出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
伯爵令嬢スザンナは、世間知らずが災いしてロンドン社交界から締め出された。もはや良縁に恵まれる可能性は絶望的だと激怒する父に連れられ、スコットランドに滞在していたある日のことー颯爽とした逞しい体つきのジェームズと名乗る男爵が訪ねてくる。近隣の領主だという彼が、伯爵の暗殺を企てる輩の存在を忠告すると、彼に惚れ込んだ伯爵は、初対面の彼に娘と結婚してくれと申し出た。驚くことに男爵はあっさり承諾。怖じ気づいたスザンナはある条件を出す。“夫婦がベッドを共にするのは3年に1度だけ”こうして二人の白い結婚は幕を開けたが…?!
少女時代に、母が石油王の屋敷で住み込みのメイドに雇われて以来、カタリーナはセクシーでハンサムな御曹司ウィルに夢中。だが、願いがかなってデートをするまでになったのもつかのま、ウィルの残酷な言葉とともに、幸福な時間は終わりを告げた。「きみとのことはすべて間違いだった」ばかな私。大富豪の彼とは身分が違うのに……。それから4年。傷心を抱え働く彼女の前にCEOとなったウィルが現れた。官能的な笑みを向けられた瞬間、忘れたはずの想いはあふれだし、強引にキスされただけで彼にすべてを委ねたくなってしまう。雇い主に恋心を抱く
政略結婚を目前に控え、シェルダーナを訪れたオリヴィアは不安だった。父の決めた未来の花婿がどんな人か、ほとんど知らないのだ。プリンス・ガブリエル・アレッサンドローー礼儀正しく親切な婚約者だけど、私を愛してはくれないわよね。しかし、ガブリエルは気高く麗しい金色の瞳でオリヴィアを見つめると、宮殿の庭へ連れ出し、優しく情熱的なキスをしてきた。この胸の高鳴りが、恋なのかしら。やがてオリヴィアは彼に純潔を捧げ、情熱の甘い波に身を任せる。ところが、突然の腹痛が彼女を襲った。まさか、過去の病気が再発したの?どうしよう。世
ローラがトムと出会ったのは、ロンドンの雑踏に立つ、古ぼけた骨董品店の前だった。ウインドーの中の、銀の小箱に見とれていた彼女に、トムが声をかけたのだ。以来、共通の友人を通して顔を合わせるたび、トムが向けてくるまなざしに、ローラの胸は甘く高鳴る。だが彼は、お金と時間と女性をもてあました15歳も年上の放蕩者。長年別居している妻がいるのにフランス人の美しい恋人を連れている。周りが囁くそんな噂に苦しんだローラは、彼への想いを断とうとした。それなのに、トムはあの小箱を彼女に贈り、激しく唇を奪った。噂を盾にこの愛を拒むことなどできないと、刻印するかのように。
列車で向かいに座った女性を見て、セシリーは、似ていると思った。高級な毛皮のコートを着て、身なりこそ違うけれど、目鼻立ちも、すみれ色の瞳も、ライトブラウンの髪も、わたしと同じ。-とその時、列車が轟音とともに急ブレーキをかけ、激しく揺れた。病院で目を覚ました彼女は、記憶を失っていた。彼女の名前は“ジェシカ”といい、亡くなった父親の遺産相続のため、町に向かう途中の事故だったと、亡父の従弟ジェイムズが教えてくれた。ジェイムズの屋敷で静養することになったが、なにか腑に落ちない。スーツケースにあった服はどれも派手な高級品で好みではないし、ジェイムズがわたしを訝しむようなまなざしで見るのは、なぜ…?
