出版社 : 講談社
カザルムへ行幸し、エリンとリランの絆を知った真王は、エリンを王都の王獣保護場へと誘う。禁じられたはずの幼獣の誕生を喜ぶ彼女に、エリンは疑問を抱く。人と獣が触れあってはならないという規範を定めたのは代々の真王なのだ。王都への帰途についた真王を、突如闘蛇軍が襲う。真王を救うためには、母の一族が命を懸けて秘してきた技を使い、リランを争いの道具とするしかない。惨劇を目の前に、エリンは決断を迫られる。
四代将軍家綱の死去。宮家擁立に失敗した家綱の寵臣大老酒井忠清は権力の座から滑り落ちる。代わって台頭したのが、館林公綱吉を擁立した堀田正俊。加賀前田家には頭の痛い問題があった。不祥事で放逐した留守居役の小沢が事もあろうに堀田家に抱えられている。繋ぎのできるのは、新米留守居役の数馬だけ。藩の命運を懸けた高度な交渉に数馬が挑む。そして、失意の大老酒井は再逆転を狙い伊賀者に秘策を命ずる。百万石、危うし。 第一章 将軍の葬儀 第二章 殉ずる形 第三章 走狗の夢 第四章 見習い同士 第五章 大老最後の策
博多の豪商島井宗室に物資を託され、村上海賊の跋扈する瀬戸内海を進む弥八。危機を救ってくれた毛利輝元に拾われ、評定飯を拵える大役を任された弥八に、山中にいながら鯛を使った昼餉を作れとの無理難題が降りかかる。飯で忠義を立て、下剋上の世を成り上がった男を描く文庫書下ろし戦国エンタメ第二弾。
妹を殺したストーカーに不法に情報を与えた探偵はどこに潜むのか?「対探偵課探偵」紗崎玲奈は、レイプ犯の部屋に忍び込みその手がかりを見つける。妹の仇は絶対にとる、と誓う玲奈は、憎き探偵を「死神」と名付け、その影を追う。知力と情報力で争う現代の探偵を活写する革命的探偵小説、第2巻。
三十五歳になるシングルマザーのさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった。表題作「九年前の祈り」他、四作を収録。
東京で三年ぶりに再会した、故郷の俊才の変わり果てた姿「その言葉を」。他人の怒りと攻撃性を誘発せずにはおかない、風変わりな先輩との四年間「暴力の舟」。父の葬式で一堂に会した親族たちの、幼い頃は窺い知れなかったそれぞれの事情「三つ目の鯰」。七〇年代の青春の一光景を映し出す、瑞々しい初期中篇三作。
1975年以降に発表された名作を5年単位で厳選する全8巻シリーズ第2弾。現代小説は40年間で如何なる変貌を遂げてきたのかーー
二世紀末、後漢王朝が崩壊する。群雄割拠の時代、魏、蜀、呉は「三国時代」に突入。千年の時を経て、膨大な「三国志」物語群、資料を整理・編纂。さらに、史実と虚構を巧緻に交錯させ成立した、驚異の物語世界『三国志演義』。本巻は、諸葛亮「出師の表」奏上、魏攻略戦と諸葛亮の死、そして蜀、魏、呉が滅亡、天下は晋に統一される。一大巨編の最終巻。
小学校で出会った少年との約束ープロ野球選手になる。中学時代に身につけたシンカーを武器に、高校野球の世界に殴り込み。待っていたのは、公式戦にも出られない、マネージャー兼任の日々だった…。鳥海真琴、男子プロのマウンドに立つ初の女子投手。少女はいかにして「現実」を乗り越えていったのか?今日、プロ野球の歴史が変わる!全力で紡がれる感動の長編小説。
過去から断ち切られ、混迷の時代を生きる「父」なき世代の屈折した心情を詩情豊かに描く傑作。確固とした支えを持たない語り手の「私」は、自らの源を求めて過去をさかのぼり、夢とも現実ともつかない父を執拗に追い求める。いかがわしい仲間に出入りする人生の落伍者である「父」を優しく見守りつづけ、共にその人生を歩もうと試みる。つかの間のやすらぎをもとめ、二人の故郷喪失者はパリの夜を中古車に乗って徘徊する・・・・・
