出版社 : 早川書房
シカゴの囮捜査官ジンボは犯罪組織に潜入し、ついに影のボスと接触した。マフィア壊滅は目前だった。が、その矢先、上司が作戦の中止を伝えてきた。かつてジンボが逮捕した凶悪殺人犯が出所し、彼を狙っているというのだー。捜査のためなら法をも犯す刑事と復讐だけに執念を燃やす殺人鬼の対決の時が迫る。大型新人が緊迫感溢れる筆致で描く男たちの物語。
松方光子は32歳、独身の新聞記者。社会部の第一線を経て、現在は世論調査室主任。煙草と英国の女流本格ミステリを愛好し、デスクの引出しにウィスキーの小瓶を隠し持つ一面もある。ほのかな愛情を寄せていた先輩記者の坂口が定年退職後、姿を消したことに疑問を抱き、調査を始めるが、新興リゾート地で彼女を待ち受けていたのは殺人事件と思いがけない真実だった。等身大の主人公を創造し、ミステリ界に新風を吹き込む気鋭の瑞々しいサスペンス。
港々を渡り歩いて気ままな“海のジプシー”暮らしを楽しんでいたジョン・ロセンデールは、母危篤の知らせを受け、故国イングランドへ向かった。じつは、彼は第28代ストウィ伯爵-没落した伯爵家から4年前に逃げ出した当主であった。彼の出奔は、1枚の絵が原因だった。ヴァン・ゴッホの初期の「ひまわり」。母の所有になるその絵は、逼迫した一族を救えるほどの価値のある傑作だったが、4年前に盗まれていた。疑いは絵の保管場所に入ることができたジョンにかけられた。身に覚えのない彼は、一族の白い目に耐えられず海へと逃げ出したのだった。母の死後、残された唯一の財産は精神薄弱である末の妹ジョージーナのための信託基金だけだった。ところが、それさえもジョンの双子の妹エリザベスが狙っていて、もし非情なエリザベスが後見することになれば、愛するジョージーナはどんな扱いを受けるかわからない。行方不明のヴァン・ゴッホを見つけ、コレクターに譲り渡して、ジョージーナの人生を守る。そう決意した彼だったが、何者かに命を狙われる羽目に…。ストーリーテラーの冒険サスペンス。
ネヴァダ州中南部にあるアメリカ空軍の極秘兵器研究所、ドリームランド。ここで、マクラナハン中佐を責任者として、科学技術の粋を結集した最新鋭機の開発が行なわれていた。その名は、XF-34Aドリームスター。コンピュータとパイロットの頭脳が一体化して飛ぶ、高機動性能を備えた夢の戦闘機である。ドリームスターには、傑出した飛行技術をもつ専属のテスト・パイロットがいた。だが彼は、KGBが送り込んだ長期潜入工作員マラクロフ大佐で、アメリカの軍事機密を本国に送り続けていたのだ。任務実行の機会をうかがっていたマラクロフ大佐は、警備の隙をついてドリームスターに乗り込み、母国に向けて飛び立った。強固な防空網を突破して進むドリームスター。ドリームスターの奪回に執念を燃やすマクラナハン中佐は、パイロットのパウエル大尉と共にチーターに乗り、追撃を開始した。炎の男マクラナハン中佐、その恋人ウェンディ、ドリームランドの司令官エリオット将軍など、『オールド・ドッグ出撃せよ』の登場人物がふたたび活躍。大空を舞台に、最新鋭戦闘機同士の壮絶な空中戦を描く航空冒険小説の最高傑作。
ローダン一行はトルクタンでの作戦で、球状銀河M-87の支配的カーストに属している基地のエンジニアの存在を知った。かれらはM-87を支配する中枢部の設計者の側近だ。もしコンタクトに成功すれば、故郷の銀河への帰還も夢ではない。スコアルから得たデータをもとに、トルク星系から6718光年離れた休暇惑星ゲーギヴァルに潜入したローダンは、ロワ・ダントンやミュータントたちとともにとほうもない作戦を開始した。
太陽系のみならず近傍星系までもイスラム教勢力によって支配されている近未来ー。火星首長国では三十年ぶりに、首長の頭部を切断し、若いクローンの体に接合させる〈打首の儀式〉が行われようとしていた。クローニング技術者ハミード・ジョーンズは、証人としてこの儀式に参列した。ところが手術の最中に、客席にまぎれこんでいた過激派が銃を乱射。ハミード・ジョーンズの目のまえで、首長の頭部は鮮血に染まった。
瀕死の重傷をおった首長を見かぎり、太政大臣と宦官長官はクローンを用いて偽首長の擁立をはかった。偶然この秘密を知ったハミード・ジョーンズは大臣や長官、はては過激派から命を狙われる。そのうえ、砂漠に潜む王位僣称者アル・シャルク、イスラムの盟主を目指すアルファ・ケンタウリの帝王も、ハミード・ジョーンズの持つ情報を得ようと躍起になっていた…。気鋭の作者が壮大なスケールで描く奇想天外なイスラム宇宙。
1830年代、南北戦争前のアメリカ・ヴァージニア州の少年メイスンは、ひょんなことから殺人をおかしてしまった。逃げまわるメイスンが出会ったのは、なんと崇拝する作家エドガー・アラン・ポウ。この奇矯な天才と運命的な出会いが、メイスンを驚異の旅へいざなうことになったー地球内部にひろがる広大な空洞を探険する冒険旅行へと。鬼才が自由奔放な想像力で先達ポウに挑み、SF界の絶賛を博した傑作。
