出版社 : 河出書房新社
30年昔、全国に燃えひろがった学生反乱の夢の記憶…火炎瓶を抱えた走った少女は、のちに瀬戸内寂聴の薫陶を受けながらも、なおひとり世界と対峙し続ける…透明な魂の遍歴を描く記念碑的長編小説。
その時、村は耐えていた。高度成長の足音がちかづく裏で、そのひずみもうまれはじめた’60年代初め、それぞれの道を必死にさぐる女たち。名作『四万十川』シリーズの作者が女の半生と村の運命を描く大作、第二部。
「シュルレアリスム」という言葉を発明し、「エスプリ・ヌーヴォー」(新精神)という用語を先駆的に使った「若き二十世紀」の旗手アポリネールが、秘密出版した小説。愛欲とユーモアに満ち、才気に溢れたラブレー的世界を彷彿とさせる本書は、デスノスやアラゴンの絶賛を浴び、わが国では渋沢龍彦がエロティック文学の最高峰のひとつに推薦している傑作である。
書き下ろし自伝的長編小説。蓮如賞優秀作『薔薇の鬼ごっこ』をしのぐ受賞第一作。気持ちいいこと、命がけ!無法地帯、ドサ・ワールドをゆく、にせ演歌歌手のオリジナル人生。
「あたしの家、幸せにしてくれる?」北鎌倉の旧家に、末娘が連れてきた占い師。あやしい闖入者により、ばらばらだった家族の正月が、思いがけない方向に-17歳にして「魚のように」で坊っちゃん文学賞大賞受賞、全選考委員の絶賛を浴びたみずみずしい才能が放つ、受賞第一作。
とりあえず遠くへ行きたい。行き先は、乗せた女しだい。助手席にやってくる女の子たちとのちぐはぐな旅!?注目の野間文芸新人賞作家が贈るロード・ノベル。
1830年代、夏から秋のプロヴァンスの自然を背景に繰り広げられる軽騎兵アンジェロの愛と冒険の物語。イタリアの祖国独立のために戦うことを自らの使命とする主人公のアンジェロは、亡命先の南仏で、はからずもコレラの大流行のただなかに放りこまれる。人を救うとは何か、愛とは何か、生と死とは何か、自由とは何かについての真実を問いながら、無垢な魂の遍歴が物語られる。詩的な自然描写と小説の楽しさにあふれたジオノの代表作である。
日本を代表するシャーロッキアン小林司、東山あかねが不朽の名作「シャーロック・ホームズ物語」全作品を新たに全訳する。オックスフォード大学版の「注釈・解説」を完訳して付す、初版本のイラスト(ハッチンソン画)全点を復刻掲載、タイトルを「緋色の研究」から「緋色の習作」と改めた。