出版社 : 原書房
事件を解決に導いた代償として髪の毛を失ったアガサは、元通りに伸びるまでシーズンオフの観光地で心身ともに静養することにした。そこで耳にしたのは「魔女」と呼ばれる地元女性の評判。半信半疑で魔女の家を訪れたアガサは、法外な額をふっかけられたにもかかわらず、毛生え薬と、ついでに惚れ薬まで購入してしまう。ところがその直後、魔女が自宅で何者かに殺され、アガサが第一発見者に。惚れ薬を買ったことは恥ずかしくてどうしても警察の真相を明かせず、嘘に嘘を重ねるうち窮地に追い込まれていくアガサ。そしてとうとう、警部の飲み物に惚れ薬を入れるという暴挙に!すると、警部がみるみるうちに…!?
名門貴族の令嬢デボラは12歳のとき、オールストン侯爵ジュリアンと結婚式をあげさせられた。その日はじめて出会った花婿は挙式のあとすぐにフランスに旅立ち、彼女はわけもわからぬままにとりおこなわれた真夜中の式を、夢の中の出来事だと思い込んで大人になった。8年経ち、デボラは貴族の体面を重んじてばかりの家を飛び出して、亡くなった兄の遺児の世話をしながら暮らしている。ある日、森の中で傷を負った美しい青年を助けるが、彼こそは長くイングランドを離れていたジュリアンだった。しかし、互いの身元も知らぬまま惹かれあう二人。やがてジュリアンは、デボラが幼き日に結婚した妻であることを知るものの、名乗ることなく…運命に導かれた再会のゆくえは!?NYタイムズ、USAトゥデイ紙ベストセラーリストの実力派作家、待望の日本上陸!
「息子がこんな症状になってしまった原因が知りたい」そんな風変わりな依頼から「事件」は始まった。やがて同じ症状を持つ患者が見つかる、何人も。彼らには何が共通しているのか。そして大量殺戮計画の隠された真意とはー。
村の収穫祭を目前に、崖から1台の車が転落した。車のなかから発見された男の遺体には謎が多く、地元警察は身元を割り出すことができない。署長は7年前に起きた未解決事件との関連を疑うものの解決の糸口を見つけられず、ラッキーの営むスープ店で毎日頭を抱える日々。同じ頃、スープ店の大切な従業員、ジェニーの行く先々で待ち伏せする男が現れた。すっかりおびえるジェニーに追い打ちをかけるように、彼女の出生の秘密が明らかに。動揺したジェニーは家を飛び出してしまい…!?身元不明の遺体、7年前の未解決事件、そして若い恋人たちが犯した過ちー。それらを結ぶ手がかりをつかもうと奔走するラッキーだったが、多くの謎を残したまま収穫祭の幕は開き!?
オークションハウスの接客係リリーは、かつて窃盗団の一味だった。幼くして両親を失い、叔父に否応なく引き入れられたのだが、普通の暮らしがしたいと切望して教養とマナーを身につけ、ようやく今の仕事についた。しかし叔父には悪事に手を貸さねば周囲の人に過去をばらすと脅され、窮地におちいっていた。子爵クリスチャンは、かつて軍隊に所属していた頃に逆恨みされた敵国の元将軍から家族の命を狙われている。消息を絶った敵の持ち物がオークションにかけられるという情報を得て、調査に乗り出した矢先、リリーと運命的に出会った。悲しい過去をもつ二人は、やがて心を寄せ合うようになるのだが…。RITA賞ベスト・ヒストリカル・ロマンス賞受賞作のシリーズ最新作!
