出版社 : 小鳥遊書房
今なぜ『老人と海』なのか! 先の見えない時代だからこそ生の何たるかを問う、 新訳でよみがえる 幻の挿し絵入り名作の復活! 本書で描かれているのは、政治、経済、戦争といった一時的な社会現象を超越した、 人間そのものの根源的な姿です。(「訳者あとがき」より) 小説世界をより深く味わうための訳者による註とヘミングェイの略年表、そして、 『老人の海』がなぜ重要作品なのかを詳細に解説した「訳者あとがき」も収録されています。 ======= 【目次】 訳者はしがき 老人と海 訳註 アーネスト・ヘミングウェイ年譜 訳者あとがき なぜ今『老人と海』なのか 死の恐怖 解ける死の呪縛 肉体の衰えと創造力 二つの序文と原爆投下 もう一つの戦争小説 不死鳥のごとく 翻訳に当たって 訳者はしがき 老人と海 訳註 アーネスト・ヘミングウェイ年譜 訳者あとがき なぜ今『老人と海』なのか 死の恐怖 解ける死の呪縛 肉体の衰えと創造力 二つの序文と原爆投下 もう一つの戦争小説 不死鳥のごとく 翻訳に当たって
本を読めば、何かが変わるの? 本は、どこでだって誰にだって読まれうる。 120年前に書かれたコンラッドの“問題作”『闇の奥』を、 いま、この日常の喧騒のなかで読んでみる。 「ふつうの読書」と「批評」を行ったり来たりして、 「読書」という営為について考えてみよう。 ============= 【目次】 序 章 『闇の奥』には辿りつかない長い道のり 本と出逢う/いかに読むべきか/道草としての読書/失われた「作者」を求めて/本書の取扱説明書 /付記/註 第一章 本はどこでだって書ける ふまじめな作者/ポーランド、より正確にはウクライナ/大人になったら、そこへ行くんだ/コンラッドと女性たち/英語という「選択」/註 第二章 コンラッド、コンゴへ行く コンゴで知ったこと/歴史から小説へ/「小説は歴史である」/註 第三章 『闇の奥』への旅を始める プロットを読む/物語の外側の物語/風景の陰謀プロット/イクチオサウルスの正体/註 第四章 「意図されたもの」とは何か 読書にゴールはあるか/遅延と妨害/真実のクルツ氏を求めて/マーロウに逆らって読む/註 第五章 女として読む 想定されていない読者/女たちの美しい世界?/アフリカの女/そして物語は破綻する/経験と読書 /註 第六章 誤読の効用 読むべきか、読まざるべきか、批評をするか/アフリカの歪んだイメージ/コンラッドはレイシストか/読むべきではないのか/よく読まなければならない?/註 第七章 ポケットに『闇の奥』を 余白に書かれた暗号/ロシア人の若者/『闇の奥』とともにアフリカへ/註 第八章 余白に書く 『闇の奥』と『暗い河』/模倣する世界/「暗号」を読み解く/『闇の奥』はもういらない?/註 終 章 日常の読書学 日常と非日常/小説のなかの日常/『闇の奥』の日常/二つの読書法/日常の読書学/明日もまた太陽は東から昇る/註 あとがき 索引
現代アイルランドの劇作家たちは、どのようなドラマツルギー(劇作術・演劇観)で歴史や風俗、イェイツ、オケイシーからベケット、マクドナーなど、現代アイルランドを代表する劇作家25人の40作品を紹介・分析する一冊。
山野浩一が生前に執筆した唯一の長編小説、復刻! 「本書は忘却から掬い上げられてしかるべき強度を誇る」 (岡和田晃「山野浩一『花と機械とゲシタルト』論ーー解説にかえて」より) ====== 【目次】 登場人物・用語一覧 第一部 我と彼と彼女 第二部 猿と汝とゲシタルト 第三部 機械と水とパラコンパクト空間 第四部 花と廃墟とイリュージョン あとがき 岡和田晃「山野浩一『花と機械とゲシタルト』論ーー解説にかえて」 登場人物・用語一覧 第一部 我と彼と彼女 第二部 猿と汝とゲシタルト 第三部 機械と水とパラコンパクト空間 第四部 花と廃墟とイリュージョン あとがき 岡和田晃「山野浩一『花と機械とゲシタルト』論ーー解説にかえて」
