出版社 : 原書房
婚約者で大人の男性であるウィンターボーンに突然キスされ、驚きのあまり引き籠ってしまった箱入り娘のヘレン。周囲はその様子を見て誤解し、二人の婚約を解消させるが、彼女は実はウィンターボーンに惹かれていた。このまま離ればなれになるのは耐えられないと思ったヘレンは勇気をふりしぼり、ウィンターボーンのもとを訪れ、彼の誤解を解こうとする。そして二人が選んだのは……
幼いころから、美術や工芸品の鑑定を父に学んできたキャサリン。亡くなった父が経営していたオークションハウスは彼女の宝物だ。 父はオークションハウスの経営権を、兄とキャサリンの共同にすると遺言にのこしたが、彼女には条件がつけられていた。それは結婚しないと経営に携わることができないというものだ。 父なきあと、オークションハウスの切り盛りに力を尽くしてきたキャサリンだが、政治家志望の兄は売上金を持ち出している上に、この店を手放そうとしている。また、自分が政界入りするための足がかりとなるように、キャサリンの意志とは関係なく政略結婚させようとしていた。 はやく結婚して経営権を手に入れなくては、大好きな仕事もオークションハウスも失ってしまう……とあせるキャサリンは、ロンドン裏社会の実力者ニックに近付き、便宜上の結婚をしてほしいと頼みこんだのだが!?
国民総陪審員制。ネットにアクセスして国民が重大事件の審判を下すという。世界でも類を見ない制度を日本は採用した。しかしその裏で、とんでもない事態が進行していた。サイバーミステリの名手が描く「近未来」サスペンス!
登場人物やあらすじは忘れても、不思議と記憶に残っている時代や時間がある。気鋭の児童文学研究者が、世界中の、また日本を代表する児童文学の名作を、「時」をキーワードに読み解き、読者と「時」と物語をつなぐ。
芳ばしい香り漂う大人気シリーズ第15弾! 老舗コーヒーハウスの2号店がついにオープン! そこに現れた意外すぎる人物とは!? 長い歴史を誇るニューヨークの老舗コーヒーハウス「ビレッジブレンド」が、いよいよワシントンに2号店をオープン! 人気店になること間違いなし、のはずが、トラブル続きで経営はぎりぎり。マネージャーを務めるクレアは頭を抱えていた。そんなとき、コーヒーハウスに併設したジャズクラブへ、黒づくめの衣装で舞台にあがる女性ピアニストの姿が。その正体は大統領令嬢のアビー! 才能あふれる演奏にクレアはすっかり魅了されてしまう。ところが、身分を隠した令嬢の存在はたちまちマスコミの知るところとなり、店は混乱の渦に。そのうえ、アビーが忽然と姿を消したことで、FBIはクレアを最重要容疑者として指名手配した。まさか自分が逃亡劇を繰り広げることになるとは夢にも思っていなかったクレアと、2号店の運命は!?
予期せぬ方向へ向かった二つの事件が、落語のちょっとした一言から結びついて「合点」した表題作、見知らぬ人からの遺産話から広がる「とんでもない」結びまで、ミステリ度増し増しの中編二話を収録。本格落語シリーズ書き下ろし最新刊。
美しい森と湖に囲まれた由緒正しい貴族屋敷。そんなすてきな家に住むお嬢さまのデイジーから誕生日のお茶会へ招待され、ヘイゼルは楽しい休暇を期待していた。ところがデイジーの両親は不仲だし、招待客の大人たちも何やら邪な計画があるようす。こんなんでお誕生日会は大丈夫?チョコレートケーキに、ジャムタルト、マカロンーご馳走を目の前にして食いしん坊のヘイゼルがほっとしたのもつかの間。紅茶を口にした招待客のひとりが絶命し、デイジーの父親が第一容疑者にされてしまった!探偵倶楽部にとって解かなければならない謎だが、それは同時にデイジーの家族全員を疑うことでもあり!?早くも少女探偵たちに試練のときが訪れる!
英国で大人気のロングセラーシリーズ第9弾! 嘘か真か!? 惚れ薬を入手したアガサはとうとう? 事件を解決に導いた代償として髪の毛を失ったアガサは、元通りに伸びるまでシーズンオフの観光地で心身ともに静養することにした。そこで耳にしたのは「魔女」と呼ばれる地元女性の評判。半信半疑で魔女の家を訪れたアガサは、法外な額をふっかけられたにもかかわらず、毛生え薬と、ついでに惚れ薬まで購入してしまう。ところがその直後、魔女が自宅で何者かに殺され、アガサが第一発見者に。惚れ薬を買ったとは恥ずかしくてどうしても警察に真相を明かせず、嘘に嘘を重ねるうち窮地に追い込まれていくアガサ。そしてとうとう、警部の飲み物に惚れ薬を入れるという暴挙に! すると、警部がみるみるうちに……!?
