出版社 : 文藝春秋
『タモリ論』の著者が描く、稀代の悲恋物語 愛はなぜ終わるのかーー。 震災後、妻と西へ逃げた作家は、立ち寄った小豆島の海で、ある着想を得る。それは、平成、昭和、大正、明治と四つの時代を遡る悲劇の物語。そこには謎の生物・ニジコを見た男女は別れるという小豆島別離伝説があった。やがて明らかになる島の因縁話。稀代のストーリーテラーが変幻自在な愛を克明に描いた傑作。
大型新人現る。面白さ120%保証の経済エンターテインメント! ネタ元との約束を守って「特落ち」に追い込まれたベテラン記者・山沢勇次郎。メガバンクの損失隠しをめぐる、怒濤の闘いが始まった!
優雅なる脱線、冴えわたる悪口。趣味は手紙を書くこと。「手紙の吸血鬼」と化したアキコさんがお勝手の話題を書きに書きまくった手紙、その数50通。名手の文章が存分に味わえる、贅沢な書簡体小説。待望の長篇。金井美恵子ならではの小説的企みや、映画や小説の話題も満載。絵葉書2点の豪華付録付き!
伊三次が直面する、息子や弟子の転機 不破龍之進ときいとの間に長男が生まれ、伊三次一家も祝いのムードに包まれる。一方、絵師としての才能に疑問を感じ始めた伊与太は、当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪れる。
相州と上州、それぞれの関所破り。十兵衛いかに始末をつける 保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って関東取締出役の桑山十兵衛は、河童の六の出身である相州の松田惣領まで、足を延ばす道すがら、溝口にて鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。 だが、肝心の河童の六はとりにがし、保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなって江戸へと戻ってきた。 江戸へ戻った十兵衛を待っていたのは、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えだった。時を同じくして、玉村では道案内が殺され、その下手人である侠客定次郎は子分を連れてそのまま姿を消したという。鉄砲をきっかけに、穂波村に立ち寄った定次郎一味の足跡を見つけられると考えた十兵衛は、玉村の道案内の後任を決める必要もあり、今度は上州へと向かう。 破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客定次郎一味。 そして、河童の六は、いずこへ流れたのか。それぞれの関所破りは、思わぬ方向へと展開をみせる……。十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。 人の欲を見つめて、関八州を経巡る十兵衛がつける、侠客たちへの意外にな始末とは。 ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第九巻。
母が殺されたーーその悲しみの葬儀の席で逮捕連行されたのは、弟だった。 大企業勤務のエリートサラリーマンの父、良妻賢母を絵にかいたような料理上手の母、幼いころから両親の期待を一身に背負い、溺愛されてきた弟、そして彼らのなかで、ひとり除けものであるかのように成長した主人公、葉山和弘。 遺棄死体となって発見された母親の被疑者が弟であったことで、父親は頑なにて弟の無実を信じ、反証を得ようとするのだがーー。
どこまでもリアルな公安捜査の実態! 仮想通貨取引所の社長殺害事件と心不全による連続不審死事件。所轄から本庁に戻った青山は、二つの事件の背後に広がる闇に戦慄する。
あのタカシがいかに氷のキングになったか? 誰にだって忘れられない夏の一日があるよなーー。高校時代のタカシにはたったひとりの兄タケルがいた。スナイパーのような鋭く正確な拳をもつタケルは、みなからボスと慕われ、戦国状態の池袋をまとめていく。だが、そんな兄を悲劇が襲う。タカシが兄の仇を討ち、氷のキングになるまでの特別長編。IWGPシリーズ初の、文庫書き下ろし作品!