出版社 : 講談社
嗤われようが、蔑まれようが、へらへらと笑いつづければいいのよ。それが愛敬芸の第一歩なんだから。つけ火で左腕を怪我した清吉は、大工になる夢と、棟梁の娘との結婚を諦める。自棄になって酒に溺れ、喧嘩を売った香具師の親分に叩きのめされ、香具師として生きることに。親分の息子の失踪、対立する組との抗争、そして幼馴染への想い。清吉の周りには、次々と難題がふりかかる。
美作研究学園都市に傷心の旅から戻った白石と龍造寺。しかし、学園は鬼神の巣窟の如き有様だった。“有鬼派”大生部の不気味な活動。『本草霊恠図譜』を守らねばならない。奇妙な伝承のある牛首塚古墳の発掘、謎の予言メール、驚愕の陰謀が進んでいた。“蠱猫”小夜子たちは阻止すべく戦う。衝撃の妖怪伝奇小説。
断崖絶壁に建つ曰くつきの洋館。少女・砂波の父が購入するという。あまりにも怪しげなため、探りに行った彼女を待っていたのは甲高い悲鳴と、長い髪を振り乱し海を歩く者。いったいこれは?依頼を受けた美形の妖探偵達が調査に出向いた先で、陰惨な殺人事件が起きてしまうのだった。大人気シリーズ第12作。
ベルリンの壁が崩壊し、世界が冷戦終結に向けて動き始めた一九八九年暮れ、機甲師団の将軍が死体で発見された。場所はうらぶれたモーテル。重要な会議に向かう途中、なぜ片道五〇〇キロの寄り道をしてそんな所に行ったのか?続いて彼の妻が遠い自宅で、デルタ隊員が基地内で惨殺される。英国バリー賞最優秀長編賞受賞作。
世界各地の米軍警察指揮官が一斉に異動させられていた。パナマからノース・カロライナへ突然転属になったリーチャーもその一人だった。誰が、何のために?死んだ将軍が出席するはずだった秘密会議の議題がすべての鍵を握る。激変する時代の波にもまれる軍の指揮を離れ、リーチャーは真相を探り始める。英国バリー賞最優秀長編賞受賞作。
31歳になった。遠距離恋愛中、年下の彼は何も言ってくれない。不安を募らせて、彼の住む町・稚内をこっそり訪れた真穂子は、地元の人たちの不思議なパワーを浴びて、なにやら気持ちが固まっていくーー。30代独身女性のキモ焼ける(じれったい)心情を、軽妙に描いた小説現代新人賞受賞作を含む、著者の原点、全5編。 吉川英治文学新人賞(『田村はまだか』)受賞作家の原点。31歳になった。遠距離恋愛中、年下の彼は何も言ってくれない。不安を募らせて、彼の住む町・稚内をこっそり訪れた真穂子は、地元の人たちの不思議なパワーを浴びて、なにやら気持ちが固まっていくーー。30代独身女性のキモ焼ける(じれったい)心情を、軽妙に描いた小説現代新人賞受賞作を含む、著者の原点、全5編。
世界が認めた名経営者盛田昭夫。町工場だった東京通信工業を皮切りに、テープレコーダー、トランジスタラジオなど常に時代の先頭を走り続け、ソニーを世界ブランドに成長させたその手腕。製品開発、アメリカ進出、商標裁判…笑顔で壁を次々に越えていく盛田の隣には、居並ぶ一騎当千の強者たちがいた。
南青山でのPRの仕事や、幼馴染み・フユちゃんと出かける金曜日の夜。充実しているはずの毎日に、なぜか励奈は何かが欠けているように感じていた。そんなとき間違い電話で偶然聞いた英語のメッセージが、思いがけなく新しい自分に出会う旅へ彼女を誘う。
情熱を込めた語り口は周囲の人を動かし、最前線を歩き回る行動力が、やがて“安かろう悪かろう”だった日本製品のイメージを払拭していった。財界人となってからもマーケットの創出に心を砕いた盛田昭夫。経営、販売、開発に関わるすべての人に、困難を乗り切る知恵と勇気をもたらすドキュメント小説1700枚。
人気作家6人が綴る 女と男と車の物語 出ていってやる、私は車に乗り込んだ/美しい老婆ミナミの運転に僕は命を預ける/愛犬ブランと最後のドライブ/2ヵ月前に出ていった透の愛車が部屋の前に/私は恋の終わる地点をめざし、アクセルをふんだ/いつものCD、だけど湧き上がる怒りと失望ーー6人の人気作家が車をモチーフに描いた珠玉の恋愛小品集。 “6つの愛”が走りだす! 角田光代「ふたり」 大道珠貴「ゆうれいトンネル」 谷村志穂「風になびく青い風船」 野中柊「たとえ恋は終わっても」 有吉玉青「BORDER」 島本理生「遠ざかる夜」
