出版社 : 原書房
ふたりの子供を幼稚園に預け、ようやく自分の時間をつくれた主婦のマージー。しかし、保育料が高すぎる。家計を補うために働くことを決めたけれど、出産前の職場には戻れないし、主婦を雇ってくれるところは少ない。求人広告でようやく見つけた仕事は、探偵だった。決定的瞬間を逃さないように張り込みをするときも子供のお迎えに遅れてはいけない。調査報告書は子供たちにおやつを与えている隙に書く。山になった洗濯物を片付けて、夫が帰ってくるまえに夕食の用意をしなくちゃーそんな忙しい毎日のなか、浮気調査中に女性の格好をした男性の死体を発見してしまった!しかも被害者の携帯電話にはマージーの自宅に電話をした履歴があり…幸せで、安全で、どちらかといえば満ち足りていた人生にいったい何が起こっているの?
映像制作会社を営むサンディと、フリー・カメラマンのマッケイドは高校時代からの親友。何でも話しあい、助け合ってきた二人だが、マッケイドは彼女への恋愛感情を心に秘めてきた。ついに告白しようとした矢先、彼女から「好きな人ができた」と打ち明けられる。サンディの片思いの相手は取引先の弁護士のジェームズ。上流社会に生まれ育ち、ハンサムで知的な、非の打ちどころのない男性だ。ひとめぼれしたけれど、彼女はアプローチできずにいる。撮影の協力を買って出たマッケイドは、サンディの恋の成就も手助けしようと決める。その甲斐あってジェームズとサンディは接近するが、やがてサンディは自分のことをいちばん大切に思ってくれる人が誰なのかあらためて気づいて…RITA賞受賞作家が描く、甘くもどかしい恋。
困っている人をほうっておけないベスは、おじの友人である公爵未亡人のコンパニオンをつとめることになった。公爵未亡人の孫は、多くの女性と浮名を流していることで有名な、ブラックシャー公爵アレックス。「枯れかけた壁の花」と呼ばれる三姉妹の次女ベスにとっては苦手なタイプで、関わりをもつ日が来るとは夢にも思わなかった。アレックスはわけあって、祖母を田舎の屋敷に避難させたがっていた。説得してほしいとベスに頼んできたが、彼女は公爵が祖母を邪険にしていると思い憤慨する。せめて孫と一緒に過ごす時間を作ってあげようと、「公爵未亡人の願いを三つかなえること」を条件にしぶしぶ承諾した。二人は公爵未亡人のために協力するうち、互いに魅了されていく。しかし放蕩者の彼を信じてよいものか、ベスは不安に思ってしまい…。
ちいさな村に待望の春がきた。ラッキーは親友ソフィーの結婚式の準備に大忙し。ソフィーの結婚相手はラッキーの営むスープ店のシェフ。常連客をはじめ村じゅうの誰もが若い二人を祝福していた。そんななか、夜の森で行われた春の訪れを祝う集会で、女性がハーブで香り付けしたワインを飲んで急死してしまう。しかもこのハーブを用意したのはラッキーの祖父だった。さらにソフィーの実家近くの川で遺体が発見される。身元がわからなかったが、長年交流のなかったソフィーの兄かもしれない可能性が出てきた。自分のせいで人が死んでしまったのではないかと思い悩む祖父、家族を思って不安定になるソフィー。ラッキーはそんな二人を元気づけ、なんの心配もなく結婚式を挙げられることを目指すが!?
カイル公爵ヒュー・フィッツロイは、晩餐会に出席した真夜中の帰り道、暴漢に襲われた。そこに現れたのが「セントジャイルズの亡霊」と呼ばれる謎の人物。二本の剣を操る身軽な「亡霊」はヒューを助け、キスをしたかと思うと、たちまち姿を消した。「亡霊」は女性だった。自分を襲わせたのは誰なのか?晩餐会で目撃した密着のやりとりが関係しているのか?謎の秘密組織“混沌の王”が黒幕か?調査を進めるため、ヒューはセントジャイルズの情報屋の少年、アルフを呼び寄せる。ところがこのアルフこそ、「セントジャイルズの亡霊」だった。男装することで身を守って貧民窟で生き抜いてきた彼女は、正体がばれたのかと警戒しながら公爵に会いに行くのだが…。大人気“メイデン通り”シリーズ、新展開の第11巻!
