出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
今日、クレアの予感は非情にも的中した。妊娠している……。 おなかの子の父親は、ボスである若き実業家マックス・レイサム。 クレアはこの5カ月間、昼は有能な社長秘書、 夜は情熱的な愛人として、身も心も彼に捧げてきた。 そう、独身とはいえ束縛を嫌うマックスにとって、 わたしは正式な恋人ではなく、愛人でしかないのだ。 どれほど愛しても、決して心では応えてもらえないーーそれが愛人。 妊娠を打ち明けたりしたら、彼はきっと猛烈に怒るだろう。 そして結局のところ、責任はとると言いだすかもしれない。 でも、一生愛されない妻でいるなんて、そんなことできないわ! クレアは悩んだすえに、マックスには黙って会社を辞め、子どもを独りで産み育てる決意を固めます。ほどなくクレアの退職を知ったマックスが釈明を求めに彼女の自宅に乗り込んできて……。極度の精神的ストレスから、ついには失神してしまうクレアの運命は!?
クレオはギリシアの海運王アリが経営する会社で、臨時の受付係として働きだしたが、初日から大失態を演じ、アリに呼びだされて大目玉を食らってしまう。だが、不覚にも彼女はボスをひと目見るなり陶然となった。こんなに美しい男性がこの世に存在するなんて…。社員旅行先の湖で溺れたところをアリに救われたクレオは、これは運命なのだと信じ、彼に身も心も捧げてしまう。魔法の一夜が明け、身分違いの恋に怯えた彼女は逃げだすが、彼に異母弟の遺児と会ってほしいと意外な頼み事をされて…。
意に染まぬ結婚に甘んじると決めた夜、 月明かりが導いた、運命の男性はーー? その夜、リアは絶望を抱え、許婚の寝室へ向かった。 初めて会った瞬間から、私を虜にしたラファエル。 なのに父の決めた許婚は、あろうことか彼の異母弟なのだ。 でも、籠の鳥の私にいったい何ができただろう? ラファエルへの恋心を封印し、リアは許婚の寝室を訪ねた。 夫となる人に心を捧げられないならば、せめて体を捧げるーー それが、実らぬ恋をあきらめるただ一つの道に思えたから。 迎え入れた許婚の端整な顔がその刹那月明かりに照らし出され、 リアは息をのんだ。ラファエル! まさか部屋を間違えたの? 抗うすべもなく情熱を交わした後日、リアは妊娠に気づくーー。 「そこまでだ。花嫁は僕がもらう!」結婚式当日、大聖堂に響いた声の主はラファエル。でも初恋の男性からの愛なきプロポーズを喜べるはずもなく……。起伏に富んだドラマチックな作風でリン・グレアムの再来と呼び声の高い、ジャッキー・アシェンデンの力作!
エルスペスは耳を疑った。双子の姉でモデルのエロディに、友人の結婚式のリハーサルでの代役を頼まれたからだ。いくらそっくりでも、私にはとても無理だわ!外交的な姉とは正反対で内気なうえ、ファーストキスでひどいアレルギー反応を起こして以来、恋愛も結婚も諦め、大好きな本をたくさん読める仕事を選んだ。でも、もしこれが新しい人生に一歩踏み出すチャンスだったら?スコットランドへ飛んだ彼女を待っていた、魅惑の黒髪の男性。裕福なプレイボーイで有名な、新郎の兄マックの厳しい視線に、エルスペスはなぜか息が止まりそうになってー。
ルーシーは怪我をした恩師を手伝うため、スペインを訪れた。4年前、モデルだった彼女はある男性の誘惑を断って逆恨みされ、以来、世間の目を避けてひっそりと暮らしている。でも、のどかなスペイン郊外で好青年と知り合い、ようやく解放された日々を送れる気がしていた。だが、その青年の兄サンティアゴを紹介されたとき、黒い瞳に宿る鋭い光にはっとする。私の過去を知っているの?一方のサンティアゴはルーシーをじっと見つめた。天使のふりをした悪女を、弟に近づけるなどとんでもない。僕が彼女を誘惑してみればどうだろう?
