出版社 : ハーパーコリンズ・ジャパン
天涯孤独のテスは大牧場主ハート兄弟のもとで家政婦をしている。彼女にとって初めて得た家庭のようなものだけれど、次男のキャグだけは怖くてたまらなかった。かつて特殊部隊にいた彼は眼光鋭くいつも彼女を監視し、ことあるごとに冷たい態度をとるからだ。それでもテスはキャグの誕生日に心をこめてケーキを焼いたが、彼はそれを見るや猛烈に怒り、バースデーケーキを壁に投げつけた!ひどいわ!まさか、これほどまで嫌われていたなんて…。じつは密かに想いを寄せていた彼からの仕打ちにショックを受け、テスは荷物をまとめて牧場を出ていこうとするがー
男として、騎士として誇りを持って生きることを貫きつつも、ヨハンの深い想いを受け入れる決心をしたノア。仲間たちの温かい支援のもと、秘密の恋を育み始めた。しかし、ヨハンと敵国の姫・マルゴットの縁談が突如として持ち上がり…!?各々の立場ゆえに、公には結ばれない運命をノアは覚悟しているが、心の曇りは晴れない。それでもヨハンは「俺を信じて。愛してる」と熱く告げ、ふたりは愛の絆を確かめ合う。そして厳戒態勢の中、マルゴットがメルテに姿を現してー。
八歳で両親を亡くし、侯爵家に嫁いだルーフィナ。しかし、夫とは結婚が決まった日以来一度も会っておらず顔も覚えていない。しかも、夫の側にはいつもある女性が…。結婚して即別居し、二人が白い結婚であることは周知の事実となり、ルーフィナのもとには日々お見合い話が舞い込んでくるほどだった。そんな二人の関係に変化をもたらしたのは、十六歳になったルーフィナが社交界デビューで参加した舞踏会で、王太子とその婚約者が引き起こした婚約破棄騒動…?あれから、クラウスが突然ルーフィナのもとを訪れ、その後もなぜか頻繁に会いに来るようになり、二人は少しずつ距離を縮めていくが…?
養護施設で育った王宮図書館司書の私が、王の花嫁に?即位したての国王ヴァシリから直々に指名され、ヘリアは驚いた。ただ遠くから憧れるだけで、話したことすらないのに。平民から王妃が選ばれることは稀で、当然彼女は悩んだが、王妃として不幸な子供たちを一人でも多く救えるならと受諾した。ところが彼は結婚初夜に姿を消し、翌朝戻ると冷たく言い放った。「きみを愛することはないし世継ぎも不要。今後は指一本触れない」ヘリアはあまりに身勝手な夫の宣告に傷つき、身を震わせた。あのすばらしい結婚式の誓いのキスは嘘だったというの?
ある豪華な披露宴で、ウィローはギリシア富豪レオに強く惹かれた。彼女は病のためベッドから起きあがれないこともしばしばで、恋愛も結婚も出産もあきらめていた。こんなに胸がときめく相手ならと彼に身をまかせたものの、やはり痛みで純潔を捧げられず、失意と屈辱に打ちのめされてしまう。ところが数日後、レオが再び彼女の前に現れた。ウィローは顔を真っ赤にし、あの夜の失敗を責められるのを覚悟した。だが彼は衝撃的な提案をしてきた。「君と恋に落ちるつもりはないが、どんな喜びを得られるか知りたくないか?僕はまだ君が欲しい」
1年前に事故に遭い、記憶をなくしたサマンサは、自分の名前や住んでいた場所さえ思い出せないまま、いまはホテルのフロント係として日々忙しく働いていた。そんな彼女の前に「きみはぼくの妻だ」と言う“夫”が現れる。大富豪アンドレから二人の結婚式の写真を見せられても、サマンサはただ困惑するばかり。だが、主治医のすすめで彼の屋敷で暮らすようになり、キスをし、体を重ねるうちに、サマンサの固く閉ざされた記憶の扉が開き始める。そしてついに彼女は思い出したーいいえ、忘れていたかった。あの日、最愛の夫にどれだけひどい仕打ちをされたかを…。
ウェイトレスとして働くレストランで、突然誰かに腕をつかまれ、ふり返ったジプシーは、見覚えのあるグレーの瞳に釘付けになった。この2年間、夢に現れつづけてきた男性、リコが目の前にいる。あの夜、彼女はリコに激しく惹かれ、すばらしい一夜を過ごした。だが翌朝、彼の前から姿を消した。リコは世界的に有名な大物実業家で、亡き父の天敵だったから。逃げなくてはー!あの夜に授かった、愛しい娘の存在を隠し通すために。