NYタイムズ、USAトゥデイ紙ベストセラーリストの常連作家、ついに日本上陸。 名門貴族の令嬢デボラは12歳のとき、ロクストン公爵家の跡取り息子オールストン侯爵ジュリアンとひそかに結婚させられた。だが真夜中のことだったので、デボラはよく覚えておらず、夢だとさえ思っていた。 8年後、デボラは貴族の体面を重んじてばかりの家を飛び出し、亡くなった兄オットーの遺児の世話をしながらバースで暮らしていた。ある日、決闘をして傷を負った美しい青年を森の中で助ける。その青年こそ、長くイングランドを離れていたジュリアンだった。彼は8年前の結婚を本当のものにし、跡継ぎを作るために帰国したのだが、互いの素性を知らないまま惹かれあう二人。やがてジュリアンは自分が探していた結婚相手がデボラだと知るが、素性を隠したまま結婚する。 愛に満ちた幸せな新婚生活を送っていた二人だが、ある日ジュリアンの正体が放蕩者と噂されるオールストン侯爵であることと、8年前の出来事をデボラは知らされる。大きな秘密を隠されていたことにショックを受け、彼との愛が信じられなくなるが……
「息子がこんな症状になってしまった原因が知りたい」そんな風変わりな依頼から「事件」は始まった。やがて同じ症状を持つ患者が見つかる、何人も。彼らには何が共通しているのか。そして大量殺戮計画の隠された真意とはー。
村の収穫祭を目前に、崖から1台の車が転落した。車のなかから発見された男の遺体には謎が多く、地元警察は身元を割り出すことができない。署長は7年前に起きた未解決事件との関連を疑うものの解決の糸口を見つけられず、ラッキーの営むスープ店で毎日頭を抱える日々。同じ頃、スープ店の大切な従業員、ジェニーの行く先々で待ち伏せする男が現れた。すっかりおびえるジェニーに追い打ちをかけるように、彼女の出生の秘密が明らかに。動揺したジェニーは家を飛び出してしまい…!?身元不明の遺体、7年前の未解決事件、そして若い恋人たちが犯した過ちー。それらを結ぶ手がかりをつかもうと奔走するラッキーだったが、多くの謎を残したまま収穫祭の幕は開き!?
RITA賞受賞作『愛の扉を解き放つ日に』続編いよいよ登場! オークションハウスの接客係としてはたらくリリーは、かつて窃盗団の一味だった。幼くして両親を失ったあと、叔父によって暗黒街に否応なく引き入れられたのだが、普通の暮らしがしたいと切望し、教養とマナーを身につけ、身元を隠してようやく今の仕事につくことができたのだ。しかし叔父には、悪事に手を貸さねば周囲の人に過去をばらすと脅され、窮地におちいっていた。 子爵家の次男クリスチャン・ストラットンは、かつて軍隊に所属していたころの勇敢な行為により、人々の尊敬をあつめている。しかし、その武勲ゆえに、敵国ロシア軍の元将軍ボルコフに逆恨みされ、愛する者すべてを奪ってやると宣言された。戦場から帰国してみると父はすでに亡くなっており、やがて兄も謎の死を遂げた。思いがけず子爵の重責を担うことになったクリスチャンは、これ以上家族を危険にさらしたくはないと、消息を絶ったボルコフの行方を捜しはじめる。そんな折り、ボルコフの持ち物だった燭台がオークションにかけられるという情報を得て、調査に乗り出したオークションハウスで、リリーと運命的に出会った。 悲しい過去をもつふたりは、やがて心を寄せ合うようになる。追いかけてくる魔の手をはらい、幸せになれる日はやってくるのか……!?
