出版社 : 原書房
J・R・R・トールキンは、古代北欧の偉大な伝説を自らの言葉で語る詩を作った。それが、今回初公開となる密接に関連した2編の詩で、これにつけられたタイトルは、『ヴォルスング一族の新しい歌』と『グズルーンの新しい歌』である。
英国で大人気のロングセラーシリーズ第10弾! アガサが苦しまぎれに描いた探偵小説が現実のものになり、大ピンチに!? アガサは愛しい人への未練を断ち切るため、やけくそで地図の上にピンを刺し、適当に引っ越し先を決めた。ところがそこは、とんでもなく閉鎖的な田舎の村だった。すぐに村人たちから、引っ越しの理由をあれこれ詮索されるはめに。「男に捨てられた可哀そうな女」と見られるのが嫌でアガサはつい、探偵小説を書くためにやってきたのだと見栄を張ってしまう。そして嘘にならないよう、どうにか村のお屋敷をモデルにして描きはじめた矢先、なんと彼女の描いた手口どおりに、お屋敷の主人が殺されてしまった! 退屈しのぎにやってきたチャールズとともにアガサは事件を調べ始めるものの、警察から最重要容疑者として目をつけられてしまい……!? 駆け出し時代の若きアガサを描いた短篇「アガサの初めての事件」を特別収録!
《シンデレラの赤い靴》シリーズ完結編! 社交界にデビューしたローリー・バクストン。幼かった彼女は妻子ある外国人外交官にたぶらかされ、抱擁しているところを人に見られて、社交界から追放されてしまった。継母のもとを逃げだし、いまはおばと二人で田舎に暮らすローリーは、筆名を使って週刊新聞にコラムを執筆している。 そこに赤い靴を持ったレディ・ミルフォードが訪ねてきて、言葉巧みに彼女をロンドンへ誘い出し、ダシェル侯爵ことルーカス・ヴェールの屋敷に彼の母親のコンパニオンとして送り込んだ。 ところが、ルーカスはコンパニオンに応募してきたローリーをそっけなくあしらおうとする。実はかつては彼女に恋こがれていたが、今の彼は破産寸前の一族を救うために資産家令嬢との縁談をとりつけねばならないのだ。ともあれ、二人の一つ屋根の下の生活がスタートしたのだが……
断崖に閉ざされた海辺の村に古くから伝わる、海の怪と山の怪の話。その伝説をたどるように起こる連続殺人事件。どこかつじつまが合わないもどかしさのなかで、刀城言耶がたどり着いた「解釈」とは……。シリーズ書き下ろし最新作!
紅茶とお菓子がいっぱいの美味しいミステリ 紅茶を給仕するネズミたち!? まるで童話のようなお茶会で悲劇が! 風変りなパーティーへ招待されたセオドシア。 待っていたのは不思議で残酷な童話の世界? 大人気シリーズ第18弾! 紅茶を注ぐネズミ!? セオドシアは目の前の光景に驚きを隠せなかった。たしかに招待状には「ネズミのお茶会」と書かれてあった。でも本当に、給仕たちがお仕着せ姿のネズミの格好をして、料理や紅茶をふるまっているなんて! まるで童話の世界に迷いこんだかのよう。かつて、チャールストンの路上にネズミがあふれかえってしまった時代に、上流階級の人々のあいだでは「ネズミのお茶会」が大流行した。これを今夜、裕福な慈善家として知られるドリーンが復活させたのだ。ところがその席で、注がれたオレンジ・ペコを口にしたとたん、ドリーンの夫が命を落としてしまった。ネズミのごとく、どこかに身を潜めている狡猾な犯人を、セオドシアは探し当てようと奮闘するものの!?
