出版社 : 新潮社
エリザベスは、テッドの喚き声が忘れられなかった。成功疑いなしの舞台初日前夜、大女優の姉はなぜか追いつめられ、深酔いし、テッドとの婚約を解消しようとした。そして翌朝、彼女の死体がテラス下の中庭にー。エリザベスは検察側証人として、その夜の記憶を失ったテッドと対決することになった。犯人は憎い、でもテッドは好き…。サスペンスの女王が描く華麗で怖ろしい世界。
確かに“狂犬”は狂っていた。女たちの手足を縛り、殺し、犯すことでしか彼は満たされない。しかも“狂犬”はインテリだった。計画は綿密に考え抜かれ、体毛を剃り、コンドームを使った。犯行現場にはただあざ笑うかのようなメッセージだけが残されていた。特別チームを組んだ市警本部の切り札はルーカス警部補。捜査に手段を選ばない辣腕刑事と連続暴行殺人犯の対決を描く長編サスペンス。
色の浅黒いローズと色白のレイチェルは同じ病院で生れた。誕生と同時に両親を亡くしたローズは、貧乏に耐え意地悪な祖母に仕え苦学して弁護士になり、レイチェルは、家族の愛情に包まれて贅沢に育てられ医者になった。情熱的な二人の出生の秘密を握るシルヴィの苦悩。愛の時が流れ、ローズの恋人ブリアンと男に裏切られたレイチェルは、ベトナムの戦地で運命の出会いをした…。
恋人ブリアンからの手紙はローズに届かず消息が絶たれた。九死に一生を得たブリアンとレイチェルは地獄のベトナムから奇跡的に脱出し強い愛の絆で結ばれた。作家となり成功した彼の幸福な結婚に絶望したローズが、過去の卑劣な男の報復で訴えられたレイチェルを弁護するという運命の皮肉。そして出生の秘密を明かすシルヴィ。二人の現代女性の真実の愛と友情を見事に描いた長編。
屋根裏部屋で見つけた催眠術の入門書。泣き虫の弟リトル・エディを実験台に、その恐るべき効果を試す少年ハリーを描くストラウブの「ブルー・ローズ」。マンハッタンを徘徊する悪鬼との対決を綴るバーカーの「魂のゆくえ」。他にも、18名の俊英たちが現代の恐怖を鮮烈に描き出す。『ナイト・フライヤー』『闇の展覧会』と並び称される傑作ホラー・アンソロジー、ついに邦訳版で登場。
1942年、第二次大戦の戦禍の及ばぬアラバマ州の小さな港町に、一隻のUボートが浮上した。沿岸に暮らす16歳の少年ビクターは、不気味な船影に遭遇するが、潜水艦は再び海中に姿を消す。自分を殺しかけた「巨大な黒い化け物」を追跡するうちに、ビクターはナチスの機密計画「カタログ」の存在を知り…。アメリカ南部の美しい自然を背景に、少年の冒険を描く青春小説。
わずか2時間の間に1人は銃弾で、1人は絞殺とその殺害方法こそちがえ2人の最高裁判事が殺された。そのあざやかな手口からプロの殺し屋の仕業にまちがいない。だれがなんのために2人を標的に選んだのか?ロースクールの美人女子大生が書いた事件の摘要書〈ペリカン文書〉が見えない敵の存在をあぶりだす。彼女に危機が迫る…。
輝くような美貌と炎のように激しい気性のスカーレットは、アシュレにいちずに思いを寄せているが、彼は心優しいメラニーと結婚。スカーレットはそれへの腹いせに愛してもいないメラニーの兄と結婚。そして南北戦争では南軍が敗北し、スカーレットはわずか十六歳で未亡人に…。一族を飢えから救うために手段を選ばぬスカーレットを陰に日向に支えるレット。二つの強烈な個性は、互いに反発しあうが、スカーレットの打算から二人は結婚。穏やかな生活が訪れるかと思われたが、愛娘の死を契機に運命は暗転し、レットへの真実の愛に目覚めたとき、レットはスカーレットから去っていった…。南北戦争を背景に展開する一大ロマン。
それは世界一ロマンチックな飛行機だった。第二次大戦の発端となった英仏の対独宣戦の直後、大西洋横断航路の豪華飛行艇パンアメリカン・クリッパーは、ニューヨークを目ざし、サウサンプトンを離水する。だが、同機の機関士エディ・ディーキンは妻を誘拐され、その生命と引換えに不可解な要求を受けていた。さまざまな乗客の思いを乗せて、クリッパーは嵐の大西洋上空を飛ぶ。
クリッパーを不時着させろ!エディはようやく知った。誘拐犯たちは、乗客の一人で護送中の凶悪犯を奪回しようとしているのだ。-母国を離れるイギリス人ファシスト政治家の一家、その娘に恋する逃亡中の宝石泥棒、アメリカ人劇作家と駆け落ちする人妻、それを追ってきた夫、ナチから逃れ亡命するユダヤ人科学者…。彼ら乗客の人生の落ち着く先は、そしてクリッパーの運命は?
極寒のタジク共和国山岳地帯から、必死の脱出行を続ける英国秘密工作員パトリック・ハイドは、ソ連軍用機の撃墜現場に出くわした。なぜかそこには顔見知りのCIA部員の姿も見えた。大がかりな陰謀の目撃者となったハイドは各国情報部の標的となる。孤立無援の彼は、かつて命を救った上司のオーブリーに助けを求めるがー。はち切れんばかりの迫力とサスペンスが溢れる待望の長編。
秘密工作員ハイドは謎の撃墜事件と、もう一つの旅客機墜落事故との関連に気づいた。陰謀の首謀者の手は、各国上層部にまで伸び、英情報組織の長オーブリーも完全に封じ込まれてしまった。彼の姪キャスリンは、罠にかかってFBIから追われる身だ。真相に近づいたハイドを守れるのは、今や彼自身のみ。心身を極限まで酷使するハイドの凄絶な孤軍奮闘ぶりを描く、冒険小説の決定版。
映画撮影中の事故で失明したハリウッドの元音響技師ハーレック。彼の姪のジェイニイが、何者かに誘拐された。彼女はどこにいるのか?犯人からの電話の背後には、電車のブレーキ音や風鈴の音や音楽がかすかに聞こえる。犯人の居場所をたどる唯一の手がかりは、この背後の音のみ。鋭敏な聴覚だけを頼りに、ハーレックが誘拐犯に迫る。シカゴを舞台に展開する異色犯罪ミステリー。
失踪した息子の伝記を作り、自費出版したい-。ゴーストライター・島崎のもとにその話が舞い込んでから、彼は広大な館で残された資料の山と格闘することになった-。年譜、インタビュー、小説中小説、モノローグを組み合わせながら進行する、これは読者への挑戦状。