出版社 : 彩流社
北海道新聞文学賞に輝いた詩集『骸骨半島』は、荒巻義雄の詩的才能が一気に開花した作品。「SF作家が詩を書いたのではなく、詩人がSFを書いた!」と独得の言い回しをする知られざる荒巻ワールド!特典として「メタ俳句自選百句」、「花嫁」などの幻の短編&ショート・ショート集、そして、本全集のあとがきにかえて特別に書き下ろした「SF作家の幻視眼ー未来はどうなるか?」を収録!
トウェインの技の凄さが詰まった一冊! アメリカ人のユーモアを愛する心に応える幻の名著(「ストームフィールド船長の天国訪問」)の全訳と、とっておきのユーモア短編(初訳)で編む! 「マーク・トウェインといえば、なんといってもそのユーモアで有名なはずなのだが、日本ではその面白さが本当に伝えられているだろうか、本当に上手く紹介されてきているだろうか、という疑問がこの企画の出発点だった。彼の絶妙なユーモアを伝えるのはそう簡単なことではないと考えていたからだ。」(「訳者あとがき」より) 良い女の子へのアドヴァイス 【解説】“Advice for Good Little Girls”(1865年) フィッツ・スマイスの馬 【解説】】“Fitz Smythe’s Horse”(1866年) わけあり文章の解説 【解説】“Explanation of a Mysterious Sentence”(1866年) ライリー──新聞特派員 【解説】 “Riley-Newspaper Correspondent”(1870年) あるインタヴュー 【解説】 “An Encounter with an Interviewer” (1874年) 穴開けて、さあさあみんな、穴開けて 【解説】 “Punch, Brothers, Punch”(1876年) 洗礼式のほら話(ハートフォード土曜早朝クラブ) 【解説】“The Christening Yarn”(1889年) そぞろ旅の気ままな覚書 【解説】“Some Rambling Notes of an Idle Excursion”(1877年) ストームフィールド船長の天国訪問 【解説】“Captan Stormfield’s Visit to Heaven”(1870年) 訳者あとがき
グロテスクで残酷な笑いと悪夢の物語── マーク・トウェイン晩年の幻の「傑作」、本邦初訳! 南北戦争前のアメリカ南部の田舎町インディアンタウン。 〈嘘〉をつくことによって果てしなく堕ちていく町の名士。 恐怖と笑いが入り混じる独特の筆致で浮かび上がる、 トウェインの鋭い人間観察と、同時代アメリカへの批判的精神。 晩年期の1899〜1906年にかけて長く断続的に書き継がれた 未発表作品『それはどっちだったか』。 19世紀の人種問題を背景の一部にした暗く苦い物語は、 一般的な明るいイメージのトウェイン像を大きく裏切る異色の作品であるが、 盛期から晩年に至る作家の歩みを凝縮した「隠れた代表作」と言える。 トウェインが執筆にかけた年数と分量から、無視できない作品であるにも かかわらず、国内外で長く黙殺されているトウェインの幻の「傑作」を、 丁寧な「解説」とともに紹介する。 原型となった短編「インディアンタウン」(1899)も収録(本邦初訳)!
18世紀末、アイルランド語詩の伝統が衰えゆくなかで、アイルランド語で書かれた幻想的パロディーブライアン・メリマン(1750頃ー1805)の『真夜中の法廷』。本書は、『真夜中の法廷』の日本語訳とともに、英語による文法解釈、メリマン論を集約した類例がない貴重な内容となっている。原詩と英語解釈、語彙ノートもついて、アイルランド語の学習にも最適!