いよいよドイツの大富豪との結婚を決めたジョージーの母。でも、そのためにはまずアメリカで離婚手続をしなければならない。というわけで急きょ、娘のジョージーをお供に豪華客船に乗りこみ、大西洋横断の旅へと発つことに。ところが船中で有名な映画監督から熱烈に口説かれた母は、かつての女優魂に火が付いてあっさり行き先をハリウッドに変更してしまう。映画スターに会えるかも!?期待に胸を膨らませるジョージーだったが、そこで待ち受けていたのはイギリスの貴族社会では考えられないほど自由奔放な映画人たち。撮影はのっけからトラブル続きで、わがままな俳優たちを諌めようとした監督が何者かに殺されてしまう始末。ジョージーはダーシーと協力して犯人を突き止めようとするものの、勝手の違う国では戸惑うことばかりで!?
戦地で負傷したダーリー子爵ヴィンセントを、家族は過保護なまでに気遣うが、同時に早く結婚させようと躍起になっていた。跡継ぎができなければ、爵位も財産もいずれ失うことになるからだ。生き方を指図されることに嫌気がさしたヴィンセントは家出を決意し、従者を一人だけ連れて、自分が生まれた家のある田舎で暮らすことに。子爵の帰還を村の人々が歓迎するなか、爵位を継ぎ大金持ちになったヴィンセントに娘を嫁がせようと画策するクラレンス夫妻は、彼を陥れようとたくらむ。クラレンス家の居候で孤児のソフィアにヴィンセントは窮地を救われるが、夫妻は激怒して彼女を家から追い出してしまった。責任を感じたヴィンセントはソフィアに求婚するのだが…。魂の癒しと再生を描く、サバイバーズ・クラブシリーズ待望の第2巻!
本を読みすぎたり、意見を持ったりするのはレディらしくないと、好奇心を抑え込まれて育てられた侯爵令嬢クララ。ロンドン一美しいと称えられる彼女だが、自分の表面しか見ない男性たちにも辟易としていた。結婚に興味がもてず、貧困女性向けの学校の支援に力をそそぐなか、ある生徒から弟がギャング団に誘い込まれたと相談される。クララが助けを求めたのは弁護士ラドフォード。多忙を理由に一度は断った彼だが、一人でギャング団に乗り込みかねない勢いのクララに押され、引き受けてしまう。冷静であろうとつとめてきた彼は自由闊達な彼女に魅了され、隠していた情熱や優しさを解放していく。クララもまた、真摯に彼女に向き合ってくれるラドフォードに惹かれてゆき…。2017年RITA賞最終ノミネート作、ロレッタ・チェイスの新境地!
エラリイ・クイーンの名のもとに集められたホームズ・パスティーシュの古典的傑作集にさまざまな事情から掲載されなかった“伝説”の作品たち。
夏の休暇で、恋人といっしょに実家へ帰省したオリー。でも母の口から、幼い頃に亡くした父の死についての意外な真相を明かされ、和やかな休日は一変。銃で殺されたうえに犯人もまだ捕まっていないなんて!戸惑いながらも、オリーは父への愛を力に、未解決の事件に踏みこむ決意をする。一方、ホワイトハウスでも予想外の事態が。夏休み中の大統領の息子ジョシュアに料理を教えることになったまではよかったものの、オリーだけで参加するはずだったフード・エキスポにジョシュアがどうしても行きたいと言ってゆずらない。やむなくオリーたちは変装し、大勢の人でごった返す会場へと向かうがー!?
パーティでのお披露目を目前にして、婚約解消したいという手紙を受け取ったクレア。なんと婚約破棄されるのはこれで4回目。彼女のせいではなく、婚約者の身の上にいつも何かが起きるのだ。すでに社交界では「レディ・クレアの呪い」と言われている。途方に暮れる彼女の前に元婚約者ポールの幼なじみであるアレックスが現われ、「力になりたい」と言う。不審に思うクレアだが。実はアレックスはわけあってポールに復讐しようとしていた。そこでポールの借用書を買取るかわりに婚約を解消させたのだ。アレックスは、勝手に自分とクレアの結婚を宣言し、「破産寸前の放蕩者から彼女を守りたい」と言い出したが、いったい!?全米ロマンス界騒然のヒストリカルの新星、ついに邦訳!