サマートン伯爵は冷酷な父に15歳のときに勘当されて以来、父を見返すことだけを考え、父を越える富を築くために事業に没頭してきた。そんな生い立ちゆえ、恋愛にも結婚にも興味がなかったが、親友の妻の従妹である公爵令嬢のエマ・キャヴェンシャムに出会い、天真爛漫で美しい彼女を守りたいという気持ちにかられる。本好きで福祉に興味を持つエマは、尊敬する学者の本を手に入れるため、治安の悪い地区にある古書店に向かっていたところ、馬車をサマートンに止められる。心配されているのは分かっても、落胆するエマ。しかし数日後、サマートンにめあての本を差し出されたのだ。そして誰にも理解されることのなかったエマの想いに、彼は共感を示してくれて…。きらめくような恋の瞬間を切り取る傑作リージェクシー・ロマンス。
二人の子供をプレスクールに預けようやく自分の時間をつくれた主婦のマージ。しかし、保育料が高すぎる。家計を補うために働くことを決めたけれど、出産前に勤めていた広告代理店はパートタイムでは雇ってくれないし、求人広告には皿洗いとストリッパーくらいしか載っていない。そんななかでたった一つだけ見つけたおもしろそうな仕事は、探偵だった。張り込みはするけれどお迎えには遅れないように、家では子供たちにおやつを与えている隙に調査報告書を書く。そんななか、浮気調査中に女性の格好をした男性の死体を発見してしまう。しかもその人物の携帯電話にマージの自宅に電話をかけた履歴が……幸せで、安全で、どちらかといえば満ち足りた人生に、いったい何が起こっているというの?
ロスで活動しているカメラマン、クリント・マッケイドはアリゾナ州フェニックスに住むサンディ・カークを訪ねた。二人は小学校以来の親友だ。共に貧しい家庭に育ったが、今やサンディは映像制作会社を経営していて、フリー・カメラマンになったクリントはエミー賞を受賞するほどの活躍ぶりだ。 何でも話せる親友の二人だが、クリントは以前から彼女を真剣に愛していた。だがそのことを告白しようとした矢先、サンディから、好きな人ができたと打ち明けられてショックを受ける。 サンディの片思いの相手は弁護士のジェームズ・ヴァンデンバーグ。上流社会に生まれ育ち、ハンサムで知性と教養に富む、非の打ちどころのない人物だ。サンディの会社が撮影を請け負うことになったキャンペーンの契約を通して知り合ったジェームズに、彼女はひとめぼれしてしまった。しかし自分からアプローチすることができない。 撮影の協力を買って出たクリントは、サンディの恋の成就のためにも手助けをしようと決心する。少年のように飾り気のないサンディを、カメラマンとしての知識とセンスで女性らしく美しく見えるようにスタイリングしたり、男心をひきつけるためのアドバイスをしたりと、こまごまと指導した。 その甲斐あって、ジェームズとサンディは接近していくのだが、やがてサンディは自分のことをいちばん思いやってくれる人がだれなのかあらためて気づき……
一年を通してクリスマスを祝う「クリスマスの町」ルドルフ。クリスマス本番を目前に控え、雑貨店を経営するメリーも準備に追われていた。そんなある日、町いちばんの高級ホテルのひとり息子が遺体で発見された。彼は安ホテルチェーンとフランチャイズ契約を結ぼうとしたり、大型商業施設を誘致しようとしたりして町中から嫌われていた。容疑者となったのは誰よりも町を愛するメリーの父親。そのうえ、父がボランティアで引き受けていたサンタクロース役を、町のイメージが悪くなるからと降板させられてしまう。サンタクロースがいなければクリスマスの魔法はかからない。メリーはひとりで犯人探しを始めるが、やがて意外な真相にたどりつき……!?
