出版社 : 早川書房
数奇なる運命にもてあそばれるかのように〈夏〉の少女ムーンは惑星ティアマットを離れ、〈主導世界〉の中心ー惑星ハレモークへと連れ去られた。だがその地で彼女は、ティアマットをめぐる数々の問題の真相を知り、そしてまた巫子であることの真の意味を教えられたのだ!〈冬の女王〉アリエンロードのつむぎだした不可思議な糸に捕えられた愛するスパークスを取りもどすべく、ムーンはティアマットに帰還した。だが彼女をそこで待て受けてたのは更なる試練の数々であった…アンデルセンの同名の作品をもとに華麗に描きあげられた傑作サイエンス・ファンタジイ巨篇!ヒューゴー賞受賞作品。
冷凍睡眠を使い、光速と比べられる宇宙船の速度を利用し、時間という盾に隠れて逃げつづけてきた永久逃亡犯。そして彼を捕え、火星の永久警察へ連行しようとする永久刑事。二人の乗りこんだ民間宇宙船が救難信号を受信したことから、敵味方であるふたりは難破船の捜索に赴いたのだが…「渇眠」、酸性雨が降りつづく都市で起きた連続殺人事件の謎を追う「酸性雨」、ひとりひとりのパーソナル・コンピュータが人格の一部になっている未来世界を描く「兎の夢」など、星雲賞受賞作家・神林長平の才気をあますところなくつたえる中篇4篇を収録する。
西側安全保障の中枢といわれる情報機関GCHQ(英国政府通信本部)-その一部局に勤務する息子が不慮の死を遂げた。訃報を聞いた父親のフランクは愕然とした。警察の調べでは、息子はアパートの屋上から墜落死したという。が、数日前の息子の言動からすれば、自殺はありえなかった。疑惑を抱いたフランクは密かに調査を開始するが…。次々と現れる謎、そして彼を脅かす黒い圧力。やがて米英ソ3国の苛烈な情報戦の影がちらつき始めた。全英を揺るがせた機密漏洩事件を題材に、一市民の孤独な闘いを不気味なタッチで描くスパイ・サスペンス!
さよならスティーヴ。ベッツィーのこと、よろしくね…とうとうトリシアがいっちゃった。悲しみにくれるスティーヴだけど、最後になにか約束をしてたみたい。きっとトリシアの姉さん、町いちばんの不良娘のベッツィーのことだわ。そういえば、あれからスティーヴはベッツィーにとってもやさしいし、彼女もちょっぴりまじめになったみたい。でも、ジェシカはおかんむり。不良娘と兄さんが仲よしなんて…。またまたなにか、たくらんでるんじゃないかしら。
パーム・スプリングスの別荘から、富豪ワトスンの息子がロールス・ロイスとともに消えた。FBIの捜査もむなしく、事件は迷宮入りとなった。それから17か月もたって、ハリウッド署のシドニー・ブラックプール部長刑事がワトスンに呼び出された。行方不明になった当日、息子がハリウッドのロールス・ロイス販売店に寄ったことが今になってわかった、もう一度ハリウッド署に事件を調べ直してほしいというのだ。警察小説を書かせては並ぶもののないウォンボーが、鮮やかなプロットに深い味わいを添えて贈るミステリ。
1年前、あろうことか、ゴーテは殺人事件をもみ消していた。場所は、彼が一時的に指揮をとるよう命じられたヴィガトポーア警察署。そして、加害者は、ゴーテが敬愛するケルカー副監察長官だった。あまりにも怠惰な警官に腹を立てた長官がインク壷を投げつけたところ、当り所が悪くて相手が死んでしまったのだ。が、目撃者のいないのを幸い、警察の将来のためとゴーテは長官を説得し、溺死に見せかけるため、二人で死体を湖に沈めた。その“溺死”事件に疑問が投げかけられたのは、10カ月後のことだった。水泳の達人だった兄が溺死するはずないという、被害者の妹の訴えがきっかけだった。こうしてゴーテは警察本部長に呼ばれ、査問委員会にかけられることになったのだ。…人間味あふれる東洋の探偵ガネシ・ゴーテが最大の危機を迎える話題のシリーズ最新作!
テフローダーの罠に落ち、捕虜となったグッキー、トロト、ノワールは、ようやく《クレスト3》に帰還した。だがテフローダーはその3人の複製を作ろうとしているのだ。それを阻止すべくロータン一行はデュプリケーター艦の追跡を開始し、ついに艦を捕捉した。そのとき複製を完成したテフローダーたちは、何体もの複製を《クレスト3》に次々と送りこんできた!
木星の第3衛星ガニメデー太陽系最大の衛星に、いま、人類の本格的な植民がはじまる。宇宙船メイフラワー号にガニメデ植民団の一員として乗船したビル・ラーマーは、期待と興奮で胸がいっぱいだった。人口過密と食糧危機にあえぐ地球にとって、ガニメデ植民はその唯一の解決策なのだ。だがメイフラワー号の6千人もの植民団を一度に受け入れるには、ガニメデ植民地はあまりに小さすぎた。ビルの思惑に反してガニメデでの生活は、まず自分の土地を獲得することからはじまった…。ガニメデの厳しい自然環境を舞台に、1人の多感な少年の成長を瑞々しく描きあげる傑作SF!
