出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
若くして重い病におかされたゾーイにとって、治療の支援基金を創設したギリシア大富豪ヴァッソは命の恩人だった。火事で両親と住む家を失い、退院後の行くあてがない彼女に、ギリシアにあるヴァッソの基金で働かないかと誘いがかかる。実業家として有能で、思いやり深いうえにハンサムなヴァッソに、ゾーイは胸の高鳴りをおぼえずにはいられなかった。でも、またいつ病が再発するかもわからない私が、同じ病で父親を亡くした彼を愛していいはずがない。もしものことがあったら、お互いつらい思いをすることになるから。厳しい現実に打ちのめされ、ゾーイは身を引く決心をするが…。
『悲しい約束』母を事故で亡くし、失意のどん底にいた看護師デイナ。心機一転するために退職した彼女は、一時的に失明した大富豪ギャノンの看護を住み込みで引き受ける。彼は獅子のように気高く傲慢な反面、どこか憎めない男性だ。扱いづらさに手こずりつつも、気づけばデイナは恋をしていた。そんなある日、ギャノンの主治医から非情な診断が下される。彼の視力が戻る見込みは、ゼロに近いというのだ!打ちひしがれたギャノンは自暴自棄ぎみにデイナにすがった。僕と結婚してくれー愛は誓えないが、そばにいてほしい、と…。『命の芽吹くパリで』妹と母を相次いで失ったイモジェンは、さらなる悲劇に襲われる。不治の病で亡くなった母と同じ症状が出始めたのだ。死を覚悟した彼女は残りの人生を楽しもうと憧れのパリへ向かう。そこで知人を介して上流階級のパーティに潜入して、大富豪ティエリーと出逢い、燃えるような一夜を過ごした。彼と満ち足りた2週間を過ごしたあとで彼女はパリを去るが、母国へ帰る間際、予期せぬ妊娠に気づいて動揺する。なんという運命のいたずら。余命わずかな私が新たな命を授かるなんて!悩んだ末、ティエリーに打ち明けるが…。
次期国王と、しがないナニー。 実るはずもなかった身分違いの恋はーー!? 自分が養女と知ってショックを受けた小学校教師のケイトは、 すべて断ち切りたくて、遠い異国でナニーの職を得た。 雇い主の次期国王マルコは、黄金色の肌と黒く凜々しい眉、 セクシーな唇を持つ、彫刻のように美しい男性。 政略結婚した妻がお産で亡くなったあと、幼い娘と距離を取り、 戯れの恋に興じているという。雇い主、それもプレイボーイに 恋するなんて愚か者のすることよ。それでも彼に惹かれる気持ちは 止められず、ケイトはついにある夜、マルコに身を捧げた。 やがてマルコに求婚され、天にも昇る心地になるがーー。 「結婚は娘のためだ」マルコの言葉は冷たく耳に響いた。 政略結婚した不仲な両親のもとに育ち、愛など信じたことのない孤独な傲慢ヒーローと、実の両親だと信じていた人たちに裏切られ傷ついたヒロイン。読み書きに障害を持つヒーローの娘が恋のキューピッド役となる、キム・ローレンスの珠玉のダイバーシティ作品!
私は身分違いの招かれざる花嫁。 愛を望んではいけない。 カフェで働くポーシャは、貧しい青年の客に言い寄られ、 熱意にほだされて結婚の約束をした。ところが身ごもった直後、 彼とまったく連絡がつかなくなった。いったい何があったの? ふと手にした新聞の一面を見て、彼女は凍りついた。彼が事故死? しかも、じつはイタリア財閥の次男で、妻までいたなんて……。 秘密裏に出産したポーシャの前に、ある夜、美麗な紳士が現れる。 赤ん坊の伯父にあたるルチェンゾは、ポーシャ母子をイタリアへ 招くために来たのだと、蔑みに満ちた冷たい目で告げた。 本当は息子を奪いに来たのでしょう? この子は私が守るわ。 息子をしっかりと胸に抱き、ポーシャは覚悟を決めた。 今は亡き王道ロマンスの大家、ダイアナ・ハミルトンの珠玉作です。思いがけず大財閥の跡継ぎを身ごもり、密かにひとりで産み育てようとしていたヒロイン。彼女を金目当ての女と決めつけて冷淡に扱っていたヒーローから、不躾に愛のない求婚をされて……。
秘書のわたしがボスの子供を産む? しかも愛情はまったく抜きで! 「代理出産してくれる女性を早急に探してくれ」 胸がうずくほど魅力的なボスーールーク・ガルニエの突然の命令に、 秘書のヘイリーは言葉をなくした。 将来、会社の経営を任せられる後継者が必要になったという。 密かにボスを想い続けてきたヘイリーは、 ほかの女性がルークの子供を産むと考えただけで打ちのめされ、 入社5年目にして初めて早退し、翌日も会社を休んだ。 すると驚いたことに、ルークが家まで訪ねてきた。 彼は理想的な候補者を見つけたと言いながらヘイリーの手を取った。 「ヘイリー、ぼくの子供を産んでくれないか?」 子供を作るだけでなく、ベッドも共にしたいと言われ、ボスを愛しているヒロインは誘惑に負けてしまいます。けれど度重なる甘い蜜のような戯れに溺れる自分に打ちひしがれ……。寡作ながらも熱狂的な読者の多いキャシー・ディノスキーの名作をお見逃しなく!