社交界から「枯れかけた壁の花」と名付けられた三姉妹の次女ベスの物語。 両親の死後、姉妹を引き取ってくれた叔父から、友人ブラックシャー公爵未亡人のコンパニオンをするようたのまれたベス。公爵未亡人の孫は、多くの女性と浮名を流していることで有名な、ブラックシャー公爵アレックスだった。 アレックスは誰かに命を狙われていた。愛する祖母に危害が及ぶのを恐れて、田舎の屋敷に避難させようと考え、彼女のお気に入りのベスに、祖母を説得するよう頼む。だが理由を言わないので、ベスは彼が祖母を追い払おうとしていると誤解して憤慨する。せめて孫と一緒に過ごす時間を作ってあげようと、「公爵未亡人の願いを三つかなえること」を条件に同意した。 二人はときおり口論しながらも、祖母の願いをかなえるために協力するうち、お互いに魅了されていく。しかし放蕩者の彼の示す好意は、きっと単なる戯れにちがいないと、ベスは不安に思い……
ちいさな村に待望の春がきた。ラッキーは親友ソフィーの結婚式の準備に大忙し。ソフィーの結婚相手はラッキーの営むスープ店のシェフ。常連客をはじめ村じゅうの誰もが若い二人を祝福していた。そんななか、夜の森で行われた春の訪れを祝う集会で、女性がハーブで香り付けしたワインを飲んで急死してしまう。しかもこのハーブを用意したのはラッキーの祖父だった。さらにソフィーの実家近くの川で遺体が発見される。身元がわからなかったが、長年交流のなかったソフィーの兄かもしれない可能性が出てきた。自分のせいで人が死んでしまったのではないかと思い悩む祖父、家族を思って不安定になるソフィー。ラッキーはそんな二人を元気づけ、なんの心配もなく結婚式を挙げられることを目指すが!?
カイル公爵ヒュー・フィッツロイは、とある晩餐会に出席した真夜中の帰り道、暴漢に襲われた。応戦したものの、多勢に無勢で窮地に陥る。そこに現れたのが「セントジャイルズの亡霊」と呼ばれる謎の人物。屋根から屋根へと飛び移り二本の剣を操る身軽な「亡霊」はヒューを助け、キスをしたかと思うと、あっという間に姿を消した。「亡霊」は女性だった。 自分を襲わせたのは誰なのか? 晩餐会で目撃した密書のやりとりが関係しているのか、あるいは謎の秘密組織〈混沌の王〉が黒幕なのか、ヒューには判断がつかない。調査を進めるため、セントジャイルズの情報屋の少年、アルフを呼び寄せる。 ところがこのアルフこそ、セントジャイルズの亡霊だった。女性であることを隠し、男装することで身を守って貧民窟で生き抜いてきた彼女は、正体がばれたのかとあやぶみながら公爵に会いに行く。そして仕事の依頼だとわかって、少し落胆しつつ聞き込みを開始したところ、彼女もまた暴漢たちに襲われて重傷を負ってしまい……。
いよいよドイツの大富豪との結婚を決めたジョージーの母。でも、そのためにはまずアメリカで離婚手続をしなければならない。というわけで急きょ、娘のジョージーをお供に豪華客船に乗りこみ、大西洋横断の旅へと発つことに。ところが船中で有名な映画監督から熱烈に口説かれた母は、かつての女優魂に火が付いてあっさり行き先をハリウッドに変更してしまう。映画スターに会えるかも!?期待に胸を膨らませるジョージーだったが、そこで待ち受けていたのはイギリスの貴族社会では考えられないほど自由奔放な映画人たち。撮影はのっけからトラブル続きで、わがままな俳優たちを諌めようとした監督が何者かに殺されてしまう始末。ジョージーはダーシーと協力して犯人を突き止めようとするものの、勝手の違う国では戸惑うことばかりで!?
戦地で負傷したダーリー子爵ヴィンセントを、家族は過保護なまでに気遣うが、同時に早く結婚させようと躍起になっていた。跡継ぎができなければ、爵位も財産もいずれ失うことになるからだ。生き方を指図されることに嫌気がさしたヴィンセントは家出を決意し、従者を一人だけ連れて、自分が生まれた家のある田舎で暮らすことに。子爵の帰還を村の人々が歓迎するなか、爵位を継ぎ大金持ちになったヴィンセントに娘を嫁がせようと画策するクラレンス夫妻は、彼を陥れようとたくらむ。クラレンス家の居候で孤児のソフィアにヴィンセントは窮地を救われるが、夫妻は激怒して彼女を家から追い出してしまった。責任を感じたヴィンセントはソフィアに求婚するのだが…。魂の癒しと再生を描く、サバイバーズ・クラブシリーズ待望の第2巻!
