出版社 : 講談社
生まれつき白い髪を持つ少年・マルクは、村で迫害され、百年に一度の“盟約の日”に、異界に棲まう邪神にその身を捧げることを宿命づけられていたー。盟約の日を迎えたマルクは、邪神・ネロディアスと出会う。恐ろしき異形の怪物を前に戦慄するマルクだがー。『来たか…人の子よ。百年前は盟約が破られた故、我は怒りに満ちておるぞ』「ひっ…!」『ささ、座るがよいニンゲンよ。二百年も間が開いてしまった故、すっかり退屈しておったぞ!何をして遊ぶ?』「あの、僕を食べるんじゃ…」『何それ、怖…』種族を超えた友情を描くファンタジーシリーズ開幕!
セイラス王国第三王子レオカディオの誕生祝賀会で、事件は起きた。 コルテス子爵家の長女で、絶世の美女アマーリアとの婚約が発表されるはずが、 祝賀会の場で出会った賓客ーー隣国の王子と運命の恋に落ちてしまったのだ。 子爵家の次女である私、プリシラは考えた。 その場を取り繕うには、方法は一つーー。 「こうなっては致し方ない。私の婚約者になってもらう」 「やっぱり」 「やっぱり、とはなんだ」 『婚約者の妹』から『婚約者』へと立場が急変したプリシラだが、前途は多難でーー!
──光溢れる世界の夢を見る。 家族。学校。友達。電車。バス。映画。本。 『私』は光の世界で成長し……最後に白い部屋の中で、闇に包まれた。 夢から覚めると、魔界と呼ばれる世界で小さな一体の悪魔になっていた。 「──帰りたい──」 『私』の心に広がるのは、夢で見た光の世界への憧れ。 そしてある日、目の前に現れた『召喚門』に飛び込む。 再び『私』が目を覚ますと、人間の赤ん坊として生まれていた。 そこは神聖王国。「帰りたい」と願った世界とは異なる人間の世界。 悪魔でありながら、赤ん坊の力しかない『私』は恐怖する。 自分が悪魔だということは隠し通さなければ───……。
ウォーレン王国のハミル侯爵家に生まれた双子の妹・ナーサディアは、生まれつき顔に大きな刻印があるというだけで幼い頃から両親によるネグレクトを受け続けていた。幽閉された塔の中でただ過ぎ去っていく毎日。ハミル侯爵家のため“道具”として生かされる人生。感情さえ無くなりかけていたナーサディアだったが、そんなナーサディアの元をある日カレアム帝国皇子のティミスが訪ねてきてー?自身の正体が『宝石姫』だと知った一人の少女が真実の愛と幸せをつかむまでの異世界ラブストーリー、ここに開幕!
その怪物が日本を変える。「スサノオ」と呼ばれたカリスマ政治家がテロに遭った。その伝記を制作する芸術家(アーティスト)は、一つの「恋愛」の行方を追って、黄泉の世界へ潜っていくーー。〈異形の伝記〉が完成するとき、現代日本の運命が変わる!ポピュリズムの時代に新たな神話を降臨させる、怪物的長篇1001枚。 エックスデーからの30年、この国は何を失ったのか?バブル崩壊後に政界入りし、美貌と弁舌で支持を集めた二世政治家・大沢光延は、将来の首相と目されながらテロリストの兇刃にかかる。彼の生涯を伝説化しようとする芸術家・河原真古登が、出発点に見出したのは、一人の巫女との「運命の恋」だったーー。 昭和の終焉からコロナ下の令和、幕末日本へ。芸術家からテロリスト、野生の巫女へ。スイングする「語り」が生み出す、予測不能の展開! アニメ版「平家物語」の原作者が、この時代〈の、すべて〉に挑む長篇絵巻。
累計50万部突破、大人気「猫弁」シリーズ最新作! 冴えない容貌、天才的な頭脳……自分のことは後回しで人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。 婚約者である大福亜子と同居中で、幸せをかみしめている。 猫がらみの脅迫事件の依頼を受けて調査中、未成年者略取の疑いをかけられて留置場に! 当番弁護士の、「透明人間」こと沢村透明以外との面会を断り、事件については黙秘を貫く百瀬。 警察から連絡ももらえず蚊帳の外に置かれた亜子は、百瀬を信じ切れるのか。 振り切った亜子がとった行動とは。 沢村透明のもとに武者修行に出ていた縁から一緒に百瀬のために奔走する直は、そのなかで自らの進む道を見つける。 七重と野呂は相変わらずの賑やかさで百瀬を信じ、支え、事務所を守っている。 百瀬は留置場でも法律相談会を開いている。 そして自らの過去を振り返る。 【百瀬太郎】という人間は、どうやって形成されたのかーー「猫弁エピソード0」とも言える作品です。 今まで「猫弁」を読んだことがない人でも大丈夫! 今作からでもお楽しみいただける、そんな優しくあたたかい作品です。
