出版社 : 講談社
訳の分からぬ“大がかりな”事件を調べるりんの元へ訪れた青年みはるは、人の心の奥にわだかまる不審事を当人に推理展開させ、真相を喋らせてしまう“超能力者”だった。みはるの周辺では、浮気、脅迫、殺人と様々な事件に潜む真相が、泉が湧くように顕わにされる。さて、りんの掴んだ“大がかり”な真相の連鎖とは。
青年医師が、治療に、殺人事件の解決に、存分の腕を揮う「ローマ詩人の死」、美貌の助産婦が連続殺人の真相に迫る「アテナイの惨劇」ほか、「ベルリンに消えた女」「ロンドン・霧の底の殺人」を収録する異色作品集。
六本木の中心に劇場を構える劇団・演劇座。硬直化した状況の大掃除役として脚本家・河野圭子に白羽の矢が立つ。ゲーテの「ファウスト」を旧友の団員・熊田のメフィストで、上演しよう。圭子の想いは深まる。が、熊田は現われない。俳優の基本は肉体。俳優に必要なものは華。演劇の原点を問い直す圭子の格闘の日々が始まった。
日本にもシャーロック・ホームズはいた。江戸の風物、人情に関する綺堂の豊かな造詣と限りない郷愁を身にまとった神田三河町の岡っ引・半七の名推理は、大衆文学史に、“捕物帳”という魅力のジャンルを拓いた。江戸ならではの怪事件の謎を通して、この街に生きた人びとの息づかいをも活写した探偵譚六十八編から、江戸市井物に才筆を振るう直木賞作家が十編を厳選、雑誌発表時の挿絵とともに贈る。
晩秋の能登のホテルの一室で美しい人妻が服毒死した。室内には青酸ソーダ入りの缶ジュースとルームキーが転がっていた。第三者の出入りが不可能なシングルルーム…。しかし、ルポライター浦上伸介は自殺に見せかけた他殺だと確信する。絞りこまれた容疑者には、鉄壁のアリバイがあった。本格アリバイ意欲作。
他人の心を読む超能力を植え込まれたベン。彼は義父のシンクレアが大金を横領し、前KGB議長オルロフと極秘に接触していたこと、そして地球を救うため「賢者たち」が企んでいるある計画を知らされる。だがその裏には恐るべき野望が隠されていたー。最終戦争へ向かう人類の危機を克明に描く大ドラマ。
CIA長官ハリソン・シンクレアが交通事故をよそおって殺された。元CIAのベン・エリソンはその一人娘モリーと結婚、いまは辣腕の弁護士となっているが、ある日上司から見知らぬ男を紹介され、数々の試練の後極秘の任務を言い渡される。それは世界を震撼させた大陰謀に係わる、危険極まる作戦だった。
大破局のショックで部分的記憶喪失に陥った如月烏有は、寺社に繰り返し放火して回復を企る。だが焼け跡には必ず他殺死体が発見され、「次は何処に火をつけるつもりかい」との脅迫状が舞い込む。誰が烏有を翻弄しているのか。烏有に絡む銘探偵メルカトル鮎の真の狙いは。ミステリに遊戯する若き鬼才の精華。
金剛神に育てられた仁王丸は、契りを交わした風神の娘・嵐とともに巨鳥・魁に乗り、生き別れになった妹を求めて地上に一番近い天界、須弥山へと向かう。途上、凄絶な地獄めぐりを体験した仁王丸の前に今度は、業火に包まれた四魔の関が立ちふさがる-。壮大なスケールで描く日本人のニューバイブル、第2巻。
『私はいったい何を怖れているのだろうか…月の光を溶かして、うず潮は昏く流れている。』幼い子を抱え料理屋で働く戦争未亡人の高浜千代子は、ジャワから復員して妻をなくした男杉本晃吉を知って荒涼とした敗戦直後の東京で三人共に生きようとする。一九四七(昭和二十二)年、戦後初の新聞小説として執筆、戦争で傷ついた庶民を温かく描いた家庭小説の名篇。
混沌都市(ケイオスシティ)、新宿歌舞伎町。狂気を胚胎し、魔人をも現出せしめる力場(フィールド)に、一つの捩れた意志が生まれた。退屈な暮しに倦んだ中学生四人が、その磁場に招ぜられ、狩りがスタートする。θ(シータ)と呼ばれる物体を操る怪人から逃れ、迷い込んだ奇妙な雑居ビルで四人を待っていたのは。田中芳樹氏推薦の新冒険ロマン。
バイカル湖の近くの氷原に建つ《吹雪の館》が忽然と消える家屋消失トリックの佳品「ロシア館の謎」。欧米では日本の麻雀と同じほどポピュラーな遊びであるコントラクトブリッジのパーティという衆人環視の中での殺人に挑んだ長編書下ろしの力作「劇薬」。名探偵二階堂蘭子の推理が冴える初の作品集。