私小説的悲愴と空想的跳躍の錬金術的混合物! 大正時代から昭和初期にかけて、「マイナーポエット(小作家)」と称された牧野が生み出した結晶のような詩文は、ある種の人の心に深く残り、人生を歪めもすれば救いもした。 悲しみと羞恥を引きずりながらも、精いっぱい夢想の中に遊んだ作品群に、耽溺したい! === 【収録作品】 月下のマラソン 蘭丸の絵 ランプの明滅 嘆きの孔雀 初夏 凸面鏡 心配な写真 スプリングコート センチメンタル・ドライヴ 黄昏の堤 ビルヂングと月 ガール・シャイ挿話 街上スケッチ 風媒結婚 ゼーロン 緑の軍港 るい 《解説》 変幻する牧野的主体の居場所 【収録作品】 月下のマラソン 蘭丸の絵 ランプの明滅 嘆きの孔雀 初夏 凸面鏡 心配な写真 スプリングコート センチメンタル・ドライヴ 黄昏の堤 ビルヂングと月 ガール・シャイ挿話 街上スケッチ 風媒結婚 ゼーロン 緑の軍港 るい 《解説》 変幻する牧野的主体の居場所
おとなになっても止まらない ワクワクドキドキを再発見! マーク・トウェインのあの名作を 何度でも読み直しませんか? 生き生きした、新しい訳で! ================= 「著者マーク・トウェインが「はじめに」で、本作は少年少女を対象にしているが、大人たちにも読んで欲しい、と述べている。実際、この「はじめに」の文章にも、子どもが読むと「そうなの」と思うだけだが、大人が読めばなるほど「うまい」と感心する、著者の博識ぶりを示す箇所がさりげなく織り込まれている。つまり子どもが読んでも十分面白いが、大人が読めばこの本の神髄がわかる、よってこの本は重層的に書かれていて、各知識レベルでそれぞれ楽しめるように仕組んだ、と言っているようだ。」 (「訳者あとがき」より)
「WAWAWAAAH! 実に憎むべき悪魔ぢやアよ……」 日常という名の虚偽に人一倍敏感だった坂口安吾は常に自分の現実を物語に変容させた。 そう、安吾のファルスは現実を一度完全に解体してナンセンス化し、再構成する知性の働きが秀逸なばかりでなく、 不条理でありながら拒絶よりも許容する雅量が光っているのだ。 急き立てられるように書き続け、陶酔と分析、あくまで解剖する視線を失わない孤独の深淵を描いた作品群に、耽溺したい! 【収録作品】 風博士 帆影 霓博士の廃頽 群集の人 Prérre Philosophale 傲慢な眼 西東 金談に絡まる詩的要素の神秘性に就て 女辻占師の前にて 紫大納言 風人録 真珠 魔の退屈 私は海を抱きしめていたい 死と影 不良少年とキリスト 桜の森の満開の下 《解説》花を散らしてファルスの風吹く(長山靖生)
単行本未収録の 「死滅世代」「都市は滅亡せず」「嫌悪の公式」はじめ、 思弁小説(スペキュラティヴ・フィクション)を提唱し、 普及させた第一人者による 反ー未来思考 解説=岡和田晃 【収録作品】 1 「死滅世代」と一九七〇年代の単行本未収録作 死滅世代/都市は滅亡せず/自殺の翌日/数学SF夢は全たくひらかない/丘の上の白い大きな家/グッドモーニング!/宇宙を飛んでいる/子供の頃ぼくは狼をみていた/廃線/ 2 一九六〇年代の単行本未収録作 ブルー・トレイン/麦畑のみえるハイウェイ/ギターと宇宙船/箱の中のX 四百字のX-1/X塔 四百字のX-2/同窓会X 四百字のX-3/ 3 21世紀の画家M・C・エッシャーのふしぎ世界 階段の檻/端のない河/鳩に飼われた日/箱の訪問者/船室での進化論の実験/不毛の恋/氷のビルディング/戦場からの電話/など全21編 4 未発表小説、および「地獄八景」 嫌悪の公式/地獄八景 解説=岡和田晃