彼がほかの女性を愛していると知りながら、 私は花嫁になったーーおなかの子のために。 人生でいちばん緊張した顔で、クレアは贅沢なソファに座っていた。 数カ月前、彼女は偶然出会ったレイフに惹かれ、純潔を捧げた。 でもまさか、彼が異国の王子だったなんて。 彼女は勇気を振り絞って、レイフに妊娠したと告白した。 誠実で高潔な彼の対応は早かった。赤ん坊を嫡出子にするために クレアに結婚を申しこみ、身重の彼女をなにかと気づかってくれた。 中絶を望まれるとばかり思っていたので、クレアはほっとした。 王子の花嫁なんて恐れ多いけれど、赤ちゃんのためにがんばろう。 しかしレイフの次の言葉で、彼女の前向きな気持ちは打ち砕かれた。 「君と結婚はするが、僕には長年思いを寄せている人がいる」 HQロマンスはおかげさまで3800号を迎えました。大切な読者のみなさまに感謝をこめてリン・グレアムの作品をお届けいたします。巻頭には作家からのメッセージも収録。ヒーローと彼が愛する女性、夫を愛してしまったヒロインの切ない三角関係の行方は……。
誰にも知られず、15年。 大富豪が心に秘めた究極の愛。 1年半前に、子爵だった夫と息子を不慮の事故で亡くしたビクトリア。 ある日、爵位を継いだ義理の弟からディナーに招待され、 彼女はかつて自分が家族と幸せに暮らした子爵の館を訪れた。 そこで現子爵夫人が跡継ぎを懐妊したことを知り、 心からの祝福の気持ちと、胸が張り裂けそうなほどの喪失感が交錯した。 複雑な胸中から思わず中座した彼女を追いかけてきたのは、 15年来の友人で大富豪のフィンだった。 彼に励まされるうち、やがて一線を越えてしまうが、 ビクトリアの心はいまだ亡き夫への想いに揺れていた。 そのとき、おなかの中に小さな命がめばえたことなど知る由もなく……。 幸せであるほど、それを失ったときの悲しみは深いもの。愛する家族を失い、自分だけ幸せになってはいけないーーそんな思いがビクトリアの新たな恋に踏み出す勇気をはばむ、切なくも美しい物語をお贈りします。『子爵がくれたガラスの靴』(I-2747)の関連作。
ジュリエットは仕事先での思いがけない再会に、息をのんだ。10年前の魅力もそのままに現れた敏腕医師、フィンー彼女がよく知りながらもずっと避けてきた男性。18歳でジュリエットが兄の親友だったフィンの子を身ごもったとき、彼は責任をとるために彼女との結婚を決めた。ところが、不幸にも結婚式の2週間前に流産してしまうと、彼は子供のために結婚しようとしていただけだと信じるジュリエットは、愛されぬ花嫁になりたくないと、逃げ出したのだった。いま、愛するフィンを前にしてよみがえってきたつらい記憶が、ジュリエットの胸を容赦なくえぐって…。
もしもこの子を奪われたら、 どうやって生きていけばいいかわからない。 母亡き幼いトビーを我が子のように大切に育てているリリー。 そろそろ高い教育を受けさせてやりたいと考えていたとき、 異国から戻ってきたばかりのハンサムなレオ・デヴェローと知り合う。 レオがトビーの家庭教師をしてくれることになったのを機に、 リリーは彼に友情を、いや、それ以上の好意を抱き始めた。 一方、レオには秘密があったーー7年前、美しい女性と恋に落ち、 父には言わずに結婚したが、すぐに引き裂かれて異国へ追いやられた。 そして最近になって、じつは息子が生まれていたことを知ったのだ! トビーが本当に我が子かどうかを確かめるために、 レオはテイン公爵という身分を隠して、ここへやってきたのだった……。 共感できるヒロインが魅力のシンデレラ・リージェンシーを描く、話題の作家サラ・マロリー! レオはトビーが我が子とわかった時点で、リリーに荷造りを命じます。しかし、愛しいトビーを奪われては生きていけないと、彼女は夜陰に紛れて逃亡し……。
妻にはぜひ慎ましい女性を選ぼうーー まさに彼女とは正反対の。 しおれた花束を手に、クラリサはメイドのお古を着て広場に立っていた。 舞踏会の夜、不良貴族に臆病者呼ばわりされて黙っていられず、 花売り娘になれるか否かという賭けに応じてしまったのだ。 レディが一人で夜の暗がりに立つなど危険すぎることも忘れて。 案の定、通りがかりの粗暴な大男に路地裏へ引きずり込まれ、 絶体絶命と思われたそのとき、長身の救世主が颯爽と現れた。 彼の正体は、訳あって花嫁探しをしている不機嫌な子爵、シンジン! 先ほどの舞踏会でクラリサに向かって、妻に求める条件を満たさないーー 慎みがなく、率直さも、節度もないと言い放った男性だ。 ああ! こんな惨めな姿を、誰よりも見られたくなかった相手なのに……。 華やかなリージェンシーの旗手、ジュリア・ジャスティスの名作をお届けいたします。顔を合わせるたび、クラリサはシンジンに背を向けられてきました。けれども暴漢から救われたのを機に、ほかの貴族とは異なる彼に強く惹かれ始めている自分に気づいて……。
