出版社 : 新潮社
北陸本線で知り合った女は、夫に逃げられたまま新婚旅行中の花嫁だった…。平凡な家庭と多忙な仕事に縛られていた藤家芳行は、誘惑に負けて女と一夜をともにする。藤家の妻、美冴は夫の挙動に不審を抱くとともに、息子や娘の変貌にうろたえる。静かに破壊されてゆく家庭の幸福。美冴は見えざる敵に怯え、その正体を必死に探るのだがー。舞台・TVドラマともなった愛憎の巨編。
一人しかいない、あの女だ…。敵の正体を掴んだ美冴。幸い、向こうには自分が気づいたことは悟られていない。それを利用するのだ。逆手にとって、自分が奪われた家庭のすべてを、あの女の手から奪い返してやるのだー。妻でもなく、母でもない、ひとりの女としての強さに目ざめた美冴は、頼るべき者も持たぬままにたったひとり、知略を尽くした壮絶な復讐に立ち上がった。
エメラルド色の瞳と炎のような赤毛をもつロシア伯爵家の令嬢ゾーヤは、18歳まで何ひとつ不自由なく暮らしていた。しかし革命ですべてを失い、パリへ脱出した時にゾーヤの波瀾の人生は始まった。バレエダンサーとして貧しい生活を送る彼女は、やがてアメリカ人の大尉と熱烈に愛しあうのだが、運命は彼女にさらなる試練を与えるのだったー。ロマンス小説の女王が贈る感動の愛の物語。
イランの最高指導者が死亡し、中東情勢は緊迫の極に陥った。合衆国空軍第45戦術戦闘航空団は急遽、イラン・イラク国境付近のアサンヤ岬基地に配備される。聖戦を誓う強力なイスラム人民軍との絶望的な攻防。F-4Eファントムの辣腕パイロット、ジャック・ロック中尉の計画は〈狼作戦〉と命名されたー。情熱と確執、闘志と諦観の間で戦闘機に生命を賭した猛者たちの死闘を描く。
ニューオルリンズの街角で明日のスターを夢見ながらも、ギャングの金に手を付け、逃亡の身となったサル・ダモーレ。幼いころからビリー・ホリデイを子守歌代わりに育った皮革王の愛娘イザベル。2人が出会ったのは北地中海、リオに向かう客船の上だったー。ピアノ弾きとして雇われたサルと客として乗船していたイザベル。この偶然の邂逅から紡がれる華麗なる運命のタペストリー。
サル・ダモーレと出会い、みるみる才能を開花させたイザベルは瞬く間にスターダムを駆け登る。デビュー・アルバムは世界的なヒットを記録し、グラミー賞の7部門にノミネートされた。しかし授賞式のためL.A.を訪れた2人を待ち受けていたのはサルを追うギャングたちだった。イザベルを守るため単身、死闘の場に向かうサルだったがー。音楽を縦糸に暴力を横糸に描くハード・ロマン。
多国籍軍により日本国は滅亡、しかし世界中の人間が日本人化しはじめ…。「日本国の逆襲」、力士が巨大になりすぎて恐竜化してしまう「大相撲の滅亡」、無期限に旅行を続ける謎のパックツアー「千年観光団」。-日本文化に対するシニカルな諷刺もきいた小林恭二初めての傑作エンタテインメント。
ニッポン国で第1級の教育者と(勝手に)自負する小林教授は、教育モンダイについて考えると(ダレから頼まれたわけでもないのに)夜も眠れません-教師(♂)はいかに教えかつ学ぶか、学生(♀)はいかに自ら立つか、教育は人生モンダイだ、ナドナド。結果、小林教授は自らをめぐる現実モンダイの苦悩を必死で抽象化し、なぜか学生のコトバで教訓話にしてみました。
湯島妻恋町の裏通り、明け方から夕暮れまで日が差さず、お先真っ暗な連中が肩寄せ住まう、人呼んで暗闇小路。その小路に越してきた、いかにもわけありの娘・お春が押し込み強盗に襲われ、伝家の観音像を奪われた。手習いの師匠で糊口する浪人者、島小平は思うところあって、お春の窮状に手を貸す。観音像は誰の手に渡ったのか、また像に隠された秘密とは?波瀾万丈の娯楽時代小説。
室町幕府に抗して滅ぼされた4代目鎌倉公方足利持氏の遺児たちは幕府軍に追われる流浪の身となっていた。下総国の豪族結城氏朝、持朝父子は義によってこのかつての主君の子を擁し、天下に叛旗を翻す。押し寄せる十万余の大軍を相手に、わずか一万の軍勢は果敢に戦い続けた。室町時代中期、関東を揺るがせた大いなる叛乱。戦場に展開するさまざまな人間模様を描く歴史長編。
