出版社 : ベネッセコ-ポレ-ション
『ゴーリキー・パーク』『ポーラー・スター』のアルカージ・レンコ捜査官がついにモスクワに帰ってきた。だが、久しぶりに見るモスクワはすっかり様変りしていた。共産党の解体、ルーブルの大暴落、そして組織犯罪の氾濫。闇市で、レンコの情報屋だった両替商が乗った車が爆破され、さっそく捜査に乗り出した彼は、背後にうごめくソヴィエト・マフィアを追ってドイツへ飛ぶ。そこにはかつての恋人イリーナのすっかり西側の人間になりきった姿があった。
モスクワ・ミュンヘン・ベルリンと真相を追うアルカージ・レンコ。彼の到着を待ち受けるように次々と起こる殺人…。混乱するモスクワでは、遂にクーデターが起こり急遽モスクワへ帰るレンコに、逮捕を覚悟で同行するイリーナ。ポスト・ペレストロイカのモスクワを舞台に「ゴーリキー・パーク」「ポーラー・スター」と続くアルカージ・レンコ・シリーズ、堂々の完結。
21世紀、〈超恐慌〉に喘ぐアメリカ合衆国はローン債務者が激増。失業率は30%となった。そんな国民の窮乏をよそに政府の金の一部が不正に動く。通常のコンピュータでは手に余る、DNAの遺伝子配列の組み替え。その神の領域に挑戦すべく“自分で考え学習する”コンピュータが設計される。しかしその陰でうごめくグループには、第二次世界大戦で日本軍が行った細菌実験に異常に執直をもつ男が。第二のジュラシック・パークの呼び声高いテクノ・スリラー堂々登場。
パラヴォルヴ社にもぐり込んだマイケル・ライリーは“自分で考える”コンピュータのなかに“知能を持った”新しい命の胎動を感じる。一方、新種のウィルスを合成する研究所に、衛星モデムを経由して遺伝子を守ろうとするイントロンが侵入した。絶対に漏れないはずの細菌が外へ…。細菌兵器用の媒介生物は蝿にとりつき、DNAを吐きだし、ひとつの破壊命令を伝えながら恐ろしい速さで進化していく。最新のテクノロジーの恐怖が不気味なリアリティで迫る21世紀スリラー。
シカゴのホリー・ネーム大聖堂で懴悔をしていた若い女性が、突然四発の銃弾を浴びた。シカゴ市警の警部補ノラ・カラムはさっそく捜査を開始したが、犯行の動機がまったく見当たらない。数日後、命を狙われていると警察に訴えていたロシア人移民が殺される。凶器は、大聖堂で使われたのと同じロシア製リヴォルバーだった。同一犯の仕業か。手がかりをたどるノラの前に、やがて恐るべき復讐の事実が浮かびあがる。大都市シカゴを舞台に片脚の女刑事が活躍するノラ・カラム・シリーズ第一弾。
サンドラの場合、19歳。美しく、憐れだった。悲惨な子ども時代。体を売るのが商売。そして夜の小路で殺された。わたしは、キャット・マーサラ、TVのリポータ。おしゃべりなオウムとシカゴで暮らしている。チャンネル3から依頼されたテーマは、売春婦。女性裁判所でサンドラと知り合い、彼女たちのリポートをするうちに、犯人を追跡する羽目に。
90年代の“青春のバイブル”ここに誕生。家庭崩壊、性的虐待、ドラッグ、暴力…様々な問題を抱える現代アメリカ社会で、ハイスクールのバスケットボール・チームを舞台に繰り広げられる感動の物語。
サムとディーニー。この名前をあなたは永遠に忘れない。あの2人はまったく手に負えない奴らだ-数々の困難を乗り越え、チームを栄光へと導く“聖人”サムと“ミュータント”ディーニーだが…意外な展開、圧倒的な迫力で胸を熱くさせる’90年代、待望の“青春のバイブル”。
