出版社 : 講談社
推理作家「私」のもとへ現れた、不審な自称「町おこしコンサルタント」の男。彼は「私」に、町おこしのために小説を書いてほしいと依頼する。小説の力を利用して、寂れゆく町・安楽市を自殺の名所にしたいと嘯くのだ。承諾した「私」だが、密かにその計画を阻止することを決意する。なぜなら安楽市は、「私」の故郷なのだからー。
21世紀に沸く平成日本。海外逃亡していたはずの極左の最高幹部が突然仙台に現れ、公安に衝撃が走った。身柄の移送を担当した公安一課の海老沢は、警察官人生最大の痛恨の失敗を犯す。一方、捜査一課の高峰は目黒の空き家で殺害された元代議士秘書の身辺を探る。被害者の経歴には6年間の不自然な空白があった。新聞記者からの思わぬ情報。死の床にある元刑事の父の言葉。そして海老沢に下った極秘の特命捜査ー事件の様相は一変する。
『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』に続く、「神山藩シリーズ」最新作。 名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子ーー町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。 18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。 さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を追うことになるが、果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。 〜「神山藩シリーズ」とは〜 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。
第169回芥川賞候補作。 鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロスポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習では取り戻すことはできない。現場仕事をこなしたい、そんな思いに駆られ、伊東は……。 “「人の上に立つ」ことにまるで関心がなかった。 自分の手を実際に動かさないのなら、それは仕事ではなかった。” ”お前が一番、火を舐めてるんだよ” ”お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。 お前自身が、誰より馬鹿にしているというのに” 腕利きの溶接工が陥った突然のスランプ。 いま文学界が最も注目する才能が放つ異色の職人小説。
残忍な男によって、目の前で妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。犯人は捕まらず、未解決のまま15年を迎えた。犯人が古書に異常な執着を持っていることを見抜いたユ・ミョンウは、犯人をおびき出すために古書だけを扱う〈記憶書店〉を開店した。そこに現れた4人の怪しい客。「この中に犯人がいる」と確信し、調査をはじめるが……。 家族を失った怒れる男のかつてない復讐劇が、いま始まる。
中国のある町で起こった奇妙な出来事。真夜中、パソコンのディスプレイに「誰かたすけて」の文字が、いくつも表示された。しかも、1軒だけではない。次から次に、異変は連鎖する。何者かによるハッキングが原因かと思われたが、犯人はわからない。日本では、脳科学をテクノロジーに昇華させ「時代」を作ったやり手のIT経営者の妻が、階段からころげ落ち、大怪我を負った。相手の不倫が原因で別居をしていた夫と、妻は久しぶりに会う。そして、気づく。この人は、私が愛したあの人じゃない。別人だ……。メフィスト賞満場一致の受賞作『ゴリラ裁判の日』で注目を集めた著者がおくる待望の第2作。中国と日本を舞台に、予想を裏切る角度と速度で展開するノンストップエンターテインメント!
レッドローグでの一件の解決後。クラシアに、姉ヴァネッサ・アンネローゼから手紙が届く。その手紙を受けて、海上都市メイヤードに向かうアレクたちだが、ヴァネッサは一月ほど前から姿を消していた。どうやら彼女は、錬金術師たちの到達点ー“賢者の石”をめぐる事件に巻き込まれているらしい。彼女を探すため、メイヤードのダンジョンに向かうアレクたち。そこで彼らが邂逅したのはーひとりの少女と。とある男が見た、たったひとつの願望でー。飼い殺し状態だった元宮廷魔法師の冒険譚、待望の第四弾!コミカライズも大好評連載中!
弱小貴族ローベント家の若き当主・アルス。 実は転生者であるアルスは、武力も知識も一般的なレベルだが、 「鑑定」という特別なスキルを使い出自や年齢を問わず有能な人材を集め、重用していた。 攻め寄せた大軍勢を退けたアルスは、 戦後処理を行うとともに、さらなる勢力拡大のための人材発掘を続けていた。 敵対していた勢力からも積極的な登用を行うアルスだが、 そんな中でみるからに裏のありそうな三人組に出会う。 彼らの正体は、そして重要度を増すアルスとカナレ郡はーー!? 小説家になろう 発 大人気ファンタジー、アニメ化も決定の第5弾!