知性ある星々との共生関係こそ、巨大コンピュータ〈計画機械〉の支配から解放された人類の、宇宙進出への足がかりだった。ところが、知性ある星をみずから作ろうとした科学者の実験が失敗。すべてのものを敵視する災厄の星、ローグ・スターが作りだされてしまった。宇宙そのものを破滅に導きかねないローグ・スターを制御するため、人類は知性ある星々に助けを求めるのだが…。〈スター・チャイルド〉三部作ここに完結。
最愛の妻たる美女ヘレネーを誘惑されたことに腹を立てたスパルタ王は、トロイアに宣戦を布告。ふたつの都市の間に、ついに戦いの火蓋が切って落とされた。おりしも、滅亡の予兆のごとき大地震がトロイアの街を襲来。しかも不吉なことに、太陽神の神殿では神の御使いたる大蛇が死んだ。混乱の中で、カッサンドラーは、神々までがトロイアを滅ぼそうとしている夢を見るが…。トロイア戦争に想を得た大叙事詩、堂々の完結。
はたして人類は最初から神に選ばれし者なのか?他の動物が人類にとって代わっていたことはなかったのだろうか…。1億2千万年前、中生代白亜紀の頃、知性珠の力を借り、自分たちの種族の未来をかいま見た恐竜ラウレンティスは、自ら地球の首長となることを拒絶した…。表題作をはじめ、遡時人・時尼との純愛を描いて、第2回SFマガジン読者賞を受賞した「時尼に関する覚え書」など多彩な作品8篇を収録する。
周囲の反対を押し切って、先祖代代敵対するアラデック家の息子と結婚した妹ホリイ。ところが、何者かの扇動による中傷記事によって二人が営む厩舎が窮地に追い込まれてしまった。憎悪に満ちた記事を陰で操る黒幕は誰か?チャンピオン騎手のキット・フィールディングは、妹夫婦の唯一の味方として背後関係を調べ始めるが、やがて彼の身にも魔手がのび始めた。徒手空拳の騎手がマスコミ界を相手に奔走するシリーズ第24弾。
もともと人生が美しいものとは思っていなかった。だが、ドラッグ浸けの毎日がたたり、療養生活を余儀なくされた私に届いた知らせほど、そんな思いを強くさせる現実はなかった。ラテン系のオカマの世界を撮っていた女カメラマンが、麻薬の服用過多で死んだという。しかし、彼女は私の恋人で、麻薬に手を出すことなどありえない。かくて、私、新聞記者ダレノーは闇の彼方の真相を求めて夜のマンハッタンをさまよい始める。新鋭のセンチメンタル・ハードボイルド。
女カメラマン、デニースの死体が見つかった朝、同様に麻薬の服用過多でヒスパニック系のゲイの若者が死んでいた。若者は死ぬ前にエスメラルダという金持ちの女と一緒だった。しかも、デニースの手紙にもその女の名が出てきていた。新聞記者の私は、鍵をにぎる謎の女の行方を追う一方、若者と繋がりのある銀行家一族の中に足を踏み入れていく。チャンドラーの衣鉢を継ぐ新鋭が鮮烈な感性でアメリカ社会の裏側を描く大作。
真夜中にインディアン保留地の砂漠で、セスナが着陸に失敗して大破した。どうやら麻薬を密輸中だったらしい。しかし機の残骸から麻薬は発見されなかった。爆発の直後に何者かが持ち去ったのか?別件の捜査中に事件を目撃したジム・チー巡査は、連邦警察から疑いの目をむけられ、権限外の捜査に踏み出すが…。映画化も決定した全米ベストセラー作家の話題作。
ミドケミアを震憾させたリフトウォーが終結して20年が過ぎた。諸島王国の王弟アルサの双子の息子、ボリクとエアランドも、すでに19歳。平穏な日々をいいことに、二人の王子は、王家の一員としての義務もそっちのけで放蕩三昧の毎日を送っていた。そんなある日、隣国の大ケッシュ帝国から、女帝の誕生祝賀会への招待状をたずさえた使者がやってきた。ケッシュと友好的な関係を結び、同時に息子たちに王子としての自覚を持たせるチャンスとばかりに、アルサは、双子の兄弟を使節として派遣することに決定。王子一行は、意気揚々と砂漠の国ケッシュへと出発した。行く手に恐るべき陰謀が待ち受けているとも知らずに…。壮大なスケールでトールキンの『指輪物語』を越えた評判の〈リフトウォー・サーガ〉の世界を舞台に若き王子たちが繰り広げる幻想冒険活劇、ついに登場。
緑あふれる季節をむかえたヴァーモント-1984年。ニューヨークで大人気のシックな雑誌『カントリー・デイズ』の本社はここにある。人生相談のコラムを連載中のルーシー・スペンサーもここに住み、編集長のヒルドンと愛人関係を続けながら、手紙の最後にいつも「愛している」と書いてきた別れた恋人のことを忘れかねている。この静かな田園を、ある日突然小さなハリケーンが襲った。ルーシーの姪でハリウッドの子役スターであるニコルが、休暇で訪ねてきたのだ。テレビのソープオペラ『情熱の輝き』で有名になった、むずかしい年頃の14歳である。夫の浮気に気づいたヒルドンの妻、ホモの記者、雑誌の内幕を取材にきた女性ライター、ニコルのエージェント、『情熱の輝き』のノヴェライゼーション作家などがいりみだれて始まった、なつかしい1984年の夏の行方は…。ユーモラスにエレガントに、アメリカの時と人々を封じ込めた代表的長篇。