看護師のレイチェルは亡き姉の娘を引き取って育ててきた苦労人。その姪が成長してようやく手が離れたのを機に、世界で救護活動をおこなう仕事に応募して合格する。リーダーで名高い外科医のシャイローが放つ威圧感に圧倒される一方、彼がときおり見せる温かでセクシーな笑顔に、彼女は強く惹かれた。しかし、妻を亡くしたシャイローは二度と恋はしないと誓っていて、それを知ったレイチェルは彼のために身を引くつもりだった。なのに、理性とは裏腹に、二人は求め合って一夜をともにしてしまう。数カ月後、小さな命を身ごもったことに気づいたレイチェルが独りで産み育てる決意をすると、シャイローが彼女の家を訪ねてきてー。
社長のジョーのもとで秘書として働いた3年間、クラウディアはずっと彼に想いを寄せてきた。その恋はクリスマスパーティの夜、成就したかに思えたー翌日、彼が何事もなかったかのように振る舞うまでは。もうこれ以上、彼が美女たちとデートするのを見ていられない。クラウディアは辞表をしたため、ジョーの出張中に会社を去った。ところが彼は、頑として退職を認めないばかりか、戻ってくるよう主張して譲らない。クラウディアはしかたなく、2週間だけの職場復帰に同意した。どんなに望まれても、それ以上は無理よ。身重の体なのだから。
旅行でオランダを訪れていた元孤児の看護師カロラインは、道に迷った末に事故で負傷し、近くの大きな屋敷へ運ばれた。幸い、屋敷の主人はラディンクという男爵の称号を持つ医師だった。頭は白髪交じりだが顔は端整で、女性なら誰もが夢見る理想の男性だ。ところが、使用人たちは手厚く看護してくれたものの、ラディンク自身はカロラインに対してひどくそっけない。やがて回復した彼女は、仕事の待つイギリスへ戻ったー助けてくれたラディンクに、えも言われぬ複雑な感情を抱きながら。数日後、彼がカロラインの働く病院に突然現れ、こう告げた。「君に会いに来た。話は5分ですむ。僕と結婚してくれないか」
『あなたが見えなくて』(ダイアナ・パーマー/香野純訳)二十歳のクレアは自動車整備工の叔父を手伝い、すすだらけになりながらも楽しく暮らしていた。だが最愛の叔父が急死。不安と悲しみに押し潰されそうになっていたとき、彼女がかねてより慕う裕福な銀行家ジョンから突然結婚を申し込まれた。驚き、胸を高鳴らせるクレアだったが、ほどなく打ちのめされるーこの結婚はただの見せかけにすぎないと、彼から露骨に冷淡な態度で示されたのだ! 『すてきなプロポーズ』(ベティ・ニールズ/秋庭葉瑠訳)意地悪な雇い主の下で住み込みの秘書をしているフランセスカ。少ない給金でも、年の離れた妹と暮らすために我慢するしかなかった。つらい日々の中、日課の犬の散歩で知り合った男性レニエと会うのを心待ちにしている。ある日、雇い主が家に高名な医師を呼ぶと、現れたのはなんとレニエ!だが彼は、なぜかつれない態度で…。
プルーデンスがニコロスの妻になって8年。ニコロスはギリシアでも有数の大企業のCEOだが、結婚前は違った。倒れかけた会社を救うという目的のために、大富豪の相続人であるプルーデンスとしかたなく結ばれたのだ。しかも“本当の夫婦”になったことはなく、彼には複数の愛人が…。プルーデンスはそんな関係がいやで、とうとう離婚を切りだした。ところがニコロスの答えは予想外のものだったー形だけの結婚を、本物にしたいと言いだしたのだ!君が妊娠を望むなら、子どもの父親になってもいい、と。今になって、どうして?当然、プルーデンスは拒絶するが…。
「断罪のギリシア富豪」(ヘレン・ビアンチン/若菜もこ訳)元恋人アレクシスが、父の会社を吸収した会社のトップだと知り、ナタリアは悪夢かと思った。かつてアレクシスが突然姿を消したせいで、生き地獄を味わわされたのだ…。彼を捜す間に流産してから5年。私の愛とおなかの子を捨てた人間の下で働くなんて耐えられない!だが非情なアレクシスは、ナタリアに父の横領と不倫をつきつけ、世間に公表されたくなければ彼に従うよう脅してきた。母を傷つけたくない彼女に、選択肢はなかった。なぜかアレクシスに憎まれ、彼が父娘共々どん底に叩き落とそうとしているとしても。 「欲しいのはあなただけ」(アン・メイジャー/名高くらら訳)ある朝、ファンシーは幸せな気分で目覚め、薬指の指輪を確かめた。昨夜、10年ぶりに再会した元恋人ジムと結婚したのだ。かつてファンシーは世界的デザイナーになる夢を叶えるため、ジムとの恋に終止符を打って故郷を飛び出した。夢は叶ったものの心に空虚さを抱えていた彼女は、ジムの懐かしい声や姿や存在を前に、確信したのだーやっぱりわたしは彼を愛してる!ところが今、ジムのハンサムな顔は灰色で、苦悶に歪んでいる。そして唇をかみながら、彼が告げた。「きみと結婚するなんて大ばかを…離婚したい」
