出版社 : 原書房
生まれてから一度も故郷のハンプシャーを離れたことがなく、結婚して家を出た兄や姉たちに代わって、高齢の両親の世話をひとりでしてきたアビーは、社交界デビューもせぬまま大人になった。両親がそろって他界してからも、きょうだいはなおも彼女に家事手伝いを求めてくることに愕然とした彼女は、自分の人生を送るために自立しようと決意する。隣家のロスウェル公爵の妹の家庭教師になるが、実は公爵とは、少女のころに結婚を誓いあった仲だった。しかし彼がロンドンに居を移してからは放蕩の噂ばかりが聞こえるようになり、ふたりは何年も顔をあわせることさえなくなっていて…初恋のゆくえは?“シンデレラの赤い靴”シリーズで人気をさらったオリヴィア・ドレイクの待望の新シリーズ“公爵の花嫁”第一弾!
町じゅうが楽しみにしているクリスマス劇の上演まであとわずか。町の素人役者たちもドキドキしながら稽古を重ねていた。主役に抜擢されたのは、町一番の気むずかし屋と言われるアラン。その日はリハーサルにもかかわらず、舞台上に倒れこむ迫真の演技で会場を沸かせていた。でも、何かがおかしい。台本では幽霊役が立ち去ったあと、彼は起き上がるはずなのに…。裏方として舞台袖に控えていたスザンヌは異常事態に気づき、あわてて駆け寄ったものの時すでに遅し。アランは腹部を刺され、息絶えていた。舞台上で堂々と主役の命を奪うという、大胆不敵な犯行に劇場内は騒然。そればかりか、事件の目撃者たちは口々に「幽霊による犯行」と保安官に言い募り…!?
姉が駆け落ちしたせいで、社交シーズン中に誰からもダンスを申し込まれなかった資産家の令嬢クララに、不気味な年配の貴族が屈辱的な物言いで求婚してきた。彼女は拒絶したものの、家の名誉を取り戻したい父が縁談を決めてしまう。家出する決意をしたクララは、メイドの手助けでアシュワース伯爵の屋敷にしばらく隠れることになった。身の上を秘密にして、メイドとなって働くのだ。家出の道中、馬車に轢かれそうになって転んだ彼女を、美しい男性が助けてくれた。そして伯爵邸に到着すると、そこにいたのは先程の男性。彼こそがアシュワース家の当主になったばかりのウィリアムだ。一方、ウィリアムは新しいメイドが気になって仕方がない。女性にうつつを抜かしている場合ではないと悩むのだが…
インド神話の壮大な叙事詩『マハーバーラタ』の物語を再話し、挿絵つきの読みやすい物語に。背景となる神話やインドの文化をコラムで解説。英語圏で15万部を売り上げている、マハーバーラタ入門として最適の一冊。
復活祭の休暇を田舎のコテージで過ごすことにしたミス・シートン。スケッチと庭いじりとヨガをしながら穏やかに暮らしていた。目下の悩みは、頼まれて描いている村の少女の肖像画が、何度描き直しても不吉な雰囲気になること。そんなふうに描きたくないのに…。一方、ロンドンでは子供ばかりを狙った事件が発生。捜査に行き詰まった警察は少しでも手がかりになればとミス・シートンの力を借りようと決めた。しかし警察がパトカーで迎えにきたことで、ミス・シートンが逮捕されたという噂が村中を駆け巡ってしまう。さらに、「戦うこうもり傘」の密着取材のために新聞記者が村に滞在しはじめ…!?