この胸の震えは、いったい何? 傲慢な大富豪への恐怖? それとも……。 11年前、タニアは若気の至りで予期せぬ妊娠をし、独りで出産した。 娘のために都会を離れてチェシャーの小さな町に引っ越した今、 念願の子供靴専門店を開き、新生活を始めようとしているところだ。 身寄りのない母と子だけの生活は苦しかった……。でもこれからは、 大事な一人娘に古着以外の服だって買ってあげられるかもしれない。 そこへ、町の有力者で大富豪のジェイムズが現れ、不穏な言葉を放った。 「義弟に手を出すのはやめろ。さもないと、あらゆる手段で店を妨害する」 いったい何のこと? 完全な言いがかりだわ! 身に覚えがないというタニアの抗議に耳も貸さず、 24時間以内に返事をしろと言い置いて、ジェイムズは去っていった。 冷たい瞳の大富豪ジェイムズは、腹違いの妹とその夫の間をタニアが引き裂こうとしていると思い、怒りのあまり彼女を脅迫します。一方、タニアも彼の脅迫には絶対に屈しないと宣言して……。惹かれ合う男女ならではの激しい火花が散る、P・ジョーダンの名作!
踊れないシンデレラは逃げ出したーー 白馬の王子に恋してしまうのが怖くて。 幼いときに親と死に別れたレイナは、若くして結婚と離婚を経験し、 二度と不実で傲慢な男性にはかかわらないと心に誓っていた。 あるとき、親友の結婚披露宴のためにギリシアを訪れ、 街で美神を彷彿とさせる黒髪の男性とぶつかりそうになった。 ほんの一瞬だったのに、彼の顔はレイナのまぶたの裏に焼きついた。 翌日、披露宴で花婿付添人を見た彼女は思わず息をのんだーー昨日の彼! その正体は、ギリシア屈指の大富豪アキス・ジアノポウロスだった。 宴の後、ホテルまでリムジンで送ってくれた彼に胸を高鳴らせる一方、 レイナの心は沈んだ。また恋に落ちて傷つくのは、耐えられない……。 恋心を戒めると、レイナは名も告げずに彼のもとから逃げ出した! ギリシア語を話せない名もなきヒロインのゆくえを、懸命に捜し始めるヒーロー。その姿はさながら、消えたシンデレラを追いかける王子様のようで……。
ヴィクトリアが18歳になって以来、父親は結婚相手をさがしてきた。そして、ヴィクトリアはイタリア貴族アルドの花嫁となった。結婚式の夜、誰からも恐れられている彼は言った。「僕は君を自分のものにしたいんだ。僕のかわいい妻を」怖くてたまらないはずなのに、ヴィクトリアの胸は高鳴っていた。だが数カ月前の夜の庭園で、彼女が熱い想いと純潔を捧げて情熱的なひとときをともにしたアルドはもうどこにもいなかった。アルドが私を妻にしたのは、トスカーナの屋敷に閉じこめるため、世間の目にいっさい触れさせないためだったのだ。なぜなら、結婚する気のなかった彼の子を私が身ごもっているから。
アリアナは知人の誕生日パーティで実業家ルカと出会い、ひと目で激しい恋に落ちて一夜を共にした。だが翌朝、「僕は結婚する。きみとは二度と会わない」と告げ、冷酷にも彼は立ち去った。傷心のアリアナに、程なく従妹からの助けを乞う連絡が届く。横暴な祖父の計略で見知らぬ男性と結婚させられるというのだ。しかも、結婚相手が…ルカ?婚約者のいる身で私の純潔を奪ったというの?酷すぎる。結婚式に参列したアリアナは、意を決して祭壇の彼に叫んだ。「この結婚は無効よ。私は…ルカの子を身ごもっているの!」
マリーは神秘的な体験を求め、モロッコへやってきた。観光は楽しんだものの、何か今ひとつ物足りない。暇を持てあました彼女は、ホテルの庭を散策していた。そのときだった。目の前に突然男が飛び出してくると、怯えるマリーの頭に布をかぶせ、砂漠へ連れ去ったのだ。荒々しさと優美さを併せ持つ、黒い瞳の謎めいた男性は、マリーを夢のような一夜へと誘った。あなたはいったい誰なの?イギリスに戻ったマリーは病床の父の会社が倒産寸前だと聞き、胸を痛めるが、父を破滅させた男の名と顔を知って凍りついた。ストーナー・グレイ。砂漠の秘密の想い人が悪魔だったなんて!