ロウィーナは恋愛を避け、仕事ひとすじに生きてきた。そんな彼女が、予期せぬ妊娠をした。相手はクイン・タイラー。著名な形成外科医としてその名を世界に轟かせている彼は、ロウィーナの大学時代の友人だった。3カ月前、偶然再会するまでは。クインがあまりにもゴージャスな大人の男性に変貌していて、ふだんは男性を避けているのに、つい一夜の情熱に溺れてしまった。いかにもプレイボーイな彼にとっては何でもないことに違いない。とぼとぼとオフィスに向かうロウィーナは、はっと顔を上げた。クインが目の前に立ちはだかっている。どうして彼がここに?彼は怒りに燃えた目で、まっすぐ彼女を睨みつけていたー。
あの夏、わたしはサンフランシスコ郊外を震撼させた連続殺人鬼と対決し、死にかけた。犯人を追う刑事の父を助けたくて、ある行動をとったせいで。もしもあの瞬間、妹がいてくれなければ、きっと殺されていただろう。そして30年あまりが過ぎた今、真相を知るのはわたし一人だけになってしまったー。70年代後半のカリフォルニアを舞台に、みずみずしくも危うい少女たちの夏を描いた話題作。
飼い主を亡くした悲しみを経て、エドガー・ロードで“通い猫”として暮らすようになったアルフィー。ある日、空き家だった48番地に新しい家族が越してきた。だが何かから隠れるように人目を避ける一家の不審な様子に、近隣住民はざわつきだす。アルフィーはその一家と、彼らが飼う心閉ざした白猫のことが気になり…。悩める者のため1匹の猫が立ちあがる!?全英絶賛ハートフル猫物語、第2弾。
なぜ人は人を殺すのかーその謎が遺伝子レベルで解き明かされた近未来。そこは、殺人遺伝子保因者を蔑み、罪の烙印を押して排除する、静かなる狂気の世界だった!!!自分だけは過ちを犯さないと信じるまっとうな人間の傲慢さ、多様性の否定の存在…最も忌み嫌われる“殺人者”を主人公に選び、人類のありようをとらえ直して、アメリカの十代の心を掴み、衝撃的に登場したトラウマ系思春期小説の最高峰!
リビーは父親に仕事を託され、経営コンサルタントで億万長者のダニールに会いに行く。養護施設で育ち、イギリスの名家の養子となった彼は、なぜか両親の結婚40周年記念パーティへの出席を拒んでいた。彼を説得し、パーティに参加させることがリビーの役目だった。ところが彼女はひと目でダニールに魅了され、一夜の誘いに応じてしまう。ちょうど夢を諦めたばかりで、新しい自分を見いだしたかったのかもしれない。その無邪気な思いつきが、のちに残酷な結末を招くとは、予想すらしなかった。
生まれてすぐ実の母に捨てられ、冷たい祖母に育てられたペネロープ。早く自立したいと仕事に打ちこんできた彼女は、あるとき重要な顧客の結婚式の企画をすることになった。この一世一代の大仕事を必ず成功させようと強く思うが、土壇場で花嫁が盛大な花火を上げたいと言いだしたため、困ったペネロープは世界的な巨大企業に協力をあおぎに行った。ところが、責任者に会わせてほしいと受付係に願い出たものの、CEOのレイフ・エドワーズが興味を持つはずがない、と言下に断られた。すると「それは本当か? どうして?」という男性の声がし、振り返
両親の死後、ペーシェンスは大叔母姉妹に引き取られた。大叔母が投資に失敗して財産をほとんど失ってからは、住み慣れた屋敷を引き払い、今はつましい年金暮らしをしていた。そんなある日、空いた屋敷をしばらく借りたいという話が舞い込んだ。しかも借り手のオランダ人外科医ユリウス・ファン・デル・ベークは、執筆に専念するため、雑用係としてペーシェンスを雇い入れたいらしい。彼女は未払いになっている請求書の束を思い浮かべ、仕事を引き受ける。でも、執筆中は完全に静かでなければならないと要求するなんて、きっとミスター・ファン・デル・ベークは暴君のようなご老人ね。ところが現れた雇主は、にこりともしないけれどハンサムな男性で…。
