出版社 : 新潮社
離れては寄りそい、寄りそってはまた離れる男女の心の絆ー時には喧嘩し、時には和解し、結婚という長い道程を二人は歩んでいく。遥かな、遠い道程ー。メイプル夫妻という一組の夫婦を主人公に、新婚時代から始まって、20数年後に破局が訪れるまでの二人の心の揺れを繊細に描いた17編の短編集。著者アップダイク自身の結婚生活をもっとも忠実に反映した自伝的作品である。
モスクワ駐在のCIA工作担当官フランクリンの若い妻アンは、夫の本国勤務を渇望している。そんな折り英国外務事務次官の息子ブリンクマンが、MI-6の新米工作員として当地に赴任してきた。フランクリンの再度の単身帰国に疑惑を抱いた野心家ブリンクマンは、アンに接近しCIAの情報=ソ連党中央委員の政治亡命=と彼女の心まで手にしたが…。CIA対MI-6の大作戦。
雪のニューヨーク、衝撃的な記事を書くことで著名な、女性ライターが姿を消した。ブティックを経営するニーヴは、その作家のコートがすべて残されていることからこの失踪に不審を抱き、元市警本部長の父に相談する。一方、彼に逮捕されたマフィアのボスが、復讐のため、ニーヴに対する殺人指令を出したらしい…。米ファッション業界が抱える様々な問題を扱ったサスペンス長編。
米国のスペースシャトル・イントレピッド号を奪えー自国のシャトルのたび重なる失敗に業を煮やしたソ連指導部は、ついに決断した。打ち上げられたイントレピッド号に機長として送り込まれたソ連のスパイ・カプシスキ大佐は、軌道上で乗組員を殺害し、機の乗っ取りには成功するのだがー。スペースシャトルをめぐり米ソ双方が死力を尽くした攻防を展開する。近未来軍事スリラー。
米国は救難用シャトルを打上げ、さらにステルス爆撃機、ハッブル望遠鏡、宇宙戦闘機などを繰り出してイントレピッド号を奪回せんとするが、ソ連も衛星攻撃兵器などで対抗し一歩も譲らない。地上ではホワイトハウスとクレムリンの双方で懸命の対策が立てられていく…。宇宙での対決を縦糸に、地上での双方の策略を横糸に織りなす大スペクタクルが迎える緊迫のクライマックス。
北陸の深い森につつまれた、大矢谷の神官の娘として生れ、ミッションスクールを卒業した三緒子は、都会でのサラリーマンの夫との生活を嫌悪して、故郷に帰る-。その特異な風土の中で、回生をはかる彼女は、異母弟への禁じられた愛に懊悩し、盲目の少年にひかれてゆく…。北陸の神域に棲むという化身はうつし身の女人に、情念の炎を宿させる恋・愛・罪のロマネスク。『沈める寺』に続く北陸を舞台に揺蕩う女心を描く。
心をしばる薬指のかわりに、すべてを断ち切る真っ赤なはさみがほしい。たとえみずから傷つこうとも…。大学卒業後、アナウンサーを目指して東京へ向かうセンリ。神戸を離れられないうしお。発車のベルが鳴り、シンデレラ・エクスプレスがいま、静かに走りはじめた-。デビュー作「夢食い魚のブルー・グッドバイ」に続く待望の第二作。書下ろし「鏡の森で 月夜の晩に」を併録。
大正十年冬、宮崎県日向〈新しき村〉の武者小路実篤の許に美しい女岡田晶が現れた。白樺派文学者たちが見守るなか、実篤、妻房子と晶子、三人の不思議な愛情生活が始まる-。奇才荒俣宏が、白樺派に託して愛と結婚のかたちを問う待望の長編幻想小説。
本書は、情報化時代の花形企業テレビ局、なかでも各テレビ局の顔であるニュース番組の制作現場を取り上げた長編小説である。劈頭、航空機事故のニュースの第一報が、CBAテレビジョン・ニュース社の本部に到着するあわただしい現場の雰囲気から一気に読者はテレビ局の内部へと引きずり込まれていく。
CBAのニュース番組《ナショナル・イヴニング・ニュース》のメイン・キャスター、クローフォード・スローンの家族が何者かの手で誘拐された。犯人側からはなんの反応も要求もない。一体なんのために誰が誘拐したのか?CBAテレビはニュースを報道する義務と人命尊重という二つの立場をどう調整したらいいのか?結局、テレビ局はFBI、警察当局とは違う独自の捜査班を組織し、犯人とニュースを追いはじめる。誘拐事件を軸に展開するテレビ・ニュース界の内幕。
浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする10歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて20年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持ちの揺れをしみじみ描く連作長編。
かつての恋人マリア=ローザを探す風見と、スペイン内戦に参加した日本人の足跡を追う青木。カテドラルの聳える冬のバルセローナに、2人の男の過去が交錯する表題作を始め、戦乱のベイルートに暮らすジャーナリストの憂鬱を描く「ア・フール・オン・ザ・ヒル」、雑誌の記事を頼りに失踪した友人の消息を求める「パロスデームからの旅」など4編を収めたサスペンス短編集。
1963年11月22日、第35代米大統領ジョン・キャシディがダラスで狙撃された。病院に担ぎこまれた彼は、からくも一命をとりとめたものの、次期大統領選出馬を断念。一方、狙撃犯は逮捕され、一件落着かに見えたが、現場で別の不審人物を目撃したFBIのサリバンは独自の調査を開始する…。もしケネディが生きていたらー迫真のディテールで描く、もうひとつの60年代アメリカ。
1967年。第36代大統領ガードナーのもと、ベトナムは泥沼化の様相を呈しはじめていた。新人上院議員として政界に復帰したキャシディは、ベトナムでの戦線拡大を阻止すべく立ち上がろうと決意。一方、なおも暗殺未遂事件の真相を追うサリバンの前に、FBIをも巻き込む巨大な陰謀が立ちふさがる…。岐路に立つアメリカを描く迫真の政治サスペンス巨編、いよいよクライマックス。
「レベル7まで行ったら、戻れない」謎の言葉を残して失踪した少女。腕に「Level7」と書き込まれ、見知らぬマンションで目覚めた男女。レベル7とは何か。少女はどこにいるのか。そして目覚めた男女は誰なのか-。謎が謎を呼び、衝撃の結末へと到る、大型新人会心のサスペンス。
お祖父さんの家の庭に咲いていた小さな赤い薔薇の花。高く、空にむけてのびた梛子の樹の上を吹きぬけていく貿易風。日本からの移民が作ったアロハ・シャツ。星の形をしたジンジャ・ブレッドのお菓子。8倍の双眼鏡の彼方に見える彼女の姿。誰もが頬よせあう島、そこがぼくの故郷。訪れるたびにぼくを様々な表情で迎えてくれる…。ハワイを舞台にした5つのラブ・ストーリー。