出版社 : 文藝春秋
まほろシリーズ 大騒ぎの大・団・円! なんと! 多田と行天が、四歳の女の子を預かることに!? まほろ市は東京都南西部最大の町。 駅前で便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介と、 居候になって丸二年がたつ行天春彦。 二人のもとに、かつてない依頼が…… それは、夏の間、四歳の女の子「はる」を預かること。 慣れないことに悪戦苦闘する二人に、忍び寄る「魔の手」! まほろ市内で無農薬野菜を生産販売する「家庭と健康食品協会」の幹部・沢村。 まほろの裏社会を仕切る、若きボス・星。 地元のバス会社・横浜中央交通(横中)に目を光らす岡老人。 彼らのおかげで、二人は前代未聞の大騒動に巻き込まれる! 文庫特典 短篇「サンタとトナカイはいい相棒」収録。 解説・岸本佐知子(翻訳家)。 太っ腹の全528ページ。見た目は「最厚」、中身は最高! 『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』に続く、 三浦しをんが心血をそそいだ「まほろシリーズ」 ここに、大団円を迎えます!
佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化! 老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報ーーそれは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。 共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。 あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? 杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。 『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。 (文庫化にあたり、単行本を上下2分冊とした)
佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化! (文庫化にあたり、単行本を上下2分冊とした) 「究極の悲劇は喜劇だよ」 辰彦はそういった。 それにしても、どうして普通じゃ滅多にないことばかり起るのか。 「愛? 冗談じゃない!」と思いつつ、杉は辰彦の借金を抱え、がむしゃらに働き、必死に生きた。 当時の文学仲間たちはもう誰もいない。 いま改めて問う、あの歳月はいったい何だったのか? 辰彦は何者だったのか? 枯淡の境地で、杉が得た答えとは。 畢生の名作、誕生。
クリスマスの朝、発見された一家4人の惨殺体。迷宮入りが囁かれる中、遺族は“自称小説家”の塚田慎也に調査を依頼する。彼が書いた、同じく未解決の資産家夫婦殺人事件のルポを読んだという遺族。2つの事件の奇妙な共通点が浮かびあがり、塚田は「真相」に近づくため、遺族を出演者とした再現劇の脚本を書きはじめるー。
水野備後守元綱は、出世の入り口である奏者番に取り立てられた。一度は失態を犯すも松平伊豆守に助けられ、以後、伊豆守に服従するようになる。四代家綱の治世となった折も折、由井正雪の乱が起こる。乱を機に旗本に取り立てられた者たちの奏者番を担当することになった備後守は、裏にある驚くべき陰謀に巻き込まれていく。
三島由紀夫をして、「この人がいなかったら、日本はどんなに淋しい国になるだろう」と言わしめた奇才・澁澤龍彦が早逝してから、30年が過ぎました。 彼の遺作であり、没後、読売文学賞を受けた奇跡の傑作『高丘親王航海記』が活字の大きな新装版で登場! 幼時から父平城帝の寵姫藤原薬子に天竺への夢を吹き込まれ、エクゾティズムの徒と化していた親王は、怪奇と幻想の世界へと旅立ちます。鳥の下半身をした女、犬頭人の国……。著者ならではの幻想に満ちた華麗なる物語が展開します。 あらたなる装画は、新進気鋭の朱華さんによる美しいイラストレーションです。
深川惣名主・三河蔦屋染左衛門の信を得た小籐次は、染左衛門の成田山新勝寺詣でに急遽同行することに。物見遊山かと思いきや、一行を待ち構えるかのごとく不穏な賊徒が襲い来る。孤軍奮闘の末に辿り着いた成田山で、染左衛門の悲壮なまでの覚悟を知った小籐次に、江戸出開帳に蠢く闇が迫る。小籐次の剣が冴える決定版第14作。
池波正太郎生誕100年企画として、 歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、 映像化、ドラマ化。 「鬼、新時代。」が始まります! 21世紀の国民的時代小説ともいえる 「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、 カバーデザインも見どころで、 全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。 いかなる時もブレない平蔵の指揮下、命を賭して働く与力・同心・密偵のチーム鬼平。 とはいえ、同心たちの個性もそれぞれ、一筋縄ではいかない。 それにしても、このところ切ない事件が続く。 「俄か雨」「馴馬の三蔵」「蛇苺」「一寸の虫」「おれの弟」「草雲雀」の全六篇を収録。
