出版社 : 中央公論新社
東京の銀行と大手企業にそれぞれ五億円と二億円を要求する脅迫状が届いた。送り主は“神戸の悪党”。十津川警部は犯人逮捕の罠を仕掛けるが、まんまと現金を強奪されてしまう。神戸へ向かった十津川は怪しいグループを発見するも、金融機関に新たな脅迫状が届く。十津川と知恵比べを続ける“悪党”が神戸で実現しようとする「夢の計画」とは!?
移動要塞ガーディアンの懐深くにダニエルが捕まっている。宇宙一物騒な夫婦こと女王ジャスミンと海賊ケリーは協力し、ダニエル奪還作戦を調えていた。そんな折、ジャスミンの親友ジンジャーはガーディアンに乗り込み、「ジャスミンを忍ぶ映画の撮影」にガーディアンの出演を依頼する。映画の撮影という侵攻作戦が順調に進められるなか、夫婦の反撃が行われ……。やがて「その時」が訪れる。異色なラヴロマンスの終幕となるのか?
「ため息に溺れてしまいました。ご迷惑をおかけします」立川市の蔵元病院で、蔵元家の婿養子・指月の遺体が発見された。本人筆跡の遺書が残っていることから警察は自殺と判断。だが患者や同僚からも慕われていた彼がなぜ? 女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、権力を巡る開業医一族の闇。そして指月が胸に秘めた、悲しき過去の記憶だったーー。 優しき医師は自殺か、他殺か。見えていた世界が一変する、衝撃のクライマックス!
すれ違う心。忘れることのできない過去の呪い。そして「おりおり堂」休業の危機が……どうなる、山田の恋と人生!? 大人気のおいしいラブコメ第3弾。『出張料亭おりおり堂』改題
旅客機が爆破され、乗客全員が死亡。五十一名のうち四人と、切符を買いながら乗らなかった者一人には奇妙な共通点があった(「77便に何が起きたか」)。電車では毒殺、フェリー内では密室殺人…楽しいはずの旅路が血に染まる!乗りものにロマンと魅力的な謎を見いだした著者による、トラベルミステリーの名作をセレクト。
鷲を親だという娘「鷲」、鰻に人生を狂わされた「鰻に呪われた男」、河獺に嫉妬された漁師「深川の老漁夫」、そして美しい白い肌の少女に懸想した「くろん坊」という山の妖怪と安易な口約束が招いた悲劇ーー。 ほかにも蟹や狢など、近代化がすすむ日本の暗闇にとりのこされた生き物や道具を媒介に、異界と交わるものたちを描いた妖異譚を、名人綺堂の語り口でたっぷりとお届けする。 山本タカトによる書き下ろしのカバーと口絵。綺堂が生前編んだ短篇集『異妖新篇』より全作品を収載。西 瓜、鴛鴦鏡、白髪鬼、鷲、鰻に呪はれた男、くろん坊、妖 婆、深川の老漁夫、怪談コント、五色蟹ほかに単行本未収の作品二作を付録として収載。
今日の決戦こそが諸君の名をローマ戦史のなかに不朽のものにするだろうーー皇妹を妃とし、副帝としてガリア統治を任ぜられたユリアヌス。未熟ながら真摯な彼の姿は兵士たちの心を打ち、ついにゲルマン人の侵攻を退けるのだった。 【全四巻】〈巻末付録〉『背教者ユリアヌス』歴史紀行〈解説〉須賀しのぶ
小児性愛者殺害事件を追う、異常事件専門の探偵・宇宙船。美青年だが使い物にならない助手の米平青年、鳩狩りをする姉弟コンビ、浮浪者の出で立ちで森羅万象を知る直角仙人など、一般社会からはみでた人々を束ね、捜査を進める宇宙船。その正体は、一人娘を亡くし、重いうつ病にかかった主婦だった。 調査の依頼主・お嬢さんの下着が盗まれたり、怪人・空気ゴキブリに脅かされたりしながら、事件を追う宇宙船を待ち受ける真犯人とはーー。 弱き者たちへの眼ざしと不意打ちの笑いがクセになる、奇才・前田司郎による初の推理小説!
東京駅に到着した広島発「のぞみ号」車内で女性の毒殺体が発見された。被害者は沢田澄江、65歳。25年前に突然引退した女優であった。澄江の故郷である島根県日原は「岩日北線」で岩国と結ばれる予定だったが、岩国ー錦町間で計画は中止され、今は「錦川清流線」となっている。十津川は、澄江が岩日北線の全線開通を夢見て、資金集めに奔走していたことを知る。鉄道延伸に反対する者の犯行なのか。一方、澄江の引退時に黒い噂があったという…。岩日北線が運ぶのは、夢か殺意か?