智佐子の勤める三良旅行社が社運を賭けて企画したグルメツアーは、一流料亭で鮎づくしのフルコース、お泊まりは老舗旅館という豪華版。有名作家夫婦やOL3人組、怪しげなカップルにカヤおばあちゃんまでツアー客で、一騒動ありそうな気配。そのうえグルメにはほど遠い克郎と“夕刊サン”の田丸部長もついてきた。やっぱり殺人が起きて、意外な人が容疑者に…。大好評シリーズ。
巷では川柳こと五七五の万句合が大流行。夢中なのは町人ばかりではないらしい。なんと、どこぞの大名の御隠居までが吉原でネタを仕込んで密かに万句合を投稿しているって?おかげで江戸に居続けで、帰国を促す忠義の家臣にも耳をかさず、御家のことをなんとする。武家に職人、公事師、無宿人と、身分を越えて川柳の取り持つ奇妙な縁で結ばれた人々が繰り広げる文庫書下ろし時代長編。
「赤い旅団」の血を引く極左テロリスト“狐”は、年上の女闘士フランカに激しい情熱を抱いていた。が、そのフランカは自分の目前で当局の手に陥ち、組織は解体する。“狐”は単身、フランカ奪回の機会を狙うが、その耳に〈英国人誘拐〉のニュースが飛び込んできた。イタリア当局は頻発する誘拐事件に眉を顰めるが、追い打ちをかけるように“狐”から一通の不敵な挑戦状が届いた…。
ソ連の2重スパイはもう1人いたのだ、それも上層部にー。英国秘密情報部員ダビナの疑惑は、数年前の工作で逮捕した元部員の2重スパイの尋問によって確信に変った。彼ひとりではなかったのだ。疑心暗鬼となった上層部の妨害とKGBの不穏な動きの中、ダビナは情報部を辞職したと偽装し、独自の調査を開始する。情報戦の中の愛と野望を描く迫真のサスペンス。シリーズ第3作。
クラム・ポンドの畔でバードウォッチングを楽しんでいたフリー・ジャーナリスト、マックは、水底に沈んでいるフォルクスワーゲン・ビートルを発見した。車中にはブラジャーと巻きスカート姿の女の死体。しかもその女はマックが取材する予定の大統領候補と何らかの関わりがあるようなのだ。大統領選をひかえたこの時期、事件はワシントンをスキャンダルの渦に巻きこむのか?
アメリカ中西部の田舎町に持ち上がったオオカミ騒動。オオカミは’40年代に滅びたはずだったが、不可解な家畜の被害が相次いだ。被害の元凶を捕らえるべく依頼されてやって来たのはかつて平原中に知られた狼捕り、老イーガン。一方、弟の仇を討つため町を訪れたトム・マクヴェイも知らず知らずこの騒ぎに巻き込まれていった。雄大なプレーリーを舞台に描くアウトドア・ロマン。
ワシントンの超高級ホテルの一室で、情事中の大統領首席補佐官が急死したー。FBIは極秘調査を進め、大統領も新任の補佐官を選ぶべく早急に準備を始めた。やがて、候補者として三人の名前が新聞紙上を賑わすと、セカンドレディを夢みる妻たちは、虚々実々の駆け引きをし、ホワイトハウスの虚栄をさらけだす。三人の華麗な女性を魅了するワシントンの甘き誘惑を描いたロマンス。
あなたをこれまで決して味わった事のない爽快な体験に案内する、究極の料理小説「薬菜飯店」。不思議な味わいの川端賞受賞作「ヨッパ谷への降下」や懐かしい味わいの「秒読み」、ファミコンの悪魔が子供に憑依する「偽魔王」など傑作短編6編。それに「サラダ記念日」を本歌どりした過激なパロディ短歌「カラダ記念日」を収録。鬼才が腕によりをかけた短編特別メニュー。解説俵万智。
通りがかりの乞食坊主から「死相がでておる」といわれた大坂の半端やくざ鍵屋の熊太は、見立てがまさに的中しかかったのに驚嘆、心機一転観相を学ぶ。髪結に弟子入りしてあらゆる人間の顔を眼前に眺め、五体を観るために風呂屋の下働き、死者の顔を覗くためには火葬場の人足と職を転々-。「黙って坐れば、ぴたりと当たる」と言われた天下第一の観相師の痛快きわまる一代記。