出版社 : 実業之日本社
馬主の青年、彼の家族や恋人、そして調教師、騎手…。頂点を目指しターフを駆ける若きサラブレッドに夢を託す人々の熱い生きざま、鮮烈な恋愛模様を綴る新鋭渾身の書き下ろし競馬ロマン。
山深い過疎の村に、時空を超えて現れた少年と犬。それが騒動の発端だった。山の自然を破壊し村を水没させるダムの建設をめぐって、奇妙な殺人事件が続く。村に住む老人、東京からやってきた若い新聞記者、二人を結ぶ運命の時間流とは-。SFタッチで描くニュー・サスペンス。
早春の小田原城祉公園で美女の刺殺体が発見された。遺留品を手がかりにたどり着いた岩手県の久慈で女の身元を掴んだルポライター浦上伸介の元に、女の母親が同一手口で殺害されたとの報せが入る。しかし、近親者の証言から浮かんだ二つの殺人の容疑者には、強固なアリバイが…。
捕縛された隠れ切支丹が囁いた“ガラシア・オラショ”とは何を意味するのか。天童・天草四郎との関係は?細川藩が放った男女の密偵が切支丹一揆の真っ只中に潜入するが…。島原の乱を斬新な発想で描く、書下し長編時代小説。
敗色濃い南海の孤島ラバウル。そこには今や戦争の帰趨には関係なく取り残された日本軍将兵たちがいた。すでに闘うべき戦闘機も艦船も殆どない。しかしこのまま座して敗戦を待つというのも面白くない。そこで考えだされたのが、何とも奇妙で大胆な奇襲作戦。目標は真珠湾だ。
夜の札幌の繁華街で、医療用実験動物を積んだトラックが炎上した。初めは単なる交通事故かと思われたが、現場の目撃者が不審な死を遂げ、さらに、トラックから逃げ出した動物の行方をめぐって、黒い影が暗躍をはじめる。事件に巻きこまれた医大講師は-。
政治の季節の影を引きずり、精神を病んでしまった彼女。その心を開かせたのは、ちょっぴりどじな彼の純情だった…。軽やかな語り、ユニークな青春像。気鋭作家が描く、注目の書き下ろしロマン。
通産省に就職が決まっていた東大生が、卒業式の二日後に原因不明の自殺を図った。事件の取材を始めた新聞記者が、遺書の中の謎の言葉に導かれて意外な真相に辿りつく。しかし、その先には、さらに驚くべき展開が待ち受けていた…。脆くて幼い現代の若者達。彼らを取り巻く犯罪の構図を、社会心理ミステリーの旗手が鮮やかに描く意欲作。
慶長十八年五月。伊達政宗の軍事力をバックに、豊臣方に反旗を翻した下総佐倉城主・松平忠輝(家康六男)は、猪鼻城後詰めに一万二千の軍を送った。手薄になった佐倉城は、宮本軍に属する猿飛佐助、霧隠才蔵の働きで落城。武蔵は西上をはじめた政宗を討ちとるが、それは影武者だった。泰然自若と猪鼻城に拠る忠輝。後手に回った宮本・真田幸村連合軍は、猪鼻城の強固な出城、堅牢な砦を攻めきれず苦戦を強いられる。さらに江戸湾には伊達水軍が…。
時は徳川三代将軍・家光の治世-。現世を憂える軍学者・由井正雪の一党は、幕府転覆を企んでいた。江戸の町には不穏な事件が相次ぎ、殺生奉行の織部多聞も、その渦中に巻き込まれていくが…。時代小説界の新星が放つ傑作長編。
東南アジアの一国で起きたクーデターの余波が日本にも及んできた。反クーデター派が東京に臨時政府を樹立したのだ。ところでクーデター派、臨時政府の双方が狙っているのが日本にいるその国の王女さま。だが彼女をガードしているのがマザコンのフリーターというのだから心配だ…。