「現実とネットの関係は、銃を撃つのに似ている」。ネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。初対面のその日、本間が打ち明けたのは、子どもの頃の忌まわしい記憶と父の遺した拳銃のことだった。二人を監視する自転車に乗った男。そして銃に残された種類の違う弾丸。急逝した著者が考えていた真相は。
周到に張りめぐらされた言葉が、不穏な予感を暴発させるーデビュー以来、日本文学の最先端を疾走し続ける阿部和重の危険な作品世界は、いまや次々に現実となっていく。今だからこそ読みたい初期の傑作6作品。3人のゲームクリエイターによる語り下ろし特別座談会“阿部和重ゲーム化会議”を巻末に収録。
冬の八ヶ岳山麓の別荘で、猪狩家の令嬢・静香が逆さ吊り死体で発見された。凄惨な密室殺人は別荘を恐怖の渦に巻き込み、そして第二の被害者が出てしまう…。一冊の日記帳によって明らかになる猪狩家の悲しく暗い過去。事件解決に挑む青年探偵・信濃譲二は完全犯罪を暴けるのか!?傑作長編推理第二弾。
警察組織からの落伍者たちを飼い殺しにしていると噂される動坂署。思いがけない転任に不貞腐れて署内で寝伯まりする雨森は、たまたま聴取した些細な傷害事件の被害者である女子大生の部屋を訪ねて死体を発見する。開署以来初めて捜査本部が置かれたものの、主導権を奪われた署員たちは秘かに動き出した。
風呂の撹拌棒を人にあげたがる女、鋸を上手に使う娘、北の湖を下の名前で呼ぶフランス人、そして空気の抜けるような相槌をうつ主人公…。自覚のない(少しだけの)変人たちがうろうろと、しかし優しく動き、語りあう不思議なユートピア。柔らかな題名とは裏腹の実験作でもある、第一回大江健三郎賞受賞作。
ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、小学生の麻由から弁当を手渡される。巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、運命を加速度的に転落へと向かわせる。見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちるとき、人は自分を守れるのか!?驚愕の心理サスペンス。
「人間じゃないでしょ」と、老女に髪を切られた直後いきなり言い当てられた死神。彼女の「一生のお願い」は一日だけ、若いお客を五人ほど連れてくることだったー「死神対老女」(伊坂幸太郎)。三崎亜記「バスジャック」、北森鴻「鬼無里」、米澤穂信「シャルロットだけはぼくのもの」、芳醇なミステリーの競演集。
けれどーーもうおしまいだ。 「戯言シリーズ」最終章! なんだかんだ言いながらも始まってしまえば我慢できるし、四の五の言っても終わってしまえば耐えられる。しかし人間は中途半端な中庸だけは我慢することができないし、勿論耐えることもできなくて、それなのに人生ときたら最初から最後まで永遠に続く中だるみみたいなものだから、これはもうまったくもってやってられないと言うべきだ。ひとたび口にしたことは、それがどんな荒唐無稽な世迷事であったとしてもひとつ残らず実行してきた誠実な正直者、つまりこのぼくは、10月、数々の人死にを経験する。奪われたものを取り戻すような勢いで、せき止められたものを吐き出すような勢いで、死んで、死んで、みんな死ぬ。それは懐かしい光景であり、愚かしい光景であり、見慣れた風景であり、見飽きた風景だった。結局、終わりとはなんだったのか。結局、始まりとはなんだったのか。戯言遣いはその程度のことにさえ思い至らず、しかしどうしようもない戦いだけはどうしようもなく続き、そして中断などありうるはずもなくーー戯言シリーズ第6弾 第十幕 橙なる種 第十一幕 休養期間 第十二幕 保険と防御 第十三幕 否定の裏切り 第十四幕 無銘 第十五幕 無防備な結末 第十六幕 前夜