これは茶色のめんどりが、王子さまに 恋をした物語。かなわぬと知りつつも。 孤児のニーナはイザボー王女に引き取られ、長年仕えてきた。 しかしある夜、神のような容姿を持つゼウス王太子の甘い言葉と まばゆい笑顔を愛と信じ、彼に清らかな身を任せた。 直後パパラッチが現れ、ゼウスが王女との婚約を破棄するために 自分を利用したのだと知って、ニーナは愕然とする。 数カ月後、彼女は妊娠したことに気づくが、仕事は解雇され、 国からは追放されていたので無一文というありさまだった。 最後の手段として、ニーナはゼウスの王宮を訪ねた。 まさか王太子が、彼女のような平民との結婚を望むとも知らず。 激しく切ないストーリーで読者の心を揺さぶってやまないC・クルーズの、おとぎばなしをモチーフとした一作です。全能神の名を持つヒーローの、まさに神のごとき魅力にはヒロインだけでなく、読者のみなさまも虜になること間違いなし! ぜひご一読ください。
夢の一夜を過ごした2カ月後、彼女は泣いた。 彼の正体と双子の妊娠が判明したことで。 ロザンナは、両親が内装を手がけたビルの開業記念パーティで、 ブロンズ色の肌の警備員らしきスーツ姿の男性と恋におちた。 黒いブラウスとスカート姿のせいで給仕係と勘違いされても、 構わなかった。いつも体のラインを隠す服を両親に着せられ、 恋に臆病な彼女だったが、彼に純潔を捧げて幸せだった。 夜闇が背骨の曲がる病も手術痕も隠してくれたから……。 そして互いに名も知らぬまま別れた2カ月後の、偶然の再会ーー 彼こそあのビルのオーナー、実業家のレオ・キャッスルだった! 衝撃のあまり倒れたロザンナは、彼の手で病院に運ばれた。 「ご懐妊、おめでとうございます。しかも双子です」 医師の診断に呆然とする彼女に、結婚を申し込むレオ。愛のない結婚でも、彼と一緒になりたいーー私の背中の醜い傷にキスしてくれた人だから。それでも本当の愛がほしいロザンナはためらい……。
もう恋人のふりはできない。 愚かにも彼を愛してしまったから。 住み込みで美容室の下働きをしている施設育ちのメアリーは、 誕生日の夜、店長に命じられ顧客とのディナーに送りだされた。 そこは商談の席で、彼女はまるでデート嬢のように扱われ、 ショックを受けるが、その様子を商談相手のギリシア富豪、 コスタは見逃さなかった。彼女をバーへ誘い、身の上話を聞き、 誕生日を祝ってくれたのだ。メアリーは涙を浮かべて感激した。 こんな素敵な男性が、私の恋人だったら……。 数日後、彼から多額の報酬とともに、週末の3日間だけ 恋人として同行してほしいと頼まれ、メアリーは仰天する。 養護施設で育ち、これまで誰からも誕生日を祝ってもらったことがないヒロイン。ヒーローと一緒に迎えた21歳の誕生日は、何にも代えがたい特別な思い出となりました。週末の恋人契約を通して、彼への想いが愛なのだと初めて気づくヒロインですが……。
この結婚は赤ちゃんのため。 なのに、あなたを愛してしまったの……。 なんてカリスマ性にあふれた人なのかしら! 世界的実業家マノロ・デル・グアルドの屋敷を仕事で訪れ、 アリアンは颯爽と現れた長身で黒髪の彼にひと目で魅了された。 妻を亡くしてまもない彼は、赤ん坊が泣くたび中座した。 生後半年の幼い娘がなつかず、ナニーが辞めてしまったという。 その夜ーー。屋敷に響き渡る赤ん坊の激しい泣き声が心配で、 アリアンは声を頼りに子供部屋へ向かい、懸命にあやした。 アリアンの腕の中で安らかな寝息をたてはじめた娘を見て、 部屋に入ってきたマノロが驚くべき提案をする。 「このまま屋敷に残って、娘の面倒を見てくれないか」 便宜結婚の謝礼は年200万ドル! 子供好きな母性あふれる心優しきヒロインが、魅惑的なスペイン富豪の主に見初められる、大人気テーマ“ナニー”の物語です。
ペトラは疎遠の祖父が勝手に縁談を進めていることを知った。相手はシーク・ラシードという見も知らぬ男性だという。祖父はわたしをビジネスの道具として利用するつもりなんだわ…。結婚するなら愛し愛されたいと願うペトラはある計画を思いつく。プレイボーイと噂のブレイズに、誘惑するふりをしてほしいと頼み、あえて自分の評判を落として、意に染まぬ縁談を壊すのだ。ブレイズに話を持ちかけると、理由を話すのが条件だと言われ、ペトラはすべてを洗いざらい話した。「交渉成立だ」彼はそう告げると、いきなり彼女の唇を奪った!ペトラは夢にも思わずにいたー彼こそがじつはシーク・ラシードとは。