初級職【アイテム師】として『三日月の爪』に所属していたガイウスは 「S級にあがったパーティでは庇って戦えない」という理由からパーティを首になってしまう。 ガイウスは気づいていた。 実際はパーティ内での人間関係上、邪魔になってきたので体よく追い出されただけということを。 しかし、パーティメンバーは知らなかった。 ガイウスと一緒に行く冒険が、どれだけ気遣いのある快適なものだったかをーー! 一方、一人となったガイウスの元に上級職【魔法剣士】の少女ミリアが現れ パーティを組みたいと主張する。 その理由は、ガイウスと一緒にあるダンジョンを攻略したいと言うものでーー。
一子相伝の魔術“全自動・英霊召喚”を駆使するアーシア王国筆頭宮廷魔術師、フレイ・リディア。ガーベラ国王と配下の『英霊』により、古の世界を破壊した「魔獣サイフォス」の復活が、二週間後に迫っていた。最大の危機を前に、戦力強化のため『真実の楽園』を訪れ、新たな英霊たちの力を得ようと奮闘するフレイたち。だが彼らからの協力はなかなか得られず…!?期限が迫るなか、開祖アレクシアの元で魔力強化に励むフレイ。しかし、無情にもガーベラ王と「魔獣サイフォス」による侵攻が開始され、そこに漁夫の利を狙う『青の魔王』一派も現れて混乱はなおも深まり…!?新たなる英霊の力と自らの進化した力をフレイは獲得できるのか!?そして再び危機に瀕した世界と仲間たちを救うことができるのか!?
TVアニメ『実は俺、最強でした?』 ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット ANiMAZiNG!!!枠にて、2023年7月より放送開始! 学校で悠々自適に引きこもっている俺は、可愛い妹シャルちゃんを楽しませるべく、魔神さんを捲きこんで遊ぶ日々を送っている。 そんな中、新たな試練が降りかかった。 四人チームの魔法戦? まあただの学校行事だし大したことないやろ。などと高を括っていたら、謎の! 転校生! 現る! はいそこー、また?とか言わなーい。 なにやら不思議な双子ちゃんがシャルに急接近。焦る俺。舞い踊る魔法少女。巨大魔獣が王都に迫り、合体ロボがひた走る。 そしてついに、因縁の母子の戦いに決着が!? そんなこんなで異世界引きこもりファンタジー第六弾、今回もイモータル☆シャルちゃんの活躍に乞うご期待!(俺は裏方がんばるぞ!) (アニメ情報) ■キャスト ハルト・ゼンフィス:村瀬 歩 シャルロッテ・ゼンフィス:種崎敦美 フレイ:清水彩香 リザ:倉持若菜 イリスフィア:小清水亜美 ライアス・オルテアス:立花慎之介 マリアンヌ・オルテアス:石見舞菜香 ティアリエッタ・ルセイヤンネル:久野美咲 ■スタッフ 原作:澄守彩「実は俺、最強でした?」(講談社Kラノベブックス刊) 監督:直谷たかし 副監督:浅見松雄 シリーズ構成:高橋龍也 脚本:高橋龍也/山田哲弥 キャラクターデザイン:安田祥子 アニメーション制作:Staple Entertainment株式会社 製作:「実は俺」製作委員会 公式サイト:https://jitsuhaoresaikyo-anime.com 公式Twitter:@jitsuoresaikyo
「彼女は実在してる。存在が不確かなだけで、ずっと僕の傍にいるんだ」 大学生の菊理現(くくり・うつつ)が思い出のダイスに触れた途端、長い黒髪に白いワンピースの美しい女性が見えるようになった。 現にしか見えない彼女はしかし、ずば抜けた推理力を持つ名探偵。 藍の花を握りしめて死んだ女性、宗教施設で血を流す大きな眼球のオブジェ。 二人に降りかかるすべての謎は解けている。 あとは、言葉を持たない「不実在探偵の推理」を推理するだけ。 水平思考を巡らせて、「はい」か「いいえ」の答えで真実にたどり着け。 ★絶賛の声、続々!★ こんな手があったか!水平思考ゲームとミステリを融合させる見事な魔法。 ーー我孫子武丸 謎解きはついに超シンプルかつ至高の領域へ達する!イエスorノー? ーー今村昌弘 この設定を「探偵」の形式(フォーマット)に落とし込むなんて……どうかしてます(誉め言葉) ーー井上真偽 とうとう名探偵が消えた。確かに名探偵は推理さえできれば、どんな形でもOK。しかしここまでやるとは。 ーー似鳥鶏 謎を解く思考回路を体験する、これは参加したくなるミステリーだ。 ーー友野詳 水平思考×名探偵、もうこの設定だけで勝ちです。 ーー織守きょうや 不可思議なのに論理的。AIとの対話を彷彿とさせる、現代ミステリの最先端! ーー秋口ぎぐる 名探偵の可能性をどこまで広げられるか、という問いの一つの答えである。不実在であるからこそ、この名探偵は遍在する。 ーー斜線堂有紀 不実在でありながら圧倒的な存在感を放つ探偵に、あなたはきっと魅了される。 ーー五十嵐律人
ミステリー界の最前線がわかる、日本推理作家協会公式年鑑。2022年に発表された短編ミステリーのなかから、プロの目で選び抜かれた珠玉の7作。第76回日本推理作家協会賞短編部門受賞作、西澤保彦「異分子の彼女」も収録!
