出版社 : 新潮社
〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永遠の生か、それとも死か?そして又、〔世界の終り〕の街から〈僕〉は脱出できるのか?同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか?
犯罪的な暗い過去を持つ自動車整備工の雪森厚夫(49才)は、病める神経に苦悩している女子大生池端和香子(24才)に愛情を抱きはじめた。1969年1月、彼女はT大生の恋人守屋牧彦の影響で大学紛争に参加、牧彦はT大学を占拠し、機動隊や和香子の父池端教授と戦い敗退した。’69年2月、雪森と和香子は、新幹線爆破事件の容疑者として逮捕された。悪魔的な捏造で引き裂かれる魂を描く。
恐ろしい冤罪に耐える和香子と雪森を救うため、奔走する若き弁護士阿久津純。1969年2月11日の二人のアリバイが立証され、無罪の判決に至るまでに10年近くの年月が流れた。和香子は述懐するー監獄の現実は監視し管理し命令し密告し人間を家畜みたいに取り扱うと。今、和香子は雪森の故郷北海道根室に彼を追う。この土地で二人で生きるために…。人間の魂の救済と愛を描く力作長編。
「ジョン・レノン対火星人」のサインを出されたバッターはいったいどうすればいいのだろか?打つ?一球待つ?その奇妙な三塁コーチャーが死んでしまった現在では、わたしたちには確かめる術がないのであるーというわけで、頭の中がスプラッタしちゃった「すばらしい日本の戦争」を救うべく、T・Oとわたしの奮闘が始まった。世界初の三島賞作家が贈る60年代3部作完結編。
いたるところでブルドーザーがうなりをあげ、ついでに若者の頭の中も工事中だった東京、60年代。サルトルを片手に女の子をくどき、路地裏でチンピラと乱闘、就職試験トレーニングの合い間に火炎ビンを投げていたあの頃。唐十郎、三島由紀夫、安西水丸など数百人の実名オールスター・キャストで、オリンピックと安田講堂の東京を再現する、嵐山光三郎初の自伝的大河青春小説。
結婚したガープは3編の小説を発表し幸福な毎日を送るが、妻ヘレンの浮気に端を発した自動車事故で1人の子供を喪い、ガープ夫妻も重傷を負う。女性に対する暴力をテーマに、傷ついた心と体を癒しつつ書いた小説は全米にセンセーションを巻き起こした。一躍ベストセラー作家となったガープは悲劇的結末への道を歩み出していたー。現代をコミカルに描く、アーヴィングの代表作。
暗殺犯の凶弾を浴び傷を負いながらも、若手上院議員ファロンが行った演説は、全米に深い感動を与えた。再選が危い大統領ベイカーの顧問と、党の長老たちは、一躍マスコミの寵児となったファロンを副大統領候補に大統領選を乗り切ろうと図る。この動きを察知した副大統領イーストマンは、大統領に公然と反旗を翻す一方、ファロンの弱点を探り始めた…。迫真のポリティカル・サスペンス。
副大統領イーストマンの爆弾発言で大統領は苦境に陥った。一方狙撃事件の謎を追うFBIの老捜査官マンクーソは、精神病院にいるファロンの妻を訪ね、清廉潔白とされていた彼の意外な秘密を知らされた。大統領候補指名の党大会を数日後に控え、ファロンをめぐって大統領、副大統領、そして長老政治家たちの思惑が渦巻く…。アメリカ大統領候補選出の舞台裏をリアルに描く長編。
シャトルの事故で片目を失い引退した元宇宙飛行士ドーヴァーのもとに1通の呼び出し状が届く。アメリカの宇宙監視システムが、ソ連の打ち上げた奇妙な物体をキャッチ。その正体を探る極秘任務は、ロシア語堪能で宇宙工学の知識があり、しかも隻眼の人間にしか務まらない…。ソ連秘密基地への潜入工作に始まり、ついには宇宙空間にまで舞台を広げる、波瀾万丈の軍事サスペンス長編。