ケイトはブラジルの山間部の町へやってきた。大企業ミンバスコ社の社員に英語を教えるために派遣されたのだ。到着早々、彼女は驚くべき事件に巻きこまれる。まさか滞在先のホテルに血まみれの男が倒れ込んでくるなんて!なんて恐ろしいところに来てしまったのかしら。慌てて助けを呼んだケイトは、その男の兄だというルイスから突然、無礼な言葉を浴びせかけられ、ショックを受けた。どうやらケイトが事件の主犯だと勘違いしているらしい。翌日、出社した彼女は、社長を紹介されて思わず凍りつく。目の前で、まさに昨日の尊大な男、ルイスがこちらを
サビーナは19歳。父が決めた婚約者のニコラスは45歳。結婚式は2カ月後に迫っているというのに、なぜか心がざわつく。一人になって考えたくて、サビーナはスコットランドへ旅に出た。ネス湖の湖畔をサイクリングしていると、にわかに濃霧が広がり、気づけば彼女は森の中にさまよいこんでいた。ようやく山小屋を見つけて安堵するが、扉を叩いても反応はない。すると窓辺のカーテンが揺れ、小さなふたつの緑の目が光って、思わずサビーナは悲鳴をあげた。「サタンはお節介やきが嫌いでね」背後からの声に振り向くと、目も覚めるようなハンサムな男性が彼女を訝しげに見ていた。
ジェシーは数年来の恋人だった大富豪ネイトの屋敷を訪れたーー妊娠したことを知らせるために。ネイトとは出会ってすぐに惹かれ合い、情熱的な関係を続けてきたが、気まぐれな彼はふたりの仲が進展しそうになるたびにジェシーを遠ざけた。彼女がどれだけ傷つくかなど、まったくおかまいなしに。先日、また距離を置こうと告げられ、ジェシーの心は限界を迎えた。ところが、別れを決意した直後に身ごもっているとわかったのだ!彼はわたしを愛していないのだから、結婚はありえない。これを最後に姿を消し、ひとりでこの子を産み育てよう。しかし、ネイ
結婚式の晩、自由になりたいと置き手紙を残して10万ドルの債券を持ち出し、ジェニーが姿を消した。エドワードは愕然としたー僕の財力をめあてに群がる人間は大勢いたが、彼女だけは違うと信じていたのに…。半年後、送られてきた写真と手紙から彼はジェニーの居場所をつきとめる。しかし彼女は記憶を失い、さらに失明していた。ジェニーの世話をしてきた牧師夫妻の話では、彼女は瀕死の重傷を負い、病院に運び込まれたのだという。ジェニーは犯罪に巻き込まれたのか?僕を裏切ったわけではない?エドワードの心に一縷の望みがわき起こった。
リポーターのアリアンは、マノロ・デル・グアルドの屋敷を訪れた。著名な実業家であるマノロを、泊まり込みで取材するのだ。彼は妻を亡くしたばかりで、取材中も赤ん坊が泣く度に中座した。生後6カ月の娘がなつかず、ナニーがすぐに辞めてしまうのだという。その夜、アリアンは激しく泣く赤ん坊の声を聞きつけた。子供好きなのに子供をもてない体の彼女は衝動を抑えきれず、声を頼りに子供部屋へ向かうと、赤ん坊を懸命にあやした。アリアンの腕の中で安らかな寝息をたてはじめた娘を見て、部屋に入ってきたマノロは驚くべき提案をする。「このまま屋敷に残って、娘の面倒を見てくれないか」と。
25歳になっても馬にしか興味がない令嬢アレクサンドラ。そんな娘に業を煮やした男爵はある日一計を案じた。亡き親友の息子とアレクサンドラが15年前から婚約していたことにして、花嫁を迎えに来るようにという偽りの手紙を先方に送ったのだ。対面の当日に突然婚約者がいると父に聞かされアレクサンドラは反発するが、現れた伯爵ワシーリーを前にしてさらに驚く。きらめく金髪、透けるような肌、蜂蜜色の瞳ーー金色に輝く、まさに絶世の美男子だ。だが一方の伯爵は貧相なアレクサンドラを見て、その麗しい目に嫌悪の色を浮かべた。
被害者はみな黒髪に白肌の美しい女。冷たくなった唇には真っ赤な口紅がほどこされーー麗しき白雪姫を連想させる死体を次々と残し、世間を震撼させた通称“白雪姫殺人事件”。未解決のまま20年の歳月が流れたが、いまふたたび同じ手口と思われる他殺体が発見された。しかもご丁寧にもその体内には“白雪姫殺人事件”の当時の新聞記事の切り抜きが。これは残忍な模倣犯のしわざなのか、それとも……? 恋人のFBI捜査官ジョンとの結婚を控える女刑事テイラーはさっそく捜査に乗り出す。だが魔の手はテイラーの背後にも迫っていた。