エマの両親は芸術家で、愉快だがエキセントリックな人たち。貴族社会からは変わり者の一家として疎外されているのがコンプレックスで、エマはいつも地味な服を着て、堅苦しくふるまっていた。ほんとうは絵を描くことに情熱をもっているが、若い娘がそのような熱意を持つことが人に知られると、また変わり者扱いされるので隠している。 会うたびにエマをからかってくる、兄の友人の子爵オリヴァーは独身主義だが、結婚しないと財産を相続させないと祖母に言い渡された。困った彼は、祖母が社交シーズンでロンドンに滞在しているあいだだけでいいので婚約したふりをしてほしいとエマに頼み込む。そして、承諾したつもりはないのに、いつのまにか周りには、婚約者扱いされてしまい……
大人気《メイデン通り》シリーズ第10巻。 若くして、女性使用人の管理職であるハウスキーパーの地位に着いたブリジット。仕えているモンゴメリー公爵バレンタイン・ネイピアはギリシャ彫刻のように美しいが、放蕩者で邪悪な人物だと噂されている。 ブリジットがバレンタインに仕えることになったのは、彼が屋敷に隠している秘密の品々を見つけて運び出すという使命を負わされ、送り込まれたためだった。 その品をもとに、貴族たちが脅迫されていると聞いている。そして秘密を握られた人々のひとりには、彼女の産みの母もいた。 あるとき、屋敷のなかを探しまわっているところを、公爵に見つかってしまったブリジット。 使用人とは思えない気品と知性のある彼女に興味を抱いた公爵は、処分を言い渡すことはなかったが、なにかと挑発してくる。 誘惑にとまどいながらも、彼のさりげない優しさやユーモアに触れ、ブリジットはだんだんと会話する時間を楽しみとするようになった。 はじめは冷たい人物に見えたモンゴメリー公爵だが、腹違いの妹をいつも気にかけ、慈しんでいるのをブリジットは知る。脅迫にみえた行動も、妹のためにある狙いをもって行っていたことだった。 兄妹はともに幼少の頃に過酷な体験をし、助け合ってそこから生き延びたという絆があった。 また、公爵もブリジットの出生の秘密を知り、彼女が大人たちの都合で人生を左右されてしまったことに憤る。 心の傷を癒やし合うように、二人は引かれあってゆくのだが……
異例づくし。まさしくそれが、総料理長オリーの今回の任務だった。 というのも、大統領夫人が催すパーティをホワイトハウスの外で行うことはめったにない。 そのうえ、会場選びを任されたのがオリーと式次室室長のピーターというのも職務外で、前例のないことだった。しかもふたりが犬猿の仲なのはスタッフの誰もが知るところ。 それでも、今回の国務長官の誕生パーティは、大統領との不仲説を払拭するための重要なイベント。プロとして協力しながら候補会場をまわっている最中、最有力候補だった会場の厨房で、ふたりは大鍋の中に隠されたホワイトハウスの秘書官と、補佐官の死体を発見してしまう。 これは国務長官をターゲットとした一連の犯罪なのか? ところが大統領夫人はこんな緊急事態にもかかわらず、誕生日パーティの計画を続行すると苦渋の決断を下した。 オリーとピーターは危険と隣合わせのなか、パーティの準備を進めなければならず!?
「ロンドン一美しい男」とタイムズ紙にも書かれたマンウェアリング侯爵セバスチャンは、悪運にみまわれている。舞踏会でほんの戯れで言葉をかけた令嬢に追いかけ回され、辟易して国外に逃げていたが、2年たって帰国してもまだ騒動は終わらなかった。ストーカー令嬢は妊娠しており、お腹の子の父はセバスチャンだと言い張ったのだ。あげくの果て、身に覚えのない嫌疑のために決闘に引きずり出されるという運のなさだ。 放蕩者と後ろ指をさされ続けるセバスチャンだが、ずっと想い続ける女性がいた。音楽会でピアノソナタを弾きこなす彼女を見て恋におちたが、意中の人はおじの年若い妻キャサリンだと知って、情熱をしまいこんできた。その後おじは亡くなったが、醜聞まみれの自分は嫌われていると思い込んでいる彼は、キャサリンに近づけない。 いっぽうキャサリンは、自分に自信がなくひきこもりがちな性格だ。折り合いの悪い父から逃れたいばかりに、かつて歳の離れた夫との縁談に逃げ込んだ。華やかなセバスチャンに気後れしていたが、彼と思いがけず接近することになり、意外な一面を知るようになって、彼女のかたくなな心もほどけていくが……
カフェの店主スザンヌはいつもの美味しいチーズを購入するため、付き合いの長い酪農家マイクの牧場を訪れた。ところがそこで待っていたのは、何者かに刺殺されたマイクと、飼い主を失った可哀相な牛たち。温厚な彼がこんな形で殺されるなんて許せない。でもスザンヌは婚約者のサムから首をつっこまないよう、釘を刺されてしまった。ロマンティックな結婚式の計画を進めようとする彼とは対照的に、スザンヌは事件のことが頭から離れず……!?
USAトゥデイ紙のベストセラーリスト常連作家、ついに邦訳登場! 19世紀英国。カリオペは5年前に差出人不明のラブレターを受け取った。そのときプロポーズされていたが、ラブレターに心奪われるあまり、断ってしまう。その後、他の女性たちにもラブレターが送られていたことを知って傷つくが、今なお謎の差出人を忘れることができず、独身でいた。 ある日カリオペは、馬車の事故でけがを負った従妹パメラの見舞いでファローホール屋敷に行くことになった。パメラはかつてカリオペが求婚を断ったミルトンと結婚したばかりだ。彼と再会するのは気が重い。 屋敷にはミルトンの友人のエバハート卿ガブリエルと、他に二人の男性が滞在していた。カリオペは、パメラから最近ラブレターを受け取ったと聞かされ、もしや謎の差出人がこの屋敷にいるのではないかと疑う。そしてしばらくファローホールに滞在し、差出人を捜そうと考える。 一方、5年前にカリオペに一目惚れしていたガブリエルは、ある秘密を抱えていた。自分の熱い想いをカリオペに打ち明けることもできず、苦しむガブリエル。そしてカリオペはついに差出人の正体を知るのだが……。