両親の死の真相を探るため、引きこもり生活を脱し警察官を志した19歳の沖野修也。 警察学校在学中、ある能力を使って二件の未解決事件を解決に導いたが、推理遊び扱いされ組織からは嫌悪の目を向けられることになってしまう。 そうした人々の目は皆、暗がりの中で身構える猫のように赤く光って見える。それこそが、沖野の持つ「特質」だった。 ある日、単独行動の挙句、公安の捜査を邪魔したことで、沖野は副所長室に呼び出され聞きなれない部署への異動を命じられる。 「内閣府国際平和協力本部事務局分室 国際交流課二係」。 そこは人知れず、諜報、防諜を行う、スパイ組織だったーー。 日本を守る暗闘に巻き込まれた沖野は、闇に光る赤い目の数々と対峙していくことになるのだが……。 スパイ小説のシンギュラリティとなる記念碑的作品、ついに刊行。
2022年のあいだに各媒体に発表された全短篇のうち12作品を厳選。コロナと戦争の不安下にある社会と人間の姿を凝視した作家の眼。 解説 金原ひとみ らっきょうとクロッカス 桜木 紫乃 キャンプ 井戸川 射子 二千回飲みに行ったあとに 津村 記久子 文士と夜警 筒井 康隆 砂漠の検問所 池澤 夏樹 パーミション 岡崎 祥久 ママと戦う 西 加奈子 私の労働 町屋 良平 霊たち 三国 美千子 スメラミシング 小川 哲 偶然の本質 辻原 登 家畜人ヤプ子 山田 詠美
第17回小説現代長編新人賞受賞作! ーー1秒が、あなたを変える。必要なのは「1粒の種」。 奇跡の花と不思議な青年をめぐる、再生の物語。 綿来千晶は、息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごしていた。彼女は、偶然入った霊園事務所で日置凪という青年に出会う。親しみやすく価値観の合う凪に、ぽつぽつと悩みを打ち明ける千晶。すると彼は「ひとつだけ、おとぎ話をさせてください。」と「うるうの朝顔」という不思議な朝顔の種を取り出した。 なんでもその花を咲かせると、現実とはほんの少しだけ変わった過去をもう一度体験でき、その瞬間から始まっていた心の「ズレ」が直るという。その夜、千晶には、姉が父に殴られた日の記憶がよみがえり……。 キーアイテムとなるうるうの朝顔の使い方が、不思議な力でズレを修正された人物たちに解放感だけでなく一抹の苦味や寂しさを残すところが味わい深さとなっている。--凪良ゆう すべてのエピソードで、安易な解決ではなく、おずおずと未来に踏み出すなにかが描かれているのに好感を持ちました。 ーー中島京子
行こう、あなたと。 家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出る。 絶賛沸騰の王道ファンタジー! 全国で続々☆第1位☆ 紀伊國屋書店ベストセラー(2023年6月2週・小説部門) 丸善丸の内本店(6/22~6/28 フィクション部門) 三省堂書店池袋本店 (6/12~6/18 文芸書部門) 読書メーター読みたい本ランキング(単行本部門週間 2023年4月28日ー5月4日) ーーー 続々推薦の声! 「この波瀾に満ちた別世界を ヒロインとともに歩めるのは 読者(あなた)の特権です」 ーー田中芳樹(『アルスラーン戦記』) 「魅せられた。 銀呪の地、レーエンデに。 ファンタジーはこうでなくっちゃ!」 ーー柏葉幸子(『霧のむこうのふしぎな町』) 「読後、放心し、 空を見上げ、トリスタン、と呟く」 ーー恒川光太郎(『夜市』) 「これから寝床に入る者は幸福だ。 朝よ来るなと怯える夜も、この物語があればいい!」 ーー紅玉いづき(『ミミズクと夜の王』) 「懐かしい幻想の薫りに浸る、幸せな読書でした。 ーー行こう。恐ろしくも美しい、レーエンデの国へ」 ーー柳野かなた(『最果てのパラディン』) ーーー 〈あらすじ〉 異なる世界、聖イジョルニ帝国フェデル城。 家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。 呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。 空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。 その数々に魅了されたユリアは、 はじめての友達、はじめての仕事、はじめての恋を経て、 やがてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく。
皇帝夫妻の娘として生まれながらも、双子を忌む因習によって捨てられたエルネスタ。 市井で育った彼女の元に、ある日皇帝からの使者がやってくる。 「出奔した姉姫の代わりに蛮族たる人狼王イヴァンの元に嫁ぐこと」 身勝手な勅命を最初は断るものの、育ての母の病気を治すことを条件に引き受けることに。 しかし恐々としながら嫁いでみれば、超絶美形の夫は特に恐ろしいことをしてくるでもなく、周囲の人狼たちも良いひとばかりだった。 しかもエルネスタの庶民根性は、少数民族である人狼族にばっちりフィット。市井で培った明るさと根性が役に立ち、最初は壁のあった彼らとも打ち解けていくことに。 やがて周囲から敬愛される王妃となるのだが、身代わりであるエルネスタはきちんとわきまえていた。 これは双子の姉が連れ戻されれば終わる仮初めの立場なのだから、彼らの好意に甘える気なんてない。 それなのに、なんだか最近人狼陛下との距離が近いのですが……?