出版社 : 講談社
正義感と人情に厚い岡っ引、騒々しい子分の八五郎を供に、窮地は名人芸の投げ銭で切り抜ける、ご存じ銭形平次。若い娘が化粧品屋で次々と消える『金色の処女』、与力一家に崇る化物の怪『復讐鬼の姿』、輿入れ途上の花嫁が相次いで誘拐される『七人の花嫁』など、江戸情緒たっぷりの妖奇と謎。初文庫化作品を中心とした初期傑作十編。恋女房となるお静とはまだ許嫁の仲。全編にみなぎる若き平次の魅力。
娼婦ライラのベッドで、ブリーム神父が腹上死した。“やもめで片目でアル中気味”の私立探偵ラルフ・ポティートは、階上に住むライラの頼みを断れず、神父の死体を教会に運ぶのを手伝う。その直後、彼女の部屋が突然ガス爆発。本人は大火傷を負う。事件に巻きこまれたポティートは、教会と神父の謎を追う。
鉄道警察隊に勤務する江戸川警部の恋人、小夜香が何者かによって誘拐された。犯人からの電話で囚われの彼女は「グッドバイね」という謎の暗号を残す。だが、奇妙なことに突然彼女は解放された。実はそれが事件の始まりだったのだ。今度はその誘拐犯がランドマークタワーで殺された…。長編ミステリーの傑作。
6つめの「館」への御招待ー自分が何者なのか調べてほしい。推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。手がかりとして渡された「手記」には彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。しかも事件が起きたその屋敷とはあの建築家中村青司の手になるものだった。惨劇に潜む真相は。
陽光降りそそぐフロリダ・キーウェストでくつろぐマフィアのドン。老い先短い父に自伝執筆を勧める愛息ジョーイ。やがて、ゴッドファーザーは重い口を開き始める。が、そこに厄介ものの兄が、愛人連れでやってきて、トラブル発生。英国推理作家協会ラスト・ラフ賞に輝く、オフビート感覚の熱血クライム・ノヴェル。
高松を20時36分に出発した寝台特急『瀬戸』は一路、東京を目指した。偶然に個室の向かいあう席に坐った高校時代の同級生の若い男と女。その女が死体となって発見されたとき、列車は、走る“鋼鉄の柩”と化した。女蕩しの民間調査員鏑木一行が、美人の不審死体からバイオレンスな手法で隠れた犯人を割り出す。
元法務大臣・榎木雪夫の孫が誘拐された。1億円の身代金奪取のため犯人が仕掛けた巧妙狡猾なトリック。もうひとつの悪辣怜悧な陰謀。雪夫の義父で“昭和最後の怪物”と呼ばれる政界の重鎮・大河原善造一族の封印された過去が翳を落とすなか、事態は元秘書・平岡道義の業火の記憶と交錯していく。
ムーミン童話(トーベ・ヤンソン著、全8巻)の主要登場人物、語句、フィンランドの自然および文化的事項等について解説したもの。排列は見出し語の五十音順。解説文中の引用箇所および作品と関連する箇所には、その作品名の略名と章数を示す。底本は青い鳥文庫(講談社)。巻末に事項索引がある。-おとなから子どもまで、すべてのムーミンファン待望の事典。
「ヘンリー、今晩、戻ってきて」本書には、16歳の少女(マーガレット・ミッチェル)が初恋のポーイフレンドに捧げた愛の小説と純粋な気持ちを綴ったラブ・レターが入っています。
紘道館の俊英姿三四郎に、苛烈な試練が次々と襲いかかる。柔術諸派との興廃を賭けた対決につづくアメリカ人ボクサーとの変則的な興行。その陰には、怨みを越えて彼を慕う乙美を身売りから救おうとする強い決意が秘められていた。だが、金銭を得る興行は、紘道館からの破門を意味していた…。快男児の激情と懊悩を、柔道の苦難の青春期に重ね合わせて描く渾身のロマン、いよいよ波乱万丈。
淀君こそ史上最高の美女。雑誌編集者の誠之助が大坂城趾で艶麗な姿態を夢想したとたん、石垣は崩れ、彼は慶長十九年の城内にタイムスリップした。洋服姿から切支丹と疑われるが、歴史知識を活用、神の予言者として信頼と人気を集める。そして、ついに憧れの淀君の寝所へ招かれた。だが、彼も歴史を変えることはできなかった…。SF的発想と確かな史眼で、落城の悲劇を軽妙に描く異色の快作。
河童を思わせる愛嬌者、曽呂利新左衛門は、堺でも知られた鞘細工の名人だった。信長の知遇を得るはずの日に起きた本能寺の変が、彼の運命を一変させた。雑賀衆の軍師として秀吉軍と戦い惨敗、堺に舞い戻った彼を、突然秀吉が訪ねてきた。猿面と河童面の奇妙な交流が始まる。その陰で、淡い恋が生まれ、消えた…。戦国乱世を、才覚と度胸で飄々と生きた奇人の姿を、骨太に描き出した歴史小説。
自然と動物を愛した夢見がちな少年は、イギリス社会でウェールズ人ゆえに差別を受けながらも、腕っぷしの強い「反逆者」に成長したー。本書は、著者が「フィクションではない」と断言する渾身の自伝的小説集である。中学校教科書に採用された「プリンス」含む、学校嫌いだったニコル氏の少年期描く15篇。