第17回小説現代長編新人賞受賞作 受賞時高校三年生。現在大学一回生。 選考委員絶賛! 一つずつの感情を丁寧に掬い上げて、かつ容赦なく紡いである。 --朝井まかて 最後の場面に、時を超えて自分の中学生時代を思い出しました。 --中島京子 若さの身勝手さ、残酷さ、幼さゆえの気取りまでをストレートに描ききっている。 --凪良ゆう 思想があると感じさせられる。 --宮内悠介 この物語には、心に突き刺さる得難いセンスがある。 --薬丸岳 青春の輝きとそこにのびる影、苦み 「特別になりたい」「ルールを破りたい」少女たちの卒業までの日々が、始まった。 あらすじ 「特別になりたい」と願う中学生の若菜は、日々、バレー部での練習に明け暮れていた。しかし三年生になると、顧問の異動によってチームは大きく動揺してしまう。若菜の「ある提案」によって落ち着きを取り戻したチームは、最後の大会へ向かうのだがーー。 夏から、少女たちは「それぞれの最終学年」に直面することになった。学業優秀な真希、学校を休み続ける愛美、裏と表をうまく使い分ける桜、ルールから逸脱することができないくるみ。部活というつながりを失った少女たちが隠してきた本心、我慢してきた関係性。少女たちの卒業までの日々が、始まった。
★★★ミステリ、ど真ん中。★★★ 最初から最後までずっと「面白い!」至高のミステリー体験。 閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。 愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。 残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。 そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。 ーー私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。
百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作長編がついに! 殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。 消えた三つの他殺体を追う刑事。 妖光に翻弄される学僧。 失踪者を追い求める探偵。 死者の声を聞くために訪れた女。 そして見え隠れする公安の影。 発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、 縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。 シリーズ最新作。
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。妖光に翻弄される学僧。失踪者を追い求める探偵。死者の声を聞くために訪れた女。そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、縺れ合いキメラの如き様相を示す“化け物の幽霊”を祓えるか。『姑獲鳥の夏』から30年ーついに顕現、「京極小説」最新大巨編!
「今日もまた アレ・コレ・ソレで 日が暮れて」「何度目だ? 同じ映画が 新鮮だ」 認知症が心配になるほどのもの忘れ、墓じまいをめぐる親戚騒動、定年後の夫とのうんざりする暮らし。 問題解決を試みるも頭は回らず、集中力は続かず、あまつさえ膝に水まで溜まる始末。 それでも明日はやって来る。それどころか明後日も。思ったよりも人生長い。それならばーー 頭と体はガタだらけ。失われゆく記憶、気力、体力。簡単に決壊する涙腺と堪忍袋。 でも心と知恵と経験なら、たっぷりある。 60代〜アラ100男女7人が笑い、泣き、困惑し、挑戦する! 人生100年時代の新・シニア像を描く書き下ろし7編 もの忘れ(浅野拓三・68歳) 墓じまい(神楽一夫・72歳) ウォーキング(宮戸千鶴・66歳) 遺影用(岡慎平・68歳) まちの小さな本屋(福禄初子・80歳) いぢわる(一条ヒサ・73歳) 上にサバ(土谷早苗・98歳)
小学生の夏休みに霊が「視える」ようになった鈴。 初めて視たのは、赤い服を着た爪のない不気味な女の霊。怖い、怖い、怖いーー。 怯える鈴を救ったのは、祖母がくれた「オイサメサン」の指輪だった。 だが9年後のある日、バイト先のファミレスで「祓える」男に出会う。 彼はオイサメサンは詐欺師だと吐き捨てた。 オイサメサンは、詐欺師なんかじゃない。 しかし、赤い女は9年経った今でも鈴のことを追いかけていた。 鈴はある殺人事件に巻き込まれ、予想もしない運命に呑まれていく。 映画『スイート・マイホーム』で話題! 注目のホラー作家、躍進!
乗っ取り事件の犯人捜しを通して、徐々に心を通わせていくセイディとルーファス。 焦りを覚えたジェラルドは、強引にセイディに結婚を迫るーー 一方でセイディは、今も身体を乗っ取られている仲間を救うため、とある作戦を実行。 しかしそこで、誰も予想していなかった「入れ替わり」が起こってしまいーー? ****** 「俺は死ぬまで、セイディしか好きになれないんだと思う」 幼い頃から変わらない想いを胸に、セイディを支えるルーファス。 「お願いだから、僕を選んで。結婚しよう?」 セイディに執着するあまり、暴走するジェラルド。 ふたりの青年からの求愛と、事件の首謀者・メイベルの陰謀の狭間で揺れる セイディの運命はーー!? 物語は怒涛の展開から、感動のフィナーレへ!