戦艦「伊勢」「山城」の轟沈と引き替えに、日本軍は最重要拠点であるトラック環礁の防衛に成功した。しかし敵部隊への索敵の遅れから防戦を強いられる。旗艦「大和」が奮戦する中、ついに索敵機が補給中の敵艦を発見。機動部隊同士の闘いに向け、新型機「零戦三三型」「彗星」が発艦する。一方で米太平洋艦隊は、英艦隊と連携し艦隊戦の構えを取る。「大和」「武蔵」と米英の最強戦艦。太平洋の派遣を握るのは、誰だ! シリーズ堂々完結。
昭和十年、秋。笹宮惟重伯爵を父に持ち、女子学習院高等科に通う惟佐子は、親友・宇田川寿子の心中事件に疑問を抱く。冨士の樹海で陸軍士官・久慈とともに遺体となって発見されたのだが、「できるだけはやく電話をしますね」という寿子の手による仙台消印の葉書が届いたのだーー。 富士で発見された寿子が、なぜ、仙台から葉書を出せたのか? この心中事件の謎を軸に、ドイツ人ピアニスト、探偵役を務める惟佐子の「おあいてさん」だった女カメラマンと新聞記者、軍人である惟佐子の兄・惟秀ら多彩な人物が登場し、物語のラスト、二・二六事件へと繋がっていくーー。
高中真由子は、編集者の父と医師の母のもとで、何不自由なく育てられてきた。真由子が小学生のころ、隣家に二つ年下の百合の家族が引っ越してきて、二人は急速に仲良くなっていく。しかし、真由子が21歳になった冬、百合は真由子が幼いころからずっと思いを寄せてきた澤村諒一の子どもを妊娠したと告白した。その日から、真由子の復讐が始まるーー。 諒一と百合の子どもの名付け親になった真由子は、『痴人の愛』の「ナオミ」から、二人の息子に「直巳」と名付け、彼を「調教」していく。直巳が二十歳の誕生日を迎えた日、真由子は初めて、直巳に体を許す。それが最初で最後となるとも知らず……。 主演・中山美穂のテレビドラマも大きな話題を呼んだ、絢爛豪華な愛憎劇!
大人気「キュリー」シリーズ著者の最新作! 「さて、現場の謎を嗅ぎ解こうじゃないか!」特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン・風間由人准教授。分析フェチの彼に体質を見抜かれストーカー……助手にスカウトされた僕は、未解決の殺人現場に連れ出され!?分析フェチのイケメン助教授×死の香りをかぎ分ける青年の、新たな化学ミステリ!
借金の形に身を売られた旗本の娘の自害が相次ぐ。改易を恐れた旗本は娘に自殺を強要していた。扇太郎が預かる元遊女の朱鷺にも魔の手がのびる。江戸を揺るがす事件に乗じて町奉行の座を狙う鳥居、岡場所の利権を欲する一太郎、政権奪取を図る家斉派の幕閣の思惑が交錯する中、扇太郎も覚悟を決める。シリーズ、ついに山場へ!
グアム米軍基地で軍人を狙った首斬り殺人が頻発。数年前の日本で起きた惨劇との類似に、殺人鬼復活かと関係者は震撼する。米国海軍、空軍、中央保安局それぞれの思惑が交錯する中、かつて犯人に肉薄した朝倉が自衛隊警務官に身分を変えて招喚されることに!自衛隊出身の警察官「オッドアイ」が凶刃を追うシリーズ第3弾。
首相の非常事態宣言により警察上層部から指揮権を奪ったクラン。晴山警部補たちは身命を賭して黒幕「神」への足がかりを掴む。しかしその最中、「神」から命を狙われているはずの足ヶ瀬巡査が忽然と姿を消す。予測不能の裏切り、暗殺者との死闘。刑事たちは巨悪との最終決戦へ挑む。
あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日ーー。本命チョコ、義理チョコ、友チョコ、義務チョコ、ご褒美チョコなど、様々な関係性でやりとりされる〈それ〉は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか……。2月14日をめぐるドラマを8粒詰め合わせた限定アソート、文庫オリジナルで。 ◆収録作◆ 三羽省吾「ビターチョコにはほろ苦ピールを」中島要「初めて買ったチョコレート」木村紅美「灯台とチョコレート」秋吉理香子「マイ・ブラッディ・バレンタイン」加藤千恵「メロンソーダコーラ」鯨統一郎「バレンタインデーは誰のもの?」石井睦美「苦いチョコレート」朝比奈あすか「初恋」