短篇の名手が、ふとした出来事による心の揺らぎを静かにあぶりだす作品集。ノーベル文学賞受賞作家が、鋭い観察眼としなやかな感性で描く、さまざまな「愛」のかたち。日常の中の生と性、死と老い、すれ違う愛、心の深淵…。表題作「愛の深まり」ほか、マンロー作品のエッセンスが詰まった11篇。
英国ヴィクトリア朝文学を代表し、英文学史に大きな足跡を残した ジョージ・エリオットことマリアン・エヴァンズ(1819 - 1880)の 長編作品『ロモラ』Romola を新訳で・・・。 花の都フィレンツェ、結婚というくびき。 学者の娘ロモラは、目の見えない父の研究を手伝う日々。そこに現れた、 若く、美しく、才覚のある青年ティート。やがて恋に落ち、結婚する二人。 けれど次第に明らかになるティートの秘められた過去と本性……。 1492 年4 月9 日のロレンツォ・デ・メディチの死の当日から、 1498 年のサヴォナローラの火刑とその死までという、 イタリア・フィレンツェの激動の史実に取材した渾身の一作。 メディチ家の面々やマキャヴェッリなど、実在の人物も多数登場! 緻密に取材した歴史物語に織り込まれているのは、親子、夫婦、 宗教といったさまざまな「くびき」と、そのなかで生きる一人の女性の 姿である。 小説家ヘンリー・ジェイムズは『ロモラ』を、エリオットの「最高作」と 断じた。また一九世紀の思想家トマス・カーライルや詩人ロバート・ ブラウニングを始めとする多くのイギリスの文人たちも、 『ロモラ』刊行当初、これに極めて高い評価を与えている。
3人の牧師の人生に秘められた、それぞれの愛のかたちとその深さ。胸を打つ悲しみも、いつかきっと癒やされる…ジョージ・エリオットの記念すべき小説家デビュー作。
恋か、血の絆か。スペイン・アンダルシア地方。美しきフェダルマが知った自らの出生の秘密。従うべきは身を焦がす想いか、それとも…。若者の悲恋を描いた異色の劇詩。個人的次元における自己充足と共同体から課せられる任務や責任の実行との間の相克ないしは葛藤という主題に、詩の形式で挑戦した『スペインのジプシー』(1868)。超能力という斬新な題材を用いた「とばりの彼方」(1859)と、エリオットの喜劇性が凝縮された「ジェイコブ兄貴」(1864)という二つの短編小説に示される、“長編作家エリオット”の底力。
ストーリーを追うだけではなかなか見えてこない原作の面白さを、児童文学専門の著者が、章ごとにポイントを徹底快読して伝えます。村岡花子の最初の翻訳がどういう点で「すごい」のかも明らかにし、『赤毛のアン』の世界が10倍楽しめます!
「鞭打倶楽部」とは?そして、景品となる十六の赤毛の処女クララの運命は? この破天荒すぎる小説は、発禁処分となったアノ『エロエロ草紙』の代替え企画です。コレも発禁されてはたまらないと、作者の酒井潔が、あくまでも翻訳ですと言い張って世に放った問題作。今、80年の時を経て、新装完全復刻版として平成の世に甦る! ●国立国会図書館でもデジタル公開されていない秘蔵本! ※まずは、コノ唖然ボーゼンする目次を見てください! ・第一章 「魅惑と雷鳴の下で」 「人間の賭け物」「奇怪な勝負」「裏切って売る」 ・第二章 「農園主邸の騒宴」 「鞭打の手練」「生意気な奴隷の懲罰」「暖かい思ひ」 ・第三章 「狂女の悲恋」 「新らしい刺戟を追ふて」「奇想天外の計企」 ・第四章 「裸美競艶」 「美女の競争」「残酷な折檻」「敗者の厳罰」「困難な選択」 ・第五章 「虐げられた処女」 「人肉の相場」「弗に代へて」 ・第六章 「大景品の公開」 「女の二頭立」「狂女とブロンド女」「特志家の群集」 ・第七章 「生きている壷」 「赤字の番号」「狂女の駆る美人戦車」「車輪の下に踏みにぢらるる」
