出版社 : 彩流社
3人の牧師の人生に秘められた、それぞれの愛のかたちとその深さ。胸を打つ悲しみも、いつかきっと癒やされる…ジョージ・エリオットの記念すべき小説家デビュー作。
恋か、血の絆か。スペイン・アンダルシア地方。美しきフェダルマが知った自らの出生の秘密。従うべきは身を焦がす想いか、それとも…。若者の悲恋を描いた異色の劇詩。個人的次元における自己充足と共同体から課せられる任務や責任の実行との間の相克ないしは葛藤という主題に、詩の形式で挑戦した『スペインのジプシー』(1868)。超能力という斬新な題材を用いた「とばりの彼方」(1859)と、エリオットの喜劇性が凝縮された「ジェイコブ兄貴」(1864)という二つの短編小説に示される、“長編作家エリオット”の底力。
ストーリーを追うだけではなかなか見えてこない原作の面白さを、児童文学専門の著者が、章ごとにポイントを徹底快読して伝えます。村岡花子の最初の翻訳がどういう点で「すごい」のかも明らかにし、『赤毛のアン』の世界が10倍楽しめます!
一人の少女が変死体で発見された。遺留品から、彼女は桜坂恵理朱らしいという情報が、メディアを通じて流れていた。小説家をしている「僕」(葉山秀司)は、どういうわけかその事件のことがずっと気になっていたが、しばらくして友人の田上梨愛から相談を持ちかけられる。ネットワークを用いたコミュニケーション・システム「ELIS」で彼女が使っているアカウント宛てに、死んだはずの桜坂恵理朱に宛てたメッセージが次々に届いているらしい。秘密めいたそのメッセージは当初、「13番目の魔女」を名乗る人物から送られていた。しかししだいに、桜坂恵理朱宛てのメッセージは、それ以外のアカウントからも、梨愛のところに届くようになった。それはまるで、ネット上で梨愛が、桜坂恵理朱として認知されているかのようでもあった…。「ELIS」システムとは?「13番目の魔女」とは?謎の少女「桜坂恵理朱」の正体とは…?情報ネットワークに潜む闇…。
スペイント語圏ラテンアメリカ短編文学のはじまりともいえる重要作品「屠場」をはじめ、幻想的な「ルビー」「赤いベレー」「新しい島々」、大地の渇きが伝わる「インディオの裁き」「その女」など、ロマンチシズムからモデルニズモ、クリオーリョ主義、実存主義までの多彩な傑作短編を、文学の発展過程を見通せるように編纂。本邦初紹介作品を含む、心を打つ名作18編。
運命の分かれ道は、畳の厚さを五・五センチに全国統一したことにあった…。日本の文化が大きく転換していく時代を背景に、畳刺しに命を懸けた三代にわたる畳職人の変遷を描く作品。
村上春樹が訳し、レッドフォードが演じ、そして今度は、ディカプリオが演じた『ギャツビー』の魅力にせまる!ディカプリオ主演映画『華麗なるギャツビー』(2013年6月14日公開)の見所も紹介!
「台所の塩?汗?涙?それとも海水の塩?わたしが今までどんな種類の塩を舌で味わってきたか、わかりますか?」1920-30年代のパリ。ガートルードスタイン家の料理人となったベトナム男性ビンの見たものは。
謎。複雑。郷愁。怪異。そして、ふしぎな感動。日本のナボコフ、天才・川那辺薔による初の小説集。娘を失った父の悲しみ。大学をめぐる奇怪な出来事。近代批判に満ちた衝撃の問題作。表題作日本初アンチ(?)スカイツリー小説「空の木」ほか3篇所収。
チュニジアの首都チュニス。穏やかな兄ヤーシーンと、怒りんぼの妹アーイダ。それぞれの日々と、アーイダの恋を軸として描かれる現代の、そして古き良き時代の、人びとの生活や街の風景…。「幸せのかたち」が静かに、鮮やかに浮かび上がる。