日本人である私は、占領下の上海で快適な暮らしを楽しんできた。 そのことに矛盾を感じてこなかっただろうか。 戦争そのものに対する私の態度は、これまでずっと曖昧だった。 =============== 戦局の悪化にともない、窮乏していく上海での生活。 それでも、一人の日本人女性が家族を守り、 異国の人々と友情をはぐくみながら、 力強く生きる姿を活写した日記小説。 本書は、イギリス在中の歴史家でもある著者が、母親の4年余りの上海での生活をもとに作り上げた小説である。史実ではすくい取れない、知られざる歴史がつづられている。 第一部 一九四二年一月一五日〜一九四四年三月三一日 第二部 一九四四年四月三日〜一九四六年三月二八日 結び 一九四六年四月九日、夙川 訳者解説 麻生えりか
全てが伏線。二度読み必須! “わきまえない女”が主人公の痛快ミステリ。 パッセンジャー=乗客/旅人/助手席にいる者/厄介者 「無実」なら、なぜ逃げる── 【あらすじ】 階段から落ちて事故死した夫の死体を見た瞬間、「わたし」の逃亡生活がはじまった。 別人になりすまして第二の人生をスタートしたはずが、たちまち正体不明の追手に襲われる。窮地を救ってくれたはずの女バーテンのブルーも、「わたし」の人生の歯車をさらに狂わせていくーー。 次々と名前を変え、外見を変えて逃亡する「わたし」とはいったい誰。なぜ、何から、逃げ続けるのか。すべてのピースが一つにつながる驚愕のクライマックスまで一気読み必至。 ターニャ・デュボイス アミーリア・キーン デブラ・メイズ エマ・ラーク ソニア・ルボヴィッチ ページ ジョー ノーラ・グラス
「原子爆弾は近代の世界的な性格破産を示したものだ。 人類はこれからもっと崩れて行き、 最後に精神を破産させてしまうのではないか」 (『人間襤褸』より) 被爆後の市井に生きる人々の姿を活写した 代表的長編『人間襤褸』『夕凪の街と人と』ほか、 短編「半放浪」、そしてエッセイ九編を収録。 大田洋子の作品は、決して忘却してはいけない、 被爆者の記録そのものである。 【収録作品】 人間襤褸 夕凪の街と人と 半放浪 海底のような光ーー原子爆弾の空襲に遭って 一九四五年の夏 『屍の街』序 作家の態度 生き残りの心理 文学のおそろしさ ノイローゼの克服 行進ーー死者の魂への共感 十五年たったというけれど 【解説】 「忘却できぬ原爆の記録の継承 ーー今を問い未来に発信する烙印としての表象」 (長谷川啓) 人間襤褸 夕凪の街と人と 半放浪 海底のような光ーー原子爆弾の空襲に遭って 一九四五年の夏 『屍の街』序 作家の態度 生き残りの心理 文学のおそろしさ ノイローゼの克服 行進ーー死者の魂への共感 十五年たったというけれど 【解説】 「忘却できぬ原爆の記録の継承 ーー今を問い未来に発信する烙印としての表象」 (長谷川啓)
毒華繚乱。 快楽・犯罪・不貞 ──過去や秘密を打ち明ける登場人物たちの語り口に思わず耳を傾けてしまう作品群。 常に冷徹な局外者であった乱歩がもつ、無倫理の思想と、 背徳のユートピア願望というイデオロギー。 二癈人 覆面の舞踏者 お勢登場 人間椅子 目羅博士の不思議な犯罪 芋虫 断崖 防空壕 吸血鬼 旅順海戦館 声の恐怖 性慾の犯罪性 張ホテルのこと 瞬きする首 残虐への郷愁 鏡怪談 フランケン奇談 国家ごっこ 【解説】疑念と戦争と暗黒のユートピア
