出版社 : 原書房
焦げた朝食に、ピンク色に染まった洗濯物…。アガサが家事下手なことは承知で結婚したはずなのに、夫のジェームズは不満たらたら。妻の厚化粧やファッションセンスにもケチをつけはじめ、早くも二人の結婚生活は暗礁に乗りあげる。それでもアガサはいじらしく尽くしていたのに、ある日突然、ジェームズが失踪してしまった!残されたアガサが耳にしたのは、彼が重大な秘密を隠していたこと、そして殺人犯として警察に追われていること…。いったいどうなっているの?ずっと思い描いていた甘い新婚生活とはかけ離れた悪夢のような展開に、愕然とするアガサ。必死に涙をこらえて真相をさぐろうとするものの、調べれば調べるほど、自分の夫のことがわからなくなっていき!?
親戚たちの手引きで社交界デビューしたパンドラ。田舎でのびのびと育った風変わりな彼女は、同年代の貴族の令嬢たちの集団からは浮いている。結婚にも興味がもてないので、舞踏会での恋のさやあてにも加われず、今日も舞踏会室の片隅でじっとしていた。しかし、ただ一人優しくしてくれた友人の危機を救おうとしたために、思わぬスキャンダルに巻き込まれてしまう。噂の相手となったセントヴィンセント卿ガブリエルは、責任をとって彼女と結婚すると言い出すのだが、自立をめざすパンドラは求婚を拒む。困惑するガブリエルだったが、パンドラのことを知るほどに、彼女の自由な心と聡明さに魅せられて…すべてを受け入れる深い愛に心ふるえる、“レイヴネル家”シリーズ第3巻!
マージーの娘はいよいよ小学生!夫と義母のたっての希望で地元の有力者の子供が集まる学校に通うことになった。しかし、娘は幼稚園からの友だちと同じ学校に行きたがるし、保護者会に行ったマージーも居心地の悪さを感じていた…。不安を抱えながらもついに明日は登校初日という日の深夜、マージーは勤め先の探偵事務所のボスに電話でたたき起こされてしまう。今すぐに来てほしいと言われ、頼まれたのは死体運び。ボスは人助けのためだからと言うけれど、犯罪現場を荒らすなんてできない。嫌々ながらも死体の顔を確認すると、娘の小学校の学園長だった!家庭でも仕事でも問題山積みのマージーは、なにもかもをこなすことができるのか!?
伯爵令嬢リリーは兄妹とともに、悪名高い放蕩者のライブルック公爵ダニエルの屋敷に招待されていた。絵を描くことが好きなリリーは、ライブルック邸が所蔵するフェルメールの絵を見ることを何より楽しみにしていたので、絵を探して邸内をさまよっていたところ、物陰でいきなり抱き寄せられ、キスされる。驚き、はねのけた相手はダニエルだった。彼はリリーを別の女性と間違えたのだ。あわてて逃げ出すリリー。ダニエルは彼女の純粋な反応に心うたれ、すっかり魅了されてしまった。そして翌朝、彼女が絵を描いているところを訪れ、「きみが見たいフェルメールの絵は寝室に飾ってある」と言う。どうしてもその絵を見たいリリーは…「ヴィクトリア朝版『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』」とレビューされた大ヒット作、ついに日本上陸!
60年前、多くの乗客とともに海底へ沈んだイタリアの豪華客船アンドレア・ドーリア号。その客船が現代によみがえることになり、クレアは船内でサービスするコーヒーのコンペに参加することに。そんな矢先、船とともに沈んだと考えられてきた伝説の宝石が、思わぬ形で現代のNYに姿を現わした!なぜ今になって?そして、恋人から贈られたばかりのクレアの婚約指輪には、どういうわけかその宝石の一部が使われていた。すべての鍵を握る人物は、沈没事故の生還者である宝石商の老人。だが彼もまた、何者かに毒を盛られて昏睡状態に。海底に葬られた過去、許されざる愛、そして新たな犠牲者ー。不幸を呼ぶという伝説のダイヤを指にはめたクレアは、いやおうなく悲劇に巻き込まれていき…!?
