出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
親友の双子の出産の手助けのため、クレアはイタリアを訪れた。空港で出迎えてくれるはずだった親友の夫の代わりに現れたのは、彼の弟。目も眩むほどハンサムなロマーノだった。巨万の富を誇る大物実業家の彼は、初対面から皮肉っぽい言葉や態度でクレアをいら立たせた。なんて高慢な人なのかしら。どきどきするわたしがおかしいのよ。しかも、彼は断言しているー愛など幻想だ、絵空事にすぎない、と。きっと亡くなった美しい妻を忘れられずに、心を閉ざしているのだ。こんな人を愛しては絶対にだめ。クレアはよくわかっていたのだが…。
年上の富豪キアに想いを寄せていた18歳のホープは、ある日、彼女の継父とキアの信じがたい話を立ち聞きしてしまう。キアが継父の会社を買収することになり、その見返りとして、継父はホープを差しだす提案をしたのだ。それに対してキアは、ホープは欲しいが妻に迎える気はさらさらない、と拒絶した。深く傷ついたホープは、翌日逃げるように家を出た。4年後、ホープが働く宝石店に突然キアが現れた。キアは臆面もなく彼女に4年間の空白を埋めるよう迫り、彼を忘れられなかったホープは一夜だけと誓い純潔を捧げてしまう。キアのもとを去った彼女だったが、ほどなく妊娠に気づき…。
ケルダが13歳のとき母が再婚し、新しい兄ができた。再婚相手の大富豪の御曹司で、見とれるほど美しいアンジェロだ。彼はなぜかケルダに厳しくあたり、彼女の育ちの悪さを咎めた。だがそんな二人の関係はケルダが18歳のときに一変する。あるパーティの夜、成り行きでキスを交わしてしまったのだ。それを見た継父は激怒して、すぐさま彼を家から追いだした。6年後、ケルダは偶然アンジェロに再会した。なぜか彼女の窮状を知る彼は、愛人になれば援助してやると言い、やがてケルダが彼の子を宿すと、強引に結婚を迫ったのだった。
タラが世界的に有名なホテル王マックスに見初められてから1年。彼女は最近、ふと不安な気持ちに襲われるようになった。多忙な彼と会える時間はわずか。しかもいつもベッドの中だけ。つまり、彼にとって私は都合のいい愛人なんじゃない?しかもタラはここ最近、吐き気と体調不良に悩まされてもいた。-じつは彼女は妊娠していたのだ。マックスに知られたら堕胎を迫られる…怯えたタラは家を出るが、彼は金の力で強引に捜しだすと、驚いたことに結婚を申し出た。なぜ今になって突然そんなことを言い出したの?結婚よりも本物の愛を欲していたタラは、彼にある提案をする。
カルロが亡き姉の忘れ形見を引き取ると言い出して、1年。カサンドラは姪を連れ、あてどなく街から街へと移り住んでいた。あの日、妊娠を伝えた姉に、中絶費用を送りつけてきたカルロ。無言の侮辱に耐え、姉は出産したが、そのときの非情な仕打ちを思い返すだけで腸が煮え返る。そんな男に姪を渡す気はない。海から少し離れたところに宿をとっていたカサンドラは、浜辺から戻ってくるなり、フェラーリに気づいてふと足をとめた。車から、一分の隙もない身のこなしの男性が降りてきたからだ。それは、冷酷な人でなしー大富豪カルロ・バレンティだった。
突然、病室に現れた義兄モーガンの姿にセリーナは茫然とした。セリーナの事故の知らせを聞きつけて、やってきたという。母親が再婚したとき、セリーナはまだ12歳だった。孤立しがちな彼女を年の離れた義兄だけが気にかけてくれ、その優しさに触れるうちに、次第に彼を好きになってしまった。後ろめたい思慕を隠そうとしたのに、いつしか知られてしまい、17歳のセリーナは悩んだあげく、家を出たのだー二度と義兄に会わないと決めて。もがき苦しむセリーナに、モーガンが低い声で突きつけた。「きみを家に連れて帰る」
