出版社 : 角川春樹事務所
札幌市郊外の学園都市が謎の爆発を起こし、瀬田寒原野に犬頭状の陥没が現れてから半年余り。今は立入り禁止となっているその周辺で、またも怪事件が発生していた。オカルトライター兼占い師の稲村虹子は、その事件の霊査を依頼され、札幌へ向かうが、彼女を待ち受けていたのは、黒魔術によって三たび目覚め、札幌に向かって首をのばす巨大な犬の顎であった。忌まわしき凶獣は甦るのか!?『魔犬召喚』から『屍食回廊』までの謎がここに明かされる!傑作オカルト・ホラー長篇。
黒いビニール袋に入れられた女性のバラバラ死体が、都内の神社の境内から発見された。頭部と両手部分がないその死体は、被害者の身許すら分からず、事件の長期化を予想させた。そんな中、警視庁捜査一課の部長刑事・瓜生田洋は、遺体に残された手術前痕を手がかりに事件を追い始める。そして、医療事故を取材中だったフリージャーナリストの女性が、失踪しているとの情報が…。さらに病院関係者を追う瓜生田の眼前で第二の殺人が発生した!傑作警察小説。
謎の古代遺跡テグタニオ空間の刺客であり、娘であるチュリアと対峙したはずのレインは、なぜかその後の記憶もなく、1991年のアメリカの独房で目を覚ました。精神異常の無差別殺人犯として拘留されているレイン。西暦2500年の未来世界での壮絶な戦いは、すべてレインの妄想だったのか?圧倒的スケールで迫る、シリーズ最終作、堂々の完結。
現世に這い出てくる妖や邪神を斥ける斬神斬妖の一族。その末裔に生まれながら、未熟さ故に虐げられていた少年ー捨那は、『鬼の力』を得る為に、唯一心を許せる真凪とともに伝承に残された「鬼姫」のもとへ向かう。だが、戦鬼となった代わりに捨那が払った代償はあまりに大きなものだった。もはや捨那に振り返る故郷はない。現代の闇に闘うモノどもを流麗な筆致で描くダークアクション登場。
不幸なファーストコンタクトから、那国文明圏とエキドナ文明は交戦状態に陥った。千年単位での技術格差によって、那国は圧倒的優勢のまま王都ルゴフを制圧。ここにエキドナ文明ルゴフ王国は陥落した。しかし、コミュニケーション手段として投入した翻訳機が誤訳の嵐で、交渉すら頓挫していた。そのころ筆頭教授マーサは、遺跡から発掘された遺体が、我々人類とほぼ同じ遺伝子パターンを持つことを発見する。大好評シリーズ待望の第二弾。
今から五年前、日本全土を襲った大地震。誰もが“感じた”地震だったが、不思議なことに何も被害はなかった。幻覚地震と呼ばれるその地震の後、今まで目に見えなかったものが、日本各地に出現するようになる。魔物、妖怪、物の怪などが現実の世界に現れたのだ。あるものは、徒党を組んで人を襲い、あるものは、人に憑依して人肉を喰らう。妖怪と人間の怪異な世界を描く、書き下ろし長篇スプラッター・ホラー。
反粒子工学の権威バリー博士が家族とともに誘拐された。誘拐犯のルーバルはバリーの娘リーに体内爆弾を仕掛け、強大なエネルギーをもたらす謎のテグタニオ空間を操るために力を貸すことを迫る。バリーは高いサイ能力を持つレインに助けを求めるのだが…。発表当時、話題となった作品を全面改稿し、新たにシリーズ化した期待のスペース・アドベンチャー第一弾。
大手航空会社で「空の女」を夢見ていた夏川伊吹がかろうじて就職できたのは、地元の弱小ヘリ会社「ジュエルボックス・ナビゲイター」社。そこで待っていたのは地べた九割・空一割の雑用の日々だった!果たして伊吹の空への憧れはかなう日は来るのだろうか?『イカロスの誕生日』で話題を読んだ新鋭SF作家、小川一水が書くヘリコプター冒険小説、書き下ろし。
受験に失敗した従兄弟を励まそうとメールを書いている涼子の眼前に、当の渉がCRTから出現!一体、渉に何が起こっているの!?それは二人が正月に経験した神儀を契機とした、蛇神と巫の不思議な物語の始まりだった…。渉と涼子は、秘せられし神、言織比売を見出せるか?妹尾ゆふ子が巧みな筆致で、世紀末に舞う古き神々を描いた現代SFファンタジー、書き下ろし。
数百年前に那国文明圏が放った無人恒星間探査船が、後にエキドナ文明と命名される異星文明を発見した。合同調査隊は、産業革命後の文明を持った人類型異星人を発見する。しかも衛星ラミアには、彼らの技術水準では不可能な核融合炉、大規模マスドライバーなどの遺跡が存在していたのだ。そんななか、合同調査隊の帝都エクスカーナ代表部は、独自の極秘計画を発動する…。気鋭の作家が贈る新生ハードSFここに開幕。
大和国郡山藩の馬廻りの滝河克蔵が、赤羽橋附近で二人の刺客に襲われた。克蔵の剣術で一人は仕留めたものの、一人は素性も判らぬまま逃亡した。一方、三日市藩内で田畑を搾取されたという直訴状が、将軍家斉に届けられた。その裏探索の密命を受けた武田哲太郎と近藤輝之進は、意外にも滝河を狙った刺客が、三日市藩の徒士目付であることを知る。だが、双方の事件を探る二人に、次々と追手が襲いかかり…。書き下ろし時代長篇。
家庭でも職場でも今ひとつ冴えない野瀬真作は、準大手ゼネコン・樋田建設泉山営業所の次長だ。その真作へ思ってもみない大仕事が舞い込んで来た。泉山市の「コスモポリス計画」に樋田建設が取引先として指名されたのだ。真作は、市役所秘書室の桃原という男の言うまま、裏工作資金を会社から引きだしたが…。詐欺師に騙された窓際会社員の運命は!?気鋭・山本甲士が贈る、書き下ろし意欲作。