赤道上を地球の自転と同じ速さで動き、そのため同じ地点の上に永遠に止まっている同期衛星や宇宙ステーション。天体力学の法則によって物体が空に静止していられるものなら、そこからケーブルを地上にたらし、地球と宇宙空間とを結ぶエレベーターができないものだろうか?4万キロにおよぶ〈宇宙エレベーター〉-この壮大な夢を胸に、地球建設公社の技術部長ヴァニーヴァー・モーガンは、赤道上に浮かぶ美しい島国、タブロバニーへとやってきたのだが…。自らの夢の実現に向かって突き進む天才科学者の姿を見事に描く、巨匠クラークのヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞作!
〈十四の滝〉の向こうには何もない。なぜなら、そこが世界の涯てだから。森と河を中心とする、原始的かつ平和な暮らしを営む人々はそう信じていた。少女カイレオールただ一人をのぞいては。世界は〈屏風岩〉で始まり〈十四の滝〉で終わってしまうほどちっぽけなものなの?それじゃ、世界ってどんな形?河はどこへ流れて行くの?いつしかこれらの疑問を抑えきれなくなったカイレオールは、古来の習慣に従って婚約したにもかかわらず、ついに河を下る禁断の旅に出るが…。〈イルスの竪琴〉三部作の著者が五年ぶりに発表したファンタジイ。
眉目秀麗な盲目聾唖の戦士タリオンの超人的剣技。サーカス団の団長フォルタの巧妙な戦術。2人の味方を得たレヴィ王女率いる熱帯の小国センペカは帝国軍百万の猛攻によく耐えていた。しかし圧倒的劣勢は否めず、いまやセンペカに残された希望は悪を破る力を秘めたフォントベラの剣のみ。しかし曲折の後にタリオンの手に帰した神剣は、未だタリオンの支配を受けつけない。かくて神剣を自在に操る術を学ぶべく、タリオンは修行の途につくのだった。訪ねるは霊峰に隠棲する老師スパドゥロス。果たしてセンペカ陥落前にタリオンの修行はなるのか!
ITT(国際テレフォン・アンド・テレポーテイション)94局はきょうも大忙し。目を離したすきに物質転送機にはいって行方不明になってしまった子供の母親からの捜索願い、ターミナルで詰まって実体化できない夫を心配する妻の問い合わせ、転送機で逃亡をはかった美術品泥棒を捉えてほしいという国際警察の依頼などを次々にさばいていくオペレーターだったが…。表題作他、未開惑星ケイトン派出警察署のカスガ警視と助手のビッパの二人組みが、バラバラ殺人事件の謎に挑む「ベター・ハーフ?」など、アイディアあふれる7篇を収録する処女短篇集。
村はずれの呪われた土地で、長年住む人もなく、朽ちはてている石造りの屋敷ウィンターレスト。この屋敷に“よそ者”の買い手が現われてから、村では不思議なことがつぎつぎに起こりはじめた。人びとは幻の嵐や大地震や火事に戸惑い、若い女性は異常な妊娠におびえる。そんなある日、ウィンターレストから村の住民たちにティー・パーティの招待状が届けられ、地獄の家は恐怖の口を開けるのだった!-アメリカ・モダンホラーの第一人者がおくる戦慄のホラー長篇。
英国の情報機関に属するわたしは、CIAのマン少佐と共にサハラ砂漠に派遣された。ソ連の科学者ベークフ教授を亡命させるためだ。教授は西側の科学情報漏洩の秘密を握っていると見られていた。武装ヘリの攻撃をかいくぐり、熱砂の亡命作戦は成功。意外な漏洩ルートの存在が浮かびあがる!巨匠がスパイ衛星時代に生きる現場工作員の姿を鮮烈に描く。
新任の犯罪捜査部長ニムロド・フロストがレストレイドに命じたのは、なんとも不可解な事件の捜査だった。なぜか60歳以上の老人ばかりが次々に殺されていくのだ。ガス灯のロンドンから霧に覆われたコーンウォールの荒地へ、さらには煤煙のたちこめる紡績都市マンチェスターへー。レストレイドは姿なき殺人者を追い、隠密捜査を続ける。はたして殺人者の狙いは何か?やがて、殺された老人たちをつなぐ糸が見えはじめるが…。犯罪とロマンの香り豊かな時代、19世紀末のイギリスを舞台に、レストレイド警部の新たな冒険を描く、著者会心の第2弾。
ええっ、エリザベスが、あの大金持ちのニコラス・モローと、デートですって!ねぇねぇ、それってひょっとして、浮気じゃない?やっだァ、トッドは知らないの?もしもバレたらどうなるのかしら…それに、ニコラスには、ジェシカもすっかりお熱だったじゃない。ジェシカはニコラスのほうも、自分に気があると思いこんでるのよ。たいへん。ジェシカがこのことを知ったら、どうなるかしら?ひょっとしたら、これって、大事件になるかもね。
エイプリル・カイルがパトリシア・アトリイの店を去った!ニューヨークへ出て、パトリシアに事情をきいたスペンサーは、エイプリルを連れ戻そうとして失敗する。彼女はジュリアード音楽院の黒人学生ロバート・ランボウに夢中になっていて、スペンサーの言うことをきこうともしない。ランボウの周辺を洗うと彼は何人もの女たちと行き来していた。女たちの一人ジンジャーの話からしても彼がぽん引きであることは間違いなかった。しかし、なすすべもなくスペンサーはボストンへ戻ってしまう。すると売春婦ジンジャー殺さるの報が入り、今度は本当にエイプリルも姿を消してしまった…。エイプリルの行方を追って巨大な悪に立ち向かうスペンサー。『儀式』の続篇。好調シリーズ第13作!