何度も求人広告に応募しているが、地味で冴えないソフィは、 いまだ一度も面接までこぎつけたことがない。 最後の頼みの綱だった秘書の仕事も、案の定だめだった。 落ち込んだソフィは、思い切って美容院のモデルをすることに。 結果、だれもが振り返る奇抜な赤髪にされてしまい……。 そんなときに、折あしく面接通知が舞い込んできたのだ。 面談に挑んだ彼女を待っていたのは、敏腕弁護士のジェイソン。 冗談も通じないほど堅物の男は、髪に目をあてたまま言い放った。 「きみを雇うかどうかは、ダーツで占って決めさせてもらう」
パリで住みこみ家事をしている学生クリスタベルは、女主人に用事を言いつかって、その義兄ローランの住む、ブルターニュの奥地へやってきていた。深夜に古城に辿りつくと、待ち受けていたのはひとりの男。浅黒い美貌に、嫌がらせのような皮肉な笑みを湛える彼に、「誰の差し金だ。ぼくを誘惑しにきたのか」突然犬をけしかけられるや、憎々しげな目で一瞥されたのだ。何年も城に引きこもっており、気難しいと噂の城主だったが、あまりにもひどい侮辱に、混乱するクリスタベルは唇をかんだ。
億万長者の娘マーリンは身分を隠し、自立できるように、 屋敷の住み込みアシスタントとして働き始めた。 充実した日々を送っていたが、ひとつだけ悩みがある。 雇い主の息子で、ハンサムだが冷血漢なキャメロンの存在だ。 彼はマーリンのことを貧乏で品のない女と決めつけて侮辱し、 顔を合わせるたびに、首にすると脅すのだ。 ある日、風呂上がりにくつろいでいたマーリンは、 あやまって寝室のドアを開けたキャメロンに裸を見られてしまう。 すると彼は、「ぼくを挑発する小悪魔め!」と罵り始めた。
本を愛するすべての人へ。 フランスで26万部突破、 36カ国で刊行のベストセラー小説 彼は今日も朗読するーー死にゆく本を“天国”へ送るため。 パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、 本を“死”へ追いやる毎日にジレンマを抱えている。 生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して“往生”させるのが日課だが、 憂鬱な日々はある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始めるーー。 読後きっと、いつもの景色が違って見える。 人生の葛藤と悲哀、希望を描いたベストセラー小説。
アメリカの静かな田舎町で、湖から女性の凄惨な死体が見つかった。ナイフで刑事を刺し、逃走を図った若い男が直ちに逮捕され、犯行を自供する。だが男は留置場で自殺。両手首にインクカートリッジを突き刺し、血塗れの壁には無実を訴えるメッセージが残されていたー。地元警察の失態により緊急招集されたジョージア州捜査局特別捜査官ウィル・トレントは、男の自供に疑問を抱くが…。
自殺した男は気弱な青年で、捜査を進めるほど、計画的で冷静、残忍というプロファイルから離れていく。男は警察に無理やり自供させられ、罪を着せられたのかー。地元の警官たちに敵視され、ウィルが協力を得られないなか、第二の死体が発見される。そして被害者たちと自殺した男との間に奇妙な共通点が浮かび上がり…。ウィル・トレントが静かな町で見つけた邪悪な闇とは。
売れない小説家ポールはある日、成功した同級生に再会し、裕福な弁護士アリスを紹介される。彼女に取り入ろうと人気作家を装い、嘘を重ねていくポール。まんまとギリシャの別荘に招かれたもののレイプ事件が発生し、警察に嗅ぎ廻られることに。10年前に起きた未解決の少女失踪事件の際も彼は島にいたのだ。嘘の山に足をすくわれ突如容疑者となったポールの休暇は悪夢の一途を辿り始め…。
その朝、父は誰かに殺され、母は首を吊っていた。15歳のマーニーは、幼い妹ネリーが殺したに違いないと確信し、人知れず死体を庭に埋める。なぜなら幼児性愛の父親はマーニーだけでなくネリーをも弄んでいたのだから。そんな姉妹の姿を、怪訝な目で見つめる隣人レニーがいた。レニーは少年を買春した咎で苛めにあっている老いた同性愛者だった…愛に飢えた姉妹の危険な遊戯が、いま始まる。
