出版社 : 新潮社
マダム・ジゼルは死んでいた…。パリからロンドンへ向かう定期旅客便プロミシュース号の後部客席で、なぜか蜂が機内を飛び回った後しばらくして、死体が発見されたのだ。推理作家や伯爵夫人、考古学者父子らと乗り合わせていたポアロが捜査を開始した。魅力的な若い娘ジェインの恋愛は事件に絡んでどう展開するのだろうか?飛行機内という完全密室の謎にポアロの推理が挑む。
歴史小説家である「僕」には、ウィーンで数奇な育ちをしたウチという妻がいる。一方、「僕」の友人で大学でレスリングのコーチをしているセイヴァリンは、ウィーンで知り合ったヤンキー娘のイーディスと結婚した。これら2組のカップルのユーモラスで鮮烈な夫婦交換の物語を通して浮かびあるがる現代人の内面風景とは?『熊を放つ』と『ガープの世界』をつなぐJ・アーヴィング会心の力編。
198X年5月30日、サッカー狂の銀行員ブリュノは〈柔らかい女〉運動の活動家イリスと、お忍びでローマでのヨーロッパ・カップを観戦していた。「そうだよ、パパがテレビに、ママ、本当だよ、パパだッたよ。女の人と一緒だった!」TV生中継のため、ふたりの秘められた恋は、明るみになった。夫ブリュノを信じている妻ソフィーの苦悩…。現代人の新しい恋愛と夫婦の情愛を問う長編小説。
パイオニアズのスーパー・ルーキー、デイモンがついに完全試合を達成。スタンドの熱狂は最高潮ーだがこれは、冴えない中年会計士ヘンリーの頭の中だけにある架空のプロ野球リーグ、ユニバァーサル野球協会の話。まじめ一筋の彼の唯一の趣味が、この精緻きわまる野球ゲームなのだ。しかし、そこで起きた大事件がヘンリーの人生を狂わせはじめる…。愛と優しさに満ちた現代のおとぎ話。
27歳のエリート広告マンと41歳のハンバーガー店売り子ー容姿・年齢・学歴・地位、すべて不釣合な2人が恋に落ちてしまったら…。男は2人の仲を公けにできない自分に嫌悪し、女は将来を絶望する。男はこれまでの建前生活に嫌気がさし、本音で生きる女にますます魅かれる。人が人を愛した時、どこまで相手に正直に誠実になれるかー永遠の主題を新しい感覚で捉えた話題作。
その頃、僕たちはまさしくフィッツジェラルドが創造した“神話”「グレート・ギャツビイ」の世界を実現していた。豪奢な邸宅、絢爛たるパーティ、美しき女性たちとの恋、そして涙…。主人公デスリフとモールトンの周りで夢はかない、やがて圧倒的な幻滅が訪れる。“今”を生きる世代から栄光と輝きの’20年代に贈るオマージュを、魅力的な文体で翻訳したお酒落で哀しい恋愛小説。
すべてはその門から始まった。鹿児島刑務所の門。それを作ったのがオレのじいさんだぁ?そして著者のルーツ探しの旅は、突然幕末サツマの実態へと迫り、西郷さんは来るわ山下清は出るわ、古文書は飛びかうわ刑務所取り壊し反対門前コンサートは開かれるわ…。あらゆるエピソードが時空を越えて融合する、抱腹絶倒の大著。
ここではないどこかへ行きたい方、湯微島行の船に乗りませんか。湯微島は旅人を誘う夢の島ではありませんが、心の中のなつかしいものを呼びさます不思義な島です。子供の頃の無邪気な冒険、青春のやるせない思い、甘く苦く切ない恋、そして誰かの人生の縮図のような物語。現代の民話か、奇想天外なメルヘンか。新しい長編小説の誕生。
新興宗教に凝った社長に代わって新しく老舗の広告会社の社長となった山上は、辣腕を揮って業績を伸ばし業界の制覇を狙う。しかし、右翼業界紙の主宰者である柴木が恐喝で逮捕されると、彼と親しい山上にも嫌疑がかかってきた。社長交替劇の背後には何があったのか?スキャンダルのゆくえは?-現実に大企業のトップにたつ著者が、経営者の内面を赤裸に描く異色の企業小説。
ある日、宇宙から降ってきた“星虫”。額につけた人たちの感覚を増大させ、神の贈り物とさえ呼ばれた“星虫”も、巨大化し不気味に成長するにつれ、人々から拒絶されるようになっていった。宇宙飛行士を夢みる友美、学校で居眠りばかりしている広樹。友美と広樹が最後の“星虫”所持者になったとき、二人の全世界を巻き込んだ冒険が始まった…。第1回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作。
中年の独身画商梨田は、地下鉄の長いエスカレーターを昇っていくとき、降りてくる側に、知り合ったばかりの若い美貌の未亡人を認めて、咄嗟に逆乗りをし、彼女を伴って“台湾民主共和国”準備政府の大統領就任パーティに出席するが…。水際立った発端、スリリングな展開、最上のユーモアとエロティシズム。練達の著者が趣向の限りを尽して国家とは何かを問いかける注目の純文学巨編。
裁判を目前に控えた反対制学者、アレクサンドル・グラノフスキーは自室で声明文の草稿を練っていた。窓外には彼を監視するKGB職員の影が見えている。時刻はずれのしつこいノックにしぶしぶ応えると、訪問者の姿。次の瞬間、グラノフスキーの胸には錆びた異形の鎌が突き立てられた。-凍てついた夜のモスクワに起きた殺人事件。ロストニコフに捜査命令が下った。
深夜、覆面をして、酒に酔った侍に喧嘩をしかけては、髷を切ったり川に投げ込んだりして楽しんでいる男装の女剣士。それは、十六歳の時、浪人者に犯されそうになり、家来を殺された堀真琴の、九年後の姿であった。真琴は、敵討ちを心に誓って剣術の稽古に励んだ結果、剣を使うことが面白くて仕方なくなったのだが…。女剣士の成長の様を、絶妙の筋立てで描く長編時代小説。
都会を捨てた一家が静かな高原で営むペンション〈モーツァルト荘〉。ラジカセのロックで踊り狂い、奇妙な忘れものを残していく若夫婦、駆け落ちカップルを囲む不思議な晩餐会、月夜に前庭で舞う裸婦、そしてクリスマス・イブに化けて出るのは狐?四季折々、訪れる老若男女が起こしていく事件ともいえない波紋の数々-。彼らが奏でる人生の協奏曲を円熟の筆で伝える連作小説集。
昇進したてのパーサーはバイク通勤の過激ギャル、新入りスチュワーデスはワンレン、ボディコンの新人類、さらに地獄の特訓をパスしたばかりの男子客室乗務訓練生が加わって、今日のフライトはロンドン直行便。悪ガキどの客も乗せて、極東航空のジャンボは成田を飛び立った。雲の上では何かが起きる。国際線乗務員の汗と涙をユーモラスに描くご存じ「スチュワーデス物語」特別編。
チーフのカーニー以下、敏腕調査員オバノン、元ボクサーの黒人ヘスリップ、新人ラリーら、DKA=ダン・カーニー探偵事務所の面々が直面した様々な事件ー令嬢を死に追いやった「メイフィールド事件」、ヒッピーのメッカで麻薬売人を追う「ページ通りの張りこみ」、大金と共に消えた男を探す「ペドレッティ事件」などDKAファイルに記された11のケースを集めたハードボイルド短編集。