出版社 : 小鳥遊書房
初期の耽美主義、怪奇、犯罪探偵趣味、私生活的幻想ー美意識や情念や生活に基づかない思想は、真に思想たり得るのか。自己の欲望に忠実で、かつ總明で勤勉な人間だけが到達できる洞察力を通し、見出された真実が描かれる。文学の魔窟へご招待。
「原子爆弾は人類の闘争のうえに使われる限り、悪の華である」 (「屍の街」より) 1945 年8 月6日の朝、広島にて被爆した大田洋子は、その直後から、 原爆症発病の恐怖と闘いながら被爆者という「当事者性」をもって、 被爆後の凄惨な実態をさまざまな作品に書き紡いできた。 原爆投下から75 年経った現在だからこそ読まれるべき作品が 新仮名で甦るアンソロジー。 代表作「屍の街」や「半人間」「残醜点々」のほか、 これまで単行本未収録の原爆作品も収録。 【目次】 【収録作品】 河原 牢獄の詩 屍の街 過去 恋城 どこまで 暴露の時間 ほたる 半人間 残醜点々 ある墜ちた場所 【収録作品】 河原 牢獄の詩 屍の街 過去 恋 城 どこまで 暴露の時間 ほたる 半人間 残醜点々 ある墜ちた場所
誰でも名前は知っている世界一有名なクマ…。 『クマのプーさん』と『プー横丁の家』を 精読する! 「正典」とされる二作品の各章の「あらすじ」を整理しながら 各章ごとに鍵になるテーマを順に読解していく。 また、「プー物語」の他の作品への影響関係などにも迫る! 原作に書かれたテキストそのものに寄り添うことでしか見えてこない 文学の悦楽!
不実の尽日、怠惰の苦悩努力を太宰は訴える。 その底には旧弊な「家」や欺瞞に満ちた社会への嫌悪と、 それでも縋らずにはいられない自分へのアイロニカルなざしがある。 そんな太宰治の、ユーモラスな作品セレクション。 「燈籠」 「玩具」 「魚服記」 「猿ヶ島」 「カチカチ山」 「駈込み訴え」 「黄金風景」 「八十八夜」 「I can speak」 「懶惰の歌留多」 「容貌」 「一つの約束」 「デカダン抗議」 「新郎」 「待つ」 「散華」 「東京だより」 「海」 「トカトントン」 「苦悩の年鑑」 「女神」 「美男子と煙草」 「メリイクリスマス」
日本敗戦後、占領下の昭和24年の北海道、小樽湊…。アメリカの犯罪雑誌の翻訳で糊口を凌ぐ私立探偵・山門武史は、謎の女性・申女卯女子と出会い、いつしか、わが国建国以前の謎に巻き込まれていく…。日本神代史に秘められたシュメル・タミル人、渡来の謎!蝦夷地と古代シュメルをつなぐ謎の線刻女神像を巡る、壮大な超古代史伝奇ロマン!日本SF界の第一世代の代表的作家・荒巻義雄、満86歳の書き下ろし長編!伝奇ロマン復活第一弾!
叛逆的暴力と愛国的雄姿との転倒的ゆらぎ 正典作家・作品研究ではない、埋もれているテクストや、読み捨てられる類の大衆作家による多様な物語群から、アメリカ国家生成・独立建国以来、潜在しつづける矛盾と、体制に叛逆する精神を探るアメリカ文学・文化研究。 名もなき者たちの取るに足りない営為が、ナラティヴを成す 序章 自浄作用としての抵抗と犯罪の物語 第1章 売れる偉勲・憂うる遺訓ーーメイソン・ロック・ウィームズの『ワシントン伝』再考 第2章 アメリカン・イーグルとバード・ウーマンーー国璽決定プロセスと先住民ピースメダル「外交」 第3章 魔女の物語とインディアンーージョン・ニールの『レイチェル・ダイアー』とアメリカ文学の独立 第4章 詐欺師的独立宣言ーー『スティーヴン・バロウズ回想録』とシェイズ叛乱のパロディー 第5章 ナンシー・ランドルフ・モリスの幸福の追求ーー誘惑小説の実演転覆とジェファソン周辺の「幸福の館」 第6章 ウォーナー・マッケアリーの復讐ーー元奴隷と白人モルモン妻の奇妙なダブル・パッシングの一事例 第7章 帝都の物語ーーアンテベラムの都市犯罪小説と建国祖父の遺産継承 第8章 奴隷的不服従ーールイザ・メイ・オルコットのセンセーショナル・スリラー 第9章 そして誰もが黒くなったーーアリス・ランダルの『風は去っちまった』における再生の政治学 第10章 ツァラル島再ーーマット・ジョンソンの『ピム』におけるダーク・ピーターズの復権
死体の傍らに遺された四人の記号をめぐる 密度の濃い一作を解読して見えるものとは……。 海外からの脅威に立ち向かう 名探偵ホームズの推理と冒険。 ともに「症例=事件」を扱う ワトスンとの友情の試練。 ホームズの悪癖から美食まで。 「ホームズ物語」のすべてが、 『四つの署名』には凝縮されている。 【目次】 はじめに 『四つの署名』は魅力の宝庫 第1部 『四つの署名』の成り立ち 第1章 作品をいろどる登場人物たち 第2章 あらすじとホームズたちの名言 第2部 四つの記号を読む 第3章 第一の記号:「インド」と大英帝国の拡張 第4章 第二の記号:「探索」する人と動物 第5章 第三の記号:「ロマンス」をいろどる恋と狩り 第6章 第四の記号:「症例」を読む探偵と医師 第3部 『四つの署名』の位置づけ 第7章 ホームズ物語の完成へ 第8章 翻案され映像化される おわりに 「症例」としての『四つの署名』 あとがき 参考文献ほか はじめに 『四つの署名』は魅力の宝庫 第1部 『四つの署名』の成り立ち 第1章 作品をいろどる登場人物たち 第2章 あらすじとホームズたちの名言 第2部 四つの記号を読む 第3章 第一の記号:「インド」と大英帝国の拡張 第4章 第二の記号:「探索」する人と動物 第5章 第三の記号:「ロマンス」をいろどる恋と狩り 第6章 第四の記号:「症例」を読む探偵と医師 第3部 『四つの署名』の位置づけ 第7章 ホームズ物語の完成へ 第8章 翻案され映像化される おわりに 「症例」としての『四つの署名』 あとがき 参考文献ほか