出版社 : 実業之日本社
浅草の老舗「駒形どぜう」を舞台に、幕末・明治の歴史の渦に翻弄されつつも、江戸っ子の意地と持ち前の明るさで店を守りぬく主人“助七”と、店に集う人びとの人生模様を描く。感涙必至の傑作歴史時代小説!
江戸の町を繁栄させるのは物が動き、銭が動くことだーいなりずしから贋金まで、物価にまつわる騒動の始末に奮闘する同心・澤本神人。家では亡くなった妹の娘・多代を男手ひとつで育ててきたが、そこに居酒屋の美人女将が現れてー物の値段に人情を吹き込む新機軸の時代ミステリー!
コードネーム、久米・宮古・輪島のテロリスト三人。組織の目的は、一般人を装ったメンバーが、流血によらず、政府への不信感を国民に抱かせることだ。彼らの任務は、レモン三個をスーパーに置いてくるなど、一見奇妙なものだった。優秀な遂行ぶりにもかかわらず、引き起こされた思わぬ結果とは。テロ組織の正体は。そして彼らの運命を握る第四のメンバーの正体はー。本格推理とテロリズムの融合!
太宰と同じ津軽出身の大学生・谷明人は自然を破壊する全存在を敵と見なし、過激な環境テロ活動に走った。第一の犠牲者は青森の黄金崎不老ふ死温泉で発見される。大企業を経営する彼の実父・重則だった。さらに明人は、戦慄の首都圏テロを予告。だがその裏で、太宰治ファンの美少女が相次いで失踪。両者を結ぶ驚愕の真相は!志垣警部は犯人の陰謀を見抜けるか?警視庁温泉殺人課File25。
戦後無頼派の代表的作家・織田作之助の代表作と、酒にまつわる小説・エッセイ等を多数収録したオリジナル作品集。デビュー作にしてすでに成熟した筆致が文壇を驚かせた「夫婦善哉」ほか、「アド・バルーン」「競馬」「世相」など大阪の風俗と庶民の喜怒哀楽を活写した小説や、死の直前に書かれた「怖るべき女」「可能性の文学」まで、織田文学の真髄に触れる一冊。
戦後無頼派の代表的作家・坂口安吾の代表作と、酒にまつわる小説・エッセイ等を多数収録したオリジナル作品集。戦後の文壇に新風を吹き込んだ「堕落論」などのエッセイはじめ、「白痴」「桜の森の満開の下」などの代表的小説、GHQの検閲により削除された幻のエッセイ「特攻隊に捧ぐ」、安吾、太宰、織田作が女について奔放に語る鼎談「歓楽極まりて哀情多し」収録。
戦後無頼派の代表的作家・太宰治の名作と、酒にまつわる小説・エッセイを多数収録したオリジナル作品集。「桜桃」「ヴィヨンの妻」「東京八景」などの代表作から、太宰、坂口安吾、織田作之助の三人が初めて一堂に会した「現代小説を語る座談会」まで。酔っぱらい同士の放談で意気投合した三人は、その後銀座のバー「ルパン」へ繰り出して…ファン必読の一冊。
カタログ雑誌の編集長をしている椎名紗智に、京都の嵯峨水尾で開かれる「女流民俗学研究者の集い」への招待状が来た。ところが、現地へおもむくと会は中止になっており、会場には京都のバーのママ平瀬玻奈子と、人形作家瑠璃川凌の二人だけがいた。三人には、過去に巻き込まれた事件を宮之原警部に解決してもらっていた、という共通点があった。しかも、招待状の差出人は、手紙の発送される以前に殺されていたのだった…。
二十五歳の営業マン清水和也は、携帯のない暮らしなど考えられない完璧な携帯依存症。その彼が、携帯電話を忌み嫌う携帯恐怖症の六人の女と知り合った。彼女たちは、いずれも携帯にまつわる心のトラウマを抱えており、そのうちのひとりが、和也にショッキングな心霊現象を見せつけたうえで重大な警告を発する。「携帯フォビアの誰かがあなたを殺します」と…。やがてその警告は真実となった!犯人は誰?そして殺人の動機は。
日本人作家・彦坂和彦のところへ、ロシアの女性・カチューシャから電話がかかってきた。彦坂は、彼女がかつて日本に留学していたとき身元保証人になっていたのだった。「脅迫されている父をヨーロッパへ亡命させたい」とカチューシャは言った。政府を批判するジャーナリストたちが、ロシアでは何人も暗殺されていた。カチューシャの父親を助けるために、彦坂はロシアへ向かう。二人が会っていると、ロシア連邦保安局の襲撃者が迫ってきて…。
経理課員の轢き逃げ死、失踪、そして横領疑惑。度重なる事件の裏には大企業の暗黒面が隠されていた。単身赴任中の出向社員が腐敗した会社の不正を暴いていく。正義のためというより、ただ愛するひとのために、たった一人の闘いが始まった。人生のレースから降りかけていた男が命懸けで真実に迫ろうと志したとき、女は…。
新冨宏ー男たちのオアシスは、この男なくして存在しなかった!!“ナイトカルチャー”の仕掛人にして夜の世界に革命を起こした男の半生を、稀代のヒットメーカー・倉科遼が描き出す。
作家の彦坂和彦は、太平天国の乱をテーマにした作品を執筆するため中国へ取材旅行に出かけた。上海で新彊省出身の若い女性と知り合い、一緒に南京へ行くことになる。彼女は、北京政府からの分離独立を求めるテロリスト・グループの活動家だった。共感した彦坂は、彼女たちの計画に協力する約束をする。なんとその計画とは、2008年の北京オリンピックを中止させるべくメインスタジアムを爆破する、というものだった。公安の追跡を逃れながら、いよいよ実行の日が近づく-。
「パパが、ママが、帰ってこないの」警視庁捜査一課、岡部警部の部下・坂口を五歳の姪が訪ねて訴えた。姉夫婦に何が!?不吉な予感に襲われる坂口に、殺された義兄が福島県郡山近郊の石川町で見つかったという悲報が届く。現地に飛んだ坂口は、古典文学の研究者・吉川弘一から、数日前に義兄を佐賀県有明町で目撃したという証言を得る。二つの町には王朝の歌人和泉式部の史蹟があり、義兄は失踪直前に「イズミ」という言葉を残していた。事件の背景に和泉式部が関係しているのか!?やがて姉も他殺体で発見され、両親を喪った幼い姪のため、若き刑事は事件解決に乗り出した。
そこにあるのは胸躍る冒険物語、それとも恐怖に彩られた悪夢か。めくるめく夢と幻想の迷宮へようこそ…本格ミステリの俊英の初期から現在に至る傑作十編を精選!特別エッセイも併録したファン待望の非ミステリ・ノンシリーズの幻想怪奇作品集。