アレッサンドロ・ヴィンチェンティが新しい社長だなんて!ラーラは残酷な運命に胸を締めつけられた。彼は着任するやいなや全社員を会議室に呼び集め、以前と変わらぬ端整な顔で血も涙もない経営方針を伝えている。アレッサンドロー6年前、わたしの身も心も奪った男性。ヴェネツィアの侯爵である彼は世界的なプレイボーイで、ラーラと一緒になる約束を踏みにじり、別の女性と結婚した。その後ひそかに産み育ててきた娘の存在は絶対に知られたくない。ラーラはアレッサンドロに気づかれないよう隅に隠れていたが、彼の鋭敏な目をごまかすことなどできず、個別に呼び出され…。
十代で妊娠したものの相手に逃げられ、独りで息子を育てたレイチェル。その息子が、レイチェルの同僚医師マシューの娘と婚約したが、結婚式当日に花嫁が逃げ出し、式は中止となってしまった。レイチェルとマシューはやるせない気持ちを分かち合ううち、いつしか互いを心の支えとして、そして異性として強く意識し始めた。黒髪に白いものがまざり、円熟味のある魅力を放つマシューはしかし、8年前に最愛の妻を病で失って以来、恋愛をする気になれずにいた。それでもある日、二人はとうとう一線を越え、一夜を共にする。やがてレイチェルはマシューの子を身ごもったことに気づくが、再婚を望んでいない彼に迷惑はかけられないと、町を去る決意をし…。
ある日、イーデンのもとにイギリスから来客があった。疎遠な祖父の友人で、世界的なメディア王のジェイソン・アールだ。祖父が唯一の孫娘である彼女に会いたがっていると告げに来たのだ。ジェイソンはハンサムを通り越して、息をのむほど魅力的だけれど、高慢で、威圧的で、かみそりのような灰色の冷たい目をしている。それに、かつて父と母を引き裂いた冷血な祖父に会うつもりはないわ!説得を試みるジェイソンに、イーデンは反発した。「わたしは、あなたと関わりたくはないわ」ジェイソンは彼女の体を見回して嘲りの笑みを浮かべると、痛烈に言い放った!「ぼくは経験豊かな女性が好みだ。きみは失格だ」
年老いた両親と暮らす22歳のセリーンは、ある日、父が密かに投資に失敗して家計が苦しいと気づいた。自宅の屋敷で宿泊業を営むことを思いついた彼女は、一日中働いて部屋を磨き上げ、夜は疲れきってベッドに突っ伏した。そんな努力の甲斐あって、仕事が軌道に乗り始めた頃、客の老紳士が突然、体調を崩して倒れてしまい、彼の甥で医師のオリヴァーが呼ばれることになった。老紳士の息子によると、オリヴァーは退屈で我慢ならない男だという。翌日、白髪交じりの魅力的なオリヴァーが高級車に乗って颯爽と現れた。噂と違って親切な彼に、セリーンは思わず胸をときめかせるが…。
キーナは18歳のときに初恋を経験したが、その後に待っていたのは、相手が陰で彼女を酷評する冷たい声だった。傷つき、逃げるように故郷を去ったキーナは、夜は工場で働きながらデザイン学校を卒業し、ファッション業界の帝王ニコラスに雇われた。当時、妻を亡くしたばかりのニコラスはその冷徹さが妻の死を招いたともっぱらの噂だったが、キーナは知っていたー彼が美しき妻の生前の写真を、大事にデスクに飾っていることを。恋に臆病になっていなかったら、私も好きになっていたかも…。そんなニコラスと出逢って6年。食事を共にしたある夜、彼がキーナに思いがけない申し出をする。「僕は君の愛人になるつもりだ」