出版社 : 文藝春秋
江戸のおんなを描いて「不世出の名人」と評された作家による最後の傑作!夫が浮気相手と子まで生したことに嫌気が差して、おこうは婚家を離れた。実家に戻っても安息は訪れない。奉公人の周旋や仲介をする口入れ屋の女主人に雇ってほしいと必死で頼んだのだが。単行本未収録の「ふたたびの浮き世」も掲載
年の瀬が迫り、次々と舞い込む研ぎ仕事を片付ける傍ら、小藤次は想いを交わすおりょうのため、芽柳一派旗揚げ新春歌会の設えに奔走する。そのさなか、永代橋から落下した男に謎の花御札を託され、男は死んだ。聞き慣れぬ「大黒町」の文字、小藤次を待ち伏せる頭巾をかぶった羽織の武家…。背後に蠢く幕府を揺るがす策略とは?
池波正太郎生誕100年企画として、 歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、 映像化、ドラマ化。 「鬼、新時代。」が始まります! 21世紀の国民的時代小説ともいえる 「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、 カバーデザインも見どころで、 全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。 シリーズも終盤をむかえつつある20巻は「おしま金三郎」「二度ある事は」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「助太刀」「寺尾の治兵衛」の全7篇を収録。 平蔵の会話に、「当代、まれに見る名人であった」とあの秋山小兵衛が登場したりと、著者の遊び心が随所に窺える。
池波正太郎生誕100年企画として、 歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、 映像化、ドラマ化。 「鬼、新時代。」が始まります! 21世紀の国民的時代小説ともいえる 「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、 カバーデザインも見どころで、 全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。 第21巻は「泣き男」「瓶割り小僧」「麻布一本松」「討ち入り市兵衛」「春の淡雪」「男の隠れ家」の全6篇を収録。 この中で、池波自身が好きな作品ベスト5に選んだ「瓶割り小僧」は、児童虐待がテーマになっています。 ほかにも、鬼平が自身のかなしみを吐露する「春の淡雪」など、心に沁みる作品が多い巻です。
チェ・ゲバラを、そしてラテンアメリカを描く大長編第2部。医師となったゲバラは、母国アルゼンチンを離れ、中米にたどり着く。軍人養成学校生、夜間救急医、街頭カメラマンなどをしながら、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラ…とカリブ諸国を“漂流”するうち、大国アメリカに蹂躙される小国の苦悩を目の当たりにする。義憤に燃えた彼は、やがて革命家としての道を歩みはじめるー。
7年前に彼を癌で亡くし、父を見送った私の腸に、癌が見つかった。 これで私はようやく休める、私は腹の中に「楽園」を抱え込んでいるのだ。 告知を平然と受け止めた私は、 ともに暮らす要介護4の母との入院を心に決めた。 祖母、母、私ーー。 ”一卵性母子”が伝統の一家で、母と私の闘病が始まる。 頑固で我がまま、愛の重い母と、私のいうことをきかない身体。 一筋縄ではゆかない母娘の、愛と涙の闘病記。
華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸! 現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。 本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(14年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。 2015年の台北国際ブックフェア大賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化権はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。 〈目次紹介〉 1.黒與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実) 2.囚徒道義 (任侠のジレンマ) 3.最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日) 4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤) 5.Borrowed Place (借りた場所に) 6.Borrowed Time (借りた時間に)
ベストセラー「わりなき恋」に次ぐ、愛を求めさまよう男女の物語。 親子の葛藤、女の友情、そして運命の出逢い。5人の男女のさまざまな愛のかたちを、パリと京都を舞台に描き出す大河恋愛ロマンです。 表題作「愛のかたち」に加え、「南の島から来た男」を収録。いずれも、悲痛な運命に抗って力強く生きる登場人物の姿が、静かな感動を呼びます。 プラヴェートセスナでの飛行、イスラエルやイランなどの紛争地取材、フランスの上流社会の社交のやりとり……。岸惠子さんの豊かな人生経験なくして生まれえなかった豊穣な愛の物語集。読むと人生が輝き出す岸さんの人生讃歌です。 ☆「愛のかたち」 「愛しているんだ、ただ今はこの愛に埋没したくない」化粧品会社のパリ駐在員、渚詩子は、フランスの監獄から少年を脱獄させたいという奇妙な弁護士、ダニエルと知り合う。この出逢いをきっかけに、恋愛に疎かった詩子は愛の不思議に身をゆだねる。 ☆「南の島から来た男」 「わたしは楽園向きの女ではないと思う」新聞社のパリ支社で働く藤堂華子は、モーリシャス島出身で一文なしの青年ドムと、パリの屋根裏部屋で暮らすようになる。しかし、ドムにはある秘密があった。華子は愛とジャーナリストの矜持の間で揺れる
帰宅途中に“魔王”を名乗る男に襲われた千夜が助かる手段はただひとつ。「面白い話をすれば殺さないでやる」元声優の意地にかけて語り始めたのは、姉・一夜がかつて作ったおとぎ話。だが“お話”は思いもよらぬ悪意を帯びて暴走し、姉妹の過去を甦らせる。アラビアン・ナイト×モダン・ホラー!
「池袋ウエストゲートパークにはこの20年間のニッポンの問題が、すべて詰め込んである」--石田衣良 池袋のトラブルシューター、マコトのもとにはあらゆる難題が持ち込まれる。でたらめの虐待疑惑をネットに書き込まれて炎上した宅配ドライバー。母親が悪い男とドラッグにはまった女子中学生。根拠のない情報が溢れるオカルト・サイト。ATMの不正操作による大規模詐欺。収録の4編はどれも現実の事件を彷彿とさせるものばかり。 どんな事件も飄々と解決するのに母親には頭が上がらないマコトと、Gボーイズを率いて池袋の裏側を取り仕切るクールなタカシ。絶妙のコンビが活躍する人気シリーズ第13弾。 「今」の空気が体感できる1冊です。
神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生の冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたものの、「あんたたちにはわかんない」と動機は全く語らない。 なぜ、美少女ののぞみは殺されたのか。 二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がってくる。 希望の「希」という漢字が「ねが(う)」と読むことから名づけられた、ネガ。現在は、母親の映子と川崎市登戸のボロアパートに暮らしている。 母はあまり働かなくなり、生活保護も断られた。まわりに頼れる大人や友人がいないネガだったが、あるとき、運命的な出会いをした……。 「キョウカンカク」でメフィスト賞を受賞し、『葬式組曲』が本格ミステリ大賞候補や日本推理作家協会賞(短編部門)候補となった著者による、社会派青春ミステリ。
半沢直樹が帰ってきた! 今度の敵は政治家だ! 出向先から東京中央銀行本店に復帰した半沢直樹に頭取から大仕事が降ってきた。破綻寸前の航空会社、帝国航空の再建を担当せよというのだ。だが折しも政権が交替。新政権の国土交通大臣は野心にみちた女性閣僚は帝国航空再生タスクフォースを起ち上げ、半沢たちに巨額の債権放棄を要求してきた。 500億円もの借金の棒引きなんてとんでもない! だが相手が大臣ではさすがの半沢も容易に突破口を見いだせない。しかもなぜか銀行上層部も半沢の敵に回る。この一件のウラには何があるのか? かつて半沢と舌戦をくりひろげた「金融庁一の嫌われ者」、オネエ言葉の黒崎駿一の思惑もカラみ、銀行に隠された大きな闇も見え隠れする。 果たして半沢の運命やいかに? 痛快度100%、無敵のエンタメ小説「半沢シリーズ」第4作、待望の文庫化です!