よく、夫妻が休暇旅行で留守にするあいだ滞在を許されるが、 そこには思いがけない人物がいたーー雇い主の親友で大富豪のルーベン。 彼も事情があって一時的にこの屋敷に滞在しなければならないという。 こんなにハンサムな男性と二人きり、一つ屋根の下で過ごすなんて! だが、ララは思わず覚えた胸の高鳴りを戒め、もう恋はしないと誓った。 片や取り柄のないナニーと、片や大富豪……分不相応な恋ならなおさら。 2016年度RITA賞の最終候補に2作品同時にノミネートされた、飛ぶ鳥を落とす勢いの実力派作家スカーレット・ウィルソン。その2部作〈愛しの億万長者〉の第1話をお届けします。失恋したヒロインを癒やす、大富豪の甘い甘い誘惑をお楽しみください!
まさか、ぼくに息子がいたとは! この子を手に入れるには、まず……。 二人の兄が相次いで王位を捨てたため、 シェルダーナの末の王子クリスティアンは 急遽、妃を迎えなければいけなくなった。 だが、国の存続にかかわる一大事とわかっていても、 独身貴族を楽しんできた彼には、王家にふさわしい相手が思いつかない。 そんなときパーティで、5年ぶりに思いがけない人物と再会する。 王子の身分を明かさぬまま別れを告げた、かつての恋人ノエル。 クリスティアンは、気まぐれにふらりと彼女の家を訪ねてみた。 するとそこには、自分そっくりの幼い男の子の姿が……。 存在すら知らなかった我が子に対面し、息子を手に入れようと、あの手この手で迫るヒーロー。でも、ヒロインは頑として受け入れず……。大人気のシークレットベビーがテーマの本作は、『プリンスの望まれぬ花嫁』、『王家の花嫁の条件』に続く関連最終話です。
記憶が戻れば、あなたは私を憎むはず。 ああ、このまま時を止められたらいいのに! 避暑地を訪れたケイトは、 大富豪ギャレットの所有する湖でクルーザーに乗っていて、 遊泳中の彼を不注意にもはねてしまった。 恐怖のあまり彼の無事を確認しただけで、 泣きじゃくりながら帰宅するが、罪悪感に苛まれ、後日謝る決意をする。 ところが、向かう途中で彼にでくわし、驚愕したーー なんと彼は視力と事故の記憶を失っていた! 気さくに話しかけられ、ケイトは謝罪の機会を逸してしまう。 さらに困ったことに、ギャレットは彼女のことを気に入り、 住み込みの秘書になってほしいと申し出てきた。 様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、北米ロマンス界最重鎮、ダイアナ・パーマーが記憶喪失をテーマに描く、スリリングな物語をお楽しみください。
15歳以上の人間が忽然と消えてしまい、子供たちだけとなった町。不気味なバリアに周囲を覆われ、食料不足に加えて電気まで絶たれた今、さらなる絶望が子供たちの間に広がっていく。そんななか突如現れたのが“預言者”を名乗る少女ー少女はバリアの外の世界と交信できると言いだし、真夜中の浜辺で怪しげな集会を開くように。一人、また一人と少女を崇める子供がそこへ集まりだし…。
預言者を自称する少女が口にした“15歳での消滅は救い”という教え。町には徐々に波紋が広がり、ついにはその言葉を信じて“消滅”を受け入れる者まで現れる。自殺同然の行為がこれ以上広がらないよう、サムたち町の議会メンバーは緊急会議を開くのだが…。何が嘘で何が真実か。誰を信じたらいいのか?飛びかう嘘と募る疑念が、やがて最悪の事態を引き起こす!シリーズ急展開の第3弾。
リアーンは、4歳になる息子ジョナサンをひとりで育ててきた。 公営アパートに住み、パートタイムの事務の仕事をしながら。 今、リアーンは固い決意を胸に息子を連れてレブドン荘園をめざす。 荘園を相続した著名な実業家ブリン・ソーンリイに会うためだ。 観光客にまざって屋敷を見学している途中、 こっそり“プライベート”と標示されたドアを抜けて奥に進む。 5年ぶりに会ったブリンはリアーンのことを覚えておらず、 「どこで会ったかな?」といぶかしそうな表情を浮かべた。 「5年前、マンチェスターのパーティーで。あの夜私、妊娠して」 自分の息子の存在を知って、ブリンは驚愕の表情を浮かべた。 この愛は秘密〉と銘打ちお贈りする企画第2弾は、長年ハーレクイン・ロマンスの中核を担ってきた作家、ケイ・ソープのシークレットベビーがテーマの物語。一夜の恋人の子を産み育ててきたヒロインでしたが、再会した彼は、彼女の顔さえ覚えていなくて……。
ホテル付秘書のアルバイトをするクローディアは、日によってホテルのオフィスで働くこともあれば、宿泊客の要請で臨時の秘書を務める場合もある。今日の任務は、最上階のスイートルームに滞在する客の臨時秘書。客は世界的な億万長者のエリス・ルフェーブルだ。“彼はトラブルそのもの。気をつけて”-そんなホテル側の注意が的中し、クローディアはさっそくトラブルに巻きこまれた。部屋に入るなり、一方的にエリスから言い渡されたのだ。「今夜は、きみもここに泊まるように」
この人に出会うために、わたしは生まれてきた…。ルーシー・モンローやルーシー・ゴードンをはじめ、実力派作家のゴージャスで熱いロマンスが目白押し!
ジェシカは父親から信じがたい話を聞かされ、頭を抱えた。雇い主から貴重な美術品を盗んだ疑いをかけられたというのだ。父は大富豪セザリオ・ディ・シルベストリのもとで働いている。このまま誤解を解かなければ、解雇されてしまうだろう…。実は2年前、ジェシカはセザリオに誘われ、食事をともにしていた。だがそのあと当然のごとくベッドへ誘ってきた彼に驚き、逃げだしたのだった。もう二度と会いたくなかったが、父の汚名を晴らすため、ジェシカは勇気を振り絞って彼を訪ねた。セザリオは相変わらず傲慢な笑みを浮かべると、こう言い放った。「父親を許そう、僕の跡継ぎを産むという取引に応じるなら」
ロンドンの大学へ進学が決まっている18歳のペニー。 けっして裕福ではない家計の事情もあり、彼女の父は広大な 敷地の一部をイタリア人実業家ソロに売却することを決めた。 ソロをひと目見た瞬間、ペニーは初めての恋に落ち、 彼からプロポーズを受けたときは心から喜んだが、 結局、ソロの隠された一面を見てしまい、涙を隠して立ち去った。 4年後、事故で父を亡くしたペニーは驚くべき事実を知る。 相続するはずの家と土地の半分をすでにソロが手に入れていたのだ。 別人のように冷酷になった彼は、ペニーに結婚を迫ると、 強引に海辺の隠れ家へ連れ去った。これはハネムーンだと告げて。 ジャクリーン・バードが描くヒーロー像は、なんといっても傲慢、冷酷、非情。それにもかかわらず、なぜこうも魅力的なのか……?その秘密が、この作品の中に隠されています。