男性が怖い。肌を重ねずにすむならと 受け入れた婚約だったけれど……。 時は1813年。“壁の花”“氷のレディ”と陰口をたたかれている 伯爵の娘レジーナは、許婚との結婚式に臨もうとしていた。 男性恐怖症に悩まされる彼女が、親の決めたこの婚約を受け入れたのは、 当面は形だけの結婚で床入りの必要はないと許婚に言われたからだ。 ところが式の当日、祭壇の前に許婚は姿を現さなかった。 置き去りにされた花嫁として世間の白い目に耐える覚悟をしかけたとき、 彼女の前に現れたのは、ハンサムなキャムフォード子爵ダルトンーー 7年前に一度だけ会ったことがある、許婚の親友だった。 彼は驚きざわめく参列者たちを尻目にレジーナを連れ出すと、言った。 「私と結婚してほしい。でも、君を誘惑しないという約束はできない」 端整な顔立ちで頼りがいのある子爵と、かつては天真爛漫だったのに今は壁の花と化した伯爵令嬢の切なくも美しい恋物語。開くことをやめてしまったつぼみのようなヒロインの心を、子爵はどう溶かすのでしょうか? 日本デビュー作『領主様の家庭教師』の関連作。
“下っ端の少年”に扮した娘は、 切ない恋心までは隠しきれなくて……。 荘園の娘エリザベスは独り、必死に宮廷を目指していた。 父の急死につけこんで結婚を迫る不気味な婚約者から逃れるには、 名付け親である女王陛下に助けを求めるしかないのだ。 その途中、彼女は宮廷道化師のタールトンと巡りあった。 まさに水も滴るいい男といった風情の彼は、美しい歌声に、 陽気な性格、そして鋭い頭脳を持つ魅力あふれる人物だった。 心細かったエリザベスが思わず宮廷までの護衛を頼むと、 彼は追っ手の目をくらますため、弟子になりすますよう彼女に提案した。 戸惑うエリザベスだったが、美しい金髪を切り捨て、少年を装ったーー 厳しくも優しいタールトンを、愛してしまうことになるとも知らず。 男性的、そして人間的魅力を放つヒーローが印象深い伝説的名作! いかにも世事に通じた不埒者の雰囲気を醸すヒーローに対し、慣れない男装から始まり、初めてづくしの旅路に健気に耐えるヒロイン。読みどころ満載の本作は、最後の最後まで飽きさせない展開です。
2年ぶりに再会した夫は、まだ知らない。 あのとき失ったはずの子が生まれたことを。 イギリスの田舎で小さな花屋を営むジェマイマは、ある日、 見覚えのある高級車が店の前に止まっているのに気づいて青ざめた。 別居中の夫、アレハンドロ──ついに彼がやってきた! 伯爵の彼とは出逢ったとたん恋に落ちて結婚し、 スペインの城へと移り住んだものの、彼の情熱は日ごと失われた。 不運な流産を機に、アレハンドロのベッドからも追い払われ、 2年前、ジェマイマは泣く泣く家を出たのだった。 警戒心をあらわにする彼女に、アレハンドロが傲慢に言い放った。 「僕を裏切った女と離婚するために来た」 皮肉ね。あのとき失ったはずの子がじつは生まれたというのに……。 愛し合って結婚したけれど、ボタンの掛け違いで遠い存在になってしまった二人。アレハンドロと思いがけず再会し、もう黙ってはいられないと、ジェマイマは子どもが生まれたことを告げます。しかし夫は我が子と信じてはくれず、彼女は屈辱を味わうのでした……。
どんなに望んでも、この恋は叶わない。 私は愛人にさえふさわしくないのだから。 両親の愛を知らずに育ったステンドグラス作家のインディゴ。 あるとき仕事先で、さる公国の皇太子ロレンツォと知り合い、 幼いころの境遇が自分と似ている彼に強く惹かれた。 しかし、来月、新しく王になるロレンツォは、 王侯貴族の女性と結婚する必要があった。 彼との未来を思い描いたところで、それは永遠に訪れない。 でも、せめて今だけは愛を分かち合いたい……。 切に願ったインディゴは、彼と期限つきの契りを結んだ。 やがてロレンツォが帰国し、愛を失った彼女はつらくてたまらなかった。 そのうえ、結ばれるはずのない彼の子を、おなかに宿していたーー すでに心から愛してしまったロレンツォと別れ、喪失感に苛まれるインディゴ。しかしそこへ、なんと彼から戴冠式の記念に宮殿にステンドグラスを作ってほしいという依頼が舞い込みます。思いがけぬ再会を果たしますが、彼女はおなかの子のことを言いだせず……。
隼のような鋭い瞳の伯爵が 美しさの陰に秘めた、傲慢な魂ーー 骨董店の売り子をしているフェイは、まだ恋をしたことがない。 休暇で旅に出たある日、乗っていたバスが立ち往生し、 なにげなく外へ出た彼女は森のなかに立つ美しい古城に魅了された。 そこへ突然、金色の瞳をした容姿端麗な男性が木陰から現れ、 フェイは驚いた弾みで足首を捻挫してしまう。 彼こそ、城主のデ・リベロ・ファルカン伯爵、ヴィンセント。 伯爵は痛みで歩けない彼女をなんなく抱え上げ、そのまま城へ向かった。 人に命令して従わせるタイプの男性にこんなに近づくのは初めて……。 ときめきと不安が入りまじるフェイの心に、伯爵の甘い問いが忍びこむ。 「さて、とらわれの姫の名前を教えてくれないか?」 今やロマンス小説界の女王となったリン・グレアムも尊敬する作家として挙げる、名匠ヴァイオレット・ウィンズピア。美しい情景と深遠な心情の境を彷徨い描き出される世界観をご堪能ください!