ダリオ・ディ・シオーネは自他ともに認める仕事人間だ。その彼が仕事を離れてマウイ島を訪れたのは、祖父のためだった。家宝のイヤリングを取り戻せば、病床の祖父も安堵するはず。ところが交渉相手として現れたのは、あろうことか別居中の妻、アナイスだった。一方、アナイスも動揺を隠しきれなかった。6年前、ダリオは彼女の浮気を疑い、家を出ていった。濡れ衣を着せられても、いまだ彼への想いは変わらない。ダリオは驚くかしら?あなたには息子がいるのよと告げたら…。
ついさっき出会ったばかりの男性とイタリアへ?妹の付き添いを住み込みでやらないかというダニーロの申し出に、テスは耳を疑った。ロンドンで小学校教師をしているテスは、顔見知りの男からの度重なるストーカー行為に悩まされていた。今日は夜道でその男に拉致されそうになっていたところを、偶然通りかかったダニーロが危機一髪で助けてくれたのだった。夏休みに外国へ避難するのは、最良の方法には思えるけれど…。迷った末、テスはトスカーナ地方にあるダニーロの屋敷を訪れた。愛を拒む大富豪に身も心も捧げることになるとは夢にも思わずに。
日々厳しい訓練を積む18歳のバレリーナ、アーニャの前に、初恋の人ローマンが現れた。燃えあがる情熱に身を任せ、純潔を捧げた彼女は、翌朝彼の姿がないことに気づいて絶望する。14年後、今やプリマとなったアーニャは、楽屋を訪ねて来たゴージャスな実業家の正体に気づいて固まった。ローマン!今ごろ私に何の用があるの?だが、冷たい態度とは裏腹にアーニャの心は乱れていた。ローマンが纏う、かつてはなかった秘密の匂いに煽られて。
愛は人の心を壊すと彼が言うなら、 壊れた心を癒すのが愛だと伝えたい。 病院で働くティナは、姉とその3人の幼子と暮らしている。 姉は浮気性の夫に金品を持ち出されたうえに借金まで背負わされ、 産後鬱を患っているので、ティナが支えなければならなかった。 とはいえ、彼女自身も学費を返済中で生活に困窮しているため、 子守りも雇えずやむなく生後5週間の姪を職場へ連れていった。 すると、ハンサムで優秀と評判の産科医ジョックに見咎められ、 未婚の母であることを隠して不正に職を得たといわれなき非難を浴びる。 あまりに一方的な言葉に、怒りと悲しみに打ち震えたティナは、 彼の頬に平手打ちをくらわせ、その場で仕事を辞めてしまうが……。 苦労人と呼ぶにふさわしいヒロインと、不幸な生い立ちがもとで愛を信じないヒーローの切ない物語をお贈りします。悲喜こもごものエピソードのあとには、じんわりと心に染み入る感涙の結末が待ち受けていて……。かわいらしい子供たちにもぜひご注目ください!
今夜だけ、彼は私のもの。 明日からは、思い出を胸に生きていく。 パーティ会場で、シャンパンのグラスを手に近づいてくる長身の男性から デジは目が離せなかった。なんてゴージャスな人なのかしら。 たくましく広い肩、魅力的な笑みをたたえたセクシーな口もと。 危険な光を放つエメラルド色の瞳に見つめられ、心臓が激しく打ちだす。 ニックと名乗った彼にダンスに誘われ、気づくとデジは唇を奪われていた。 そして抗い難い衝動に突き動かされるまま、ニックと一夜を共にするが、 情熱のあまりの激しさに怖くなり、翌朝早く彼の屋敷を逃げ出した。 もう二度とニックとは会わず、思い出だけを胸に生きていくつもりで。 やがて妊娠に気づいたデジは彼が億万長者のニック・デュランドだと知る。 彼に知られてはならない。あの夜、赤ちゃんを授かったことは……。 D-1708『億万長者の非情な提案』の関連作をお楽しみください。MIRA文庫『5つの恋と夢の時間』収録の刺激的な官能ロマンス「深紅のドレスと真珠のプレイ」で注目を集めたトレイシー・ウルフ。今作も、冒頭から引きこまれるセクシーな作品です