放蕩者に誘惑され、スキャンダルを起こして社交界から追放されたノラ。以来、田舎でひっそりと暮らしていたが、父親が破産したため、サターフィールド伯爵夫人のコンパニオンとして働くことになった。伯爵夫人は彼女を気に入り、社交界に再デビューさせる。伯爵夫人の義理の息子ケンダル公爵タイタスは、かつては放蕩にふけっていた。だが自分が仲間をそそのかしたせいで、ひとりの令嬢の運命が変わったことにショックを受けて改心し、社交界と距離を置く孤高の存在になった。義母からノラを紹介されたタイタスは、あの時の女性だと知って動揺する。せめてもの罪滅ぼしにと、彼女が社交界で注目を集められるよう協力するうちに、美しく知的なノラにどうしようもなく惹かれていくのだが…USAトゥデイのベストセラーリスト作家、初上陸。
キリスト教徒の謀反を抑えたアーサーは、ランスロットを失墜させ、ブリタニアを統一しつつあった。しかし、愛するグィネヴィアに裏切られた心の傷は深かった。そんなアーサーを心配するマーリンは、古代の神々をブリタニアに呼び戻すことこそ大切であると考え、ニムエと共にドルイドの儀式をたくらむ。その儀式で繰り広げられていたのは世にも恐ろしい光景だった。巨匠バーナード・コーンウェルの歴史冒険ロマン、劇的なクライマックスへ。
殺戮の日々はついに終わり、ブリタニアを守るというアーサーの夢は実現したが、ドゥムノニアの周囲に小競り合いは絶えなかった。アーサーは、ドゥムノニアの支配をダーヴェルに任せ、シルリアのイスカへ退くが…。イギリス冒険小説の巨頭がおくる渾身の大河小説ついに完結。
白い帆をはためかせ、隊列を組んで堂々と港にはいってくる大型帆船たちに大歓声があがる。港町チャールストンで開催された大規模なボートパレードを、セオドシアは豪邸のルーフバルコニーから見下ろしていた。海は最高に幸せな気分にしてくれる。ところが突然、大きな爆発音が。これも催し物の一部?船の祝砲?その直後、観客の男性がバルコニーから転落。胸には矢が刺さり亡くなっていた。男性は銀行の大物で、アンティーク銃の収集家としても有名な人物。いったい彼の死を望んだのは誰?セオドシアはさっそく捜査に乗り出すものの、つきあいはじめたばかりのライリー刑事のせいで、いつもとはどうも勝手がちがい…!?
エヴァンが巡査として働く村にほど近い山で、遺跡が発見された。アーサー王伝説を証明するものかもしれない、ウェールズで有名な聖人の墓かもしれない、これでやっと村の名前が地図に載るかもしれない!遺跡を発見したのは、毎年夏の休暇を村で過ごす退役軍人の老人。村人たちからおおいに祝福されたがその翌日、橋の下で遺体となっていた。祝杯の飲みすぎによる事故かと思われたが、エヴァンの目には不自然に映る…。そんななか、20年ぶりに村に帰ってきた男が、廃坑を利用したテーマパークを作る計画を発表した。仕事が増えると歓迎する者、よそ者がやってくることを不安がる者、賛否両論入り乱れて大騒ぎに!エヴァンは村に平穏を取り戻せるのか!?
ピアノが得意な伯爵家の次女ローズは、姉の結婚祝賀会でワルツを演奏する役目をひきうけた。その日のために特別に曲を作ることを依頼された作曲家キャメロンと彼女は、音楽室でともに過ごし、徐々に惹かれ合っていく。しかし貴族の令嬢と一介の領民である作曲家は身分違いだ。彼はローズを遠ざけるような言葉ばかりを口にする。祝賀舞踏会のあと、ローズがテラスに出ると、夜の庭にはキャメロンがたたずんでいた。そして彼は「もしぼくがダンスを申し込んでいたら、あなたは応じてくれましたか?」と言うのだった。ふたりは頭の中で流れる音楽だけを頼りにワルツを踊り、互いの気持ちを確かめあうが…想いは壁を乗り越えられるのか?NYタイムズ&USAトゥデイのベストセラーリスト作家が描く、せつなくも美しい愛の調べ。
アーサーは、ラグ谷の血みどろの泥地で勝利をおさめた。諸王国の結束はついに固まった。モードレッドの王座は安泰、グィネヴィアはアーサーの子を身ごもり、ランスロットはカイヌインと結婚することになっている。春がきたらサクソン人討伐に軍を進め、これを最後に戦乱の時代は去り、永遠の平和という夢が実現しつつあった。しかし、再び暗雲がたちこめる気配をみせていた。アーサーと彼の世界に新たな生命を吹き込んだ『エクスカリバーの宝剣』の続編である。