邦題『星の王子さま』から抹殺された 「ちいさな」(petit)という形容詞抜きには読めないものとは? 作品にはなぜ「戦争」の影が立ち籠めるのか? キツネやヘビはどのような役割を果たしているのか? 『星の王子さま』という、いかにも可愛く、愛らしい邦訳タイトルに慣れ親しんできた読者のイメージを壊すかもしれないテクストそのものの精読。 この物語は絶望と孤独感に満ちている! 【目次】 はじめに 1 邦訳タイトル『星の王子さま』をめぐって 2 「小さなもの」と「大きなもの」 3 王子がめぐった六つの星とその住人たち 4 『星の王子さま』とはどんな作品なのか 5 作品に立ち籠める「戦争」の影 6 王子とはいったい誰なのか 7 キツネは本当に、良き友だちなのか 8 キツネが用いる“apprivoiser”という動詞の真意とは 9 ヘビは邪悪な生き物なのか 10 対一者から複数の他者たちへ 11 王子が地球で出会う人々 12 星と砂漠の思考 おわりに はじめに 1 邦訳タイトル『星の王子さま』をめぐって 2 「小さなもの」と「大きなもの」 3 王子が巡った六つの星とその住人たち 4 『星の王子さま』とはどんな作品なのか 5 作品に立ち籠める「戦争」の影 6 王子とはいったい誰なのか? 7 キツネは本当に、良き友だちなのか 8 キツネが用いる“apprivoiser”という動詞の真意とは? 9 ヘビは邪悪な生き物なのか 10 対一者から複数の他者たちへ 11 王子が地球で出会う人々 12 星と砂漠の思考 おわりに
思想としての本格指向と、 資質としての変格嗜好に引き裂かれる部分を持ちながらも、 双方を排斥しあうことなく交錯し蝕知させる作品群。 乱歩が覗く景色は、何かを明らかにするよりも 新たな迷宮や闇を増やし、 世界を甘美な恐怖の坩堝に突き落とす。 【収録作品】 赤い部屋 夢遊病者の死 白昼夢 百面相役者 毒草 火星の運河 人でなしの恋 木馬は廻る 押絵と旅する男 指 浅草趣味 映画の恐怖 墓場の恐怖 ある恐怖 群衆の中のロビンソン・クルーソー 人形 郷愁としてのグロテスク レンズ嗜好症 解説 嫌悪が描き出す甘美な世界 長山靖生 赤い部屋 夢遊病者の死 白昼夢 百面相役者 毒草 火星の運河 人でなしの恋 木馬は廻る 押絵と旅する男 指 浅草趣味 映画の恐怖 墓場の恐怖 ある恐怖 群衆の中のロビンソン・クルーソー 人形 郷愁としてのグロテスク レンズ嗜好症 解説 嫌悪が描き出す甘美な世界 長山靖生
“運命”の問題は、『白鯨』という作品の急所を衝く。エイバブを悲劇的な英雄と見なすのでも、イシュメイルをエイバブの批判者と見なすのでもなく、メルヴィル自身も自覚していなかった運命観を読みとる。それは、エイハブがモービィ・ディックを追跡したように、生に対する最も深い肯定がなされている『白鯨』というテキストそのものを探求(=精読)する行為である。
『古事記』にも記される天上の国=高天原は、 どこに存在するのか? 神武東征とアレクサンドロスのインドへの遠征路の相似など、 日本敗戦後、占領下の日本を舞台に 『古事記』を新解釈する日本超古代史ロマン! 日本SF界の第一世代の代表的作家・荒巻義雄、満87 歳の書き下ろし長編! 