紅茶とお菓子がいっぱいの美味しいミステリ 盗めるものなら盗んでごらん! チャールストンの町に現れた大胆不敵な窃盗団に、セオドシアが立ち向かう! 絢爛豪華な宝石がひしめくシリーズ第17弾 高級ジュエリーの展覧会に突然、一台の車が窓ガラスを破って侵入してきた。車から降り立つ覆面の三人組、客たちの悲鳴、そして煙幕ーー優雅な会場は強盗団の出現で一変。貴重な宝石は根こそぎ奪われ、あとにはたくさんの死傷者が残された。現場に居合わせたセオドシアは大胆不敵な犯行を前に、なすすべもなかった。折しもチャールストンの町では、ロシアの皇帝が作らせたという至宝「ファベルジェの卵」を展示する計画が。また不幸な犠牲者を出すわけにはいかない! でも今度ばかりはFBIも乗り出す国際的な組織犯罪。とても自分の手に負える事件ではないけれど、セオドシアは貴重な宝と大事な町を守るため、ある奇策で非情な強盗団と対決することに!
いとこの友人で実業家のウィンターボーンとのあいだに縁談がもちあがったヘレン。二人きりになった際に情熱的なキスをされて、箱入り娘の彼女は寝込んでしまう。周囲はその様子を見て、二人の婚約を解消させるが、ヘレンは実はウィンターボーンに惹かれていたのだった。一方、ヘレンと出会った瞬間に恋に落ちたウィンターボーンは、婚約解消の申し入れにショックを受ける。平民の自分は洗練された美しい貴族の女性には不釣り合いで、彼女に嫌われてしまったのだと思い込んだ。このまま離ればなれになるのは耐えられない。そう思ったヘレンは勇気をふりしぼり、彼の誤解を解こうとする。そして二人が選んだのは…甘く純粋な恋を描き出す、情熱的なリサ・クレイパスの筆致がますます光る“クレイヴネル家”シリーズ第2巻!
亡くなった父が経営していたオークションハウスは、美術や工芸品の鑑定を学んできたキャサリンにとって宝物だ。父はこの店の経営権を兄とキャサリンの共同にすると遺言に残したが、彼女には条件がつけられていた。それは結婚しなければ経営に携わることができないというものだ。父なきあとオークションハウスの切り盛りに力を尽くしてきたキャサリンだが、政治家志望の兄は売上を横領しているうえに、店を売却しようとしている。また、自分が政界入りするための足がかりとなるように、彼女を強引に政略結婚させようとしていた。早く結婚して経営権を持たなくてはとあせるキャサリンは、危険な実力者ニックに近付き、便宜上の結婚をしてほしいと申し入れる。単なる取引のはずだった二人の始まりは、やがて大きな情熱のうねりとなり…
20XX年、日本。ネット投票による重要事件の国民総陪審員制が開始。この極めて民主的なシステムが超管理社会への第一歩になったーSNSにあふれる悪意、エンタメ化する「セカイ」、ポスト真実。この物語は予言なのかもしれない。材料はすでに揃っているのだ。
日本・外国の創作児童文学作品に登場する「時」に焦点をあて、「時」から読み解く作品案内。全体を8つに分類、見開き1項目計200項目200冊をイラスト・写真・書影と共に紹介した読む事典。巻末にタイトル・人名・時索引を掲載。『「もの」から読み解く世界児童文学事典』、『「場所」から読み解く世界児童文学事典』に続く第3弾。
落語を聞いていた児童たちのたわいない言葉遊びがお伝さん襲撃事件に意外なかたちでむすびつく(「手がかりは『平林』」)、お伝さんのテレビ出演から血縁問題がもちあがり大金が絡んで遺産騒動に!そこで犯人あぶり出しになんと「立体落語」を持ち出す(「カイロウドウケツ」)。落語好きからミステリマニアまで楽しめるシリーズ最新刊!
美しい森と湖に囲まれた由緒正しい貴族屋敷。そんなすてきな家に住むお嬢さまのデイジーから誕生日のお茶会へ招待され、ヘイゼルは楽しい休暇を期待していた。ところがデイジーの両親は不仲だし、招待客の大人たちも何やら邪な計画があるようす。こんなんでお誕生日会は大丈夫?チョコレートケーキに、ジャムタルト、マカロンーご馳走を目の前にして食いしん坊のヘイゼルがほっとしたのもつかの間。紅茶を口にした招待客のひとりが絶命し、デイジーの父親が第一容疑者にされてしまった!探偵倶楽部にとって解かなければならない謎だが、それは同時にデイジーの家族全員を疑うことでもあり!?早くも少女探偵たちに試練のときが訪れる!