芸術家でエキセントリックな両親のせいで、貴族社会からは変わり者あつかいされているデンヴァーズ家。令嬢エマは周囲から浮くのをおそれ、いつも地味な服を着て堅苦しくふるまっていた。ほんとうは絵を描くことに情熱をもっているけれど、若い娘がそんな熱意を持つことが人に知られれば、やはり変わり者だと言われかねないので隠している。会うたびにエマをからかってくる、兄の親友のラスバーン子爵は独身主義だが、結婚しないと財産を相続させないと祖母に言い渡された。困った彼は、祖母が社交シーズンでロンドンに滞在しているあいだだけでいいので婚約したふりをしてほしいとエマに頼み込む。そして、承諾したつもりはないのに、いつのまにか周りには、婚約者同士として扱われて…。思わず微笑みがこぼれる、チャーミングな愛の物語。
モンゴメリー公爵バレンタインはギリシャ彫刻のように美しいが、放蕩者で邪悪な人物だと噂されている。ハウスキーパーのブリジットがバレンタインに仕えることになったのは、彼が屋敷に隠している秘密の品々を見つけて運び出すという使命を負わされたためだった。その品をもとに、上流階級の人々がおどされていると聞いている。ある日、室内を探っているところをモンゴメリー公爵に見つかってしまったブリジット。しかし、使用人とは思えない気品と知性のある彼女に興味を抱いた公爵は、処分を言い渡すことはなかった。いつしか二人は、会話を交わすことを楽しみにするようになる。そして互いの生い立ちの複雑さを知って、心の傷を癒やすかのように惹かれ合うのだが…大人の愛を描いて大人気の“メイデン通り”シリーズ第10弾。
異例づくし。まさしくそれが、総料理長オリーの今回の任務だった。というのも大統領夫人が催す数千人規模の巨大誕生日パーティのため、厨房の外へと飛び出し、会場選びから手伝うことになったのだ。同じく担当スタッフに選ばれたのは、式次室長のピーター。彼とオリーが犬猿の仲なのはホワイトハウスの誰もが知るところ。なのにまさか、ふたりそろって秘書官の遺体を発見することになろうとは!?それ以来、何者かに命を狙われるようになったふたりは、危険と隣合わせでパーティの準備を続行することに。いつもは皮肉屋のピーターも、今回ばかりは弱気な一面を見せはじめ…!?
「ロンドン一美しい男」と呼ばれるマンウェアリング侯爵セバスチャンは、我が身の不運をのろっていた。かつて舞踏会でほんの戯れに言葉をかけた令嬢に追いかけ回され、身の危険を感じて外国に逃げたほどなのに、帰国した途端そのせいで決闘に引きずり出される羽目に陥っている。放蕩者と後ろ指をさされるセバスチャンだが、ずっと想い続ける女性がいた。音楽会でピアノソナタを弾きこなす姿を見て恋におちた、意中の人の名はキャサリン。醜聞まみれの自分は嫌われていると思い込んでいる彼は、彼女に近づけない。一方、自分に自信がなくひきこもりがちなキャサリンは、華やかなセバスチャンに気後れしていた。しかし彼の意外な一面を知るようになって、かたくなな心もほどけていくのだが、二人には問題が…。微笑みあふれる愛の物語。
カフェの店主スザンヌはいつも店で出しているチーズを購入するため、付き合いの長い酪農家マイクの農場を訪れた。マイクの作る自家製チーズは味わい豊かで、スザンヌのカフェに欠かせない食材のひとつ。ところがその日は、酪農場の牛たちの様子がどこかおかしい。嫌な予感は的中し、チーズ工房には何者かに刺殺されたマイクの姿が。温厚な彼がこんな形で殺されるなんて許せない!スザンヌは婚約者のサムから事件捜査に首をつっこまないよう釘を刺されたものの、何か重要なことを目撃したかも知れない少年のことが気にかかって仕方がない。ロマンティックな結婚式の計画を進めようとする婚約者とは対照的に、スザンヌはとある行動を取ることに…!?
19世紀英国。5年前に差出人不明の恋文を受け取った日から、カリオペはずっとひとりのまま。男爵からの求婚を断るほど、情熱的な文面に心奪われた彼女だったが、同様の手紙が何人もの女性たちに届いていたことを知り、想いは打ち砕かれた。それでも今も、社交界で「カサノヴァの手紙」と呼ばれたその恋文を、時折読み返している。ある日、怪我で療養中の従妹を見舞ったカリオペは、「カサノヴァの手紙」らしき恋文を最近もらったと従妹から打ち明けられ、動揺する。ちょうどその時、従妹の屋敷に滞在していた子爵ゲイブリエルがカリオペに熱い視線を送っていた。実は彼は、かつてカリオペに焦がれて恋文をしたためたが、名乗り出ることができなかったのだ。その理由は…。USAトゥデイ紙のベストセラーリスト常連作家が描く、繊細な愛の物語。
英国王妃から「公爵家の将来の跡継ぎを教育するように」という新たな任務を与えられたジョージー。自分自身のマナーもおぼつかないというのに、人に教えるなんて!?しかもその跡継ぎの若者ジャックは、貴族のマナーも品格も無縁に育った外国の農夫だというから、さあ大変。やることなすことすべてが破天荒の問題児だ。公爵家の人々は歓迎するどころか、よそ者に財産を奪われまいと敵意をむき出しにした。そしてとうとう、現公爵の死体が地所内で発見される事件が発生!背中にはジャックのナイフが突き刺さっていた。警察は真っ先にジャックを疑うが、純朴なジャックの人柄に好感を抱きはじめていたジョージーは、彼が犯人だとはどうしても信じられず…!?