元警官のウォルシュは度外れた潔癖さが災いして、今は賞金ハンターになっている。マフィアの金を横領して捕まり、保釈中逃亡した元会計士の逮捕を10万ドルで請負った彼は、すぐに会計士を見つけ出し、“仕事は簡単”に思われたがー。会計士の命を狙うマフィア、賞金の横取りを企むもう一人のハンター、そしてFBIに追われて米大陸を横断する2人には、奇妙な友情が芽生えた。
弟子の試合を前に、自らも再起に賭けようとする元チャンピオン。減量にトレーニングに、時間を逆流させるかのような熾烈な自分との闘いが始まる。襲い来る幻覚、繰り返される崩壊のイメージ。果たして彼に再起は可能か。-ボクサーの肉体と精神の闘いを見事に内側から描き、文学として結晶させた話題の長篇。
70年代、一人の青年がアメリカを旅立ち、インド、ネパールを放浪し、日本へやってきた。名前はランサム。京都で空手の修業にはげむ寡黙な彼が求めていたものは何か、その秘められた過去が語るものは…。70年代の若者の精神の漂流、そして宿命を、日本を舞台に描いた、ニュー・ロスト・ジェネレーションの作家の自伝的作品。
1988年、マレーシア領ボルネオ。そこで働く日本人青年、西緑郎は、たまたまその死に立ち会ったチャン老人の遺品を、遺族のアイリーンに届けるはめになる。が、その遺品を血まなこで捜している男たちがいたとは…アイリーンが立ち上がる、「さあ、財宝を探しに行のよ」、その時、玄関の前が追手の車がブレーキの音を立てて停まった-。
暴走する神経回路のパスワードを捜せ!ふとしたきっかけで豹変する病んだ脳髄たち。女性精神科医・南川藍子に忍び寄る影のなかに、まさかのあいつが…。精神病理学、大脳生理学の可能性を極限まで追求、脂の乗り切った逢坂サスペンスの最高峰!
ドイツが入手した日本の最新鋭戦闘機のデータは、まさに驚愕に価した。ほどなく二人の札つきパイロットに極秘指令が下る。ゼロ戦を駆ってベルリンへ飛べ-日米関係が風雲急を告げる昭和十五年、英国情報網をかいくぐって銀翼が乱気流を切り進む…。
元は凄腕の岡っ引、今は版木彫り職人の伊之助。定町回り同心石塚宗平の口説きに負けて、何者かに刺殺された島帰りの男の過去を探るはめに。綿密な捜査を進め、二十五年前の三人組押し込み強盗事件に辿りついた時、彼の前に現れたあまりにも意外な犯人と哀切極まりないその動機ー江戸を流れる河に下町の人々の息づかいを鮮やかに映し出す長編時代ミステリー。シリーズ第三弾。
どんな激戦に臨んでもいつも生きて還ってくるために、臆病者とさえ誤解されながら、なおも生きつづける兵庫源八郎。その細心にして豪胆な戦いぶりに託して、“玉砕”と叫ばれていた太平洋戦争末期に作者の信ずるところを強く打ち出した。〈日本士道記〉シリーズの表題作。かけ遺った恋に衝撃を受けつつも、剣の道を貫く「藤次郎の恋」。ほかに「立春なみだ橋」「豪傑ばやり」など全12編。
腕は抜群だが星まわりの悪いチャーリーは、ついに、国家への反逆者として懲役14年の刑を宣告されるはめとなった。囚人仲間にいびられながら鬱々として刑務所暮らしに耐えるチャーリー。そこへ英国情報部の工作員サンプソンが投獄されてきた。彼はある日、チャーリーに驚くべき計画をうち明けた…。またもやチャーリーの孤独な闘いが始まる。果たして生きのびることは出来るか?
全長10キロの巨大宇宙船が、モハーベ砂漠に不時着した。乗客は26万人の異星人。だが彼らは、より高次の種族によって人為的に創造されたブルーカラー層だった。燃料切れで帰還もままならぬ彼らは、地球人社会で生活しはじめる。3年後ーロサンゼルスの異星人地区で強盗殺人事件が発生。同僚を殺されたロス市警の刑事サイクスは、初の異星人刑事とコンビを組み、捜査を開始した。近未来のロサンゼルスを舞台に、人間と異星人の刑事コンビが活躍するSFアクション。