ーー私は、ここにいる。それは間違いなく、たしかな現実だわ 小説家である主人公が、ネットワークを使った コミュニケーション・システム「ELIS」をめぐって起こる さまざまな事件を目の当たりにし、調査を進めていく……。 情報ネットワーク社会に潜む闇とは? 『妹がスーパー戦隊に就職しました』(スマッシュ文庫)、 『ライトノベルは好きですか?』(雷鳥社)の著者がはなつ、 ライトノベル最新刊! 【あらすじ】 冬のはじめ、一人の少女が変死体で発見された。 ネットワーク上やマスメディアでは、彼女の名前が桜坂恵理朱だ という情報が、さかんに流れていた。その日、小説家をしている 葉山秀司(はやま・しゅうじ)が使っているネットワーク・システム 「ELIS」のアカウントに、1通のメッセージが届いていた。 そこには動画が添付されており、死亡が伝えられている少女の 凄惨な死体の様子が映し出されていた。そのメッセージの送り主は、 「13番目の魔女」を名乗る人物である。 しかもそのメッセージは、秀司の友人である田上梨愛(たうえ・りあ) のところにも、ほとんど同じものが送られていたらしい。 田上梨愛から相談を受け、事件の真相が「13番目の魔女」から 送られてきた秘密めいたメッセージに隠されていると考えた秀司は、 それ以来、自分の担当編集者である赤城知佳(あかぎ・ちか)の 手を借りて調査をはじめるが……。 次々と「魔女」たちが死んでいく中で、明らかになっていなかった 「12番目の魔女」、その正体とは……。
スペイント語圏ラテンアメリカ短編文学のはじまりともいえる重要作品「屠場」をはじめ、幻想的な「ルビー」「赤いベレー」「新しい島々」、大地の渇きが伝わる「インディオの裁き」「その女」など、ロマンチシズムからモデルニズモ、クリオーリョ主義、実存主義までの多彩な傑作短編を、文学の発展過程を見通せるように編纂。本邦初紹介作品を含む、心を打つ名作18編。
運命の分かれ道は、畳の厚さを五・五センチに全国統一したことにあった…。日本の文化が大きく転換していく時代を背景に、畳刺しに命を懸けた三代にわたる畳職人の変遷を描く作品。
ポルトガルのノーベル賞作家、ジョゼ・サラマーゴによる、みずからの少年時代の回想録。 圧倒的な言葉の奔流で紡がれる長大な物語ーーそれこそが「現代の語り部」サラマーゴのスタイルである。 しかし本書では、一転、そのはげしさは影をひそめ、ポルトガルの庶民生活の丹念な描写を通して、おだやかでやさしい、ときにはユーモラスな語り口で、幼なかったころの日々がつづられてゆく。 読みすすむうち、語り手の年齢も自分の年齢も消え、読者は、こども時代へとさかのぼる。いつしか手のなかに、小さいころ、道ばたで拾いあげた小石の感触すらもどってきそうな、小粒ながら、不思議な、知的で、品格のある魅力的な一冊だ。
6月14日全国一斉ロードショーのディカプリオ主演の映画『華麗なるギャツビー』の見どころを、紹介しています! 監督のラーマンは、観客にどんな仕掛けをしているのか? 試写会を観たばかりの著者が斬新に、そして、詳細に読み解いています! 【☞本書の❼大特徴】 なぜこの作品はグレートなの? ❶『ギャツビー』のあらすじを完全ナビ。時間の流れもわかる、「フローチャート」付き! ❷分かりやすい相関図で複雑な人物関係もバッチリOK! ❸村上春樹訳の“おいしい読み方”をこっそり紹介!4つの翻訳の対応表付き! ❹映画を観るツボは? 小説と映画、どこが違う? ❺25のキーワードで、映画の時代背景も分かる! ❻もちろん、原作者フィツジェラルドも抑えてます! ❼話題の最新作、ディカプリオ版の『華麗なるギャツビー』の見どころもいち早く教えてくれる! ☞村上春樹が訳し、レッドフォードが演じ、そしてこの夏、 ディカプリオが演じる『ギャツビー』の魅力を、『モスラの精神史』 (講談社現代新書)や『大魔神の精神史』(角川書店)で 知られる著者が、大胆に読み解く、イチオシガイドです! はじめに 21世紀に『ギャツビー』が新しい CHAPTER 1 登場人物とストーリーを早わかりナビ CHAPTER 2 25のキーワードで『ギャツビー』を〈深読みする〉 CHAPTER 3 映画になった『ギャツビー』 CHAPTER 4 映画と原作、どこが違う、なぜ違う? CHAPTER 5 村上春樹で読むか、野崎孝で読むか CHAPTER 6 原作者のフィツジェラルドって、どんな人? おわりに 『ザ・グレート・ギャツビー』の偉大さ