出版社 : 講談社
双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、“老害五重奏”は絶好調。「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。
孤島に聳えるオメガ城への招待に応じた六人の天才と一人の雑誌記者。そこには、サイカワ・ソウヘイも含まれていた。彼らが城へやってきた理由は、ただ一つ。招待状に記された「マガタ・シキ」の名前だった。島へ渡るには、一日一便の連絡船を利用。帰りは、あらかじめ船を呼ぶ必要がある閉じた空間。執事すら主催者の顔を知らず、招待の意図は誰にもわからない。謎が多い中での晩餐を、しかし七人は大いに楽しんだ。そして、深夜。高い叫び声のような音が響き、城は惨劇の場と化した。
フランスの科学雑誌記者ミヤチ・ノエミは、編集長に届いた招待状を携えてオメガ城へ向かった。招待状の差出人は、MAGATA Shiki。歴史に残る天才で犯罪者。もし本当に彼女に会えるのなら…。オメガ城のある島へ渡る連絡船に乗るため前夜から港近くに宿泊したノエミは、そこでサイカワ・ソウヘイと出会う。彼もまたオメガ城の招待客だった。城では執事が七人の参加者を出迎えた。和やかな時間、知的な会話。だが深夜、城内に叫び声が響き、惨劇の幕が上がった。
イレギュラーで発生した二つ目の“アルカナダンジョン”アレクたちSランクパーティー“終わりなき日々を”は、その調査のため、『夜のない街』レッドローグに向かう。ギルドマスターのローザから明かされた事実。それはー。-突如として多発した“迷宮病”。-出来上がった“アルカナダンジョン”擬き。-その原因に考えられる、“人造ダンジョンコア”の生成。そしてそれらが全て、レッドローグで三年に一度開催される、『炎夜祭』の時期に集中的に起きているということだった。祭りの刹那の中で、“終わりなき日々を”たちが目にするものはー。飼い殺し状態だった元宮廷魔法師の冒険譚、待望の第三弾!
辺境で魔物を倒す役目を負う「対魔貴族」として魔物を倒す日々を送っていたレインは、評価されないどころか唯一の特権すらも奪われ、さらに父からも疎まれてしまったことに疲れ、出奔し遠い遠い村にたどり着く。辺境伯領にあるその村で出会った5人の少女たちの指導役となったレイン。魔物を撃退したり、素材集めに繰り出したり、魔道具造りを教えたり。心安らぐ日常を過ごすレインだが、すさまじい能力を持つため、レインの何気ない行動やちょっとした作成物が、図らずも人の目を引きつけてしまうことにー!?レインのスローライフあやうし!?の開拓ファンタジー、第二弾!
“吸血鬼の国”ブラックオニキス王国へ!地獄炎VS.天獄炎。呪術師フレアの究極奥義が解き放たれ物語はいよいよクライマックスへ!!
“チート級”付与魔術を駆使し、伝説級の剣『燐光竜帝剣』を振るって一躍大陸中に名を馳せる有名冒険者へと成り上がったレイン・ガーランド。次代の勇者候補となったレインは、かつて世界の8割を滅ぼした最凶最悪の竜『光竜王』封印強化のため、偶然出会った伝説級の剣の所有者ヴィクターとともに、ウラリス王国に向かった。だが、時既に遅しー!!復活を遂げた光竜王の圧倒的な破壊力と、謎の美少女二人・ディータとシリルが操る正体不明の能力に対し、追い詰められるレイン、リリィ、マルチナー絶体絶命の危機に際し、ヴィクターが覚醒。そしてレインは究極にして最後の切り札「付与魔術第三術式」を放ったが…!?
「認められません。箱のままであろうとする婚約者も、社交の場に出てこない婚約者も」王国のご意見番と言われる国王の叔父・ニコラス翁が大勢の貴族が居合わせる場で、王子の結婚相手としてモカの『箱』にこもりきりの奇矯な有り様に苦言を呈した。モカ達がニコラスへの対応の練る中、密かに進行する新たなサイフォン王子暗殺計画。「箱入令嬢」モカは勇気を振り絞って、次々と立ちはだかる困難に立ち向かう。初恋の王子との幸せな結婚のためにー!