知的好奇心旺盛な侯爵令嬢クララは、「女性らしくない」と興味をおさえつけられ、周囲からは美人なばかりに中身がないと見られて、窮屈な思いをしてきた。結婚に興味がもてず、貧困女性向けの学校の支援に力をそそいでいるなかで、ある生徒から弟がギャング団に誘い込まれたと相談される。 彼女は助けを求めて幼なじみの弁護士ラドフォードを訪ねた。最初は本業が忙しいと断ったラドフォードだったが、一人でギャング団のアジトに乗り込みかねない勢いのクララに押され、引き受けてしまう。冷静で合理的であろうとつとめてきた彼は、自由闊達な彼女に魅了され、隠していた情熱や優しさを解放していく。クララも傲慢な彼に反発しながらも、正面から彼女と向き合ってくれる彼に惹かれていく。
エラリイ・クイーンの名のもとに集められたホームズ・パスティーシュの古典的傑作集にさまざまな事情から掲載されなかった“伝説”の作品たち。
大人気! アンソニー賞、バリー賞、ラヴィー賞に輝いた ミステリ界で話題のコージー・ミステリシリーズ第6弾! 父を殺したのは誰ーー? ホワイトハウスの厨房を離れたつかの間の休息。しかしオリーを待っていたのは長年封印されてきた家族の過去だった! 夏の休暇で、恋人といっしょに実家へ帰省したオリー。でも母の口から、幼い頃に亡くした父の死について意外な真相を明かされ、和やかな休日は一変。銃で殺されたうえに犯人もまだ捕まっていないなんて! 戸惑いながらも、オリーは父への愛を力に、未解決の事件に踏みこむ決意をする。一方、ホワイトハウスでも予想外の事態が。夏休み中の大統領の息子ジョシュアに料理を教えることになったまではよかったものの、オリーだけで参加するはずだったフード・エキスポにジョシュアがどうしても行きたいと言ってゆずらない。やむなくオリーたちは変装し、大勢の人でごった返す会場へと向かうがーー!?
パーティでのお披露目を目前にして、婚約解消したいという手紙を受け取ったクレア。なんと婚約破棄はこれで4回目。クレアのせいではなく、婚約者の身の上にいつも何かが起きるのだ。すでに社交界では「レディ・クレアの呪い」と言われている。 途方に暮れるクレアの前に元婚約者ポールの幼なじみであるアレックスが現われ、「力になりたい」と言う。不審に思うクレアだが。 実はアレックスはクレアたちの結婚を阻止することで、ポールへの復讐を果たそうとしていた。そこでポールの借金の借用書を買取るかわりに婚約を解消させたのだ。 アレックスは、勝手に自分とクレアの結婚を宣言し、「破産寸前の放蕩者から彼女を守りたい」と言い出したが、いったい!?
紅茶とお菓子がいっぱいの美味しいミステリ 盗めるものなら盗んでごらん! チャールストンの町に現れた大胆不敵な窃盗団に、セオドシアが立ち向かう! 絢爛豪華な宝石がひしめくシリーズ第17弾 高級ジュエリーの展覧会に突然、一台の車が窓ガラスを破って侵入してきた。車から降り立つ覆面の三人組、客たちの悲鳴、そして煙幕ーー優雅な会場は強盗団の出現で一変。貴重な宝石は根こそぎ奪われ、あとにはたくさんの死傷者が残された。現場に居合わせたセオドシアは大胆不敵な犯行を前に、なすすべもなかった。折しもチャールストンの町では、ロシアの皇帝が作らせたという至宝「ファベルジェの卵」を展示する計画が。また不幸な犠牲者を出すわけにはいかない! でも今度ばかりはFBIも乗り出す国際的な組織犯罪。とても自分の手に負える事件ではないけれど、セオドシアは貴重な宝と大事な町を守るため、ある奇策で非情な強盗団と対決することに!