大ベストセラー『原発ホワイトアウト』を凌ぐディテールと迫力!! キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル、最新作! 「原発再稼働」が既定路線のように進む日本……しかし、その裏には真っ黒な陰謀が渦巻いていた! いったん「原発再稼働」を認めれば、「発送電分離」は不可能となる……そのカラクリを暴いていくと驚愕の真実にぶち当たった……そう、「原発再稼働」で殺されるのは、大都市の住民だったのだ!! 大ベストセラー『原発ホワイトアウト』を凌ぐディテールと迫力!! キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル、最新作! 「原発再稼働」が既定路線のように進む日本……しかし、その裏には真っ黒な陰謀が渦巻いていた! いったん「原発再稼働」を認めれば、「発送電分離」は不可能となる……そのカラクリを暴いていくと驚愕の真実にぶち当たった……そう、「原発再稼働」で殺されるのは、大都市の住民だったのだ!! 自分の家族の命と財産を守るため、全日本人必読の書! 第1章 避難計画の罠 第2章 洗脳作業 第3章 電力迎賓館 第4章 発送電分離の闇 第5章 天皇と首相夫人と原発と 第6章 再稼働に隠された裏取引 第7章 メルトダウン再び 第8章 五〇人の決死隊 第9章 黒い雪 第10章 政治家と官僚のエクソダス 第11章 無法平野 第12章 裏切りの国政選挙 終 章 東京ブラックアウト
京都で起こる奇怪な連続殺人事件。目撃証言によれば、それぞれの現場から走り去った犯人は般若や鬼だったという。事件の背後に浮かび上がる、帰らぬ夫を待ち焦がれ川に身を投げた橋姫の伝説ー。同じころ、霊力の強い水を手に入れるため、貴船に向かっていた辻曲姉妹たちは新たな殺人事件に行く手を阻まれる。さらに、清浄なはずの貴船の流れが穢れていることに気づく…。
国分寺の古い洋館で火災が発生。鎮火した現場から発見されたのは“Wunderkammer”と名付けられた奇妙な隠し部屋。そこには、住人の蒐集品と思しき品々が置かれ、白骨遺体が横たえられていた。その後の調査で、一体と思われた人骨が、実は男性の頭部と女性の胴体を組み合わせたものだと判明する。誰の遺体なのか?残りの部分はどこへ消えたのか?刑事・如月塔子と十一係のメンバーは捜査を開始する。警察ミステリ新機軸!
ムーミンの作者として知られるトーベ・ヤンソンの評伝決定版。 トーベが遺した日記、手紙、メモなどを、生前に親交のあった研究者ボエル・ウェスティンが丹念に読み解き、ムーミンの物語、一般小説、絵画との関係にも言及しながら、その人物像に迫ってゆく。 フィンランドの大自然と激動の時代背景のなかで、仕事と愛を胸に、何よりも自分に正直に生きることを貫いたトーベ。86年間の人生は、突き進む激しさと、止むことのない好奇心と、小さきものたちを慈しむ愛情にあふれていた。
5年前に起きた失踪事件のタレコミがあった。現役刑事が容疑者になり殺人犯捜査係が当たったが、有力な手掛かりがなく捜査は終了していたー。傍若無人に周りを引っ掻き回す女性刑事が、未解決事件を洗いなおす!乱歩賞作家の、エンタテインメント警察ミステリー。
慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。天下分け目の大戦ーー関ヶ原の戦いが勃発。--なぜ、勝てたのかーー東軍伊東潤(徳川家康)天野純希(織田有楽斎)吉川永青(可児才蔵)--負ける戦だったのかーー西軍葉室麟(石田三成)上田秀人(宇喜多秀家)矢野隆(島津義弘)--そして、両軍の運命を握る男ーー冲方丁(小早川秀秋)当代の人気作家七人が参陣。日本史上最大の決戦を、男たちが熱く描いた「競作長編」。 慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。 天下分け目の大戦ーー関ヶ原の戦いが勃発。 ーーなぜ、勝てたのかーー 東軍 伊東潤(徳川家康) 天野純希(織田有楽斎) 吉川永青(可児才蔵) ーー負ける戦だったのかーー 西軍 葉室麟(石田三成) 上田秀人(宇喜多秀家) 矢野隆(島津義弘) ーーそして、両軍の運命を握る男ーー 冲方丁(小早川秀秋) 当代の人気作家7人が参陣。 日本史上最大の決戦を、男たちが熱く描いた「競作長編」。 「人を致して」 伊東潤 「笹を噛ませよ」 吉川永青 「有楽斎の城」 天野純希 「無為秀家」 上田秀人 「丸に十文字」 矢野隆 「真紅の米」 冲方丁 「孤狼なり」 葉室麟
私が出会った、まるで記憶の中の自らの顔を見ているかのような瓜二つの男。チョコレート工場で働くその男の家族の物語は、やがて時も空間も自由に超えて、目眩くチョコレートの世界史へと接続するー各紙誌に「物語ることの限界に挑み、小説の未知なる可能性を示した」と絶賛された、芥川賞作家の傑作!