海洋生態学を専攻するアニーは、環境を汚染する北海での原油掘削への抗議活動に誘われ、スコットランドのルイス島を訪れた。そこでチャーター船に乗った際、船内で爆弾を発見してしまう。実は行動を共にしていた仲間の正体は、過激な思想のもとに行動するエコ・テロリスト集団だったのだ。彼女はチャーター船の船長ディーンと協力してテロを未然に防いだが、テロリスト集団が行った殺人の濡れ衣を着せられてしまう。船長ディーンは、海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員で、極秘調査のために身分をかくしてルイス島に潜伏中の身だった。テロリスト集団からアニーを守るため、二人で逃避行に出ることになるのだが…ヒストリカルの人気作家初のサスペンスノベル。『エンターテインメント・ウィークリー』が選ぶ「2017年ベストロマンス10」ノミネート作。
あちこち居候し、転々とする貧乏生活ももう限界!そんなジョージーに、ケンジントン宮殿で暮らすチャンスが舞いこんだ。数々の浮名を流してきた王子がいよいよ結婚することになり、その花嫁の世話をしてほしいと王妃から依頼があったのだ。しかし花嫁を迎える宮殿は、王家代々の幽霊が出るという噂が絶えず、使用人たちは怯えるばかり。そんな最中、夜の宮殿でジョージーは本当に見つけてしまった!幽霊ーではなく死体を。それも王家にとっていま最も都合の悪い死体だ。王子の元恋人が毒殺されたことがもし世間に知られたら、一大スキャンダルとなり、結婚式も中止になりかねない。ジョージーは警察に協力して極秘の捜査をすることになり…!?
雄大な自然の広がるイギリス、ウェールズ地方。険しいスノードン山の麓の村では、あちこちをひつじが歩き回るのどかな風景がひろがっていた。そんな村へ巡査として赴任してきたエヴァン。都会で起こる事件に疲れ、幼い頃に家族で暮らした村へ戻ってきたのだ。ここでの巡査の仕事は畑荒らしや迷い猫の捜索に、住民どうしの喧嘩の仲裁。悩み事といえば、大家さんの作る食事がおいしすぎでズボンがきつくなり始めたことと、パブのウェイトレスが猛アタックしてくることだった。そんなある日、スノードン山で死体が発見された。本署からやってきた警察官は不幸な事故と決めてかかるが、山をよく知るエヴァンにはどうしてもそうは思えず…!?
秘密結社“混沌の王”に拉致されてしまったアイリス。友人のカイル公爵に恨みを持つ結社が、彼の花嫁だと誤解してさらったのだ。人ちがいだと訴えても、彼らがやすやすと解放するはずがない。もめていたところ、結社の一員でオオカミのマスクを被った男が彼女をもらい受けると言って隠れ家から連れだした。彼を信用できないアイリスは、乗せられた馬車にあった拳銃の引き金を必死の思いで引く。肩を負傷し倒れた男のマスクを外すと、かつて舞踏会で会ったダイモア公爵だと判明した。公爵は捜査のために結社に潜入していたという。そして“混沌の王”の追っ手を振り切るためには、自分と結婚するしかないと彼女に迫るのだが、突然のことにアイリスは…。“メイデン通り”シリーズ、ついに完結!
私は和戸隼。殺し屋だ。今夜も完璧な準備をもってターゲットを仕留めた、はずだった。ところが偶然が偶然を呼び、おそろしく不可解な密室状況となってしまった。やむなくわれわれは、そこへ「操査」のための仕掛けを施すのだが、その後も、ことごとく事件は不可解な状況へと転がっていく…。「真相」を超える「新相」、そして「深層」へいたる多層推理の極み。
ホワイトハウスの厨房に大仕事が舞いこんだ。長年にわたって関係のよくなかった国が和平会談に同意したので、それに先立ち国賓晩餐会を開催するというのだ、一週間後に!オリーたちは世界のリーダーにおいしい料理でくつろいでもらうことを目指すが、スタッフ間での問題が発生しー。総料理長としての試練に挑む一方で、プライベートの悩みも抱えるオリー。恋人ギャヴとの結婚を決めたはいいけれど、手続きに予想以上に時間がかかることがわかったのだ。ギャヴの友人に頼んで事を進めようとするも、友人は不可解な事件に巻き込まれてしまう。いつになったらおちついてしあわせをかみしめられるのか!?