池波正太郎生誕100年企画として、 歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、 映像化、ドラマ化。 「鬼、新時代。」が始まります! 21世紀の国民的時代小説ともいえる 「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、 カバーデザインも見どころで、 全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。 平蔵以下、チーム鬼平の探索もいまや練達の域に達している。 しかし最近は、お調子者の同心・忠吾ですら、生きていくことのつらさを感じる日々のようである。 「霧の朝」「妙義の團右衛門」「おかね新五郎」「逃げた妻」「雪の果て」「引き込み女」の全6篇を収録。
古き代に生まれ、恋し、苦しみ、戦い、死んでいった14人の歴史のスターたち。スサノオ、卑弥呼、持統天皇、紫式部、小野小町、淀君…そんな愛すべき人びとは、歴史の中で何を思い、いかに生きたのか。美しくも、醜くも形作られた主人公たちの生涯をなぞらえ、心に寄せて読み解いていく、古典&歴史文学散歩。
国際投資銀行A&Bから機密データが“誘拐”された。データが公開されれば新たな金融危機が起こりかねない。データにアクセスできたのは、大手ソフトウエア開発会社クインタス担当のアナリストたちのみ。とばっちりでアナリストたちと一緒に軟禁状態にされた情報システム部の植嶝仁は、一歩間違えば父親が率いる財閥までが巻き添えを食うと知り、“誘拐犯”の正体を暴こうとするが…。
学校の先生になりたかった父と、キャンディ屋さんを夢見る娘。謎と矛盾だらけのこの世界で、もうひとつの本当を探し求めて、ともに考え、悩み、笑い…。未知なる記憶をめぐる大冒険がはじまった!演劇界の鬼才が描く、異色のドキュメント小説。
わたしはひとりじゃない。 夜、見上げれば、わたしには わたしが生まれた あの赤い星の近くの星が見える。 子どもと、かつて子どもだった人へ贈る物語。 芥川賞受賞第一作! 【出てくる人】 天ーー海辺の小屋で暮らす少女。父は大雨の日、山から星に帰ってしまった。 ルルーーその冬はじめての雪が降った日、小屋にあらわれた女の子。 飛行機乗りーー山に、飛行機が落ちてくる。飛行機乗りは、ケガをしている。
タイムリミットは24時間。最も過酷な「アドベンチャーレース」に参加した機動隊員が、家族を人質に脅迫された。妻子を救い、犯人を追い詰めて、そしてレースに勝利できるのか?警察小説の名手が描く、スポーツ・サスペンスの最先端。
私たちは、過去を静かに見つめてみるべきなのだ。 遠藤周作、林京子……先達の祈りを胸に 戦場や爆心地を書き継ぐ作家の最新作品集。 【収録作品】 「沈黙のなかの沈黙」--禁教時代の殉教をテーマに、遠藤周作は 『沈黙』という大きな物語を作り上げた。だが、 どんな人にもささやかな祈りはあるのではないか。 「小指が燃える」----「私」のもとへ、「小説は売れて読まれねば」と言いきる 元政治家の先輩作家と、原爆体験を書き続ける 女性作家の幻が交互に訪れて……
東京を離れ洋菓子屋を営む実家に戻った風味は、幼馴染の頼みでカメラ講座に通うことに。いつも写真がボケてしまう老人、寂しくない写真を撮りたい中年女性などが集う中、講師の知念大輔は、カメラマンを挫折した天然なイケメン。だが、彼はレンズを通して受講生の心を癒していく。カメラ撮影用語解説もついた文庫書き下ろし。
小籐次は久慈屋の大旦那・昌右衛門に同道を請われ、手代の国三を供に伊勢神宮へと旅立った。昌右衛門はなにか心に秘することがあるようだが、なかなか小籐次にも胸の内を語らない。 小籐次一行は大井川で川止めにあい、島田宿に留まることを余儀なくされるが、たまたま地元の悪に絡まれていた旅籠・紋屋鈴十の隠居を助けたことから、紋屋の舟型屋敷に逗留させてもらうことになった。その間、島田宿の本陣で賭場を開き、旅人や地元の人間を餌食にしていた自称・京都所司代勘定方と、地元の悪党勢力を一掃する。 ようやく川止めが明け旅を再開することになったが、紋屋に勧められ、旅程を急ぐために船を使って海路伊勢に向かう「船参宮」をすることとなった。 その道中、そして伊勢に入ってからも、島田宿で小籐次から逃げおおせた神路院すさめと名乗る妖しい黒巫女が一行をつけ狙うが……。 昌右衛門の出生の秘密が明かされ、小籐次が留守の江戸では駿太郎が研ぎを請け負う。それぞれが人生の新たな一歩を踏み出すことを予感させる、書き下ろし第9弾。