「僕は医師から余命一年と言われているから、結婚までは持たないと思う。」 ある日、オークリッジ伯爵家の養子の少女エディスのもとに、グランヴェル侯爵家の長男ライオネルとの縁談が舞い込んできた。 本来この縁談はエディスの義姉のダリアに持ち掛けられたものだったが、余命も少なく病弱な見た目のライオネルを見たダリアが両親に懇願し、自分の身代わりとしてエディスを縁談相手に仕立て上げたものだった。 義姉のダリアも義父母の叔父夫婦も、誰もライオネルの回復を信じていない。 そんな中で、エディスだけが誠実な性格のライオネルの回復を信じ、婚約者として彼を献身的に支え始める。 すると徐々に奇跡的な回復をみせる彼は元の美しい姿を取り戻し始め、エディスのことをすっかり溺愛するようになり……? 一つの余命宣告から始まる二人のハッピーエンドラブストーリー、ここに開幕!
イオリは現代日本にてコミュ障をこじらせて死んだ。 やっと人付き合いしなくてすむ。やったー! ……と思ったのも束の間。 彼女は神様の手違いで、また人間として異世界で生きるハメに! お詫びとしてチート能力を授けられ、イヤイヤ転生。 人が滅多に来ない砂漠でなんだかんだ悠々自適なスローライフをしていたところ、 無駄にキラキラしたイケメン集団が現れた! しかも彼らは、イオリの力が必要だと言って……!? 果たしてコミュニケーションはとれるのか!?(とれません) コミュ障のままでも、環境が変わればなんとかなることもあるーー。 これは、そんなコミュ障の物語。
あらゆるものがダンジョンモンスターからドロップされる世界に転移した佐藤亮太。レベル上限は1ながらも、ドロップSというユニークスキルでステータスを上限まで上げ、さらには大事な仲間たちーリョータファミリーのステータス底上げも行っていた。ダンジョンの精霊も続々ファミリー入りする中、リョータに持ち込まれる事件も増えていた。そんな中、昔からリョータを高く買っていたネプチューンファミリーとともにある事件を調査することにー!アニメにコミックに大活躍!レベルは1、だけどユニークスキルで最強です!
江戸川乱歩賞受賞第一作 2022年のミステリーランキングを席巻したZ世代のアガサ・クリスティーが描く哀しき連鎖殺人 「私たちが絆を断った日、島は赤く染まった。」 復讐を誓う男がたどり着いた熊本県の孤島(クローズドアイランド)で目にしたのは、仇(かたき)の死体だった。 さらに第二、第三の殺人が起き、「第一発見者」が決まって襲われるーー。 2020年8月4日。島原湾に浮かぶ孤島、徒島(あだしま)にある海上コテージに集まった8人の男女。その一人、樋藤清嗣(ひとうきよつぐ)は自分以外の客を全員殺すつもりでいた。先輩の無念を晴らすためーー。しかし、計画を実行する間際になってその殺意は鈍り始める。「本当にこいつらは殺されるほどひどいやつらなのか?」樋藤が逡巡していると滞在初日の夜、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見された。樋藤が衝撃を受けていると、たてつづけに第二第三の殺人が起きてしまう。しかも、殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていた。 そして、この惨劇は「もう一つの事件」の序章に過ぎなかったーー。
あ、また時間に捕まえられる、と思った。 捕まえられるままに、しておいた。 小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。 カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、 半世紀ほどの後、東京で再会した。 積み重なった時間、経験、恋の思い出。 それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。 じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。
第69回江戸川乱歩賞受賞作。 『名探偵コナン』『電脳コイル』『特命係長 只野仁』『特捜9』など数多くのテレビドラマ、アニメを手がけてきた、大ベテラン脚本家が、江戸川乱歩賞を受賞! 歴史に埋もれた鳥たちが、いま羽ばたく。 大正十三(1924)年七月、鳥取県鳥取市──。 主人公の田中古代子は、女性の地位向上を目指し「新しい女」の潮流を訴える女流作家である。本格的に作家として活動するため、娘の千鳥と内縁の夫・涌島義博の三人で、鳥取から東京に引っ越しをする予定を立てていた。移住直前のある日、古代子は千鳥と共に、活動写真「兇賊ジゴマ」を観るために鳥取市内の劇場「鳥取座」に向かう。ところが観劇中、場内で火事が発生。取り残された古代子と千鳥が目にしたのは、煙につつまれる舞台上に立つ「本物」の「兇賊ジゴマ」であった。逃げようとする二人の目の前で、ジゴマはひとりの男を刺殺し、逃亡する。命からがら鳥取県気高郡浜村の自宅に逃げ帰った古代子と千鳥であったが、一息つく暇もなく、再び謎の人物に襲われるのだった。 果たしてこの世の中に、本物のジゴマなどいるものだろうか……? 謎は思いがけない事態へと発展していく。 鳥取出身の実在の作家・田中古代子をモデルに、友人の女流作家・尾崎翠や鳥取に流れてきた過激アナキスト集団「露亜党」、関東大震災など、大正期を鮮やかに描く歴史活劇ミステリー!