【目次】 第一部 古事記殺人事件 第 一 章 水母なす漂る時に 第 二 章 オナリ神の謎 第 三 章 天狗山山荘の仙女 第 四 章 カレーライス専門店 第 五 章 倭人発進地 雲南説 第 六 章 不思議老人 第二部 神武東征の謎 第 七 章 〈いろは歌〉の秘密 第 八 章 消された王朝の謎 第 九 章 飛鳥時代のペルシア人 第一〇章 高天原いずこ 第一一章 仙女の誘い 第一二章 神武東征の夢 あとがきに代えてー私説/『古事記』新解釈・七つの仮説 用語解説/取材写真一覧/巽孝之×荒巻義雄往復書簡/全登場人物一覧 第一部 古事記殺人事件 第 一 章 水母なす漂る時に 第 二 章 オナリ神の謎 第 三 章 天狗山山荘の仙女 第 四 章 カレーライス専門店 第 五 章 倭人発進地 雲南説 第 六 章 不思議老人 第二部 神武東征の謎 第 七 章 〈いろは歌〉の秘密 第 八 章 消された王朝の謎 第 九 章 飛鳥時代のペルシア人 第一〇章 高天原いずこ 第一一章 仙女の誘い 第一二章 神武東征の夢 あとがきに代えてー私説/『古事記』新解釈・七つの仮説 用語解説/取材写真一覧/巽孝之×荒巻義雄往復書簡/全登場人物一覧
背後にアメリカの歴史そのものが横たわっている 『トム・ソーヤーの冒険』を精読する! 各章の「あらすじ」を整理しながら鍵となるテーマを順に読解しつつ、 独立宣言から100年後に出版されたこの作品の影響やアダプテーションにも迫る。 表面上の少年たちの海賊ごっこや宝探しの冒険を精読すれば、 過去や現在のアメリカ社会を考える上での手がかりを与えてくれる…… さあ、アメリカ文学の正典(キャノン)への冒険へ! 【目次】 はじめに 平凡な田舎での非凡な冒険=世界一のいたずらっ子/平凡人トムの物語/本書の構成と内容/注意点 第一章 キャラクターと背景 1 キャラクターたち/2 舞台背景 第二章 『トム・ソーヤーの冒険』(一八七六)の物語を読む 章題について ◉まえがき ◉第1章「トムと家族関係」 ◉第2章「塀塗りの計略」 ◉第3章「ベッキーと出会う」 ◉第4章「日曜学校の騒動」 ◉第5章「噛みつき虫と犬」 ◉第6章「遅刻とベッキー」 ◉第7章「ダニ遊びと失恋」 ◉第8章「海賊になろう」 ◉第9章「墓地での殺人」 ◉第10章「沈黙の誓い」 ◉第11章「良心に悩む」 ◉第12章「ネコと民間療法」 ◉第13章「海賊たちの船出」 ◉第14章「楽しいキャンプ生活」 ◉第15章「そっと家に帰る」 ◉第16章「はじめてのタバコ」 ◉第17章「自分の葬式に出席する」 ◉第18章「夢の話」 ◉第19章「木の皮の手紙」 ◉第20章「身代わりとなる」 ◉第21章「トム、学芸発表会で失敗する」 ◉第22章「トム、はしかにかかる」 ◉第23章「トム、裁判で証言する」 ◉第24章「インジャン・ジョーの恐怖」 ◉第25章「トム、宝探しの夢を語る」 ◉第26章「幽霊屋敷に隠された宝」 ◉第27章「追跡」 ◉第28章「インジャン・ジョーの根城」 ◉第29章「未亡人を助けるハック」 ◉第30章「洞窟で迷子になる」 ◉第31章「迷路としての洞窟」洞窟探検/ ◉第32章「洞窟の外へ」脱出した二人/アリアドネの糸 ◉第33章「インジャン・ジョーの最期」詩的正義がおこなわれる/良いインディアンは死んだインディアン ◉第34章「金貨の山」芝居がかった話 ◉第35章「ハック、盗賊の一味となる」投機と投資/コスモポリタンとしてのハック/紳士盗賊トムの一味 ◉おわりに 第三章 トム・ソーヤーの行方 1 『トム・ソーヤーの冒険』の全体像=前半と後半の対比/曜日の秩序/失われたものを発見する 2 トムとハックの関係=トムか、ハックか/ヘミングウェイの宣託=選択/二つの作品の友情の違い/贋金と偽物/『トム・ソーヤーの冒険』との関連 3 影響とアダプテーション=ミシシッピ川とトムの成長/田舎町と脱出願望/キングにとってのトム・ソーヤー/映画のなかのトム・ソーヤー/宮崎アニメのトム・ソーヤー おわりに 小さな市民トマス・ソーヤー