ナポレオン戦争に出征し足を負傷して以来、失意の日々を送っていたベネディクト。しかし前向きになろうと決意して、不自由ながらも乗馬をした日、散歩をしていた貴婦人サマンサにぶつかりそうになってしまう。彼女は、5年ぶりに家の外に出たところだった。最悪な出会い方をした二人だったが、互いの孤独な悲しみを知り、少しずつ心を寄せ合っていく。だが、サマンサは一族の当主の命令で遠方の屋敷に君を移さねばならなくなった。これ以上、家に縛り付けられたくはないと思った彼女は、亡き母が残してくれたウェールズのコテージに一人で越すことに決めたとベネディクトに打ち明ける。心配した彼は、せめてウェールズまで彼女を送り届けさせてほしいと申し出て、二人の旅が始まるが…“サバイバーズ・クラブ”シリーズ待望の第3巻!
アガサは愛しい人への未練を断ち切るため、やけくそで地図の上にピンを刺し、適当に引っ越し先を決めた。ところがそこは、とんでもなく閉鎖的な田舎の村だった。すぐに村人から、引っ越しの理由をあれこれ詮索されるはめに。「男に捨てられた可哀そうな女」と見られるのが嫌でアガサはつい、探偵小説を書くためにやってきたのだと見栄を張ってしまう。そして嘘にならないよう、どうにか村のお屋敷をモデルに描きはじめた矢先、なんと彼女の描いた手口どおりに、お屋敷の主人が殺されてしまった!退屈しのぎにやってきたチャールズとともにアガサは事件を調べ始めるものの、警察からは最重要容疑者として目をつけられてしまい…!?駆け出し時代の若きアガサを描いた短篇「アガサ・レーズンの初めての事件」も特別収録!
社交界にデビューしたてのローリー・バクストンは不幸にも醜聞に巻き込まれ、継母に勘当同然の扱いをうけてロンドンから姿を消した。以来、田舎に暮らすおばの家に身を寄せていた彼女を、ある日著名な貴婦人が訪ねてくる。そして今ローリーの家族に問題が起きているので、ロンドンに戻るようにと勧め、美しい赤い靴を持たせてくれた。8年ぶりに実家に帰った彼女は、継母が秘密の手紙をねたに脅迫されており、それを知られれば妹の婚約も破棄されかねないと聞かされる。手紙を持っているはずのダシェル侯爵からとりかえしてほしいと頼まれたローリーは、侯爵の母のコンパニオンとなって屋敷に入る計画をたてた。実はかつては彼女に恋こがれていた侯爵は、面接に現れたローリーを見て驚くが…“シンデレラの赤い靴”シリーズ、感動のフィナーレへ!
断崖に閉ざされた海辺の村に古くから伝わる、海の怪と山の怪の話。その伝説をたどるように起こる連続殺人事件。どこかつじつまが合わないもどかしさのなかで、刀城言耶がたどり着いた「解釈」とは……。シリーズ書き下ろし最新作!
紅茶を注ぐネズミ!?セオドシアは目の前の光景に驚きを隠せなかった。たしかに招待状には「ネズミのお茶会」と書かれてあった。でも本当に、給仕たちがお仕着せ姿のネズミの格好をして、料理や紅茶をふるまっているなんて!まるで童話の世界に迷いこんだかのよう。かつて、チャールストンの路上にネズミがあふれかえってしまった時代に、上流階級の人々のあいだでは「ネズミのお茶会」が大流行した。これを今夜、裕福な慈善家として知られるドリーンが復活させたのだ。ところがその席でドリーンの夫が、注がれたオレンジ・ペコを口にしたとたん、命を落としてしまった。ネズミのごとく、どこかに身を潜めている狡猾な犯人を、セオドシアは探し当てようと奮闘するものの!?
サマートン伯爵は冷酷な父に15歳のときに勘当されて以来、父を見返すことだけを考え、父を越える富を築くために事業に没頭してきた。そんな生い立ちゆえ、恋愛にも結婚にも興味がなかったが、親友の妻の従妹である公爵令嬢のエマ・キャヴェンシャムに出会い、天真爛漫で美しい彼女を守りたいという気持ちにかられる。本好きで福祉に興味を持つエマは、尊敬する学者の本を手に入れるため、治安の悪い地区にある古書店に向かっていたところ、馬車をサマートンに止められる。心配されているのは分かっても、落胆するエマ。しかし数日後、サマートンにめあての本を差し出されたのだ。そして誰にも理解されることのなかったエマの想いに、彼は共感を示してくれて…。きらめくような恋の瞬間を切り取る傑作リージェクシー・ロマンス。