様々な勢力が暗躍する魔都・上海で起こる連続不可能犯罪事件。密室状況で殺された被害者のそばに残されたカード…。密室が解かれても、真犯人・上海デスドールをとらえることはできない。エキゾチックな不可能趣味満載の連作集。
両親を亡くし劇団で育てられた、貴族の血をひく女優のマデリン。誰とも恋愛をしたことがないというのに、彼女はある事情から、自分を愛人にする権利をオークションにかけると宣言した。すると見知らぬ貴婦人が訪ねてきて、伯爵家の次男であるネイサンに入札させるので、彼を選んでほしいと言い、とまどうマデリンに赤い靴を渡す。独立し貿易商として成功しているネイサンは、兄の急死により家を継ぐことを強いられていた。父と確執のある彼は、反対される結婚をして抵抗しようと考え、マデリンに愛人契約ではなく結婚を持ちかける。条件は貴族に嫌われるような女性を演じることと、今年の社交シーズンだけ共に過ごし、あとは別々に暮らすこと。こうして契約結婚をした二人だが、お互いのことが気になり…“シンデレラの赤い靴”シリーズ第5弾!
一九三〇年代英国、お嬢さまたちが通う厳格なディープディーン女子寄宿学校。転校生ヘイゼルと、学校一の人気者で頭脳明晰の美少女デイジーは、二人でひそかに探偵倶楽部を結成した。でも起きる事件といえば、他愛もない校内の盗難事件ばかり。そんなとき、ヘイゼルは誰もいない夕方の室内運動場で女性教諭の死体を発見!ところが人を連れて戻ってみると、どういうわけか死体は消えていた。探偵倶楽部はまたとない大事件に色めきたつ。ときに校則を破り、ときに寮母の目を盗んで、勝手知ったる校内を大捜査。嘘つきな教師たち、割られた窓ガラス、幽霊の噂ーあまりにもこの学校には秘密が多すぎて!?賢く可憐な少女探偵たちが繰り広げる、英国で人気白熱中のシリーズ第一弾!
トールキン・ファンタジーの原点、待望の刊行!!北欧民族叙事詩の英雄たちの物語ー深い共感とともに、生き生きと描かれる魅力的な作品!
公爵の異母妹イブは平穏な毎日を望んでいた。外出はせず、細密肖像画を描き、小さな屋敷で静かに暮らしていたいと。それは心の傷を思い出さないようにするためだった。しかし、兄の代理でハート庭園の持ち主エイサ・メークピースのもとを訪ねたときから、彼女の生活は一変する。古びた庭園と園内の劇場を再建するため、イブの兄から資金の提供をうけていたエイサに、その出資の打ち切りを告げるのが彼女の役目だった。反発しあう二人だったが、エイサはイブの孤独な陰がどうしても気になってしまい、ほうっておけない。また、イブも彼の劇場に賭ける情熱とたくましさに魅せられる。少しずつ心を通わせていくなか、イブはエイサに絵のモデルになってほしいと依頼して…“メイデン通り”シリーズ第9弾。癒やしと再生の愛の物語。
両親を馬車の事故で亡くし、メグは妹たちとともに心優しい子爵のおじに引き取られた。しかし生活は苦しく、社交界にデビューしても「メイドより地味な服を着て目立たない“枯れかけた壁の花”」と呼ばれるしまつ。これ以上おじに負担はかけられないと、メグは家庭教師になり自立する決意をする。紹介された雇い主は、社交界の人気者であるキャッスルトン伯爵ウィリアム。彼は独身ながら、いとこの忘れ形見の双子を育てることになり、助けを必要としていたのだ。だが、実はウィリアムは、8年前にささいな誤解をきっかけにメグから縁談を断った相手。彼女にとっては気まずい再会だったが、ウィリアムはずっとメグを忘れられずにいて…RWAゴールデンハート賞受賞作家、注目の日本デビュー!
亡くなった両親のスープ店を継いだばかりのラッキーは、夏のメニューに冷製スープやサラダを豊富に加えることに。おかげでお店の経営もどうにか軌道にのった。ところが母親代わりに慕っていた村長のエリザベスが忽然と姿を消してしまい、心穏やかではいられない。そもそもスキーリゾートであるこの村の夏は、いつもなら観光客が減ってとても静かで平和。なのに今年は事件が続きすぎている。村のど真ん中にできるという洗車場建設に対する激しい反対運動、当の建設現場から発見された古い人骨、そして反対住民の奇妙な死ー。エリザベスの失踪はこれらの事件に何か関係があるのだろうか?家に愛猫を残していなくなるなんて、彼女らしくない。村人たちと協力して消息を追うラッキーは、やがて意外な真相にたどりつく!