出版社 : 徳間書店
美貌のシンガーソングライター・堀河優美から恋人・国夫を奪った交通事故。残された形見はたった1枚の楽譜だけだった。「シャドウゲーム」というその曲を自作のLPに収録するため、作曲者を探して優美は恋人の故郷名古屋へ向かった。しかし、手がかりとなる人物は国夫と同時期に怪死していた。奇妙な符号ー。「国夫の死は偶然ではなかったの?」真相を知ろうと焦る優美に電話のベルが鳴った。「早く東京へ帰れ!」。楽譜に隠された謎とは何か?そして優美を追う男“死に神”とは誰なのか?事件は意外な方向へ向った!
私は公安調査官、加下千里。言うまでもなく仮の名だ。加下は影である。麻薬組織の捜査を始めたところ、思わぬことからニセ札偽造団のシッポをつかんだ。この半年あまり、米ドルのニセ札が出回り、一味の正体がつかめずにいたのだ。私はなんとか偽造団に潜り込むことに成功した。そして組織の女たちを巧みに操りながら、次々に密輸ルートをあばいていく…。長篇サスペンス。
由緒ありげな住まいで、お妙様とも春香院様とも呼ばれる由緒ありげな女が殺された。これまた由緒ありげにも、現場には小倉百人一首の読み札が落ちているだけで、目星は皆目つかない。怪事件、難事件となると、普段は腰の重い“ゆっくりの旦那”こと八丁堀同心・若月雨太郎の探索心にも火がついて…(しかぞ住む)。江戸の市井を舞台に男と女が生み出す事件の数々を人情味豊かに描く好評時代推理シリーズ。
地球の闇の世界と死を賭した闘いを繰りひろげた千夏響と竜造寺悟らエクソシストたちは、地球の危機を救うべく“神界域アガシュ”へとさらなる旅に出発した。一行は暗黒の魔手によって、かけがえのない2人の仲間、ウィスパリング・スカイとリゼロッテを失った。だが、光の洗礼を受け霊人となった響は、宇宙船セグを駆って意識ホールへと突入していった…。
長期間、レース界から遠ざかっていたトヨタは遂にレース復帰を決意した。世界のビッグメーカーにのしあがったトヨタだが、なぜか技術面の評価は低く、新たな世界戦略に総力を結集することになったのだ。北米でのカンナム・シリーズ、常勝ポルシェ、マクラーレンに対抗するのは、10年前、悲運にもデモ走行だけに終ったトヨタ7にターボを積載したニューマシーンだった…。長篇本格カーレース小説第5弾!
視床下部から航宙刺激ホルモンを分泌し、超光速航行を可能にした人類で唯一の存在、“脳”。“大闘争”の後滅亡した人類に代って、Brainより無数に生み出されたクローン脳“脳”は、“船”を操り背面世界を非対称航行する。そして超未来、クローンの“脳”に異常が発生した。このままでは航行自体が不可能となり、背面世界で2度めの終局を迎えることになってしまうが…。超未来史を描く究極のSF巨篇第1巻。
典型的な短篇型のもの書きであるぼくの作品の中でも、ことに短いものばかりを集めてあります。長いものでも400字詰原稿用紙20枚強、短い作品では4、5枚などという超ミニ・ストーリーのオンパレードです。あらためて読みなおし、われながら、よくもまあ、この短さで小説が書けたものだと半ばびっくりし、半ば感心しているしだいです(あとがき)。シリアス、ハチャハチャとり混ぜて37篇、乱れ射ち!
199X年夏。世界は滅びに向かって突進していた。連続爆破犯Xと呼ばれる白河光樹は、権力側にアジトを襲われて高野山近くの谷間の郷里に逃げ帰る。一方、幼い頃から真言密教の修行を積んだ玄龍は、里見真司を捜して高野山に現れる。その頃リビアの砂漠地帯に新しい聖地が登場した。そこにいる盲目の日本人は何者か。人類に救いはあるのか。高野山の謎とは?そして超古代石板は何を語るか?長篇伝奇ロマン。
久留米市内の高良大社参道奥の耳納スカイラインの入口で、女の惨殺死体が発見された。傍の木の枝に引っかかっていたハンドバッグの中身から、被害者は長野市に住む丸田トミと判明。致命傷は心臓部の刺傷で大量失血死。凶器はみつからない。長野県警に照会した結果、トミは市内の小料理店経営、丸田京介の養女で、4年前に離婚し湯田中温泉の仲居をしていたが、2年程前から行方不明になっていることが分かった。だが近親者から捜索願が出ていない。なぜ放置していたのか。事件は俄然複雑な様相を呈しはじめた。そして…。
モンゴルで開催される第三世界作家会議に招待された原田澄人は、日本を発つ時、不意の訪問をうけた。道原信三郎と名のる男は、戦前からモンゴルに住み、今は音信不通になっている兄・直太郎宛に手紙を託していったのだ。ウラン・バートルに着いた原田は、モンゴル公安局と民族解放戦線の闘いの渦中にまきこまれるが…。日本軍特務工作隊が隠した財宝にまつわる表題作等、国際冒険ロマンの佳品を収録。
江戸の分限者・男谷平蔵の子に生れた小吉は、型破りで自由奔放、剣術の腕は確かでも大の学問嫌い。旗本勝家の養子となるも周囲は気のもみどおし。なんとか無役から御番入りに決りかけたところ、顔合わせの宴会で嫌味な同僚に絡まれ、誤って殺害。やがて座敷牢からだされ、長男麟太郎(のちの海舟)も生れるが、喜びも束の間、最愛の理解者・平蔵を失って…。幕末を縦横無尽に駆けぬけた勝父子の豪放人生。
長男麟太郎が将軍家慶の子・春之丞のお対手役に選ばれて、勝家にも春が巡ってきたかに見えたが、その麟太郎は春之丞の死でお宿下がりの上に、犬に睾丸をかまれて瀕死の重傷。しかしそんな不幸にめげる小吉ではない。町人たちからも「親分」と慕われるほどの気っ風の良さを発揮、地借りしている岡野家が借金苦にあえいでいると知るや、ご法度を犯す覚悟で大芝居を…。波瀾万丈、痛快無比の幕末親子物語。
20億を超える資産家の平泉順子は、夫、洋治の友人、寺西研二と不倫を楽しんでいたが、今日も夫の出張を幸いに、日光の川俣温泉にドライブに出かけた。ところが帰りがけの山道で若い女性を轢き殺してしまった。寺西は警察に届けようという順子を説得して岩穴に隠して帰宅した。1年後、TVで白骨死体が発見されたと報じられてから数日して、寺西から、「女の轢き逃げをみた。金を用意しろ」との脅迫状をみせらたれた順子は、思案にあまった末、自分を慕う笹森悦也に相談したところ仰天すべき事実がうかびあがるに及んで…。