サンディエゴの幼児虐待調査官ボウ・ブラドリーは、インディアン居留地で保護された少年を担当することになる。廃屋に置き去りにされた彼は、ボウの亡き妹と同じように口をきくことができなかった。担当する子供に過剰な思い入れをしてはならないと自らを戒めながらも、少年の命が危ないと囁く妹の声が聞こえるような気がしてならない。はたしてこれは、躁病に悩む彼女の妄想にすぎないのだろうか。そんなボウのもとに入院中の少年が命を狙われたという連絡がはいる。そしてまたボウ自身にも脅迫が…。
カリブ海に浮かぶ孤島の刑務所に、精神科医セバスタポル博士が政治犯として投獄された。ある朝、同じ監房の囚人が、いきなり血を吐いて倒れる。身の危険を感じた博士は這うようにして刑務所を逃げ出すが、教会の礼拝堂にたどり着いたところで、追手のライフルに倒れる。敵の狙いは博士が密かに持ち出した一冊の大学ノート。そこには死の間際に書いたある暗号が…。偶然にノートを預かった、事件を追うジャーナリストの娘アメリアに、アメリカ壊滅を企むテロリストたちの魔の手が、次々と襲いかかる。
OL三年目にして会社を辞めた麻子は、旅先で美しく有能な女性・ヨーコに出会う。同い年でありながら仕事も結婚もスマートにこなすヨーコは、麻子の自慢の親友に。ところが、そのヨーコが妻子ある男との不倫に溺れはじめた。しかも相手は口先だけの男。次々と繰りだされる嘘にこりもせず一喜一憂し、次第にボロボロになっていく…。“愛さえあれば他に何もいらない”彼女の涙を前に、麻子はうんざりしながら思う-一体それは愛なのだろうか?
20代の女性の悩みに答える雑誌「GP」。その編集部には、数多くの恋愛相談が寄せられる。不感症、不倫、マザコンの恋人…、どこかが似通っていて、それでいて一つとして同じではない秘密の数々。単なるアドヴァイスやコメントを超えて、恋愛相談は、真実の物語をつむぎ出していく。「いつも心のどこかで感じている、この何か足りないような気持ち。人生のどこかでミスをしてしまったような不安は、いったい何なんだろう。」多数のルポやインタビューを通して、若い女性たちの「今」に密着してきた著者が、自らの痛みをこめて書き下ろす、現代の恋愛事情の“向こう側”。新世代女性作家の小説。
激動のうちに20世紀も暮れようとするなか、フランスの大富豪ピエール・ベナック男爵は私財を投じて国際科学オリンピックを開催した。アルプス山中のリゾートタウンは一躍、全世界のすぐれた頭脳を集めた科学の祭典の場となる。しかし、ある朝聖火台の炎に焼かれている科学者の死体が発見されるにおよんで、この世紀の大イベントは恐怖と迷信と死の交錯するおどろおどろしい悪夢に変貌するのだった。つぎつぎに起こる殺人事件。その残虐な手口と満月の夜に限られた犯行から、狼男への恐怖がつのっていく。そんななかで、アメリカから天才的素人探偵が事件解決に赴く。『ホッグ連続殺人』いらい、ひさびさのベイネデイッティ教授の登場である。
故郷アルトモア山から遠く離れ、非情なテロリストとして生きるジョン・ジョー。健気に留守を守るテロリストの妻。北アイルランドに潜入した若き諜報部員ブレン。彼を教育する“師”パーカー。弱さゆえ、密告者として敵に絡め取られた男…。さまざまな人生をはらんで、IRAと英国情報機関の戦いは今日も続く。IRA暫定派の活動拠点アルトモア山では、テロ活動の失敗が相次ぎ、密告者=売国奴がいるのではとの疑いが浮上する。この地では売国奴は死を意味する。山をあげての売国奴狩り。パーカーとブレンに操られた密告者は、発覚の薄氷を踏みながら、ジョン・ジョーを故郷に呼び戻す策を弄する。英国情報機関対テロリストの対決が迫る。