天涯孤独のイジーは2年前に亡くなった夫の精子で人工授精を受け、シングルマザーになる決意をした。ところがスイスへ行き、クリニックで診察台に横たわっていたとき、億万長者グレイソンがスタッフの制止を振りきって彼女の前に現れた。“黄金の獅子”の二つ名で知られる元伝説のレーサーで、今は会社のCEOを務める亡き夫の親友がなぜここに?憧れた時期もあったけれど、私はずっと嫌われていたはず。彼はとまどうイジーに、亡き夫は不妊で精子は自分のものだったこと、どうしても子供が欲しい精子提供者になってもいいことを告げた。「だが僕と体を重ねることを考えてほしい。よければすぐに始めよう」
妹に教育を受けさせるために、3つの仕事をかけ持ちするタリアは、キスしたこともなければ、恋愛する時間さえなかった。不仲だった両親のせいで結婚願望などないのに、ある嵐の夜、下山するゴンドラが停電し、ゴージャスすぎる億万長者デインと二人きりで閉じこめられ、たまらなく惹かれるものを感じた。魔法にかかったように無垢な身を捧げたあと、停電が解消して地上に着くなり、タリアは逃げ出してしまうー。1年後。嵐の夜に授かった赤ん坊を抱いて公園のベンチに座っていると、突然声をかけられ、息をのんだ。この子と同じ、真っ青な瞳…。デイン?あなたなの?
久しぶりに戻った自宅で、ミリーは夫の帰りを待っていた。銀行家のレアンドロとは熱烈な恋に落ちて結婚したが、彼が姉と浮気しているのを目にしてショックを受け、そのまま家を飛び出した。あれから1年が経ち、姉が事故死したと聞いて、まだ生まれたばかりの甥を引き取るため、意を決して来たのだ。もしや赤ん坊の父親は愛する夫では?という疑いは消えず、とても複雑な気持ちだけれど…。だが驚いたことに、レアンドロは美女を連れて帰宅しておきながら、姉との浮気については頑として否定し、厳しい顔で告げた。誓いを立てて結婚した妻を二度と出ていかせるつもりはない、と。
ウエイトレスのダーシーは、イタリア富豪レンツォに見初められ、誘惑に抗えず純潔を捧げて、彼の愛人になった。太陽の下でデートすることもなく、逢瀬はベッドの上だけ。やがて虚しさに耐えきれなくなったダーシーが別れを申し出ると、レンツォはトスカーナの別荘に彼女を連れ出した。初めて恋人同士のように過ごし、幸せの絶頂を味わった直後、ダーシーはずっと秘密にしてきた出自を彼に咎められ、ひどく侮辱されて、追い出されてしまう。今になって、これほど身分違いを思い知らされるなんて。途方に暮れる彼女は、身ごもっていることさえ気づかず…。
さる王国で市民や兵士の治療にあたっていたレーガンは、帰国を前に、以前から想いを寄せていた現地の医師ケイナンと一夜を共にした。「僕の美しいレーガン。君を決して忘れない」別れ際にかけられた彼の言葉を胸に、レーガンは帰国の途についた。しかし、その後ほどなくして、彼女はケイナンの死を知った…。1年後。レーガンはあの夜に授かったケイナンの子を産み育てていた。ある日、勤務先に医学生の実習指導をする医師が新しく来ることが決まり、手話で話すというその医師の補佐を、レーガンがすることになる。初めての顔合わせで、彼女の驚きのあまり卒倒しかけたーケイナン!彼は生きていた!私を美しいと言ってくれたあの声は失われていても。
こんな身近に、私の異父妹がいたなんて!母に捨てられ、里親の家を転々として育ったローナにとって、父親違いでも血を分けた妹は大切な家族。彼女の心は浮き立った。だが今や富豪の妻となった母が、ローナと妹が親しくしているのを知り、ローナニ過去を暴露されることを恐れて悪知恵を働かせるー姉妹の仲を裂くよう、富豪の息子で油田王のミッチをそそのかしたのだ。ローナは突然現れたミッチから高額の小切手を叩きつけられたうえ、仕事も辞めてどこか遠くへ去るよう恫喝され、ショックで気を失った。驚いたことに、目覚めるとミッチの腕の中にいて、優しい声を聞いた。「動くんじゃない。僕に任せて、ダーリン」