サラエボ要塞での四ヵ国同盟との決戦のさなか、転移者の猛攻により、壊滅的な攻撃を受けたハイセルク帝国リグリア大隊。転生者である帝国兵ウォルムは、敵軍の総攻撃により意識を失い、苦楽を共にした分隊員の亡骸ごと、墓標と化した曲輪に埋没していた。散った仲間への手向け、祖国への忠誠、仇敵への憎悪。灯る激情は名実ともにウォルムの瞳を濁らせ、冥府の送り火が内部より敵陣を蝕む。攻勢前夜に“鬼火”によって多数の人員と物資を喪失した四ヵ国同盟は、禁忌とされる魔領を焼き払い、人為的に魔物たちの大暴走を引き起こす。繰り返される死守命令。混沌の坩堝と化した最前線に迫る魔物の大波。そして長き眠りから目覚める“意思を持つ天災”-。ハイセルク帝国の存亡を懸けた「防衛戦」が始まる。「小説家になろう」が誇る戦記譚、第2集。
壮年の男女と元教師が四十年ぶりに修学旅行を再現した同窓会を企画する。行き先は涛海灘に浮かぶ弥陀華島、別名星見島とも言われる離島。宴席で久我陽一郎は、当時自分たちの高校をモデルにミステリを書いていたと告白する。その夜、宿泊先で久我の死体が発見される。折悪しく荒天のため、船が運航できず、天候が回復するまで捜査員は来られない。宿にとどまった七人は、一夜それぞれの思いにふける…。彼ら一人ひとりが隠している真実は、事件の全容をあきらかにするのかー。
「オスロ昏睡病」という難病から快復した患者は、身体の一部に薔薇の形をした腫瘍ができる副作用を持つ。35年前に治療法を確立し権威となった医師が殺されたことを皮切りに「オスロ昏睡病」の元患者が次々に襲われる事件が発生。自身もかつてその難病に罹った京都府警の八嶋警部補は、犯人の特定と難病治療がもたらした闇に挑む。
『紅蓮館の殺人』『透明人間は密室に潜む』の阿津川辰海と、『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』の斜線堂有紀が「あなたへの挑戦状」というテーマで小説を書いて競い合う!加えて、競作過程を描いたネタバレ満載の「執筆日記」を収録。阿津川辰海「水槽城の殺人」-巨大な水槽のある円柱型の建物「水槽城」で怪死事件が発生。犯行当時、水槽で現場は隔離されていた。斜線堂有紀「ありふれた眠り」-犯人は犯行後、死体の横で一晩眠っていた。才能あふれる妹を持つ凡人の兄は、とある秘密を妹に話せずにいた。
DV-声を上げられない被害者たちが、今日もどこかで心と体に瀕死の重傷を負っている。暴力夫から命がけで逃れ、江ノ島を望む風変わりなシェルターにたどり着いた紀子。その家には、ある一つの「ルール」があった。絶望の果てを見た女たちが生きる世界。究極のシスターフッド・ノワール。
あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取り拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。誰もが生き難さを抱えるこの世界の片隅にまるで光が溢れでるように紡がれた言葉たち。不可思議で切なく瑞々しい救済と癒しの物語。ささやかでありふれた日常から、服への偏愛、不思議な道行き、怒涛のラストへ。
嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはー。ミステリランキング5冠『medium霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!
東京ティーレックスの絶対エース・矢神大、失踪ー。日本中が大騒ぎになる中、ブルペンキャッチャーの沢本拓は、わずかな手がかりを頼りにハワイへ飛び、ホームレスになっていた矢神を発見する。矢神は記憶障害に陥り、ボールの投げ方を忘れてしまっていた。何とか再起させたいと願う沢本、だが球団は矢神に戦力外を通告する。そんなある日、矢神は自宅の地下で手書きのノートを見つける。そこには自分の投球技術に関する詳細な記録と、奇妙な告白が書かれていた。矢神が昔投げて、人を殺した「消えるボール」は封印する、とー。矢神の豪速球は復活するのか。そして、殺人の告白に隠された驚くべき秘密とは。