出版社 : 中央公論新社
勲章幻影勲章幻影
大津巡遊中のロシア皇太子を巡査津田三蔵が襲った。津田の死刑、暗殺を叫ぶ伊藤博文、西郷従道ら政府高官、司法の独立のみに走った児島惟謙、一躍時の人となった二人の車夫、クリスチャン教誨師原胤昭と津田の出会い…。事件の推移と渦中の人々の行動を見据えつつ明治国家の実像に迫る。
韃靼疾風録(下巻)韃靼疾風録(下巻)
女真人来り去る明末清初。激動期の様々な人間の運命。野蛮の勃興こそ歴史の跳躍台である。文明が衰退した明とそれに挑戦する女真との間に山海関の激しい攻防が始まる。世界史を切り開く動乱に翻弄される女真の公女(ひめ)と平戸武士の愛の流転の物語。
小説菊池寛小説菊池寛
純文学から大衆文学に転じ、「文芸春秋」の創刊、映画会社大映の初代社長就任、衆議院・東京市会両選挙出馬など、旧来の反俗的文士像に抗し、あえて「文壇の大御所」となった、最初の市民的作家の生涯。
韃靼疾風録(上巻)韃靼疾風録(上巻)
「庄助とアビアは、17世紀の歴史が裂けてゆく時期にいた」-主従のような異国の男女の間に芽生えた愛の行方を軸に、九州から朝鮮半島、中国東北部にいたる海陸に展開される雄大なロマン。世界史の一大転換期に切りこんだ平戸武士の物語。
「ファウスト」作戦「ファウスト」作戦
ゴルバチョフ書記長が出席予定の地下鉄新路線開通式で爆破事件が発生、直後に「犯人はファウスト」という密告電話があるが…。書記長の推進する“改革”運動に対する根強い反感を背景に現代ソ連の病巣を暴く話題作。
祭り裏祭り裏
歓喜、悲嘆、憎悪。時には生や死さえも溶解しのみつくす、灼熱の太陽、永遠の海。日々の暮しに遠い神話の世界がまざりあう物語の時間。禁忌と宥恕に包まれた、懐しい戒律の宇宙を、内から発せられる不思議な響きで語りあげた、美しくて残酷な南の島の物語。