デルフィーンは300万ドルの負債を抱え、窮地に立たされていた。そこへサンカリアーノの国王ルッカから直々に仕事が舞いこむ。王国の催事に協力すれば、報酬は300万ドル。ただし、彼の恋人として振る舞うことが絶対条件だという。じつはルッカとデルフィーンは1年半前まで恋人同士だった。だが、王妃どころか愛人にさえふさわしくないと誹謗され、追いつめられたデルフィーンは、黙って姿を消したのだった。しかも直後に妊娠に気づくも流産し、深く傷ついていた。彼は私を恨んでいるの?涙を隠し、彼女は要求を受け入れた。
兄の突然の死に打ちのめされていたアニーのもとに、ある夜、ずっと憧れていた兄の親友ディミトリオスが現れた。彼のギリシア彫刻のように端整な顔に浮かぶ、深い憂い。二人は悲しみをぶつけ合うようにしてベッドを共にする。だが翌朝、彼は去ったーあれは単なる情事だと念を押して。7年後、アニーは困窮し、クリスマスを前に頭を悩ませていた。せめて愛しい息子にだけはプレゼントを買ってやりたい…。そこへ再び、今や億万長者となったディミトリオスが姿を現す。「ぼくの息子に会わせろ。今すぐに!」なぜわかったの?いぶかるアニーに、彼は結婚を迫る。
祖父が急死し、たった一人の孫であるパロマは突然、巨額の遺産と会社を引き継がねばならなくなった。何者かに命を狙われ、老獪な役員たちの妨害に遭う中、パロマに救いの手を差しのべたのは祖父の右腕だったダニエレ、彼女が十代のころから憧れ続けているイタリア人実業家だった。さらに彼は驚くべき提案をする。偽装結婚を申し込んだのだ。僕がボディガード代わりになり、会社経営も助けるからと。彼の言葉に、一瞬胸を躍らせたパロマはすぐに自分を戒めた。私は偽りの花嫁になるのよ。だってこれは契約だもの。
結婚式を明日に控えたミランダは、パーティを抜けだし、ひとり書斎に隠れてつかの間の休息をとっていた。愛するショーンは今頃、独身最後の夜を友人と楽しんでいる。ショーンとの初夜を想像して頬を赤らめたとき、同じくパーティ会場を抜けてきたらしい父の秘書が、連れとともに書斎へと入ってきた。ミランダがいるとは気づかずに、ひそひそと話を始めたーショーンがミランダと結婚するのは、愛ゆえではなく、彼女の父親に、結婚と引き替えに出世を約束されたからだと。幸せの絶頂から絶望の淵へと突き落とされたミランダは…。
カーリーが大富豪の夫ステファノの浮気に耐えきれず家出をした直後、妊娠がわかった。密かに産み育てた娘が大病を患い、一刻も早く手術をと焦るカーリーは、やむなく莫大な治療費を貸してほしいとステファノに願い出た。娘の存在を初めて知った彼は、妻に究極の選択を迫るー再び結婚生活に戻るか、娘の親権を彼に渡すか。-(情熱のとき)村の外れで幼い息子と暮らすネルの前にある日、ふらりと現れた男が気を失って倒れたーそれは5年前に死んだと聞いた夫のカールトンだった!ネルは憧れの子爵だった彼と結婚したものの、夫とその家族から財産目当てといじめ抜かれた。あげくのはて、生まれた息子を自分の子とは認めぬまま失踪した彼が、なぜここに…?-(帰ってきた子爵)両親の死後、幼い自分を引き取ってくれたおじに、アリアドネは感謝していた。だが23歳になった今、見知らぬギリシア大富豪に花嫁として売られることを知り、彼女は未来の夫セバスチャンとの対面の瞬間に怯えた。意外にも若くて精悍な彼はしかし、黒い瞳を氷のように冷たく光らせている。私にこの人の妻が務まるかしら…?(ためらいの花嫁)