新たな混沌の時代が訪れようとしている。アーサーの夢はついえたかに見えた。権力への果てなき欲望をつのらせるランスロット、油断できないサンスム司教の動向、グィネヴィアの密儀。キリスト教徒は暴動のなかで破壊のかぎりをつくす。アーサーはドルイドのマーリンとニムエの協力を得ながら反撃に転ずる。しかし、そこには彼を失意のどん底に陥れる悲劇が隠されていた。
五世紀、ブリタニアは闇のふちに立たされていた。ローマ文明の記憶は薄れ、浸透するキリスト教のまえに異教の神々はすたれつつあった。ところが大王にも死期が近づいていた。その跡継ぎは強力な指導者どころか、凍てつく冬の夜に生まれた幼子なのだった…。ユーサーの王座を守り、諸王国をたばねて敵と対抗できるのはただひとり、アーサー王しかいない。聖なる剣を手に、真の戦士アーサーはついに起つ。平和と勝利を奪還するために。不撓不屈、血沸き肉踊る男の世界。英国冒険小説界の巨匠バーナード・コーンウェルがおくるアーサー王三部作の第一作。
闇にふちどられた時代。宗教と魔法が人々の魂をめぐって競いあい、戦争と権謀術数があふれる時代。蛮族のはびこる荒廃した世界にあって、忠誠と友情で結ばれた少数の戦士たちを率い、平和と文明の光を守ろうと戦った将軍、アーサー。迫り来る蛮族の大軍に対し、アーサーとその勇敢な戦士たちは、傷つきながらも決戦を挑む。愛するものたちを守るために…。運命切り開く聖剣。強大な敵に敢然と立ち向かうヒーローと多彩な登場人物たちが彩る波乱万丈の物語
ロンドンで美術教師をしているミス・シートンは、名付け親が遺してくれた田舎のコテージでの休暇を楽しみにしていた。いよいよ出発という日の前の晩、女性に手を上げている男を見かけ、持っていた傘でみごとに撃退。ちらりと見えた男の似顔絵を描いて警察の捜査に協力した。この事件に新聞記者は、勇敢なヒロイン誕生と大喜び!「戦うこうもり傘」と名づけて大々的に記事にした。おかげでミス・シートンは初めて訪れた村でも有名人に。歓迎の品が玄関先に溢れたり、あれこれと噂が飛び交ったり、助けてほしいという少年が訪れたり、さらには逃走中の犯人がミス・シートンを狙ってこの村にやってきて…!?傘が導くミステリ。
18世紀末のイングランド。世界中を周遊し、冒険譚を次々に出版している貴族アラリック・ワイルドが5年ぶりに帰国した。著作や彼を主人公にした芝居は大流行し、出迎えのために貴婦人たちが波止場にひしめき合うほど、彼はいまや女性の憧れのまとだった。兄の婚約披露のために開かれたパーティーでアラリックは、社交界にデビューしたばかりの愛らしい淑女ウィラと出会う。聡明で心やさしく、それでいて自分を表に出さない彼女にミステリアスな魅力を感じて夢中になるが、ウィラのほうは及び腰だ。彼女は奔放な両親のせいで悲しい思いをしてきたため、平穏な生活を望んでおり、華やかなアラリックに警戒の気持ちを抱いていて…ヒストリカルロマンスのトップ作家が描く注目の新シリーズ“ワイルド家”第一弾!
行き先も告げられないまま、最愛の恋人ダーシーの車に乗せられ、ロンドンをあとにした公爵令嬢ジョージー。彼の目的はなんと駆け落ちだった!駆け落ち結婚が認められるというスコットランドの町を目指し、意気揚々と車を走らせる二人。ところが目的地を前に、最悪のニュースが舞いこんできた。ダーシーの父親が殺人容疑で逮捕されたというのだ。証拠も動機もすべて揃っていて、言い逃れの余地はない。王族のジョージーを事件に巻きこむわけにはいかず、ダーシーは婚約解消という苦渋の選択を迫られることに。しかし、二人の明るい未来が音をたてて崩れていくのを、黙って見ているジョージーではなく…!?
“恋をしてしまった。愚かにも、深く、熱く、輝くような恋をしていた。皮肉屋で、世慣れていて、おそらくは危険な遊び人に。この人と会うのは今夜かぎり。二度と会うことはないだろう。ええ、そのほうがいい。いいに決まっている。”…田舎のコテージでひっそりと暮らしてきたアグネスの日常が、息をのむほど美しいポンソンビー子爵フラヴィアンから、祝宴でダンスを申し込まれた日を境に一変した。フラヴィアンはナポレオン戦争に出征した際に負った怪我の後遺症で、記憶に障害がある。しかしアグネスのことはなぜか印象深く、忘れられなかった。心をおしかくして生きてきた二人は惹かれあい、互いをかけがえのない存在と思うようになっていくが、ある日…愛の癒しにきっと涙する、“サバイバーズクラブ”シリーズ第4弾!